もちろん詠夢はお手伝いする為に紅魔館に行くのですが……?
続きは本編で。
では、詠夢視点どうぞ。
今日もいつも通りの1日………ではなさそうだ。
僕が見たのは、焦った様子でこちらに向かって走ってくる紅魔館の主、レミリア・スカーレット。
「詠夢ー!助けてー!」
「ど、どうしたのレミリア!?」
息切れ切れのレミリアにとりあえずお茶を渡して、事情を聞く。
「咲夜が……咲夜が風邪引いたの」
「それって………あ」
いま思い出した、紅魔館をほとんど咲夜が仕切っていたことに。
一応妖精メイドはいるのだが、ほとんど仕事しなかったり団結力がなかったりで働いてくれないことをいま思い出した。
ま、僕が手伝いに行きますか。
「……てことだから霊夢。少し詠夢を借りて行くわよ」
「多分今日は帰ってこれなさそうだからごめんね霊夢」
「ま、まあ、1日くらいなら……いいわよ?」
お姉ちゃんは内心とても不安そうだった。もう何年も一緒に暮らしていたら何も話さないでも気持ちはわかる。
「霊夢安心して。絶対に明日は帰るから」
そう言って、僕はレミリアと一緒に紅魔館のある湖の方向へと飛んだ。
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紅魔館
「咲夜ー?入るわよー」
レミリアの声が館に響く。しかし、中からは声が聞こえない。
ガチャ
扉を開けると、顔が赤くて咳をして寝込んでいる咲夜がいた。
「あ、お嬢様……あと、詠夢……?」
咲夜は起き上がろうとしたが、僕はそれを止めて寝ているように促す。
「咲夜、風邪薬は飲んだのかしら?」
「ゲホッ、ゲホッ……はい」
「咲夜、今日は寝ていた方がいいよ。だから僕も来たんだし」
さあ、僕は咲夜の仕事を全部やらなきゃいけないんだけど……
凄い多いね。掃除洗濯ご飯作りから図書館の本の片付けベッドメイクまで。というか本の片付けはパチュリーやろうよ?
………とまあ、レミリアから専用の服を渡されたので着替えよう。
そんで問題は着替えていた時。もちろん下着姿だった。
何か視線を感じると思ったら、カメラを持ったレミリアが鼻血垂らしながらこっちを見てた。男の着替えなんて見ても何も興奮しないだろうに。
もういいや、どうにでもなれよ。
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約1時間後
「……っと。とりあえずこれが終わったから次は……図書館の掃除か」
僕は図書館の扉を開けた。すると、机に突っ伏して寝ているパチュリーと、その隣で本を読んでいるフランがいた。
「あ、詠夢くーん!その服どうしたの?」
「こんにちは妹様」
普段はフランちゃんとか呼んでいるけれど、いまは従者立場なのでこういう呼び方にさせてもらいます。
「ふぁ〜あ、あれ詠夢来てるのね……咲夜のためにありがとね、詠夢」
パチュリーは寝ぼけた声でお礼を言っていた。
「このくらいならなんともないのでご心配なく。それでパチュリー様、まずこの散らかり方は何ですか?」
僕が見たのは、本棚同士に挟まれた通路に、これでもかというほど本が散らばっている光景だった。
「た、確かにこれは酷いわね」
すると、どこからか出てきた小悪魔が口を挟む。
「パチュリー様は本を読むとそのまま床に放置すrうわわっ!?無言でアグニ撃たないで下さいっ!」
「じゃあこうすればいいのね?火符『アグニシャイン』!全身焼かれてなさい!」
小悪魔に対するパチュリーの一方的な猛攻が始まった。それを脇目に、僕は図書館の掃除を開始する。
これは……こっちで……あれは……あっちか。
僕が片付けていると、その悲劇は起こりました。
僕が下にある本に足を滑って転んだ。それだけだったら良かったけれど、生憎足が本棚に引っかかり本棚が倒れてきたのだ。
「うわっわわわ!」
僕は身動きが取れず、自分の上に本棚が倒れてくる。
ガッシャーン!
本と棚に押し潰されそうな体を必死に動かす。しかし、僕の体が言うことを聞いてくれない。
ダメだ……もう……意識が……さっき頭ぶつけたし……
僕は意識を手放したーーー
side out
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三人称視点
パチュリーは詠夢を放ったらかしたまま、まだ小悪魔に攻撃を仕掛けていた。
「こぁぁぁぁぁ!?もう止めてくださいパチュリー様ぁぁー!」
「これで終わりよ!火水木金土符「ガラガラガッシャーン!」……へ?」
そこでパチュリーは気づいた、詠夢が1人で片付けをしていたことに。
「これ……うちの図書館からだわ!」
パチュリーはすぐに音がした方向に向かった。
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向かったそこには、本の山と倒れている本棚があった。小悪魔は驚愕の表情を見せていた。
「まさか……この中に詠夢さんが……!」
2人が必死に本をかき分けて行くと、一番下に詠夢がいた。
「詠夢!」
パチュリーは駆け寄って詠夢の体を揺さぶる。
「ん……パチュリー……?」
詠夢は起きた様だった。パチュリーは張り詰めた表情から一転、安堵のため息をついた。
「はぁーよかった。大丈夫かしら?」
「はい、大丈夫ですパチュリー様」
そこに扉をバン!と開けて入ってきたのはレミリアだ。
「大丈夫パチェ!?」
「私は大丈夫よレミィ。ただ詠夢が本と本棚に埋もれてしまったわ。さっきまで気絶していたわ」
「でももうご心配なく。僕は仕事があるのでこれで」
詠夢は恥ずかしそうにその場を去った。
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詠夢視点
恥ずかしい……あんな姿見せたくないのに……
というか頭痛い……ダメだ、こんなじゃあ。咲夜はもっと辛いんだ今。僕がやらなくて誰がやるんだ!
