東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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ついに本編突入です!

詠夢は苦労人ポジですね。

※2016/01/05 リメイクしました


姉の気持ち、弟の気持ち

「霊夢起きてー」

 

「私はまだ寝たいのっ!」

 

「あーーもうっ!じゃあ、行ってくるからね!」

 

「いってらっしゃーい!おやすみー」

 

「おやすみーじゃなーい!」

 

いきなり漫才のような会話が神社に響く。

 

今は朝の6時。

 

5つ上の姉、博麗霊夢を起こすために閑古鳥が鳴く博麗神社の全てに大声が響くほどの声を出すのは、博麗詠夢。まだ11歳、身長は……まあ、察してほしい。とても小さく、みんなに小馬鹿にされたりするのだ。

 

まあ、神社に住んでいるからには霊夢の仕事は巫女なのだが、だいたいは神社でぐーたらして過ごしている。

 

姉の霊夢は面倒くさがりやで、弟の詠夢には迷惑を掛けてばかりである。口癖は

 

『えーめんどくさーい』

や、

『詠夢やって私疲れたわ』

だ。

 

それでは生計が立たないと危惧した詠夢は数年前から働き始めた。

 

朝早くから自分の職場へ行く。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

仕事が終わり、詠夢は買い物中。今日はたまたま早く上がれたので(と言ってももう18時なのだか)ゆっくりと夜ご飯の買い物をしていた。

 

家に帰るともう19時を回っていた。

 

「ただいまー」

 

という詠夢の声と同時に霊夢が居間から叫ぶ。

 

「早く夜ご飯作ってよーおなかすいたー」

 

「それなら霊夢がやればいいじゃん」

 

「えーめんどくさーい」

 

いつもの口癖がここでも出る。そして詠夢が居間へと行くと、またもう1人、夕飯を待っている人がいた。

 

「間違えるなよ。3人分作るんだぜ?」

 

「そんぐらいわかってるよ魔理沙。」

 

霧雨魔理沙。霊夢の親友(霊夢曰く腐れ縁)で、普通の魔法使いだ。

 

「おお!話が分かるやつだぜ!誰かとは違って」

 

そんな会話にうんざりしながら、着々と夕飯を作る。

 

そんな毎日が続いた。

 

……はずだった。

 

夕飯を食卓に運び、食べ始める。

 

「ご飯出来たよー」

 

「「いただきまーす!」」

 

「めしあがれ」

 

そう言い詠夢も席に着き、食べ始めようとしたその時。激しい頭痛が詠夢を襲った。

 

「うっ……!」

 

「……ん?ちょっと詠夢?どうしたの?」

 

霊夢も心配して声をかける。しかし、めまいもしてきて詠夢は平常心を保てない状況になってきた。

 

そして……

 

バタッ、と、急に意識を失った。

 

「詠夢?聞こえる?詠夢!?ねえちょっと返事しなさいよ!」

 

霊夢は珍しく焦る。

 

そして、そこににゅっと開いた通称「スキマ」から現れたのは、境界を操る妖怪、八雲紫だ。

 

「ん?ちょっと詠夢!?……返事しないわ!取り敢えず、人里の医者に診てもらいましょ!」

 

そして、2人は神社を飛び出し、猛スピードで人里に向かった。

 

「ごめん詠夢。私のせいで……!」

 

霊夢は自分を責めた。

 

ここまで追い詰められてたんだ……、と。

 

初めて霊夢は詠夢の苦労を知ったのだ。

 

「「先生!詠夢は……大丈夫なんでしょうか?」」

 

「彼は……少し深刻な状態です」

 

医者は霊夢と紫に向かって疑問符を浮かべながら質問する。

 

「詠夢くんは、普段どういう生活をしているんですか?」

 

私は、朝5時半に起きて6時には職場に行き、夜7時まで働いて家事や掃除は全部詠夢にやってもらっていることを話した。睡眠時間はたったの5時間で、休憩なしで働いているということも全て。

 

紫と医者は霊夢を睨みつけた。

 

「そりゃ過労で倒れるわけか……」

 

医師も呆れて物が言えないという表情を見せた。

 

「も、申し訳ありません……」

 

霊夢は今、自分が犯した重大な罪に気づいたのだ。

 

紫が詠夢を保護してきて少しは、たくさん弟をかわいがっていた。

 

しかし、霊夢は詠夢が霊夢の家事のやり方に慣れるのが早いことに気付くと、まるで式神のようにこき使っていたのだ。

 

「とりあえず、1週間ほどは絶対安静。いつも詠夢くんがやっていることは全部あなたがやりなさい」

 

霊夢と紫は、今にも泣きそうな表情で医者を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

帰り道、詠夢をおぶりながら霊夢は泣いていた。

 

「泣いていても何も始まらないわよ」

 

紫はそういったものの、扇子で必死に顔を隠していた。

 

 

そして、霊夢はこの時、自分の中で固く決心した。

 

 

 

 

 

ーーーせっかく、神様が与えてくれたチャンスなのだ。

 

また、詠夢とやり直そう。

 

私のかわいい弟なのだ。かわいがってあげよう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

詠夢は、絶対私が守る、と。

ーーーーーーーーーーーーーーー

次の日。

 

詠夢はいつものように5時半に起き、ご飯を作るために台所へと向かった。しかし、そこにはもう霊夢が起きて朝食を作っていた。

 

「あれ、霊夢……。起きてるの?」

 

「あ、詠夢。起きたのね。おはよ」

 

「なんで今日は、こんなに起きるの早かったの?」

 

「はい、これ」

 

霊夢はそういい、文々。新聞を詠夢に渡した。

 

そこには、

 

『博麗巫女の弟、過労で倒れる 原因は博麗の巫女のさぼり癖か』

 

と書いてあった

 

「文さんも大げさだなぁ」

 

と思い、詠夢は新聞を読み終わり霊夢の方を向いたその時。

 

「その……ゴメンなさい!!」

 

「え……なんで?なんかあったっけ?」

 

そういい、霊夢は昨日の夜あったことをすべて話した。

 

「・・・っていうわけよ。」

 

そういった後、僕は反論した。

 

「まあやりすぎた僕にも非があるし……!?」

 

ギュっと、霊夢は詠夢を抱きしめた。

 

「ごめん詠夢!私が何もしなかったせいで……!私が……私……が……!」

 

涙を浮かべて詠夢に必死に謝る。

 

「大丈夫だよ霊夢」

 

「……えっ?」

 

霊夢は少し驚いた。詠夢が絶対許してくれないと思っていたからだ。

 

「えっ!?で、でも、私、あんたに散々ひどいことさせちゃったし……」

 

「気にしないで。僕はお姉ちゃんのことずっと信じてるから」

 

「ありがと……!」

 

そう言って、詠夢をまた強く強く抱きしめる。

 

その時、詠夢は心の中で思っていた。

 

僕とお姉ちゃんで、一緒に楽しく稼いで暮らす方法は無いのだろうか……?

 

そんなことを思っていた時、詠夢の脳内にふと、ある計画が浮かぶ。

 

(この神社で一緒に働こう)

 

こうして、詠夢の中で博麗神社再生計画が始動したのだった。




ということで、次回から博麗神社を変えていくことになりますね。

ではまた次回、お会いしましょう。
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