超次元ゲイムネプテューヌ The Dhumeisyonn Angel! 作:裏の傍観者
その声は、徐々にはっきりと聞こえてくる。
ー・・・お願いです、どなたか女神を・・・!ー
ゲイムギョウ界の知識の全てを司るイストワールによって俺は造られる。
ここがどこなのか分からないまま、システムのなかで体が構築されていく。
同時にこの世界の記録を保存された。
視界が初めて見えたとき、目の前には浮いた本の上に乗っている俺から見たら小さな女性がいた。
「・・・俺を造ったのは貴女ですか?」
「はい、私はイストワール。どうしてもお願いしたいことがあって起動を実行しました。」
この世界に誕生した彼、“アサルト”はイストワールの願いによってシステムを起動する!
誕生したばかりのアサルトはネプテューヌ達とどう向き合うのか!?
主人公補正によってネプテューヌに流される彼の人生はどうなるのか、物語が今始まる!
第1話 目覚め
「・・・・・では、始めましょうか。」
彼女は準備を整え、ある儀式を始める。
明日行われる式典は、「友好条約」の記念すべき式典。
守護女神戦争により、武力によるシェアエナジーの奪い合いが続いてきた。
だが、敵対していた4人の女神は事件に巻き込まれ、いつしか互いに協力し合いやっとのことで平和が訪れたのだ。
これで一安心・・・と言いたいところだがそうは言ってられない。
明日結ばれる友好条約がいつや破られるのか予測できないし、この先なぜか不安が多く感じてしまう。
そこで保険をかけることにした。
偶然見つけた取り扱い説明書の中に、「新起動実行手順」という謎の手順方法が目次にあった。
これはもしやと思い、試しに実行しようと思い、今に至る。
「システム稼動プログラム展開、・・・不安はありますが今はやるしかありませんね。」
私、ゲイムギョウ界の知識の全てを司るイストワールはついに、ディスプレイに映し出された画面に表示された「新起動」に触れたのであった。
ー翌日ー
「ゲイムギョウ界に遍く生を受けしみなさん。新しい時代にその第一歩を踏み出せるこの日を…皆さんと共に迎えられる事を、喜びたいと思います」
式典会場で旗を捧げられる中、一人の女性が語りながら歩みだす。
全体的に紫を象徴させる彼女は、プラネテューヌの守護女神であるネプテューヌだ。
彼女はそのまま式典会場の中央へと進む。
「ご存知の通り、近年世界から争いが絶える事はありませんでした。女神、ブラックハートが治めるラステイション・・・。」
それにあわせて、黒色のドレスを着た女性が上着を脱ぎ捨てる。
白い髪に黒いドレスを着ている彼女はラステイションの守護女神、ノワール。
「女神、ホワイトハートが治めるルウィー…」
シアンブルーの髪に全体的に白いドレスを着た彼女はルウィーの守護女神、ブラン。、
「女神、グリーンハートが治めるリーンボックス…」
長い緑の髪を後ろで縛り、胸がはっきりと強調されたドレスを着た大人に見える彼女はリーンボックスの守護女神、ベール。
「そして私、パープルハートが治めるプラネテューヌ…」
4人の女神はゆっくりと進み、式典会場の中央に集る。
女神たちは徐々に空中へと浮き、足元にパネルが出現し再び歩みだす。
「四つの国が国力の源であるシェアエナジーを競い、時には女神同士が戦って奪い合う事さえしてきた歴史は過去のものとなります。本日結ばれる友好条約で武力によるシェアの奪い合いは禁じられます。これからは国をより良くする事でシェアエナジーを増加させ、世界全体の発展に繋げていくのです」
