では三人称視点どうぞ。
前回のあらすじ
お値段異常→妖怪の山ワロス→詠夢が倒れる
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?「皆様、歓迎するわ」
紫「誰よ?あなた」
紫が少し怒り口調で訊く。
サ「私?うーん……サファイアとでも名乗っておきましょう」
完璧に日本人顔の彼女に似合わない名前だ。
紫「私は八雲紫よ。ここ、幻想郷の創設者よ」
しかし、サファイアと名乗る彼女には紫も、鈴仙も。見えていなかった。心が全て穢れていたのである。
サ「私にはここには2人しか見えないけれど?」
魔理沙「そんで?お前の目的はなんなんだぜ?」
すると、紫すら予想外だった答えが返ってきた。
サ「そこにいる惨めな奴を殺す、それだけよ。異変はついでに起こしたようなもの。だって私は、そいつの、真の姉だから。結界に毒を塗らせてもらったわ。もう少しであいつは死ぬでしょうね」
みんなが驚きを隠せない中、ある1人だけが違う感情を抱いていた。
そう、彼の恋人【本居小鈴】である。
小鈴「なんで詠夢にそんなこと……もし姉だったら傷だらけの弟を助ける、そのくらいするのが普通なんじゃないですか!?」
小鈴が珍しく怒った。彼女は横でもがき苦しんでいる自分の【彼】を一刻も早く助けたかった。
魔理沙「じゃあ戦うしかないな!恋符『マスタースパーク』!」
彼女のミニ八卦炉から光線が発射される。サファイアはそのレーザーに当たった……はずなのに?
詠夢「がっ………ぐはっ……」
何故かダメージが詠夢に行く。衰弱し切っている詠夢の体に容赦なくマスタースパークが降りかかる。
魔理沙「くそっ……!何故効かないんだ!?」
魔理沙は威力を強める。
詠夢「止め……て……」
その声は側にいたアリスに、はっきりと聞こえた。
アリス「魔理沙!今すぐにマスタースパークを止めなさい!」
魔理沙はすぐにレーザー照射を中断する。
それを見ていた魔理沙がサファイアに問う。
魔理沙「……お前の能力は何なんだぜ?」
サ「私の能力は、ダメージを操る程度の能力よ!それにより私のダメージを0にしてあいつに流しているの」
それを聞いていた瞬間、小鈴は【怒り】が頂点に達していた。
小鈴「許せません……絶対に許しません!」
小鈴が行こうとするところを紫は全力で止める
紫「待つのよ小鈴!今何かしても無駄だわ」
小鈴「でも、このままだと詠夢が……!」
小鈴は焦る。それとは逆に、紫は落ち着いて小鈴に話しかける。
紫「今は何も出来ないの。そのくらいわかってちょうだい」
小鈴「黙って見てろと言うんですか!?みんなにとって大切な人の死を、ただ傍観してあー死んじゃったで終わりだ?巫山戯るな!!」
そして、詠夢の命が残り僅かとなる。博麗大結界が崩壊を始める。
詠夢の一命を取りとめれば、幻想郷は守れる。小鈴はそう思い、詠夢の傍にある刀を構え、サファイアに突撃した。
小鈴「詠夢、耐えて!お願い……!」
自分が出せる全力を刀に込めて、それをサファイアに向かって振り下ろす。
詠夢「あっ……!?ああぁぁぁぁっっ!!」
詠夢が奇声を発して苦しむ。
(お願い……誰か……助けて……!)
