超次元ゲイムネプテューヌ The Dhumeisyonn Angel! 作:裏の傍観者
~アルト視点~
ワイヤーでぶら下がりながら読書をしていた俺はノワールに助けられ、彼女に抱えられた状態で教会に戻っている。
もう夕方になるのだろうか、日が沈んでいき空がオレンジ色に変わっていく。
「・・・・夕日を眺めながらの飛行か、悪くない。」
「そうね。」
ノワールも夕日を眺めていた。
「貴方も呑気ね、まるで戦闘機から脱出したパイロットみたいだったわ。」
「仕方ないだろ、パラシュートは一回目の着地で使ったんだ。いくつもパラシュートが詰まってたら重くて飛べない。」
「飛び道具の固まりね。」
「そうなのかもな。」
実際、そのようなものだ。
「・・・それと、最初からいたなら支援くらいしてくれてもいいのにな。」
「・・・え?」
レーダーにはスライヌやエンシェントドラゴン以外に複数の反応がでていた。
一定の距離を保ち続け、俺たちを追っていた。
最初から尾行されていたんだ。
「さすがに酷かったと思うぞ、ネプテューヌ!!」
振り向くと、後ろから人が接近してくるのが見えた。
ネプテューヌ達だ。
「最初から気づかれてたのね。」
「な、なんで貴女達がいるのよ!」
「あら、何でと言われましても私たちはお二人が心配でついてきただけですわ。」
「散々心配させやがったんだ、他に言うことあんじゃねぇのか?」
「私も心配しましたよ、ノワールさん。」
言われてみれば確かにな。
それに、皆に一言いわずにクエストに出たんだ。
心配されて当然だ。
「けど、その必要はなかったみたいね。」
「えぇ。ノワールがアルトに抱き締められながら脱出したときの顔、見ていて微笑ましかったですわ。」
「貴女達ね・・・!!!」
ん?
脱出した時のノワールがなんだって?
風でよく聞こえなかったが、まぁ気にしないでおこう。
「それよりアルト、なんでノワールに抱えられてんだ?」
「急な動きで無茶してユニットをパージ。そして全武装を撃ち尽くしてこの様さ。」
「また壊しちゃったんですか?さすがに勿体無いですよアルトさん!新しいユニットを分解したかったなぁ。」
もろに聞こえているぞネプギア。
どうしてそこまで分解したいのだろうか。
フライトユニットって言っても、現代の戦闘ヘリを応用でユニット化しただけであり構造自体は変わっていない。
珍しいものがあるとは思えないな。
「俺も皆のように飛べたらな・・・。」
皆は女神であって、俺の様にユニットをつけて騒音を立てながら飛ばない。
なんでか聞かれたら、彼女達は女神だからの一言で説明できるな。
「どうしたのよアルト、具合でも悪い?」
ネプテューヌが俺の顔を覗き込んでいた。
というか、顔近すぎないか?
「俺の顔に何か付いてたか?」
「考え事してるって顔してるわよ。・・・何を考えているの?」
「・・・・なんだったかな。」
「ノワールのこと?」
「ネプテューヌ!本人がいる目の前で普通そんな事聞く!?」
なんだノワール、何を焦っているんだか。
まぁ、彼女の言うとおり俺はノワールの事を考えていた。
今回の事は無事解決したから問題はない。
だが、彼女は女神化すると攻撃的になる。
彼女は一人でなんでもできると過信しすぎなんだ。
あのときエンシェントドラゴンに1人で突っ込もうとしたのが証拠だ。
今回の様な事をまた繰り返さないか少し心配だ。
・・・それに今回の件でわかった事がある。
ノワールは1人で抱え込みすぎなのだと。
まぁ、考えても仕方ない。
そろそろ自分で飛ぶか。
1人で空の散歩をしたい気分だ。
管理画面を開き、フライトユニットを復元しようとしたが・・・。
「・・・・これじゃ使えないな。」
アパッチはデータを元に復元中でブラックホークは調整中。
今あるフライトユニットは使用不可能だった。
「何か手短にあるのはないだろうか・・・。」
キーボードを投影して操作する。
それに気づいたのか、皆の視線が俺に集まっていた。
「なにしてんだ?」
「ちょっとした探し物だ。」
『??』
フライトユニットが駄目なら、パラシュートか何かないだろうか。
そこででてきたのがパラグライダーだった。
これなら構造も簡単だし、すぐに展開できる。
「ノワール、もう離してもいいよ。」
「え?何度も言うけど貴方・・・。」
「フライトユニット無しじゃ飛べない、だろ?・・・すこし一人旅がしたいだけだ。」
「アルトさん、本当はなにか・・・。」
「大丈夫だ、皆は先に帰っててくれ。すぐに帰る。」
それでも心配なのか、皆困ったような顔をしている。
本当に申し訳ない。
「ノワール。」
「・・・分かったわ、離すわよ。」
俺はノワールにグッドサインを出す。
それに合わせてノワールは俺を離す。
俺はそのまま自由落下を始める。
彼女達はかなりの高度で飛んでいたのか、落下速度が思ったより速かった。
展開可能な高度まで下がり、パラグライダーを展開する。
永遠に飛べる訳ではないが、風があればこのままラステイションの教会にはたどり着けるはずだ。
~ノワール視点~
アルトが突然離してくれなんていうものだから、まだ混乱している。
フライトユニットを装着していないのに何処にいくつもりなの?
