超次元ゲイムネプテューヌ The Dhumeisyonn Angel!   作:裏の傍観者

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ノワールの誤解により重傷を負ったアルト。
母親であるイストワールが・・・?


第3話 アルトの母親

~ネプギアサイド~

 

「・・・アルトさん、入りますね。」

 

扉を開き部屋に入る。

薄暗い部屋の中、アルトはベッドで横たわっていた。

あれから3日、アルトさんは今でも寝たきり。

左腕も損失したままだった。

怪我はコンパさんが手当てしてくれたおかげで治ったけど、左腕はどうしようもできなかった。

森一帯を探し回ったけど、肝心の左腕がどこにもなかった。

お姉ちゃんがアルトさんを協会に連れて帰ったとき、いーすんさんは泣きっぱなしだった。

それもそのはず、アルトさんはいーすんさんの息子だから・・・。

 

「アルトさん、やっぱり見つからなかったです・・・。本当にごめんなさい。」

 

「ネプギアさんが謝ることじゃないですよ。」

 

声がした方に顔を向けると、机の上にいーすんさんが座っていた。

私より先にいたのかな?

よく見ると机には小さなお布団があった。

 

「いーすんさん?」

 

「おはようございますネプギアさん。・・・いつも朝早くからの捜索、ありがとうございます。」

 

「いえ・・・、でもまだ・・・。」

 

「いいんです。ネプギアさんのせいではありませんから、謝る必要なんてないですよ。きっと、彼もそういうでしょう。」

 

いーすんさんはくずれた毛布をかけ直す。

アルトさんの額に手を当て、熱がないかを確認してるみたい。

 

「ところでネプギアさん、ノワールさんは?」

 

「お姉ちゃんから聞いてきました、あれからずっと自分の部屋に籠りっぱなしみたいです。ブランさんやベールさん達が説得を試みてるんですけど・・・。」

 

お姉ちゃんが言っていたことを思い出す。

 

「(ノワール、ちっとも部屋から出ようとしなくてさ・・・。扉に鍵がかかってたし、説得しようとしたら来ないで!の一点張りなんだよね。)」

 

ユニちゃんにも協力してもらってもダメだったって。

 

「そうですか・・・。」

 

「いーすんさん。」

 

「ノワールさんのせいではありません。母親である私の責任です。もっとこの世界の事を教えておくべきでした。ネプテューヌさん以外の女神達のことも・・・。」

 

どうしてこんなことになっちゃったんだろう。

アルトさんだけじゃなく、ノワールさんも心配で仕方がない。

アルトさんが目を覚ましたとしても、ノワールさんとの関係が悪化するのがとても心配だった。

 

「ネプギアさん、すみませんがこの子をお願いしてもらってもいいですか?」

 

「分かりました。いーすんさんは?」

 

「書類を片付けてきます。いつまでもこうしていたら、プラネテューヌが危ないですから。」

 

「・・・分かりました。」

 

「お願いしますね。」

 

いーすんさんはそのまま部屋を退室した。

 

~ネプテューヌサイド~

 

「今回もダメだったわね・・・。」

 

「本当に、どうしたものでしょうか。」

 

「ノワール・・・。」

 

ラステイション教会。

私とブラン、ベールの3人でノワールの説得をはじめてから3日がたったんだけど・・・、今回も駄目だったみたい。

昨日まで来ないでって叫んでたのに、今じゃ返事も返って来なくなったんだもん。

このままじゃユニちゃんも可愛そうだよ。

 

「ネプテューヌ、アルトさんという方はまだ目を覚まさないのですか?」

 

「うん、あれから眠ったままなんだって。左腕も見つかってないみたいだし・・・。」

 

ネプギアが毎朝早くに捜索してくれてるけど、未だに見つかってないんだって。

もう先が見えなくなってきちゃったよ・・・。

 

「落ち込まないでくださいなネプテューヌ、諦めずに説得を続けましょう。」

 

「ベール・・・ありがとう。」

 

「私も協力するわ。けど今日はここまでね。」

 

「そうだねブラン。」

 

私は諦めたくない。

そのためにも、また明日出直そう。

 

~アルト視点~

 

沢山の星が輝く空間。

ここは・・・宇宙なのか?

