島津飛翔記   作:慶伊徹

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二十八話 戸次道雪との邂逅

 

 

 

雪さんは下半身不随である。

どうやら生まれ付きらしい。雪さん曰く、堺に居を構える商人の娘だからこそ高級な車椅子を買ってもらえたとのこと。それだけでも幸運だと笑っていた。

平坦で尚且つ整備された街道やしっかりと区画整理された町なら一人で移動する事も容易い。しかしぬかるんだ大地には弱く、今回も寺の前で身動きが取れなくなった故に雨空の下で立ち往生していたようだ。

ともあれ本格的に雷が降らず良かった。

三年前は涙すら流しそうなほど怖がっていたからなぁ。

 

「落ち着きましたか、雪さん」

 

座布団の上に腰掛ける雪さん。

寺の前で佇んでいた時と服装が違っている。

雨粒を含んで重くなった艶やかな上質の着物はしっかりと脱がせた。あのままの状態だと確実に風邪を引いてしまうと判断したからだ。

代わりに、殆ど乾いていた東郷重位の服を一時的に着用させたところまでは良かった。だが、示現流馬鹿と正反対の豊かな双丘が、今にも溢れ出しそうなのは目の毒である。

雪さんと1メートルほど離れて対峙する俺は、顔を赤くしないように細心の注意を払いながら口火を切った。

 

「みっともない姿を見せてしまいました」

 

雪さんは申し訳無さそうに顔を伏せる。

再会してから既に四半刻過ぎた。

どうやら身体の震えは治まったようである。

ホッと一安心。俺の行く末を見守ると宣言してくれた大恩人たる雪さんに、もしもの事が有ったら後悔してもしきれない。

 

「とんでもない。大事に至らず良かったと安堵しています。雪さんは俺にとって凄く大事な人ですからね」

 

臆面もなく言える。

俺にとって雪さんは大事な人だと。

恋愛感情と呼ぶには少しだけ違うだろう。

ただ怖くなるほどに波長が合うのだ。

義久様とは違う意味で、俺の未来を決定付けた方だからなぁ。三年前に経験した三日間は、例え忘れたくても忘れられない出来事だった。

 

「お上手な人。ーー三年前と変わりませんね」

 

雪さんは楽しそうに且つ嬉しそうに微笑んだ。

ふと昔の記憶が脳裏を過ぎった。

先程まで気付かなかったが三年も時が経てば当たり前か。

 

「雪さんの方こそお変わりなく。髪、伸びましたか?」

「目敏い所も相変わらず。似合っていますか?」

「勿論。思わず見惚れてしまいましたよ。俺ってば単純なことに髪の長い女性が好みですからね」

 

短い髪が似合う女性は確かにいる。

それでも俺は長髪に惹かれてしまう。

大した理由などなく、単純に好みだからだ。

そういえばーー。

直茂はどうやって俺の好みを知ったんだろう。

義久様に教えたことはあるものの、恥ずかしいから誰にも教えないで欲しいと口止めしている筈なんだがな。

 

「知っていますよ」

「あれ、話したことありましたか?」

「三年前、お酒の席で一度だけ。貴方は酷く酔っていらしたから。覚えていないのかもしれませんね」

 

口元に笑みが浮かぶ。

三年前、俺と雪さんは海に出掛けた。

無礼な南蛮商人との諍いを仲介して、坊津の現状を事細かく話し、帰り際に車椅子を改良したお陰なのか、二日目には雪さんをお姫様抱っこさせてもらった。

歩けない雪さんを抱き上げて波打ち際で遊んだ。俺は久し振りに童心へ帰った。雪さんも楽しそうに笑っていた。

二人ではしゃぐこと二刻、疲れた様子の雪さんを考慮して帰ることになった。帰路の途中も何気ない話題に花を咲かせた結果、そのまま雪さんの泊まる宿にて酒を飲み交わす事に。