今まで行われてきた守護女神戦争。
シェアエナジーと呼ばれる力は、彼女たち女神の力の源となるもの。
簡単に言えばシェアエナジーは国ごとの勢力のようなものだ。
だがこのゲイム業界でシェアエナジーは女神に対する信仰によって増加する。
軍事力、技術力などといった政治的、経済的なものでは変動しないのである。
また、その力は私有化できないとう点もあり、女神である彼女たちは武力によるシェアエナジーの奪い合いを長きに渡って続けてきたのである。
それが守護女神戦争。
今行われている式典は、戦争をやめこれからは共に協力し合い国を発展させていこうという友好条約の成立日なのだ。
女神たちは目を閉じ、手をふれあいその友好条約の誓いを述べる。
「「「「私達は過去を乗り越え、希望が溢れる世界を作る事をここに誓います」」」」
花火が打ち上げられ、式典会場に集まった大勢の国民たちは大いに喜び合った。
今日この日、友好条約が結ばれ平和が始まった記念すべき日となったのである。
その夜・・・。
式典が終わり、女神たちやその関係者たちは解散した。
新起動実行手順を行ってはみたものの、結局何も起きなかった。
再度説明書を確認するため、シェアクリスタルと呼ばれるものが保管されている部屋に入る。
「おかしいですね、なぜこの様なものが・・・。」
説明書の目次にははっきりと「新起動実行手順」と書かれている。
説明書に付属されていたメモリーを読み込み、データの中に入っていたプログラムを展開し、画面に表示される「新起動」をタッチすれば起動すると書かれている。
だが、内容については書かれていなかった。
そのため、これは一体何のための起動プログラムなのかは分からない。
「どうしたものでしょうか・・・。」
なんて考え事をしていると、扉が開かれる。
「いーすんさん、お茶を入れて・・・何をしてるんですか?」
入ってきたのは女神候補生であるネプギア。
仕事をサボってばかりいるネプテューヌの妹で、姉とは逆の性格で真面目だ。
「ネプギアさん、ちょっと取り込んでおりまして・・・。」
「そうだったんですか?」
説明書を閉じる。
「はい、何も起きませんでしたけど。」
「その説明書、私に見せてくれませんか?」
「はい、実はこれなんです。」
説明書を開き、新起動実行手順と書かれているページを開いてみせる。
「新起動実行手順?」
ネプギアは予想通りの反応をした。
「はい、ですがこれを起動するにあたっての内容が一切書かれていないんです。」
ため息をついてしまう。
もうこの手順は終わりにしようかと考えていたその時、扉の向こうから声が聞こえた。
「おーい、いーすん、ネプギア~!」
扉からハイテンションでネプテューヌが入ってきた。
「お姉ちゃん?」
「ネプテューヌさん、どうかしましたか?」
「今から皆であそぼー!!」
呼ばれた理由が判明し呆れてしまった。
式典が終わってから彼女は仕事を一切せず遊んでばかりいる。
このままではシェアの低下が早まってしまう。
「ネプテューヌさん、遊んでばかりいないで真面目に仕事してください!シェアは著しく減少しているんですよ?」
「え~、平和になったばかりなんだからさ別にいいじゃん!」
「(はぁ、本当にこの先が心配になってきました・・・。)」
お願いです・・・、どなたか女神を・・・!
面倒を見てほしいと願った。
この願いがすべての始まりとも知らずに。
<新起動プログラム、展開を確認しました。>
突如、アナウンスが流れてびっくりした。
「ねぷぅ!?このアナウンス何!?」
新起動プログラム・・・?