自己位置を検索するも、該当する場所はなかった。

それどころか、GPSと繋がらず殆どの機能が使えない。

完全にお手上げだった。

今は沢山の星を眺めることしかできない。

 

「星か、見ているだけで温かくなるな・・・。」

 

<貴方もそう思う?>

 

突然のことで驚いた。

ここには俺しかいないのに、どこからか声が聞こえた。

 

「俺以外に誰かいるのか?」

 

<いないよ、そこにいるのは貴方だけ。>

 

「・・・俺は死んだのか?」

 

<それは貴方次第かな。システムにただ従うだけでいたら、死んでるかもね。でも、自分の意思でいたら希望はあるかも。>

 

言っている意味がわからない。

システムに従っているだけ?

 

「次元天使が・・・システムだと?」

 

<そうだよ。貴方は女神を守るために産まれた。だからあの時女神に攻撃することができなかった。それって、システムに従ってて、女神を傷つけちゃいけなかったんでしょ?>

 

確かにその通りだ。

俺は女神の防衛が目的で、システムによって産み出された。

その実行手順にしたがったまでだ。

 

<人ってね、自分の意思で選択し続けてるから生き続けているんだよ?決められた運命の通りに進んで死ぬってつまらなくない?>

 

「俺には理解できない・・・。」

 

<ならせっかくだし、システムに背いて自分の意思で行動してみてよ。>

 

「システムに背く?それは女神を敵に回せってことか?」

 

<それも貴方次第、自分で考えるんだよ。>

 

「自分で考える・・・。」

 

<さぁ、私に見せてくれるかな?貴方の意思を。>

 

視界が急に眩しくなる。

吸い込まれている感じがする。

 

<システムの管理権限を貴方に全部渡すね。それじゃ・・・。>

 

「待ってくれ!そのシステムは一体なんなんだ!」

 

<それはね・・・。>

 

ー誰かを守りたいと思うときに発動するシステム、アサルト・・・。

 

その言葉を最後に吸い込まれた。

次に目を覚ましたら、俺はベッドで横になっていた。

時刻を確認する。

23時10分、すっかり夜になっていた。

左腕を見る。

感覚がないと思ったら、左腕が無くなっていた。

あの攻撃で切り落とされたのだろう。

左腕以外の機能はほぼ回復していた。

問題なく体も動く。

ベッドから起き上がる。

 

「・・・?」

 

ふと気づく。

机の上に小さな布団が置いてあった。

きっと、お袋が看病してくれていたのだろう。

部屋を出て、バルコニーへ向かう。

リビングには誰もいなかった。

扉を開けて、外に出た。

空は雲一つなく、沢山の星が輝いていた。

さっきまで俺は沢山の星に囲まれた空間にいた。

あの時聞いた声を思い出す。

 

<誰かを守りたいと思うときに発動するシステム、アサルト・・・。>

 

俺がアサルトと名付けられた理由、俺がシステムだから?

だがあの時俺は何かから解放された。

それが何かはわからない。

そのせいか、守護女神の防衛という使命が俺から消えていた。

これから俺はどう行動してけばいいのだろうか。

待てよ・・・。

自分で考えて行動する、つまりはこういうことなのだろうか?

なるほど、確かに面白い。

だが不安もある。

いつかきっと、過ちをおかしてしまう気がした。

こういうことだったんだな・・・。

なら、まず始めにやらなければならないことをやろう。

 

「今の状況を確認する必要があるな。」

 

攻撃された時の記憶はある。

だが、それからの記憶がない。

それを調べる必要がある。

部屋に戻り、寝間着から着替える。

コートを羽織り、教会から外に出る。

プラネテューヌの国民はもう寝ている頃なのか、外は静かだった。

まずは現場に向かおう。

だが肝心のフライトユニットがなかった。

そういえばあの時大破させたままだった。

管理画面を表示する。

そこで俺は違和感に気づいた。

 

「・・・管理者用システム設定?」

 

試しに実行してみる。

沢山の項目が表示される。

そこで気になった項目、『創造プログラム』に触れる。

詳細が表示され、フライトユニット管理が表れた。

 

「これは、あの時いっていた権限のことか?」

 

確かに、俺は管理権限を譲渡されていた。

管理権限を持っていなかった時の俺は、一体誰に管理されていたのだろうか?

あのときの声なのだろうか?