そこで吐き出したのだ。

様々な想いを。駆け抜けねばならぬ辛さを。

すると雪さんは俺の頭を撫でた。

大丈夫だと、貴方なら走り続ける事ができると。

倒れそうになっていた背中を押してもらえた俺は安心したのか飲みまくった。当然の帰結として激しく酔った。あの頃は色々な意味で馬鹿だったと思う。

 

「成る程」

 

十五歳であの量はキツかった。

一言一句覚えていなくても無理はない。

 

「お酒を酌み交わせないのが残念です」

「三日後なら何とか都合が付けれますよ?」

「有り難いお誘いですが、私は明後日にでも堺に戻らねばなりません。鹿児島港に視察へ来たのも五日前でしたから、これ以上日延べしてしまえば父に迷惑をかけてしまいます」

「なんと。折角、雪さんと再会できましたのに」

 

午前中に書類を片付け、夜は視察の報告書を纏める。

それでも明日は義久様たちに謝ることで時間が取られ、明後日は歳久様と串木野金山について話し合う予定がある。

三日後は特に用事などない筈だ。

良かったらお酒を酌み交わそうと考えたが時既に遅し。

雪さんの都合が悪いというなら致し方あるまい。

残念だけど諦める他ないな。

 

「私は噂で貴方を知れますからね。島津家に躍進を齎した戦国の鳳雛だったかしら。堺でも大層評判になっていましたよ」

 

聞き捨てならない台詞である。

九州内部だけならまだ我慢できた。

にも拘らず、畿内でも渾名は轟いてるのかよ。

島津の今士元。もしくは戦国の鳳雛。

黒歴史だ。竹中半兵衛に申し訳が立たない。

将来的には歴史に名を残す軍師に成りたいと思っている。島津義久を天下人に押し上げた立役者として名を刻めたら最高だ。

故に三洲平定を成し遂げた程度で騒がれても困るんだよ。せめて九州統一を果たしてからだろうにさ。

南九州の覇権を握った段階で、他家に俺の存在を警戒される不利を鑑みれば納得の行く話ではなかった。

 

「お止めください。俺には過ぎた異名ですよ」

 

三洲平定は成すべくして成ったと言える。

六年も事前準備に費やした上に、敵の動きなども歴史知識から容易く読み取れたんだ。

必勝の条件を満たしている。

勝てない道理など一つもなかった。

だから何度でも言おう。

俺に『今士元』という異名は不適切であると。

 

「謙遜は止しなさい。三年前、今にも崩れそうだった心身を奮い立たせて、仕えるお家を発展させたのです。見合う自信を持たねばなりませんよ」

 

これは謙遜なんだろうか。

三年前は確かに自身を奮い立たせた。

島津家を躍進するためにただ走り続けた。

だが、それは家臣として当然のことである。

何も特別な事などしていない。

自信に繋がることなど何もない。

貴久様も常々言っておられたではないか。

俺は島津四姉妹に勝てないと。

俺がいなくても島津家は発展したのだと。

 

「ーー自信、ですか……」

 

瞬間、雪さんは困ったように微笑んだ。

 

「全くもうーー。忠棟殿、何か悩みがお有りのご様子」

「悩みですか?」

「御自覚しておられないとは言わせませんよ?」

 

有無を言わせない言葉。

島津四姉妹や親しい友人すら気付いていない筈。

初めてお会いした時もそうだった。

酒の力も多分に含まれていたとしても、雪さんは難なく俺に悩みがある事を勘付いた実績がある。

 

「……雪さんに隠し事はできませんね」

「当たり前です。貴方はわかりやすいですから」

「誰かにも言われたなぁ、それ」

 

誰だったかな。

すっかり忘れてしまった。

寝る前に苛まれる幻想のせいだろうか。

記憶にも異常をきたしているようだ。

いやーー。

頭を振って無駄な考えを消した。

今はただ誰にも言えなかった悩みを打ち明けるだけだ。

 

「俺は、人々が思っているほど凄くありません」

 

そうだ、凄くなんてない。

島津の今士元なんて何処にもいない。

実態は空虚だ。噂が一人歩きしているだけ。

 

