インフィニット・ストラトス~黒龍の牙~(凍結) 作:鈴木颯手
「・・・それではこれより実験の成果を発表します」
反乱から三年が経った。今日は旧東京都にある研究所で実験の発表が行われている。
これには皇帝のルグルト・サルフや地区責任者のジェイムズ他たくさんのお偉いさんが参加している。
「・・・とその前に研究テーマの確認からやって行きましょう」
発表している博士は一旦一息ついてから話始める。
「知っての通りISは素晴らしい兵器でありますが重大な欠陥として『女性にしか扱えない』があります。そのせいで世の中は女どもが威張り散らす女尊男卑の世界となりました。一応男でも扱えるものはいますがその数はあまりにも少なすぎます。現在帝国の所持しているコアの数は800。対して男性操縦者はわずかに8人。遠隔及び無人機の案も出ましたがこれはどれも途中で中止されています。そこで我々は『男性が誰でも使えるようにする』をテーマに帝国建国前から研究してきました。そして今日その努力が実ったのです!」
博士は段々興奮していき最後の方は殆ど怒鳴り声だった。
「それでは発表しましょう」
博士がそう言うと博士の後ろの壁が上へと開き真っ白い部屋が現れた。その部屋は窓で区切られていた。
「それでは失礼します。あ、あ~。・・・よし。検体308、249入れ」
博士がマイクでそう呼びかけると左右の扉から二人の少女が現れた。二人ともにボロボロの検査服を着ている。髪はぼさぼさで体はいように細く目は死人のように生気を感じさせなかった。
「彼女たちは元はIS学園の生徒でして適正ランクがBです」
「今回のテーマを完遂するにあたり考えたのが『心臓をISコアにする』と言うものです。これなら理論上男性でもISを使うことが出来るようになります。しかしそれにはかなりの確率で拒絶反応を起こしたりISコアから流れ出てくるエネルギーを処理できずに自壊したりを起こしました。彼女たちはそんな事が起きずに耐え抜いた強者です」
「そして見事ISコアを取り込めたものは身体能力が飛躍的に上がり並列思考をも可能とします。それではデモンストレーションを始めようと思います。両者はじめ」
その言葉を聞いた二人はお互いを殺そうと持っているナイフで相手を殺そうとするも両者決定打にかけていた。
その様子を見たお偉いさんは驚愕の表情をしていた。
そんな中で旧日本責任者のジェイムズ・アイアンサイドは口を開いた。
「・・・確かにISコアを人に埋め込めば男性でも使えるようになるが拒絶反応ばかり起こす可能性もあるのではないか?」
「はい、その事については既に考えております。我々の開発した装置で調べるとあら不思議、ISコアのエネルギーに調べた人がどこまで耐えられる亜判るのです!これでエネルギーに耐えきれず自壊することも無くなります!」
「ふむ、確かにこれなら男性でも扱えるな」
「しかし、残念ながらISコアを移植してしまうと人間として必要な事がなくなります。食事や睡眠も必要なく病気にかからなくなりケガもすぐに治ります。ISコアの手入れをしていれば寿命もなくなります」
「それの何がいけないのだ?」
「実はこれには続きがあります。これをやるとしばらくは大丈夫ですが段々感情がなくなっていき最後には命令されたことのみを実行するただの道具となり果てます。彼女たちにはその予兆が見えています」
博士のいう通り彼女たちはいまだに相手を殺そうと戦いあっていた。
「勿論俺にも例外はいますが・・・、この実験を受けた検体500人のうち300人が死亡、160人が道具と化しました。そして自我を保てたのはわずかに40人です。そのうち27人は正確に異常をきたしました」
「正常なのは約50分の1、か。少ないな。しかしこれらはすべて女であろう?男の実験はこれからか?」
「いえ、既にそちらの実験も完了しています。100が実験を受けた結果80人が正常な動きをしています。残りは道具と化しました」
「自壊したものはいないのか?」
「はい、先程申した装置のおかげで強弱は出て来たものの全員が適合できています。しかしさすがに精神まではどうしようもありませんでしたけども」
「・・・これなら計画を実行できそうだな」
博士とジェイムズの問答を無言で聞いていたルグルトが静かに答えた。ルグルトの言葉で部屋に一同黙る。
「・・・我々はこのような世界を繰り返さない為にこの計画を進めている。この計画が成功すればこのような世界になる事はない。我々はそれを行うのだ」
ルグルトの言葉に一同がうなずく。
「それでは完了次第計画を実行しよう
『篠ノ之束抹殺計画』をな」