僕は厨房へと向かった。とりあえずあれとこれと作って……あ、食材足りない。
買い出し行ってこなくちゃ。ついでに咲夜の部屋も寄ろう。大丈夫かな?咲夜
コンコン
「咲夜ー入るよー」
咲夜はまだ咳と熱があるらしく、苦しそうだった。
「あ、詠夢ゲホッ、ゲホッ!」
「無理しちゃダメだよ?」
そういった瞬間、頭に激痛が走り、フラッとしてしまった。
「え、詠夢!?そういう貴方こそ大丈夫なの?少し休んだ方が……」
「さっき本に頭を強打しただけだから大丈夫。こんなのでへこたれるほど僕は弱くないから。じゃ、買い物行ってくるね」
「行ってらっしゃい」
僕は買い出しへと行った。
もちろん買い物時間中はキングクリムゾン!
時間は飛んでもう夕食の時間。咲夜にはお粥を作っておいたので安心だ。
「いただきます」
とレミリアが言うと、みんなが一斉に
「「「「いただきます」」」」
と言い食べ始める。
「美味しいわね。もしかしたら料理の腕は咲夜より上?」
とレミリア。
「運動できて頭良くて料理もねぇ……完璧じゃない」
とパチュリー。
「完璧な人間などいないですよ、パチュリー様」
僕も席に着き、食べ始める。
「ん、しっかり味ついてる」
自分でしっかりと味を確かめた後、フランが
「ごちそうさまー!」
といって自室へと戻って行ったので、僕は片付けを始めようと席を立った。すると、
「ちょっと待って詠夢」
とレミリアに止められた。どうやらレミリアも一緒についてくるらしい。
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咲夜の部屋
咲夜の部屋には僕とレミリア、咲夜がいた。少しの静寂のあと、レミリアが切り出す。
「咲夜から、話があるみたいなの」
「へ?どうしましたか?」
「とりあえず、今日1日ありがとう。詠夢の仕事ぶり、とてもよかったわ」
「ありがとうございます」
仕事について褒められたのは久し振りだったから少し嬉しかった。
「ありがとね、詠夢。本当に助かったし久し振りに休んだから、少し疲れが取れたわ。おかげで熱も下がったし」
咲夜が頭をポンポンと撫でてくれた。僕の顔から少し笑みがこぼれる。
「それで、次は私からなんだけど」
どうやら、レミリアからも話があるようだ。
「今日はお疲れ様。咲夜のためにありがとう、それで早速だけど本題に入るわ」
「はい、なんでしょう?」
「敬語でなくていいわ」
「………わかった。どうしたのレミリア?」
「貴方は、どんな色が好き?」
予想外だった。なんで今更そんなことを聞くのだろうか?そんなことも思ったけど僕は正直に答えた。
「フランちゃんの色」
「………え?そ、それってどういうこと?」
「フランちゃんの羽の、あの宝石みたいな色が好きかな。カラフルだけど輝いてる。まさに彼女みたいで綺麗だなって」
「なるほどね。ありがとう詠夢」
「あとは私が仕事いたしますので。詠夢は今日くらい泊まっていった方が良いわよ」
「じゃあお言葉に甘えて」
「お嬢様、急にあんなことを聞かれてどうされたんですか?」
「フフフ、そのうちわかるわよ」
レミリアは優しい笑みを浮かべ、かすかに見える月を見上げた。
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同刻
僕は客間へと行き、とりあえずお風呂だ。
それから寝間着に着替え、意識を闇に沈めた。
翌朝。
いつものように目が覚めると、頬が痛かった。
何事かと思い目を開けると、右頬をふにふにと触っているフランとこあさん。
左頬をふにふにと触っているレミリアと咲夜、それを笑顔で見ているパチュリーがいた。
「ん………痛い」
レミ「あ、起きた」
こあ「す、すいません!」
フラン「気持ちよかったからね」
咲夜「つい、触ってしまいました。」
いや、それは良いんだけどね。ネコ耳生えてるのにネコ耳触らないんだね。多分咲夜とかこあさんは触ってるんだろうけどね……
っていうのも、前初めてネコ耳が生えた時(「閑話 霊夢の日」参照)にフランとレミリアが触りに来たんだけど、本当に触り方がいやらしかった。ふわふわとしか触らないからすごい感じちゃって///
その時に本気の詠想封印を食らわせた時があったから多分触ってないんだよね。
「べ、別にしっかり撫でるなら耳触っても……いいよ?」
少し恥ずかしかったけど言ってみた。
フラン「それならお姉様!一緒に触りましょ!」
レミリアはこくりと頷き、2人は撫で始める。
レミ「………うん、気持ちいいわね」ナデナデ
その撫で方にはどこか愛情がこもっているように感じた。
紅魔館で働いたこの2日、ずっと同じ仕事をしていた僕には新鮮な体験だった。
ーーーありがとう、咲夜。
今回は過去最高3970文字です。長かったですが楽しんで頂けたでしょうか?
それでは次回。