本当によくわからない。
アルトがグッドサインを出してきた。
それに合わせて私は抱えていた手を離す。
もちろん彼はフライトユニットをつけていない訳で、そのまま落ちていったわ。
・・・まるで投下爆弾みたい。
アルトが雲の中に突入したのかしら、姿が見えなくなっちゃった。
「ノワール、アルトが心配なの?」
「・・・無理してないかしら。」
「彼ならきっと大丈夫ですわ。それに・・・。」
「無茶してんのはノワールも一緒だろうが。」
「無茶なんかしてないわ、私は女神でこれくらいの事は・・・!」
「当然・・・っていいたいんでしょ?やっぱり、無茶してるわね。」
「でも、ノワールさんらしいです。」
皆までそんな事言うのね・・・。
「ならアルトのところに行って、ノワール。」
「え?」
どうしてアルトなの?
「私は知り合ってからまだ浅いですが、きっと見抜かれてますわ。」
私が彼に見抜かれてる?
「ベールの言うとおりだ、直接聞いたほうが早いぜ。」
「私たちは先に教会に戻ってます、留守は任せてください。」
ネプギアまで・・・。
そうね、アルトのところへ行くことにするわ。
それに・・・さっき助けてくれたお礼もあるし。
改めてアルトに謝りたい。
「・・・皆ありがとう、私行ってくるわ。」
進路を変更し、今来たルートを戻る。
高度を下げて雲を突っ切り、アルトが降下したところへ向かう。
たしかこの辺で落下していったはず。
小さな島が視界に入り、そこにいないか確認してみる。
崖の上に小さな影があった。
接近してみると、そこにはアルトが座って夕日を眺めていた。
「そこね。」
私はアルトのいる小さな島へと向かった。
~アルト視点~
パラグライダーでのんびり空の旅をしていた俺は、気分で小さな島に着地した。
少し歩くと、崖に辿りついた。
此処からみる夕日も心地がよかった。
崖に座り込み、夕日をみながら持ってきていたお茶を飲む。
「・・・・・。」
俺がこの世界に誕生して、はじめて行ったクエスト。
そのはずが、こんな大事になるとは思わなかった。
大量のスライヌを見たり、誤解でラステイションの女神に斬られたり、宇宙空間のような場所で知りもしない誰かにシステムの管理権限を譲渡されたり。
しかもそのシステムの管理権限と来たら少しチートじみたり、いろいろな事があった。
「俺って、何のために生まれたんだろう。」
守護女神を守るための守護天使。
その使命はこの世界の守護女神を守ること。
・・・のはずが、あれ以来なぜか使命感というものが一切なくなってしまった。
これから先俺はどうしていけばいいのだろう。
「空の旅をしてくるんじゃなかったの?」
横を振り向くと、そこには変身を解いたノワールがいた。
「気分だ。」
「気分屋なのね。」
ノワールはそういうと俺の隣に座る。
「そういうノワールこそ、先に戻っているはずじゃなかったか?」
「・・・・・。」
ノワールはなぜか黙ってしまった。
なにか気に障るような事を言っただろうか?
「・・・ねぇアルト、貴方から見て私ってどんな感じかしら。」
「どんなって・・・、急にどうした?」
「なんでもいいの、答えて。」
これまた急な質問だな。
俺からみてノワールがどんな女神なのかということだろうか?
