魔化魍育成日記   作:マデリアン

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 風邪ひいたかな? って感じるマデリアンです。これ読んでくださっている読者の皆々様、季節の変わり目気を付けてくださいね。
 そんなこんなで7話、前回怒られてしまったレイナーレはどうなる事やら。若干罪悪感が心に刺さる重春君の行動とは!
 伏線っぽくそれっぽい言葉を並べた所で、ではどぞー


巻の漆 話し合いでご招待

 重春はひとしきり叱った後、気まずい空気の中食事を終え、机を挟んでレイナーレの話を聞くことに。だがレイナーレは先ほどの雷で委縮してしまい、話し合いと呼べる状況じゃなくなっていた。

 

「あーえっと? 昨日の現場を見られたから記憶を消去、または俺を殺害そういうこと?」

「あ、はい、そ、そうです……」

「はぁー」

 

 その溜息に肩がビクッと跳ねるレイナーレ、また何か怒りに触れるような事をしゃべったのか!? すぐに謝らなくては! でも謝ったらまた怒られる……と思考が負のループを始めだす。

 その様子を見て重春は

 

「あー、今日は一旦帰れ」

「へ? 帰るですか?」

「そ、今はさっきの事もあって俺もまだイラついてるし、こんな状態じゃ話し合いなんて無理無理」

 

 だから帰れと告げる。そのことにまだ混乱している頭で少し悩み、レイナーレはおとなしく帰ることに決めた。

 

「明日のな、うん6時ごろに来てくれ、その時間だったら俺いるだろうし」

「6時ですね、わかりました」

「あーそれと玄関から来てくれよ? 解ってるだろうけど」

「は、はい! げ、玄関ですね!!わ、わっかりましたぁ!!」

「おう、じゃまた明日」

「は、はいぃ! お騒がせしましたぁ!! お邪魔します! じゃなくて、お邪魔しました!!」

 

 玄関から出て行ったレイナーレは逃げるように、空へと飛んで行った。黒い羽はまき散らしていなかったのは重春にとってちょっと好印象、主に掃除をしなくてもいいという面で。

 

 

 

 

 次の日の午後6時、重春はぼけぇっとソファで、録画したアニメを消化していると玄関の呼び鈴が鳴る。

 

「お、来たか……はいはーい、今出ますよーっと」

 

 鍵を開けるとレイナーレが来ていた。ただ昨日と違うのはボンテージのようなエロいコスチュームではなく、黒で統一された私服で、胸元の花柄のブローチがワンポイントアクセとして光っていた。

 

「昨日は大変失礼しました!! こちらは謝罪として持ってきました!! ど、どうぞです」

「反省したんならいいですよ、ありがとうございますレイナーレさん。さぁ上がって……そちらは?」

「あ、こちらは……私の仲間……です」

 

 呼んだのは1人なのに何で連れてきたん? という意味を込めて重春が目を細めると、レイナーレは面白いように委縮し小さく震える。よほど昨日の雷が聞いたと見える。

 

(いい反応……面白い)

「え、あ、その……わたし一人で、いいと言ったんですが……」

「ついてきちゃったと? 普通1人で来るはずですよ、ね?」

「!! あ、そ、その……すいません!!」

(耐えろ、俺……にやけそうな顔を耐えるんだ……)

 

 小動物のような反応をするレイナーレに、顔がゆがみ始める。少し楽しくなってきたが、横から出された声によりさえぎられた。

 

「すまないが、これ以上うちのリーダーをいじるのは止めてくれないか?」

「あんたは?」

「私はドーナシーク、彼女と同じ堕天使だ」

「同じくカラワーナ、堕天使よ」

「ミッテルトっす! 堕天使っす!!」

「えっと、いきなり言われても……あードーナシークさん?」

「なにか?」

「飛び入りですけどいいですよ。うちの家にようこそです。訪問の連絡受けてなかったんで、碌なもん用意できないですけど」

 

 4人の堕天使を家に招き入れ、リビングまで案内する。自由に座って寛いでくださいと重春がお茶菓子の用意の為いったん離れる。その時

 