声だけで誰なのかはわからない。

気にしていても仕方ない、フライトユニットのプログラムを構築する。

あのときはただの移動用で、護身用の武装すらされていたなかった。

なら、武装された軍用ヘリコプターを応用しよう。

現在確認している軍用ヘリで優秀な機体を検索する。

そして表示されたのが・・・。

 

「AHー64D、アパッチロングボウ・・・・。」

 

これだ。

すぐにフライトユニットへと変換を開始する。

変換はすぐに完了し、フライトユニットの項目にアパッチという名でユニットが追加された。

 

「よし、フライトモード、アパッチ・・・スタンバイ!」

 

ユニットが出現し、背中に装着される。

右腕に30mm機関砲、両足にAGMー114ヘルファイアとAIMー92スティンガー。

左腕にハイドラ70ロケット弾ポッドが装備されるはずだが、見ての通り左腕は損失しているので一つを除いた武装が装備された。

 

「これならいけるな。」

 

バイザーを展開させると、レティクルが表示されすべての武装がリンクする。

なるほど、それぞれの武装の照準がここに表示されるわけだな。

さっさと現場に向かおう。

エンジンを始動し、ローターの回転数をあげる。

操縦方法はブラックホークと一緒だ。

マップを表示する。

バーチャフォレスト、ここが現場だ。

途中、大破したブラックホークの残骸を確認したのでそこに着陸した。

テールローターの部分は見事に切り落とされ、墜落して爆発したのか黒こげになっていた。

 

「・・・修復は不能だが、データは無事だったみたいだな。」

 

データを読み込む。

そこにはフライト記録と・・・目的の状況記録があった。

だが撃墜されてからの後の記録がなかった。

 

「まぁ、収穫しただけでも良しとしよう。」

 

さて、この大破した残骸はどうするか。

放置するか。

だが、壊れていてもこれを悪用されてしまったら大変だ。

破壊することにした。

 

「・・・・・。」

 

照準を合わせ、ヘルファイアを1発放つ。

対戦車ミサイルは残骸に激突し、大きな爆発を起こした。

大きな爆風と同時に細かな破片が飛び散り、残骸は跡形もなく消し飛んだ。

 

「処理完了っと。少し派手にやり過ぎたか。」

 

まぁ処分できたことに変わりはない。

ここに長居すると皆に心配されるだろう。

早めに帰ることにした。

 

~ネプテューヌ視点~

 

ついベール達とのゲーム対戦に夢中になりすぎて帰るのがかなり遅くなってしまったわ。

これはいーすんにものすごく叱られそうね。

連絡いれて泊まることを伝えておくべきだったわ。

一先ず女神化してプラネテューヌ教会に帰ることにした。

途中、上空に光を点滅させている飛行物体を見つけた。

赤、緑、白が同時に点滅している。

軍用ヘリかしら?

 

「でもよく考えたらこの時間帯に飛ぶのはおかしいわね。」

 

この時間帯になればプラネテューヌは完全に静まり返る。

不審に思った私はその飛行物体に近づくことにした。

飛行物体との距離が徐々に縮まり、その飛行物体の正体をしった私は驚いたわ。

だって、飛んでいるのは・・・。

 

「あ、アルトなの!?」

 

「ネプテューヌ?」

 

飛んでいたのはアルトだった。

 

「よかった・・・目が覚めたのね。」

 

「おかげさまでな、・・・迷惑をかけた。」

 

「いいのよ。それより、左腕・・・。」

 

怪我は治ったものの、アルトの左腕はなかった。

見ているだけでとても痛々しいわ・・・。

 

「気にするな。」

 

「気にするなって・・・、左腕をなくすって大事よ?」

 

「大丈夫だ、今の俺なら復旧できそうな気がしてな。」

 

「どういうことなの?」

 

「帰ってからゆっくり話すよ。・・・それよりネプテューヌ。ゲームやってて遅くなったのか?」

 

これはかなり痛いところを突くわね・・・。

それもそのはず、アルトは私達女神を守るために産まれたんだもの。

私達のことをよく知っていて当然ね。

 

「・・・夢中になりすぎちゃったのよ。」

 

「こりゃお袋がうるさくなるな。」

 

「えぇ、そうね・・・。」

 

プラネタワーが見えてたわね。

今さら帰りたくないという気持ちが大きくなってくる・・・。

しんどいわね。

 

「貴方も人のこと言えないんじゃないの?無言で抜け出して来たでしょ?」

 

「まぁな。すこし確かめたかったことがあった。」

 

「そうなのね。その収穫がその武装?」

 

気づかなかったのだけれど、ふと見るとアルトは完全武装をしている。

機関砲、ミサイルが彼の武器なのね。

 

