からですね。そこそこ内容は弄るのであしからず。
では、どうぞ。
秋も深くなり、たまたま休みだった博麗神社の仕事を任せて詠夢は幻想郷の空を飛んでいた。
すると、人里の中にある人だかりが出来ていた。
「あ、阿求だ……何かあったのかな?」
詠夢はその人だかりの中に阿求を発見し、降りて行った。
「阿求ー!何かあったの?」
「あ、詠夢さん!聞いてくださいよ。お稲荷さんの頭巾が無くなったんです」
「それ………何か特別な事なの?」
「い、いや………べ、別に普通の布なんですけどねー!アハハハハいくわよ詠夢さん!」
高笑いから急に真顔になった阿求は、詠夢の手を引っ張りズカズカと鈴奈庵の方向へと駆けて行った。
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鈴奈庵。
「……で?」
詠夢が急に話を切り出す。
阿求「でって言われても、何が?」
「阿求のその感じ、あの頭巾に何かありそうだったからさ」
小鈴「頭巾……?」
小鈴が首をかしげる。
阿求「あそこで騒がれても面倒だし、ああ言うしか無かったのよ」
阿求はプハーッ!っと小鈴が出したお茶を飲み干し、深く椅子に座る。
阿求「
詠夢「えーっと………あ、確か
聴耳頭巾。
被ると、動物や植物の声が聞こえるようになるというお稲荷さんの頭巾だ。
それで、動物の願いを叶え、お金持ちになるというお伽噺だ。
阿求「そうよ、詠夢。確か私の記憶の限り、本当よ」
先代の記憶だけれどもね、と付け足したところに小鈴が入ってきた。
小鈴「あ、その話、確かうちの本にあった筈よ!確か……庄屋の娘の病気を治して報酬を貰うんだったっけ?」
ドタドタと小鈴は本棚へと駆けて行く。
「で、その頭巾はどこに行ったの?」
阿求「今は私ん家にあるわ。さっき騒いでいたのは偽物よ」
「え?なら、そんな探す事無いんじゃない?」
阿求「いや、その私の家に保管してあったほうが問題だったのよ」
阿求によるとどうやら、阿求の家にあった頭巾をたまたま出して調べてみると、何も聞こえず、魔力の無い普通の布だったという。つまり、時間が経ち魔法の道具では無くなったのだ。それを確かめお稲荷さんへと行くと、頭巾が無くなっていたらしい。
「じゃあ、お稲荷さんが魔力をあげていたとか?そういう事なのかな?」
阿求「まあ、そういう事なのかもね」
すると、3冊ほどの本を抱えた小鈴がテーブルへと戻ってきた。
小鈴「じゃあ、誰かが持って行っちゃったって事かしら?それなら大変ね」
小鈴はドサッと本をテーブルに置き、そのうちの一冊を開く。
「なんでも聞こえるとむしろうるさそうだよね、大変というより」
阿求「実際のところ大変でもないわ、むしろうるさいくらいよ。植物の声と言っても、ただの雑音くらいにしか聞こえないわ」
小鈴「それだと、噂をよく信じてリスクがあってもチャンスを狙う人が持って行ったのかしらね?」
噂を信じる、危なくても利益がありそうだとすぐに盗む………
「はっ……!」
詠夢は誰かの顔が思い浮かんだように席から立ち上がる。
「あの
すると……
ポツ、ポツ……と、夕立が降り始めた。
「あ、帰らなきゃ!霊夢に雨が降ってきたら帰ってこいって言われてるんだ。じゃ、またね!」
小鈴「気をつけてよー詠夢」
詠夢が去った後、小鈴は静かに話し始めた。
小鈴「はあ……行っちゃった」
阿求「やっぱり好きな人がいなくなるのは寂しいの?ねえねえ!」
阿求は小鈴の体をツンツンつつきながらからかう。
小鈴「ちっ、違うわよ!」
小鈴は顔を赤くしながら反抗していた。
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同刻。
「さあ、コイツを見るか」
魔理沙は黒い頭巾を解き、中にいる白蛇を取り出した。
「大丈夫だぜ、怯えなくても」
魔理沙は白蛇の頭に触れて、その日はそのまま寝てしまったという。
この白蛇が驚きの事実を隠しているのを知らずに……
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次の日。
博麗神社では、大変な事が起きていた。
コン「これは………」
針妙丸「どうしようもない状況になったわねぇ……」
霊夢「はあ……この私が風邪だなんて……」
詠夢「うっ……頭が痛い……神社はムリだな今日」
なんと博麗の神主と巫女、揃って風邪だというのだ。因みに今、仰向けに2人隣り合わせで布団に横になっている。