「ん?」

「がぅっ!」

「なにかしら?これ」

「イタチ……っすかね?」

「だが三つ首だぞ?」

 

 鎌田さんがひょっこり顔を出した。実はこの家、誰も家に招いた事は無いのだ。クラスの友達ももちろん八雲も北尾も、だから鎌田さんは重春以外の人間を見たことが無かった。しかしこの4人人間ではなく堕天使である。

 

「あ、鎌田さんそんなとこに、迷惑かけちゃダメですよー」

「がぅ!!」

 

 盆にお茶と菓子類を乗せて戻ってきた重春に、鎌田さんはまたも突進し脛を斬りつけて去っていった。その速さまさに風の如く。

 

「あーまた斬られた、大丈夫でしたか? あの子がなにかしたとか?」

「い、いえ。じゃれついてきただけですし……」

「てか、あんた傷! 足思っきり斬られてるっすよ!? 大丈夫じゃないのはあんたっすよ!?」

「こ、こら! ミッテルト、礼儀正しくしなさい!!」

 

 何でもない事のようにふるまっていると、ミッテルトと呼ばれた堕天使が血がダクダクと流れる足を指さす。

 

「あー大丈夫ですよ、いつもの事なんで」

「いや! 血が思いっきり、流れ……て、無い!?」

 

 はっはっはと朗らかに笑い、盆の上のものをみんなの前においていく。堕天使たちはその回復力に絶句する。

 

「あの」

「はい? えーっと」

「カラワーナです、失礼ですがその回復力は……」

「あぁこれですか? 何といいますか、メダルの副産物ですかね」

「メダル、神器(セイクリッド・ギア)ですか?」

神器(セイクリッド・ギア)?」

「簡単に言いますと、神が作り、神が我々に与えたもうた、まぁ一種の才能のような物ですわ」

「ほぉ……才能ですかー、これに関してはいつの間にかってこと何で、まぁ重宝するなーぐらいですし、それに」

「それに?」

「さっき言ったようにこれは副産物ですし」

 

 堕天使たちの目の前で重春はその姿を変貌させる。その姿に一同は驚き、レイナーレは昨日の事を思い出し小さく震える。彼女のトラウマになってしまったようだ。そして胸から1枚メダルを抜き出し皆に見えるように手のひらに乗せる。

 

「『銀と重量級の王(コア・ガメル)』そう呼んでます。この姿の時はそこから取って『ガメル』という名前で呼んでます」

(なんというパワーだ! 近くで見ているだけで、これを奪い取りたくなるほどの魅力が!!)

(なんて美しいんでしょう……これが自分のものになれば……)

(サイっすかね? 真ん中に描かれてるのは)

 

 サイ・コアを暫く見せて、自分の胸の中へ取り込み戻す。その様子を見てドーナシークとカラワーナがちょっと残念そうな顔をする。

 

「まぁこれのおかげでさっきの回復能力が手に入って、あとごく小さなものですが重力も操作できるようになります」

「重力ですか……?」

「はい、とはいってもちょっと重いな? ぐらいの軽いものですけどね。あとこれには副作用があって」

「副作用?」

「欲が、満たされなくなるんですよ」

「満たされなく?」

「えぇ、ものを食べても味が解らない、音を聞いてもノイズがかかったようにはっきり聞き取れない、視界に入るもの全てがモノクロで映る……だから満たされないんですよ自分の欲望が」

 

 にっこりと笑う重春にドーナシークやカラワーナは戦慄した。欲が満たされないと言う事はつまり心がずっと乾いたままで、モノのような存在になると言う事だ。堕天使は元々天使であったが、欲というものを知り堕天した姿で、ゆえに欲望がどれだけ素晴らしい事か知っている。それを全て取り上げられると言う事は、死ぬことよりもずっとはるかに恐ろしいものだと感じ取った。

 

「まぁ自分の場合、イレギュラーなことがありまして」

「イレギュラー?」

「はい、さっき言った副作用が無いんですよ」

「副作用が無い? それはつまり」

「食べて味を感じて、音がきれいに聞けて、視界に移るあなたたちは鮮やかで……満たされるんですよ」

 