「武術の才は欠片もありません。戦術と戦略に自信はありましたが、最近は色んな方々に追い抜かれていて。女性の扱い方も下手くそだと言われます。献策した事についても咄嗟に思い付いただけです。俺がいなくても島津家はいつか三洲平定を成し遂げたでしょう」

 

口は止まらない。

言葉は勝手に溢れ出てくる。

 

「なら、俺は島津家の為に何が出来るのか。行いたい事は多様にあります。しかし、それが結果として島津家に繁栄を齎すかどうかわかりません」

 

武術も知能も特筆すべきものでなくなったら。

革新的な政策で島津家を危うくしてしまったら。

唯一誇れる武器の歴史知識さえ変わってしまったら。

俺に一体何が残るのか。

俺の周りに何人残ってくれるのか。

九州平定の直前まで成し遂げた島津義久と、龍造寺隆信を五州二島の太守にまで押し上げた鍋島直茂は失望しないだろうか。

 

「だから、表面上は媚びへつらってしまう。強気になってしまう。そして一人になったら自己嫌悪する。最近はその繰り返しです」

 

只でさえ俺は島津家に婿入りした。

正室に義久様を戴き、側室に直茂を貰った。

島津家に繁栄を齎す者という評価故に許された婚姻だ。

なら逆に考えよう。

島津忠棟が島津家にとって無価値な存在へ成り下がってしまえば、大事な人達は離れていくのではないか。

二人は遠くへ行ってしまうのではないか。

大切だからこそ手許に置きたくなる。

嫌われたくないから反論できなくなる。

でもそんなこと口にする訳にいかなかった。

あまりにも女々しく、尚且つ浅ましいからだ。

 

「誰に負い目があるのですか?」

 

商人の観察眼だろうか。

的確に致命傷を貫いてくる。

俺は瞳を伏せて首を横に振った。

 

「ーー言えません。口にしたら事実となる。俺の未熟を他人のせいにしたくない」

 

浮かんだ顔は二つだ。

誰かなど考えずともわかる。

だが口に出すなど言語道断であろう。

 

「なら、私の伝えるべき言葉は一つですね」

 

雪さんが姿勢を正した。

倣うように俺も背筋を伸ばす。

全身全霊で雪さんの言葉を頂戴する。

 

「拝聴します」

 

一拍。

 

 

「人を弄べば徳を失い、物を弄べば志を失う」

 

 

成る程。

 

「書経に記された言葉ですね」

 

史実で立花道雪が大友宗麟を諌めた時の言葉だ。

人を侮って弄べば自分の徳を失うことになり、物を弄び執着しすぎると大切な志まで見失ってしまうことになる。

俺へ真っ直ぐな視線を向ける雪さん。

厳しさと優しさの溶け込んだ双眸を細めて、まるで心に染み入るような柔和な笑顔を浮かべた。

 

「深く心に尋ねなさい。問い掛けなさい。貴方は迷っておられるだけです。私が認めた男の子なら逃げずに立ち向かいなさい」

 

他人に答えを求めるなど甘えだと。

己の導き出した答えで突き進めと。

三年前に叱咤された時と同じである。

伊集院忠棟に可能で、島津忠棟に不可能など認めない。

考えろ。武働きできないなら頭で働くしかないんだから。

 

「…………」

 

俺は誰を侮ったのか。何に執着したのか。

一体何の徳を失ったのか。どんな志を失ってしまったのか。

直ぐに答えは出てこなかった。

なら雪さんを放っておく事になるものの、一人で静かに問いの海に沈むべきだろうか。

 

「少し一人で考えます」

「そうすると良いでしょう。待っていますよ」

「はい。では、失礼します」

 

立ち上がり、雪さんに一礼する。

襖を開けて外に出た。

人払いの為に置いていた重位の横を通り過ぎる。

隅々まで磨かれた廊下を黙々と歩きながら、俺はひたすらに答えの在り処を探していた。

 

 

 

 

 

▪️

 

