さあ、人気投票も結果が出て霊夢のポイント数に驚きながら小鈴はキープ、ヘカちゃんも初登場43位は頑張ったと思います。セプテットは王座陥落ですね。
さあ、今回はヘカーティアと詠夢が中心で話が進んでいきます。ここのヘカーティアさんすっごい良い人。
では、ノーサイド三人称視点でどうぞ。
詠夢の意識が途切れて、1日が経った。
詠夢が寝ている彼の部屋には、小鈴と、ヘカーティア。霊夢はこれが異変だと気付き、文字通りすぐに飛んでいった。
小鈴は、かなり心配していた。
「まだ起きないなぁ……はあ……詠夢、大丈夫なのかな」
「心配するにはまだ早いわ。ちゃんと呼吸もある。だけれどわかっているのは、オカルトボールが詠夢の霊力を奪ったってことだけ」
そう、詠夢が倒れた直後に幻想郷に姿を見せた「オカルトボール」。7つ集めると何かが起こると言われていて、いま幻想郷の一部の住人が自分にあった「オカルト」を身につけて戦いながらオカルトボールを集めている。しかしそのオカルトボールが幻想郷に入ってきた時、外の世界の霊力が大結界のバランスを崩したことで大結界と連動している詠夢の体から全て霊力が奪われてしまい、気を失ったのである。
今は霊力が普通の人並みにまで回復しているが、あとはまだオカルトボールに封じ込められたままである。
それに……
「かなり苦しそうねえ」
先ほどから、苦しそうな表情をしてうーんと唸っている。
「大丈夫よ詠夢、私がいるから」
そう言葉をかけ、手を握る。しかし……
「ぁ……ぁぁあ……」
先ほどより酷くなってしまった。
「どうしたのかしらねぇ……普通は安心するはずなんだけど……よほどひどいことが起きてるのかしら……」
ヘカーティアは首をかしげながら考える。
「まあ、彼にも昔色々あったので……」
小鈴は苦笑いしながら答える。しかしその笑みには、深い悲しみが込められていた。
「ああ、うん、なんとなく察したわ。それで私、1人、この異変の主犯に思い当たる人がいるのよねぇ、外の世界だけど」
「それは、誰ですか?こんなに詠夢を苦しめてる人、許せません!」
「まあまあ焦らないの。その人の名前は宇佐見菫子。いろんな怪奇現象を解明する女子高生よ」
じょしこうせい、その言葉が理解できなかった小鈴は適当にお茶を濁し、ヘカーティアの発言に耳を傾けた。
「その彼女に前、私が力を貸そうとした時があったのよ。それでその子のところに行った時、幻想郷に行きたいって言われたの。ただしこのTシャツのこと変って言ったから速攻帰ってやったけどね」
小鈴は、思ったことを直ぐに口に出していけないと思い、黙った。
「じゃあ、それを霊夢に伝えて欲しいのだけど……あ、そこの淫ピちゃーん!」
「誰が淫ピだボケェ……あ、あなたは旧都の鬼から聞いたことがある……」
「そう。私が地獄の女神、ヘカーティアよ。貴女は……華仙ちゃんね」
「あ、はい……」
そう言い、ヘカーティアは華仙に全てを話し始めた。
「……というわけなの。このこと、霊夢に伝えてくださる?」
「嫌って言ったらどうせ貴女の体3体使って拷問されるんでしょ。別に拒む理由もないし良いですよ」
「じゃあお願いね〜」
「でも、それならヘカーティアさんが自分でいけば良いのでは?」
「それじゃあつまらないし、霊夢も弟の仇は自分でとりたいものよ」
「まあ、そうですね。了解しました、伝えておきます」
ヘカーティアは、また神社の中に戻っていった。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「ぁぁ……ん……?あれは、夢……」
「詠夢?大丈夫?」
「小鈴……?」
詠夢が起きた。まだ詠夢は怯えている様子で、小鈴を見るなり逃げて行ってしまった。外に出るとヘカーティアもいた。
「あら詠夢、起きたのね。貴方、結構辛そうだったのね。取り敢えず夢の中で何があったのか、聞かないし聞こうとも思わない。ただし1つ言えることがある。何があったか知らないけど、その夢は全て……忘れちゃいなさい」
「えっ……?」
「そんな夢、絶対に現実で起こるはずのないことよ。綺麗さっぱり忘れて、また前向きに生きなさい」
「全部……起こらない……?」
「ええそうよ全部起こらないわ。安心して」
そう言うとトテトテと小鈴の方に駆けて行き、小鈴を正面から抱きしめた。
「良かった……怖かったよ小鈴……!」
「ほら、こっち来なさい。たくさん甘えても怒らないから」
「うん!」
詠夢の表情は一転してぱあっと晴れ、小鈴に膝枕して貰っている。
「あれ、霊夢は?」
「霊夢さんは詠夢の為に異変解決しに行っているわ」
「僕は……行っちゃダメ?」
するとヘカーティアが口を挟んだ。
「その、言いにくいんだけど……今のままだと、人里の人たちと霊力が同じくらいしかないわ」
「……えっ!?」
「オカルトボールに貴方の霊力が奪われちゃって、仕事にもならないくらいの霊力量しか残ってないの」
そう告げた瞬間だった。
「あぁぁぁぁ!?痛い!痛いぃぃ!?」
詠夢の体にとてつも無い痛みが走る。
「ちょ、詠夢!?しっかりして!詠夢!?」
「これは……マズイ!誰かがオカルトボールの力を全開放している!このままじゃあ手遅れになる!ちょっと行ってくるわ!」
そう言って、ヘカーティアは急いで神社を出ると同時に姿を消した。
ーーーーーーーーーーーーーーー
ヘカーティアが外の世界に出ると、案の定霊夢と主犯、宇佐見菫子が戦っていた。菫子はオカルトボールの力を全開放していた。オカルトボールの力を全開放したことで詠夢の霊力が余計奪われ、かなり危ない状況になってしまっていたのである。
「ちょっと霊夢、下がってなさい!」
「え?ああ」
「宇佐見菫子、『貴女は私の友人を苦しめた』それだけの理由で貴女を地獄へ堕とす……死んでも悔しがれ!月【ルナティックインパクト】」
最強の女神が放った月の渾身の一撃は、一直線に菫子へ向かっていく。
そして、それに対抗する術もなく菫子は倒れた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
「詠夢、大丈夫だった?」
「霊夢!」
霊夢が外の世界から帰ってきて、姉弟が抱き合う。
「ただいま。心配かけたわね」
「おかえり。待ってたよ!だけど……実は今、霊力がちょっとしか無いんだ」
「ああ、そのことならこの女神にお任せを。私、実は魔術を司る女神でもあるのよ」
そう言って回収した全てのオカルトボールを置き、詠夢を置いて何やら魔法陣を展開した。そして、ヘカーティアの詠唱が入った後にボンと小規模の爆発が起こった。
「よし、成功ね。詠夢、これで霊力が戻ったわ」
「あ、はい。有難うございます!」
「さあ、これからも神社の仕事頑張ってね!」
「精一杯精進します!」
そう言いヘカーティアは詠夢の頭を撫でた。
そこにいた姉とこいびとの冷徹な視線を華麗にスルーして。
深秘録、ちょっとあっさりしすぎかもしれないけど許してください。
次回、何やるか分かりませんがそろそろ詠夢に恋敵が現れてもいいかな?と内心思い始めています。そこで純狐の気持ちがわかったりとかしそうかなと妄想を広げながら。
ではまた次回、お会いしましょう。