「いーすんさん、これってまさか!」
ネプギアがそういって突然表示されたディスプレイに表示された画面を指差す。
確認をしてみると、プログラムが展開を確認し作動を始めたのだ。
「どうして今になって!?・・・ネプテューヌさん、ネプギアさん。少し離れましょう!」
扉の入り口まで下がり、様子を見る。
システムは止まることなく起動していく。
<システム動作、良好。身体構築を開始します。>
すると前が急に光だし、システムが身体を構築していくのが見える。
表示されている画面には、システム起動率の数字が50%から60パーセントへとあがっていく。
「いーすん!さっきはぼやけてて見えなかったけど、あれもしかしたら人だよね!?なんで人が出てきてるの!?」
ネプテューヌは光の先を指差し驚き続けている。
「ほ、本当だ・・・!」
ネプギアに関してはなぜだろうか、目を輝かせている。
・・・まるで新しいおもちゃをもらったかのような感じだった。
「どうやらとんでもないことをしてしまったようです・・・。」
新起動実行手順に従い起動しただけでなぜ人が出てくるのだろうか。
けどやってしまったことは仕方ない。
しばらく見届けることにする。
<身体構築完了、記録シークエンス開始。>
すると画面が切り替わり、記録の転送率が表示される。
しかもこの記録は・・・。
「私が今まで記録してきたものを・・・?」
「えぇ!?それじゃいーすんが2人になっちゃうの!?」
なぜかネプテューヌはいやな顔をする。
それもそうだ、毎日イストワールに叱られているのだから。
「でもこの人、いーすんさんより身長大きいし男の子みたいだよ?」
「へ?」
ネプギアの言ったことに、ネプテューヌは目を丸くする。
「うそぉッ!?いーすん男になっちゃうの!?」
「どうしてそういう発想に至るんですか!?」
ネプテューヌの発想につい突っ込んでしまった。
そうしている間に、システムは次々と起動していく。
そしてついに・・・。
<記録読み込み終了、システム全起動完了。>
「あ、終わったみたい・・・。」
<最終確認終了、『天使』起動します。>
「「「・・・天使!?」」」
出現した男の子に目をやる。
彼がついに目を覚ました。
「・・・・・。」
彼はこっちを暫く見続けた後、こっちまで進み目の前で止まる。
「アサルト、新起動が実行されたことにより誕生した。」
アサルト、それが彼の名前なのだろうか?
それにしてもなんと凛々しい男の子だろう。
全体を見渡してみる。
軍服見たいな服の上に黒のコート、紺色の髪。
緑色の瞳が微かに光っているように見えた。
「・・・俺を造ったのは貴方ですか?」
「はい、私はイストワール。お願いがあって、貴方を起動を実行しました。」
「これって、まさかのオリジナルキャラ!?」
「お姉ちゃん落ち着いて・・・。」
すると彼はネプテューヌとネプギアを見つめ、目を閉じた。
暫くして目を開いた彼は口を開く。
「プラネテューヌの教祖、イストワール。プラネテューヌの女神、ネプテューヌに女神候補生のネプギア、確かに認識した。」
「ねぷ!?まだ名前を言ってないのに!」
「いーすんさん、もしかしてさっきの記録って・・・。」
「はい、私の記録を彼も持っていることになります。そのためネプテューヌさんやネプギアさんのことをご存知なんです。」
それにしても彼は一体何者なのだろうか。
システムが起動したときのアナウンスでは「天使」といっていたが・・・。
彼に質問をする。
「貴方のことを教えていただけますか?」
すると彼はすんなりと答えてくれた。
「俺は守護女神の防衛を目的とした次元天使。・・・説明書をそのまま読んだだけだが。」
守護女神の防衛を目的とした次元天使・・・?