「いや、収穫はデータだけだ。・・・もう要済みだけどな。」

 

「見つけたならそれでいいじゃない、何か分かったの?」

 

「フライト補助データのバックアップを見つけただけさ。」

 

「そう。」

 

気づけば私達はプラネタワーにたどりついていた。

 

「先に降りてくれ、こういうのはレディーファーストだろ?」

 

「それ以前に私は女神よ?」

 

「そうだったな、パープルハート様。」

 

「茶化さないで、・・・お言葉に甘えて先に降りるわね。」

 

高度を落とし、バルコニーに着地した私は変身を解いた。

それに続いて、アルトも着陸した。

 

「お~!かなり迫力のある着陸だね!」

 

「ヘリだからな。」

 

~アルト視点~

 

フライトユニットを格納した。

まったく、なぜネプテューヌは変身すると人が大きく変わるのだろうか。

ギャップがありすぎてたまに追い付いていけないときがある。

なんてことを思っていたら扉が開いた。

 

「アルトさん?」

 

お袋だった。

 

「ただいま。」

 

「目が覚めたんですね・・・!!」

 

お袋が小さな体で俺に抱きついてきた。

なんか照れ臭いな・・・。

 

「心配かけたな、すまない。」

 

「貴方のせいではありませんよ、私の教育不足でした・・・。」

 

「ならお互い様ということにしておこう。」

 

「グス・・・そうですね。」

 

お袋は笑顔になった。

それにしても相変わらずお袋は小さいが可愛いな。

つい俺はお袋を抱えてしまう。

 

「こ、こらアルトさん!」

 

「いいじゃないか、片腕だがこれで我慢してくれ。」

 

「左腕・・・もう治りそうにないですね。」

 

「仕方ないさ。」

 

「ストーップ!!ねぇねぇ、親子でいい雰囲気になってるけどさ、私主人公なのに出番がないっておかしくない!?」

 

この瞬間、感動の親子会話シーンが台無しにされてしまった。

ネプテューヌはシリアスを破壊する才能があるのかもしれないな。

 

「ネプテューヌさん!今何時だと思ってるんですか!?」

 

「ごめんなさいいーすん、今回は遅くまで粘ってたのよ。」

 

いつの間にか変身したんだネプテューヌ・・・。

女神化して上手い言い訳をしたのはたぶんお前がはじめてだろうな。

 

「・・・本当ですか?まぁ、そういうことにしておきます。」

 

いいのかよお袋・・・。

 

「さ、もう遅いですし寝ましょうか。」

 

「そうするわ。」

 

「女神化したまま寝る気か?」

 

「貴方のためよ、看病も含めて添い寝してあげるわ。」

 

それを聞いたお袋が呆れたような顔をする。

 

「ネプテューヌさん、今日だけですよ?」

 

「いいのかよ・・・。」

 

ここにいても仕方がないのでおとなしくお袋とネプテューヌの3人で眠ることにした。

 

翌朝・・・。

 

「・・・きなさい・・・。」

 

声がする。

あの時の声か?

いや、この大人びた声は・・・。

 

「アルト・・・起きなさい、もう朝よ?」

 

視界がゆっくりと広がる。

そういや昨日の夜、お袋と女神化したままのネプテューヌの3人で寝てたんだった。

ということは、今目の前にいるのは・・・。

 

「やっと起きたのね。」

 

「ネプテューヌ・・・。」

 

まだ変身を解いてなかったのか。

それにしてもよく女神化を保てたな。

 

「おはよう、体は大丈夫かしら?」

 

「今のところはな。」

 

ベッドから起き上がる。

すこし体が重い。

3日間も寝ていれば、運動不足になる。

 

「おはよう、ネプテューヌ。・・・って何て格好しているんだ?」

 

「あら、ちょっとしたサービスよ。」

 

寝間着に着替えればいいものを、なぜ下着姿のままで寝ていたのだろうか・・・。

 

「それとも何?抱いたまま寝てた方がよかったかしら。」

 

「・・・俺が寝ている間に一体何をした?」

 

「ちょっとしたいたずらよ、寝顔があまりにも可愛かったからつい頬っぺたをつねったりしわわ。」

 

「・・・・・。」

 

なんというか、本当にネプテューヌは変身すると体だけでなく中身までも大人になってしまうようだ。

どう反応したらいいのか困ってしまう。

 

「2人とも、朝ですよ。・・・ネプテューヌさん、何をしてるんですか?」

 