すると、詠夢の耳に聞きなれない声が入ってくる。
?「術式……解除!」
すると、
サ「ああっ……!」
サファイアのお腹に刀が、しっかりと刺さっていた。そして彼女は、そこに倒れこんだ。
小鈴「やった……やったぁ!倒せた……詠夢?詠夢!?」
詠夢の近くにも血だまりができていた。
鈴仙「とりあえず、永遠亭へ!このままだと彼が死んでしまいます!」
鈴仙は血に染まる詠夢を抱え、全速力で永遠亭へと駆けて行った。
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詠夢「…ん……?ここは……永遠亭」
詠夢が起きると、そこは永遠亭だった。とりあえず一命をとりとめただけでもありがたいことだと彼は思い、布団を出て少し散策することにした。
月灯りが明るい満月の夜。詠夢は縁側で月を眺めている、蓬莱人の蓬莱山輝夜を見かける。
輝夜「あら、起きたのね。鈴仙がここまで運んできてくれたわ」
詠夢「みんなに心配かけたね。あとで謝っておかないと。ありがとう輝夜」
輝夜「いえ、良いのよ。それより詠夢。……【月】って、貴方にとってどんな存在?」
輝夜は微笑んでいた顔を急に反転させる。それは真剣そのものだ。
詠夢「そうだな……月には時に、地球に太陽の光をも通さないことがあるって、知ってるよね?月は太陽に従って回っている地球という名の惑星に従うかのように回っている。月は弱い。けれど、それを覆して光を隠すことができるほど大きなパワーを持っていると僕は感じてる」
詠夢も真剣な眼差しを輝夜と月に向けて話していた。
輝夜「へえ……それで?何が言いたいの?」
輝夜は感心しながら詠夢の話の続きを聞く。
詠夢「例えば、前の輝針城異変の時、正邪が『弱い者が幻想郷を作る』と言っていた。それ自体は幻想郷のバランスを崩すからダメだけれど、例え弱くても主張する、っていう権利は誰にでもあると思う。紫や霊夢はそこを勘違いしていたと思うんだ。だから、どんな人でもみんな同じ権利を持つ、そんな幻想郷を作りたいって思うんだ」
輝夜「なるほど………いい話が聞けたわ。時間も時間だし寝ましょう。おやすみなさい」
輝夜は優しい笑顔を詠夢に向けながらそこから立ち上がる。
詠夢「おやすみなさい」
詠夢もまた微笑みつつ自分が寝ていた所へと戻る。
?「あら、こんにちは博麗の神主様」
そこには4人の女性と1人の男性がいた。その内の1人の女性が口を開く。
詠夢「貴方たちは……中国四神の方々、ですか?」
?「ええ、そうよ。今は会話しやすいように擬人化しているけれどね」
黄龍「俺は黄龍、中央を司る霊獣だ」
朱雀「朱雀と申します。南を司っています」
青龍「青龍です、東を司ります」
玄武「私は玄武、北を司る霊獣よ」
白虎「私は白虎、南よ」
白虎だけぶっきらぼうに話していた。詠夢は全てを聞き終わり、理解した上で話す。
詠夢「この声……白虎さん、【あいつ】に掛かっていた術式を解除してくれたの、貴女ですよね?」
詠夢は白虎の声とあの時の声が一致する事に気付いた。声のトーンが全く違うのだが、神の使いである詠夢なら神の取り違えなどしない。
白虎「ええ、そうよ。感謝くらいしなさい」
朱雀「ちょっと!いくらなんだってそれは無いんじゃないかしら?白虎」
少し喧嘩ムードになっていた2人を詠夢は必死に止める。
詠夢「ま、待ってください!白虎さんには感謝してもし切れません!なので、いつの間にか持っている僕の刀を返して!」
白虎「あっ、気づかなかったわ。ごめんなさいね」
どうやら刀を持っていたのを本当に気付いていなかったらしく、すぐに詠夢に返す。
黄龍「そうそう、それで、日本のイザナギに話を聞くと、ここに神の使いの人間がいるらしいから会ってくると良いと言われた。お前さん、本当はすごいヤツじゃないか?」
詠夢は問いかけに対して、手を顔の前で横に振り
詠夢「別にそんなこと無いですよ」
と言うが、こいつはなかなかの実力者だ。
青龍「まあ、そんなわけで、これ。いざとなったら使ってね?」
そう言い、5人は詠夢に一枚ずつ、スペルカードを手渡す。
玄武「じゃあ、私たちはここで。またね、神主さん!」
詠夢「はい。また」
詠夢はしっかりと45度に腰を曲げてお辞儀をした後、スペルカードを見る。そこには、
朱雀「南方七星陣」
青龍「東方七星陣」
玄武「北方七星陣」
白虎「西方七星陣」
黄龍「四神乱舞」
と書かれていた。詠夢は特に【黄龍】のスペルカードが気になっていた。
詠夢「まあ……とりあえず疲れたし寝るか」
詠夢は布団に入り意識を沈めた。
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一方、博麗神社
霊夢「私……詠夢……に……グスッ…酷い事……したわ……」
霊夢の心の中には【罪悪感】しか残っていなかった。
「詠夢……絶対に…絶対…戻って……来てよ…?」
四神は全て完全にパズドラからの印象でやっています。いやー難しいね、神が題材って。
ちなみに元ネタは、
朱雀→天導の朱雀・レイラン
青龍→命護の青龍・カリン
玄武→地鎮の玄武・メイメイ
白虎→霊護の白虎・ハク
黄龍→星帝の黄龍・ファガン
です。スペカも同じです。
では、また次回。