それじゃこの新起動実行手順は・・・。
「イストワールの願いによってシステムが起動したと考えてもらっていい。」
「え?私ですか!?」
「あぁ、どなたか女神の面倒を見てほしいと。」
まさか本当に面倒を見てくれる人が出てきてしまうなんて・・・・。
ーアサルト視点ー
目が覚めた俺はここがどこかを確認する。
そして今、俺の前には3人の女性がいる。
先頭にいる本の上に乗っかって浮いている女性をスキャンする。
プラネテューヌの教祖、イストワール。
俺を造ったことから、彼女が俺の生み親つまり母親に当たるのかもしれない。
「アサルト、新起動実行されたことにより誕生した。」
イストワールに目を向けて質問をする。
「・・・俺を造ったのは貴方ですか?」
「はい、私はイストワール。どうしてもお願いしたいことがあって起動を実行しました。」
なるほど、理解した。
「これって、まさかのオリジナルキャラ!?」
「お姉ちゃん落ち着いて・・・。」
イストワールの後ろでなにやら2人の少女が騒いでいる。
スキャンを実行し、確認をする。
「プラネテューヌの教祖、イストワール。プラネテューヌの女神、ネプテューヌに女神候補生のネプギア、確かに認識した。」
「ねぷ!?まだ名前を言ってないのに!」
「いーすんさん、もしかしてさっきの記録って・・・。」
「はい、私の記録を彼も持っていることになります。そのためネプテューヌさんやネプギアさんのことをご存知なんです。」
なるほど、この記録はもともとイストワールのものだったのか。
イストワールは俺に再び顔を向ける。
「貴方のことを教えていただけますか?」
俺は説明書に書いてある文章をそのまま流用して答える。
「俺は守護女神の防衛を目的とした次元天使。・・・説明書をそのまま読んだだけだが。」
だがこれだけだと分かりづらいだろう。
もっと簡単に言うとしたらあれがいいかもしれない。
俺が目覚める前、何もない無の世界で俺は誰かに呼ばれた。
女神の面倒をみてほしいという願いから俺は目覚めた。
これならどうだろうか。
「イストワールの願いによってシステムが起動したと考えてもらっていい。」
「え?私ですか!?」
「あぁ、どなたか女神の面倒を見てほしいと。」
どうやら願っていたのは彼女自身で合っているようだ。
「いきなり皆の前に現れて図々しいかもしれないが、今日からよろしく頼む。」
「そんなことはありませんよ、共に女神を支えていきましょう。よろしくお願いしますね。」
イストワールが手をさし伸ばしてきた。
小さな手を軽く握り、握手を交わす。
なぜだろうか、ものすごくかわいいとしか言いようがない。
「そこのお二人も、宜しくな。」
「宜しくね、アルト!」
アルト・・・?
なぜ「サ」が抜けているのだろうか。
「お姉ちゃん!さすがに初対面の人にそれは失礼だよ?」
「いいじゃん、だってアサルトって何か呼びづらいし!」
アルトか、まぁ悪くはないかもしれないな。
「了解した、アルトと呼んでくれ。」
「オッケー!」
「アルトさん、宜しく宜しくお願いします!」
ネプギアがどっからどう見ても姉にしか見えないと思ったのは心にとどめておくことにした。
・・・あれから1ヵ月が経過した。
ひとまず俺は彼女たちの日常を観察した。
仕事も一通りイストワールから教わり、今では完璧までとはいえないがこなせるようにはなった。
「アルトさん、調子はどうですか?」
仕事を一通り終わらせたと同時にタイミングよくお袋ことイストワールが声をかけてくる。
どうやらお茶を持ってきてくれたようだ。
「お袋、いま仕事が終わったところだ。・・・それと息子に敬語ってやっぱりおかしくないか?」
「癖のようなものなんです、気にしないでください。はい、どうぞ。」
お袋はお茶を出してくれた。
「ありがとう。・・・向こうは向こうでゲームライフか。」
ネプテューヌたちのほうを見る。
あれから彼女はずっとゲーム三昧だ。
まぁ楽しむことはいい事だが。
「はぁ、もうアルトさんが女神でいいかもしれないです。」
「お袋、俺は男だし天使だぞ。女神は勘弁してくれ・・・。」
「冗談ですよ。フフ、息子を持つって不思議ですね。」
「そうか?」
「はい、しっかり者の息子は初めてですから。正直助かってます。」
確かにそうかもしれない。
俺が誕生する前までネプテューヌはかなりひどかったと聞く。
一時は記憶をなくしていたとか。
まぁネプテューヌも色々大変ということかもしれないな。
「お袋、そろそろネプテューヌに仕事させようか。」
こっちの仕事は終わったことだし、今日も彼女のサポートをしなくては。
でないとシェアは徐々に下がる一方だ。
「はい、行きましょうか。」