先に起きていたお袋が部屋に入ってきた。

 

「ネプテューヌ曰く、ちょっとしたサービスらしい。」

 

「本当に朝から何してるんですか・・・。」

 

「いいじゃない、それにこういった刺激は男の子にいいのよ?」

 

「必ずしも男全員ってわけじゃないぞ。」

 

一先ず朝飯だ。

お袋が用意してくれた朝飯を食べ、部屋に戻って着替える。

片手しか使えないので、服を着るのに苦労する。

部屋を出るとネプギアが廊下を歩いていた。

 

「アルトさん!おはようございます、目が覚めたんですね。」

 

「目が覚めたのは昨日だけどな、おはようネプギア。」

 

「すみません、左腕全然見つけられなくて・・・。」

 

「気にするな、見つけたとしても付かないし多分消滅しただろう。」

 

「へっ?そうなんですか?」

 

「一先ず執務室にいこう。ネプテューヌとお袋もいる。」

 

「はい。」

 

廊下を歩き、執務室の扉を開けて入室する。

ネプテューヌはいつの間にか変身を解いてゲーム、お袋は紅茶を飲んでいた。

それにしてもお袋の持っているティーカップ、大きくないか?

明らかにお袋のサイズにはあってない。

けどなんか可愛いと思ってしまった。

 

「飲むのに苦労してるなお袋。」

 

「仕方ないじゃないですか、私にあうカップがないんですよ。皆さんのように大きくなれればどれだけ楽なことか・・・。」

 

「確かにな。」

 

ふと気づいた。

創造プログラムでお袋を大きくすることは可能なのだろうか?

とっさに画面を表示し、管理者用システム設定を選択する。

創造プログラムを開き、項目を探していく。

そのなかに、大小変更という項目を見つけた。

説明書を読んでみると、選択した対象を大きくしたり小さくしたりすることができるらしい。

対象となっているのは物と人だ。

お袋は人かどうかはわからないが、これならいけるかも知れない。

 

「お袋、すこしいいか?」

 

「どうしたんですか?」

 

「やりたいことがある、バルコニーに来てくれ。」

 

「はい、構いませんけど・・・。」

 

俺はお袋を右肩に乗せ、外に出る。

なぜかネプテューヌやネプギアが俺に続いて外に出てきた。

 

「アルト?いーすんなんか連れてどうしたの?」

 

「お出掛けですか?」

 

「いや、ちょっとした実験さ。」

 

お袋を地面にそっと降ろし、その場に立たせる。

 

「お袋はそこで立っててくれ。」

 

「立っていればいいですね?・・・なんだか不安です。」

 

「大丈夫、すぐに終わる。」

 

お袋からすこし離れ、さっきの項目を表示させる。

大きさは・・・そうだな、お袋はすこしロリっぽいからネプテューヌぐらいに合わせておけば大丈夫だろう。

設定を確定し、右手をお袋に向ける。

 

「お、これはまさか手品!?」

 

「何をするのかな・・・?」

 

意識をお袋に集中させる。

 

「設定を適用、書き換え開始!」

 

システムが作動し、この世界でのお袋の身体データを書き換える。

お袋から眩い光が発せられると同時に、体がすこしずつ大きくなっていく。

身長がネプテューヌと同じくらいになると光は消え、書き換えが終了する。

 

「さて、どうだお袋。」

 

「こ、これは・・・?」

 

「え、うそおおおおおっ!?」

 

「いーすんさんが大きくなった!?」

 

どうやら成功したみたいだ。

お袋はネプテューヌと同じ身長となっていた。

 

「これなら生活に苦労はしないだろう?」

 

「はい!それにしても、どうやって?」

 

「この世界でのお袋の身体データを書き換えたんだ。んで、大小設定で大きくしてそれを適用した。」

 

もうなんでもありの設定だなこのシステム・・・。

まさかこんなことまでできるとは思いもしなかった。

 

「気に入ってくれたか?」

 

「それはもう!ありがとうございます!!」

 

お袋は笑顔で俺に飛び付いてきた。

やっぱりこっちのほうがしっくりくるな。

なんてお袋の暖かさを堪能していると、ネプテューヌとネプギアが騒ぎだした。

 

「すごいよアルト!いつの間になんでもできるようになっちゃったんだね!?」

 

「まぁ、俺でもよくわからないんだけどな。」

 

あの声を聞いてからだ。

それはそれでありがたい。

 