 

 

 

 

三年振りに再会した忠棟は精悍な顔付きになっていた。

幾分か身長も伸び、変声期を迎えた当初の頃より低い声音が男らしさを強め、戸次道雪の胸の内に宿る炎を滾らせてくれた。

彼に抱き付いたのは一生の不覚だ。

けれど憎からず想っている男性に窮地を助けてもらい、あまつさえ優しく声を掛けられたら、如何に雷神の異名を持つ戸次道雪と言えども感極まってしまう。

思い出すだけで赤面物である。

匂いを嗅ぐだけで幸福感に包まれた。

言葉を交わすだけで独占欲が湧いてくる。

嗚呼、これが恋なのですねと道雪は確信した。

 

「よろしいか」

 

戸次道雪一人となった十帖の部屋。

足を踏み入れたのは東郷重位と名乗った女性。

薄手の着物に身を包み、鍛えられた四肢に活力を漲らせ、片手に太刀を握り締める姿は忠実なる猛犬を彷彿させた。

 

「重位殿でしたね。車椅子の件、感謝します」

「兄上の命でした故。雪殿、単刀直入に申し上げる。貴殿は一体何者なるや?」

 

直後、場が凍った。

頭上から見下ろす重位の視線は酷く冷たい。

嘘は許さないといった大瀑布のような威圧感を向けてくる。

 

「しがない商人の娘です」

 

それでもーー。

戸次道雪は顔色一つ変えずに言い切った。

 

「戯けたことを申すな。下半身が動かずとも隙の見せぬ姿勢、鬼島津に匹敵する覇気、洗っても取れぬ濃い血の匂い。貴殿は名の知れた武将のはずよ」

 

一目で看破されるとは驚いた。

先ず車椅子に乗っている時点で武将と認識される事なく、常人には認知できない覇気で一般庶民に成りすます。戦場にてこびり付いた血の匂いなど意識の外だった。

島津忠棟は良い家臣をお持ちだ。

戸次道雪は素直に重位の洞察力を褒め称えた。

 

「私が武将ならば如何しますか」

「斬る」

「賢い事です。忠棟殿の薫陶ですか?」

「然り。兄上の提唱した示現流の教えぞ」

 

愛刀の『雷切』は置いてきた。

脚である黒戸次も部屋の外にある。

武勇だけなら己に匹敵する重位相手だ。

この状態で勝ち目など無いと悟った戸次道雪は、慌てる事なく身動ぎ一つせずに威風堂々とした姿で座ったままその時を待った。

だがーー。

幾ら待っても断頭の太刀は振り下ろされない。

重位を見上げると、彼女は太刀を畳に置いて頭を下げた。

 

「雪殿、無礼をお赦しくだされ」

「試されていたようですね、私は」

 

殺意は本物だった。

敵意は欠片もなかった。

だから戸次道雪は試されていると認識した。

 

「兄上の護衛役を任された身なれば致し方なく。いや、今は良いか。雪殿、兄上の助けになってくれたこと心より感謝の意を申し上げなん!」

 

勢いよく平伏する重位。

道雪は顔をお上げになってくださいと言った。

彼女は主君を護ろうとしただけである。

むしろ賞賛されて然るべき行いだ。謝る必要などない。

 

「ーー重位殿、忠棟殿は日頃どうなさっておられるのですか?」

「兄上と親密な雪殿だからこそお伝え申し上げまする。兄上は島津家の方々に、特に奥方様に大変ご遠慮なさっております」

 

やはり島津義久と鍋島直茂に。

詳しい事情は聞き出せなかった。

だが、戸次道雪は少なからず理解した。

頼朝公以来の名家として知られる島津家に婿入りする。家臣団から浴びせられる非難の嵐。そして同時に側室を設けてしまったが故に、正室に対する負い目で誰にも相談できずにいたのだろう。

 

「加え、殿から罵倒されること数ヶ月。奥方様と交流も取らず、献策することも減り、何かに怯えるように日々を過ごしておりました」

 

