東方博麗社〜もし博麗神社に参拝客が来ていたら   作:だぴょん

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異変よー、詠夢出動は遅めかな?

というか今回、詠夢のバトルシーンは無いです。

まあ、異変の始まりということで。では三人称視点でどうぞ。


霊夢、大敗を喫する

守矢神社。

 

早苗がいつものように境内の掃き掃除をしていると、見知らぬ男が来ていたのに気付く。

 

「こんにちは〜!参拝ですか?」

 

早苗はいつものように参拝客と思しき男を案内する。

 

しかし。

 

「守矢よ………さらばだ」

 

その男はそう呟き、地面に拳を突きつける。

 

すると。

 

地面がピキピキと割れ始め、神社の本殿を破壊しようとする。

 

「…………っ!」

 

早苗はそれに気付き、咄嗟に空を飛ぶ。そして弾幕をばら撒いた。

 

男はそれを冷静に対処、手を弾幕の方向へとかざす。

 

被弾すると思った瞬間!弾幕が全て消えたのだ。

 

「………なっ!?な、ならこれなら!」

 

ー蛙符【手管の蝦蟇】ー

 

早苗を中心にエネルギーがチャージされ始める。そして約3秒ほどで完了、広範囲に渡り爆発する。爆発と同時に全方位弾が発射され、それに沿って大量の小粒弾がばら撒かれる。後にその弾幕全てが男を襲う。

 

早苗が勝利したと確信した瞬間。

 

早苗の目の前には男のものであろう拳が近づいて来ていた。

 

もちろんなす術もなくそれを受け、ぐしゃぐしゃになるまでに壊れた神社の本殿へと叩きつけられる。

 

「思想統一1番目。守矢神社、完了」

 

男は静かに言い放ち、その場を去っていった。

 

 

 

そして数分後、守矢の二柱が帰ってくるとともに絶句した。

 

「私たちの神社が………」

 

「ボロボロに……ん?あれ……早苗じゃないか!?おい早苗!?」

 

「な、なんだって!?おい早苗!返事しろ!!」

 

「「早苗ぇーーッッ!!」」

 

妖怪の山全域に響き渡るほどの神の声にも、ボロボロになって倒れている早苗には届かなかった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーー

同刻、人里。

 

霊夢は妖怪が悪さしていないか人里をパトロールしていた。

 

そして、命蓮寺に着いた時、彼女は絶句した。

 

「………なんでこんなに……?!」

 

いつもは人と多くの妖怪で賑わっている命蓮寺が倒壊、さらには白蓮や神子、妖怪のぬえまでが血を流し倒れている。まるで地獄絵図だ。

 

「紫ーッ!この人たちを永遠亭に連れてって」

 

霊夢は紫を呼ぶ。紫も現場に着いた瞬間、絶句した。

 

「霊夢………守矢神社もこんな感じだわ……気をつけて」

 

「大丈夫よ、私は絶対に死なないから」

 

自分でわかるほど霊夢が強いのは事実だ。しかし、この男、どうやら霊夢より一枚上手そうだ。

 

「行くわよ!霊符【夢想封印】!」

 

七色の陰陽玉が男へと向かっていく。しかし、

 

「ふんっ!」

 

男が手をかざすと、その陰陽玉は霊夢の方へと戻っていく。

 

「なっ……!?」

 

霊夢もこんな体験は初めてだった。なんでこんなことが出来たのか、原因すらわからないけれど倒すしかないので霊夢は攻撃を続ける。

 

「夢想封印が効かない……ならこれなら!」

 

ー夢想天生ー

 

博麗霊夢のチート技。全ての法則から浮き、干渉できない上に陰陽玉が次から次へと降り注ぐ。

 

これは決まっただろうと思った霊夢。なぜなら、夢想天生を使って勝てなかった相手はいなかったからだ。

 

「……グフッ……!」

 

しかし、不意に誰かに殴られた。

 

「その程度で勝ったと思わないでくれ」

 

男は至って冷静だった。

 

霊夢はその無敵状態を保ったまま、博麗神社へと逃げたのである。

 

 

 

 

博麗神社。

 

その頃、詠夢はいつもの通り神社で接客をしていた。

 

「いらっしゃいませ。……こちらですか?はい………はい、ありがとうございました!」

 

その時、誰かが全速力で近づいて来るのを感じた。

 

魔力ではなく、莫大な神力を引き連れて。

 

 

 

 

小さい体、目のついた帽子。

 

守矢神社の神、洩矢諏訪子である。

 

「詠夢………早苗が、早苗が……!」

 

珍しく諏訪子は焦っている。涙も浮かべて、緊迫した状況だというのが体で感じ取れる。

 

「早苗が……危篤なんだ」

 

「……!?」

 

詠夢が急いで、恐らく早苗と早苗に付き添った神奈子がいるであろう永遠亭に飛ぼうとしたその時、誰かにスキマから足を掴まれた。紫だ。

 

「詠夢、異変よ」

 

普段より声のトーンは低く、事態の深刻さを物語っていた。普段隠している妖力と殺気は丸出しで、普通の人間だったら苦しくなって倒れるレベルだ。

 

霊夢は生憎外出中なのでいない。さらに、霊夢ももしかしたら……。

 

そんな想像が頭の中に浮かぶ。

 

「紫、何があったか説明して」

 

詠夢も真剣な面持ちで紫に説明を求める。

 

「もう、惨劇よ……」

 

紫によると、洩矢神社の次に命蓮寺が襲撃にあったという。命蓮寺メンバーと神子、布都、屠自古全員で対抗したのだが全く歯が立たず敗北。全員が負傷しており、永遠亭に送ったという。

 

しかし人里の人には極度に優しく、全く悪い奴だとは思っていないらしい。

 

「うそ……そんな……」

 

詠夢は絶望しきっていた。それに追い打ちをかけるように紫が付け足す。

 

「あと、霊夢も負けたわ。いま命からがらここに逃げてきている最中よ」

 

詠夢の嫌な予想は当たってしまう。

 

「なんで!?霊夢、夢想天生放ったはずなのに……!」

 

霊夢の無敵スペルカード、夢想天生。使用した際は絶対に衝撃波が幻想郷全体に伝わるので使用したことが絶対にわかるようになっている。全ての法則から浮き、干渉できない上に陰陽玉が降り注ぐ、回避不可能スペルだ。それを男は、結界一枚で防いだのだという。

 

「……これはかなりマズイわ。永琳並かそれ以上ね」

 

「………」

 

幻想郷最強の永琳でさえ負けるという可能性があるのだ。

 

「………来たわ。恐らく例の男よ」

 

律儀に参道の階段を登ってきたのは、全身黒。黒の着物、黒の袴に黒い髪の男。身長は高い分類に入るだろう。

 

「間違いない。この男だよ」

 

諏訪子が断言する。

 

その男は、静かに詠夢に言い放つ。

 

「最終ターゲット………博麗神社、さよなら」

 

「させるかッ!」

 

詠夢は大声を出して、博麗代々に伝わるお祓い棒を片手に男へと突っ込む。

 

しかし、男は余裕そうな表情だった。

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

男の片方の口角だけが不自然に上がり、三日月型になっていた。




男、チートの域を超えました。ということは、出身地はあそこかな?みたいな予想はつくかも?

では次回、詠夢vs謎の男!

お楽しみにねっ!
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