すると、コンと針妙丸は人里に用があると言ったため出かけて行った。
「……………」
「……………」
魔理沙「おいお前ら!大丈夫か!?」
姉弟の静寂をぶち壊す形で、魔理沙が入ってきた。
霊夢「いま風邪なんだから、早く帰ったほうが良いわよ」
魔理沙「大丈夫だ霊夢!その病気、私が治すぜ!」キラッ☆
すると魔理沙は昨日修復した神社の屋根を剥がし、中へと入る。
「ちょっと魔理沙!何やってるの!?」
十数秒して魔理沙が出てくると、右手に白蛇を持っていた。
魔理沙「こいつがお前らの風邪の元凶だぜ!」
魔理沙は右手に持っている白蛇を前に出す。
「「そ、そうなの!?」」
3人は取り敢えず中に入ると、魔理沙がここに来た経緯を話し始めた。
どうやらお稲荷さんの前にいた蛇を拾い、近くに落ちていた布で包んで帰ったという。魔理沙曰く、お稲荷さんの近くに落ちていたなら何か縁起があるのではないかと思ったらしい。
そして今朝、白蛇がこの布を被れとジェスチャーを出したらしく、被ると蛇の声が聞こえたという。その時に博麗姉弟が風邪だということと、閉じ込めた白蛇が風邪の原因を作っていること、風邪の解決方法を教えてくれたらしい。
魔理沙「……ってことだったんだぜ!」
「魔理沙、それ聴耳頭巾だよ多分」
霊夢「何なのよ、それ」
「昨日鈴奈庵で話していたんだけど、被ると動物や植物の声が聞こえるお稲荷さんの頭巾でお金持ちになるっていうお伽噺。それを意図的に被れと言ったって事は……」
魔理沙「私に何かお礼をしたかったか」
霊夢「はたまた白蛇の何かの陰謀か……ねえ」
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「……って事があってさ。蛇の声が聞こえたのは本当だった。僕も実際やったし」
詠夢はそのことを鈴奈庵で話した。小鈴は驚いた表情で
「じゃあ、阿求が言っていたことは本当だったのねー、金儲けするかは別として」
「でも……」
「でも?」
「あいつ、普通の蛇では無さそうだった。蛇には持っていないような妖力っぽいものもあったし」
小鈴は一瞬不安になったが、妖怪が封印されている妖魔本が無数にある鈴奈庵に身を置いている自分が言えることではないなと思い笑顔になる。
「そうなのね。はい、これ見たかった奴でしょ」
小鈴は『百鬼夜行絵巻』と書かれた木箱を詠夢に渡す。普通は開けてはいけない妖魔本だが、何にせよ渡した相手が彼女が1番信頼している人、しかもそれが博麗の神主なので大丈夫だろうと思ったのだ。
パカッ
詠夢は木箱を開けて巻物を開く。そこには、龍の絵が描かれていた。
「多分……これね」
すると。
カランカラン
小鈴「いらっしゃいませー……あ、魔理沙さん」
魔理沙が来た。帽子の中で何かがもこもこと動いているので白蛇を連れてきたのではないかと詠夢は思う。
「どうしたの?そんな焦って」
魔理沙「はぁ……いや……白蛇がいま……鈴奈庵に行けって言ってきたから……」
詠夢はへえ〜、という反応をして巻物があるテーブルの方へと案内する。
「ほらこの絵、この白蛇そっくりじゃない?色とかは全然違うけど」
魔理沙「本当だな……あっ!暴れるなっ!」
すると、急に魔理沙の帽子の中にいるであろう白蛇が暴れ出した。すると……
ビリッ!
魔理沙は必死に抵抗したが敵わず、帽子を破って出てきたのは……!
「邪龍!?」
邪龍「感謝するぞ魔理沙殿。私はまた復活できたのだ。貴女のお陰でな」
魔理沙「なっ!?じゃ、じゃあ私は使われていたのか!?」
少しニヤけながら頷く邪龍とは対照的に、詠夢は冷酷にお祓い棒を突きつける。左手からは微かにお札が見え隠れしていた。
「お前は所詮邪龍でしょ?何か悪いことしたら黙ってないから」
邪龍「おお怖い怖い。取り敢えずそのお祓い棒を下ろしてくれるかのう?儂は復活したばかりであまり力も無いから安心しろ。じゃあの!またいつか会おう!」
そう言い、邪龍は天高く舞い上がって行った。
その後、魔理沙にはお礼として薬に混ぜると効果が格段に上がる龍の爪を、
小鈴の家には
『百鬼夜行絵巻を勝手に改変してしまい申し訳無かった。これはお詫びの品だから好きにするといい』
という手紙を添えて龍の魚拓が届けられていた。
その後2人は相当ご機嫌だったが、
「なんでうちだけ無いの」
と、詠夢は少々ご立腹の様子だった。
「ま、いっか。今日も頑張ろう!」
詠夢は今日もお祓い棒を片手に、幻想郷を飛び回る。
なんかそんな弄れて無いけど大丈夫かな?
それではまた次回、お会いしましょう。