そうやって自信を失っていったのか。

速攻の三洲平定を成し遂げただけでも充分に偉業である。北九州の大大名たる大友家と決戦できる程、島津家の国力を押し上げたのも俄かに信じがたい智謀であろうに。

何故誰も讃えなかったのか。

否、その事実を忘れてしまう程に罵倒されたか。

十五歳の頃から真面目に天下を取ると嘯いた忠棟の事だ。三洲平定すら通過点の一つだと思ってるに違いない。

高峰を仰ぎ続けたせいで、足場を脆くしてしまうとは。

 

「なんとも忠棟殿らしいですね」

「雪殿?」

「いえ、なんでもありませんよ。ーーおや?」

 

部屋の外から響く廊下を走る音。

ドタドタと騒がしくも勢いに満ちている。

誰かなど考える必要などない。

島津忠棟が良くも悪くも答えを出したのだ。

 

「雪さん!」

 

襖を開けた途端、道雪に頭を下げる忠棟。

 

「答えは出ましたか?」

「はい。ありがとうございます!」

 

顔を上げた忠棟の顔は晴れやかだった。

こんな短期間で自信を回復したと思えない。

ならばーー。

彼は目的を見つけたのだろう。

そして、一番大事な存在を思い出した。

 

「俺は今から城に戻ります」

「兄上、雨が降っておりますぞ?」

「百も承知よ。今すぐやらねばならぬ事ができたのだ」

「護衛はーー」

「重位は雪殿の事を任せた。某の大事な人ぞ、丁重に扱え」

「……承知。道中お気をつけあそばしますよう」

「それでは御免。雪さん、いずれまたお会いしましょう。その時は今日のお礼をさせて下さい」

「ふふ。お待ちしていますよ、忠棟殿」

 

一連の流れを経て走り出す島津家の軍師。

忠棟は驟雨の中に傘も持たず突っ込んで、裏手にある厩舎に繋いでいた愛馬に跨がり、濡れる事も一切厭わずに内城へ駆けていった。

その後ろ姿を眺めて、戸次道雪も覚悟を決めた。

 

「忠棟殿は大丈夫そうですね」

「兄上らしい奇抜な策が今から楽しみです」

「どうか忠棟殿を支えてあげてください、重位殿」

「雪殿は戻られるのですかな?」

「父が待っていますから」

 

迷いも憂いも無くした全力の島津忠棟。

そんな彼の率いる精強な島津軍と及ぶ決戦。

戸次道雪の身体に流れる戦国武将の血が騒いだ。

必ず勝ってみせる。

忠棟を捕らえてみせる。

初心に戻ったのは道雪も一緒だった。

 

「それは残念の極み。次会うのは戦場ですな」

「……舌戦の場を戦場と呼ぶなら」

「その時は兄上に任せましょう。私は莫迦故」

 

沸々と血が滾る。

分別を弁えた武将ほど怖い者はない。

 

「いえ、重位殿の事は気をつけておきましょう」

「私も雪殿に関して注意しておきまする」

「それはーー手強い相手となるでしょうね」

「此方の台詞です」

 

雨は上がった。

霞んでいた視界も晴れた。

黒戸次を操る手は震えていなかった。

 

 

 

 

 

▪️

 

 

 

 

 

それから五ヶ月後。

永禄三年八月十日、午前。

大友宗麟を総大将とした35000の大軍が日向へ南侵する。船の上で祈りを捧げる宗麟に代わって、副将の戸次道雪と軍師の角隅石宗が全軍の指揮を執ることになった。

対するは島津。

六月に島津家の当主となった島津義久。

それと時を同じくして、僅か十八歳にして島津家宰相の座についた島津忠棟が島津家全軍の采配を振るう。

ーー。

各勢力が固唾を呑んで見守る中、九州の覇権を賭けた一大決戦が幕を開けることになった。

 

 

 






本日の要点。

1、忠棟と道雪の迷い晴れる。

2、義久、島津家当主に着任。

3、次回から合戦模様。

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