「アルトさん、それなら左腕も治せるんじゃないですか?」

 

「あ・・・そうだった。」

 

すっかり忘れていた。

いや、普通忘れることはないが。

俺も一応人なんだし、治せるなら治したい。

 

「やってみよう。」

 

再び管理者用設定を選択し、項目を探す。

身体管理を見つけ、それを選択。

項目のなかに、修復があった。

説明書を読む。

管理者の身体を修復する機能で、負傷した際に役に立つ。

ただし、修復するにはエネルギーを消費する。

 

「エネルギーを消費するらしい。」

 

「エネルギーですか?」

 

皆に説明書を見せる。

 

「なになに?・・・エネルギーとして使用できるのはシェアエナジーのみ?」

 

シェアエナジーときたか・・・。

どうやら女神の力を使わないとできないということらしい。

まぁ、都合よく回復することはないし、仕方のないことだ。

 

「アルトさん、シェアエナジーが修復するのに必要なんですね?」

 

「そうらしい、安易にシェアエナジーを使う必要もないからやめるか。」

 

「そんなことはありませんよ、私は貴方の母親です。母親として、息子の体調管理をするのは当然のことなんですから。」

 

「そうだね!ま、シェアがすこし減っても大丈夫だし!」

 

「その分ネプテューヌさんには働いてもらいますよ。」

 

「ネプッ!?」

 

少しはシェアを増やしていかないと、わりとマジでプラネテューヌがヤバイ。

それに問題が山積みだしな。

 

「アルトさん、私達のことは大丈夫ですから早く腕を治してください。・・・それに、失ったままじゃノワールさんの説得にも影響すると思います。」

 

確かにネプギアの言うとおりだ。

片腕をなくしたままで説得しようとすればかえって逆効果だ。

きっと自分をせめてしまいには大変なことになりかねない。

 

「そうだな。すまない皆、力を貸してくれないか?」

 

「もちろん!私はOKだよ!」

 

「はい!」

 

「では、案内しますね。」

 

お袋に案内された場所は、シェアクリスタルが保管されている部屋だった。

俺がはじめて誕生した場所でもある。

この部屋によく出入りしているのはお袋くらいだ。

部屋の中央に、光輝くものがあった。

電源キーの形をしたシェアクリスタルだ。

 

「これがシェアクリスタルです。普段はネプテューヌさんやネプギアさんが体内に保管しているものになります。」

 

「なるほど・・・。ここにいるときはこの部屋で保管するということか。」

 

「そうなります。・・・ではこれからどうしたらいいですか?」

 

「俺の右腕に直接触れてシェアを送ってほしい。」

 

右腕をお袋達に差し出す。

 

「OK~!!」

 

「わかりました!」

 

「これでいいんですね。」

 

3人は俺の右腕を軽く握る。

彼女達の手のあたたかさが伝わってくる。

 

「あぁ。・・・皆、送ってくれ。」

 

すると3人からシェアが送られてくる。

これもあたたかいものだった。

皆はこれを背負っているんだなと関心した。

修復を実行する。

身体データの修復が開始され、左腕が構築される。

それが徐々に進んでいき、左腕は修復された。

復活した左腕を確認し、試しに手のひらを握ったり開いたりを繰り返す。

正常に修復され、左腕は完治した。

 

「修復完了、皆ありがとう。」

 

「どういたしまして!あ、私にプリンをくれてもいいんだよ?」

 

「お姉ちゃんったらもう、プリン食べすぎだよ・・・。」

 

「プリンなら冷蔵庫にある、2人で俺の分まで食べていいぞ。」

 

「いいの!?やったー!!」

 

「ありがとうございますアルトさん!・・・あ、待ってお姉ちゃん!」

 

2人は走ってこの部屋を退室した。

 

「お袋も、ありがとう。」

 

「いいんですよ、無事完治してよかったです。」

 

お袋は治った左腕を軽く握り、優しくさする。

 

「次からは無理しないでくださいね?」

 

「勿論だ、今回の件で思い知ったからな。・・・さて、やることやろうか。」

 

「はい!」

 

俺とお袋は肩を並べて部屋を後にした。




ついにイストワールが人並みの大きさになりました!
小さい方も可愛いんですけど、どうしても大きくしてみたかったんです!
更新が遅くなって申し訳ないです、書き上げるのにどうしても3日かかっちゃんですよ(^_^;)
まだまだ物語は続きます!
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