東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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前書きなしで行く。

では、ノーサイド三人称視点どうぞ


平和 後編

広島。

 

あの有名な厳島神社や、原子爆弾が落とされた観光都市。

 

幻想郷一行はそこに来ていた。

 

「まず、厳島神社行ってみようか」

 

詠夢はいつものように笑顔で振る舞っていた。

 

ーーーーーーーー

所は変わり厳島神社。

 

あの有名な赤の大鳥居があり、また安芸の宮島と呼ばれ日本三景の一つになっている、有名観光地。

 

詠夢たちは、神社の石の鳥居の近くに来ていた。

 

魔理沙は真ん中から堂々と入っていった。

 

「よーし霊夢ぅ、行こーーー」

 

霊夢と詠夢は珍しく律儀に一礼し、鳥居の端を通った。小鈴はそれを真似していた。

 

「霊夢?お前、何してるんだぜ?」

 

「はあ…魔理沙、神社のルールも知らないわけ?」

 

詠夢が冷たい声で発した。

 

「まあ、個人の信仰度の問題だから、いいんじゃないの?」

 

霊夢は言った。霊夢はいつもより幾分か、いや、相当真面目だった。

 

「ま、まあ、行きましょうよ」

 

小鈴はその雰囲気を打開するためか、少し明るめの口調で言った。

 

 

 

本殿。とても大きく、しっかりとした造りだった。

 

詠夢と霊夢は、慣れた手つきで置いてあったお祓い棒に触っていた。

 

一方小鈴は、賽銭を入れ、二礼二拍手一礼をして、小さい声でつぶやいた。

 

「詠夢くんと……結ばれますように」

 

小鈴の詠夢への想いは強くなる一方だった。

 

詠夢も同じだった。いつの間にか小鈴の隣には詠夢がいた。何かお祈りをしているようだった。

 

ーーーーーーーーーー

その後、一行は原爆ドームへ。

 

「永遠亭メンバーを連れてこなかったのは主にこれかな…」

 

詠夢は苦笑いしながら少し小さい声で言った。

 

 

 

原爆ドーム。

 

1945年8月6日。この地、広島に、核兵器が落とされた。

 

原子爆弾。

 

それは一瞬にして多くの命を奪ったという、恐ろしいもの。

 

このドームは爆心地からほど近く、ボロボロになりながらも何十年も、その恐ろしさと人間がした過ちを語っているかのようにそびえ立っている。

 

詠夢は真剣な顔で展示を見ていた。色々と考えることがあったのだろう。

 

紫も少し俯き気味で、展示を見ていた。その時のことを知っているからだろう。

 

平和。宣言することは簡単なのだろうが、実際に実現することは難しいだろう。

 

詠夢は、幻想郷に行って、それを一番実感しているのだろう。

 

詠夢は、ふと霊夢の母親の言葉を思い出した。

 

ーーー幻想郷が平和になる日…それを、願っているわーーー

 

また深く考え込んでしまう詠夢だった。

ーーーーーーーーーー

その日の夜。ホテルの部屋にて

 

詠夢は何故か泣いていた。

 

心の中は落ち着いているのに、まぶたを閉じる度に涙が溢れ出している。

 

詠夢の心の中は【平和】と【現実】に惑わされていた。

 

「ぼく…本当にできているのだろうか…」

 

そう。平和とは全てを制圧することではない。

 

色々な者たちが、それぞれの生き方で生き、人生を謳歌する。そんな世界のことを平和というのではないだろうか。

 

「う……うぐっ……ひぐっ……」

 

すると……

 

詠夢に何か暖かいものが被さっていた。

 

小鈴だ。

 

「………ひぇっ?!」

 

「詠夢くん……そんな自分で自分を責めないで!」

 

小鈴はさらに抱きしめる力を強め、言い放った。

 

「貴方が色々と中に抱え込んでいるのは周りは百も承知なの。それは……霊夢も…もちろん…私も」

 

「……?え?で、でも

 

「だから…もう、これ以上自分で溜め込まないで!」

 

「でも!僕は

 

「もう言い訳は聞きたくない!!あのね、性格から詠夢くんがみんなに明るく振舞っているのはとってもいいことだと思う。私もそんな詠夢くん、好きよ」

 

小鈴は詠夢の正面に立ち、何も言えなくなっている詠夢に続けた。

 

「でもね…詠夢くんは、自分の中で悩みを溜め込んでしまう。だから、いつもとても笑顔だけど、どこか何かが引っかかってるような感じがするの。だから……詠夢くん…」

 

小鈴は表情を少し緩めた。そして、優しく、

 

「一回、誰も知らないこと、相談してくれない?」

 

詠夢ははっとした。こんなに人を傷つけていたなんて思いもしなかったからだ。でも…

 

「……いやだ」

 

「なっ!?な、なんでよ?」

 

「だって話したところで小鈴ちゃんは何も思わないだろうし、むしろ悲しむし、傷つけてしまうでしょうに!違う!?」

 

詠夢はいつもより強く言った。まるで、自分の過去をもう断ち切ろうとしているように。小鈴は黙り込んでしまった。

 

「ちょっと、詠夢!?」

 

霊夢が部屋に入ってきた。彼女はすぐに詠夢を叱った。

 

「貴方、自分が情緒不安定なのも知らずにこんなに人を傷つけて、タダで済むと思ってるの?それに…

 

「うるさいッッ!!」

 

詠夢は怒鳴った。形相はあの妖怪を退治する時と同じだった。

 

「先ず、僕のこと、誰も知らない癖に!第一、霊夢とは事情が違う!お母さんがどうとかなんとか言っているけれど、僕には関係ないっ!」

 

「……わかったわ。貴方の悲しんでいる顔、私は見たくなかったから。でも、幻想郷に帰ったら話して頂戴ね」

 

「……そうよ詠夢くん!悩んでいるなら、大切な人に打ち明けた方が良いと思うわ」

 

小鈴も強い感情を抱いて言った。詠夢ははっとした。

 

自分が…人を傷つけた。それは、詠夢の心の中で絶対に禁止していたことだった。

 

「……大切な……人…」

 

「詠夢。だから…相談、してくれる?」

 

「わかった」

 

詠夢は強い意志を固めて寝た。その隣には、小鈴もいた。

 

2人は幸せそうに、抱き合って寝ていたという。




投稿遅くなってすみません。

色々と悩んでた。

ではまた次回!
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