 まぁイレギュラーな事なので、いつか感じなくなってしまうかもしれないですねと笑顔で答える。

 

「んじゃ、昨日の話の続きと行きましょうか? あ、お茶とお菓子どうぞ召し上がってください」

 

 ガメルの姿から元の姿に戻り、話をもとに戻した。

 

「ようは自分の中からあなたたちの記憶を消すか、俺が死ぬかですよね? でも死ぬのは嫌ですし、もしそうなったら……精一杯反抗します」

「ですよね、だろうということで3つめの案を」

「3つ目のですか?」

「はい、それはお互い見なかったことにして、忘れましょうということです」

「見て見ぬふりっすね?」

「早い話そうですね」

「いいですよ見て見ぬふり。難しくあーだこーだ言うよりずっとシンプルでいいです」

 

 話はすぐに纏められて終わった。その後堕天使はこの町でやる事があるのでと急いで帰る事になった。

 

「あーそうだ重さん」

「重さん!?」

 

 堕天使の1人ミッテルトが帰り際に話しかけてくる。実はこの話し合いの最中、ずっと鎌田さんやくーさんゴリさんと遊んでいた。

 

「また遊びに来てもいいっすか?」

「話聞いてたかな!? 見て見ぬふりしようって話だったんだけど!?」

「えー、かまちゃんとせっかく仲良くなったのにー」

 

 ぶーと頬を膨らませて抗議した。その時重春の耳は重要な単語をキャッチする。

 

「仲良く? 鎌田さんと?」

「そっすよ? ちょーじゃれついてくるんでめっちゃ可愛かったっす!!」

「くそぅ! くそぅ!」

「ちょ!? どうしたんすか、突然崩れ落ちて!」

 

 鎌田さんは何時まで経っても重春には懐かない、のにも関わらず今日来たばかりで、しかも初対面の女の子に懐いた。この事実は飼い主である重春の心をへし折るには大きな衝撃だった。

 ゆらりと立ち上がり、ミッテルトの肩を掴む。

 

「ヒッ!」

「ミッテルトちゃん……」

「ハ、ハイ!!」

「まず君の気が向いた時でいい……家にさぁ、遊びに来ない?」

「ハイ! ……え?」

「いやね鎌田さんって俺に懐いてくれないんだよ……抱き着こうとすれば逃げるし、抱きしめたら噛むし、最悪斬られる」

(それ、構いすぎてるからじゃ)

「でね思ったんだ、君を見てたら懐かせる方法が解るんじゃないかって」

「いやでも! 見て見ぬ振りしようってさっき決めましたよね!? 重春さん!!」

「こまけぇこたぁ良いんだよ!! 鎌田さんが俺に懐いてくれるかもしれないんだ!!」

 

 レイナーレが先ほど決めた約束を持ち出すが、頭から飛んでいるらしくどうでもいいと言い出す。カラワーナは1人、あんなもんあって無いような取り決めだし。と心の中で思った。

 結果!

 

「じゃ、じゃあ……時間の開いてる時に遊びに来ます」

「オッケェ!! あ、じゃあこれ俺のメルアドと携帯の番号、こっちは家の電話。来るときは一言欲しいです!」

「あ、ハイっす……で、では……また」

 

 4人は昨日のレイナーレと同じく翼を羽ばたかせ飛んでいく。その姿を見送り、玄関で見送りに来ていた鎌田さんに飛びつく。

 

「鎌田さーん!! 俺にも懐いてくれぇー!!」

「がぁぁぁぁ!!!」

 

 危うく重春の首がすっ飛びかけた。




 もはや原作主人公のエロ猿の”え”の字も出てこない事態に。気にはしてない。だってこれ魔化魍をペットとして飼おうって小説だし。かまへんかまへん!
 いつも読んで下さる読者の皆様、ありがとうございます。文章レベルの成長は遅いですが、精進します。
 感想をくださる方々もありがとうございます。一つ一つ読んでニヤニヤしています、1つでも感想が来ると嬉しいので、ついにやけてしまいます。

 ではまた次回ーも呼んでいただけたらいいなって、さよならです。

今いる魔化魍
・カマイタチ
・くらげ火
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