女神としての自信が無くなっているのだろう。
きっとネプテューヌ達に言われたのかもな。
会ってまだ間もないのに、ノワールは俺に見抜かれていると。
そういうことか。
「何事にも1人で突っ込んで無茶をする女神、今回みていていそう思ったよ。」
「・・・・・。」
「確かに女神の役割は重要だ。ましてや、国の最高責任者だからな。良い国にしていこうって気持ちは見ていてわかる。けど無茶しすぎだ。なんでも1人でできなければいけないなんて事はないと思う。」
「そうだけど・・・私は女神で!」
「そこなんだよ。」
悔しいのか、身体が力んでいる。
そっと肩に手を乗せて落ち着かせる。
「女神を人というのはおかしいんだけどな、でも同じなんだよ。ただ特殊なだけ。」
「特殊・・・?」
「プライドを持つことは大事だ、けど世の中1人で解決できないことがあるのは当たり前なんだ。それに、1人でやり続けていたとしても全部自分1人で抱え込んでそれが積み重なった時には・・・押し潰されてる。」
俺も万能じゃない。
システムの管理権限で何でもできると思われいてるが、実際は誰かに手をかしてもらわないと駄目なんだ。
「1人で抱え込むことはないのさ。今のノワールは1人で抱え込みすぎて物事に対処しきれていないんだ。」
「じゃあ・・・私はどうしたらいいの?」
「頼ればいい、信頼できるやつにな。」
「信頼できる人・・・私にそんな人がいるかしら。」
「・・・いるだろう、ネプテューヌ達が。じゃなかったら、何のための友好条約だよ。」
俺が誕生した日に式典が行われた。
彼女達による友好条約だ。
「そりゃ確かに昔は敵同士だったかもしれない。けど昔は昔、今は今。少しは頼ってもいいとおもうぞ。1人で抱え込んでちゃ、気持ちも持たないしな。」
空になった水筒を腰につけたポーチの中にしまう。
「まぁあんな事があったばかりだ、気まずいのはわかるよ。ネプテューヌ達が駄目なら、俺でもいい。」
「え?」
「俺は守護天使だ、元々は守護女神を守るために生まれてきているんだ。国なんて関係ない。お袋から生まれたってだけで・・・いや、造られたのが正しいが、まぁそれだけだ。だからプラネテューヌだけってわけじゃない。」
その場を立ち、ポケットに手を入れる。
つい癖でやっちゃうんだよな・・・。
「それと、ノワールは1人じゃない。友好条約を結んだからにはネプテューヌ達は友達だ。それに、大切な妹がいるんだろう?」
「うん・・・。」
「そして俺もノワールの友達だ。」
「!!」
「いろいろあったが、こうして一緒にクエストやったしな。あと、俺の望みでもある
。」
「それって・・・私と友達になりたいってこと?」
「あぁ、じゃなかったら今こうして話なんかしてない。友達いたほうが、相談とかできるしな。」
すると突然ノワールが泣き出してしまった。
いきなりの事で俺は混乱してしまう。
「お、俺なんか悪いこと行ったかな・・・?」
「違うの・・・!寧ろ嬉しい!」
「嬉しい?」
「そんなこと言ってくれたの・・・貴方が初めてよ。」
「そうか、俺もこんなこと言ったのはノワールが初めてだったな。お互い様だ。」
ノワールに手を差し伸ばす。
彼女はその手を握り立ち上がる。
「とてもスッキリしたわ。・・・それと、クエストの時はありがとう。こんな私を全力で守ってくれて・・・とても嬉しかった。あの時は貴方を斬ってしまってごめんなさい。」
「過ぎたことはもういいさ、俺達は友達だからな。」
「えぇ!」
「さて、皆のところに帰りますか!」
「そうね、・・・アクセス!!」
ノワールはその場で女神化をする。
再び女神ブラックハートが見参した。
「また抱えてあげるわ。」
「なんかすまんな。」
「いいのよ、それに私達は友達なんだから!」
説明が下手であまり自信なかったけど、無事立ち直ってくれたみたいだ。
これで、完全解決ということになる。
さて、皆が待ってるはずだ。
帰ろうか!
ノワールとの仲が深まったアルト。
これから原作通り進んでいきます!