祝福の風と守護者と・・
「い・・今なんと?仰られましたか?」
私はそう尋ねると兄上様は
「明日暇だったら私と出掛けないか?と聞いたのだが?」
小首を傾げる兄上様は私に
「嫌か?・・嫌なら別に・・「いいえ!行きます!!行かせて貰います!!」
私は慌てて言うと兄上様は穏やかに微笑み
「それじゃあ、明日な」
そう言って部屋に戻って行く兄上様を見て、私は
「あ・・兄上様から・・誘って貰えた・・」
その事が嬉しくてボーッとしているとヴィータが私の肩を叩きながら
「リインフォース、ちょっと来い」
そう言うヴィータに頷き、私はヴィータの後を追って食堂を後にした・・ヴィータの行き先はシグナムの部屋だった、ヴィータはシグナムの部屋の戸を叩く、暫くすると扉が開きシグナムが姿を見せ、私とヴィータを見ながら
「どうした?2人揃って?」
訳が判らないと言う表情のシグナムにヴィータは
「ちょっとな・・大事な話があるんだよ」
そう言ってシグナムの断りも無く、私の手を引いてシグナムの部屋の中に足を踏み入れた
「強引だな・・別に良いが・・それで話とは何だ?」
私とヴィータの前に紅茶の入ったカップを置きながら言うシグナムにヴィータは
「あのよシグナム、リインフォースに服を貸してやって欲しいんだよ」
私!?私の事とは思ってなかったので私が驚いていると、シグナムは
「別に良いが・・急にどうしたんだ?」
首を傾げるシグナムにヴィータは私の肩に手を置いて
「明日な、リインフォースと兄貴がデートすんだよ」
そう言うヴィータに私は慌てて
「で・・デートじゃなくて!!・・ちょっと出掛けないか?と誘われただけだ!!」
私が赤面しながら言うと、シグナムとヴィータは口を揃えて
「それはデートと言うんだ」
「デートだろ」
キッパリと言い放つ2人に私が停止してると、シグナムは
「判った、デートだから私の服を貸して欲しいと言うんだな?・・だが・・お前の服でも良くないか?」
シグナムがそう言うとヴィータは肩を震わせながら俯き
「・・私の服だと駄目なんだよ・・」
そう言うヴィータに私が首を傾げるとヴィータは握り拳を膝の上で作りながら
「ウエストとかは大丈夫だと思うぜ・・でもよ・・胸周りが・・駄目だ・・」
ぼそりと言うヴィータに私とシグナムは
「「あっ・・・」」
口を揃えて呟いた・・ヴィータは大きくなったが・・その・・いい難いが胸はそんなに大きくない・・これは主はやても同じだ・・その点、私とシグナムは・・大きい・・しかもかなりだ・・シグナムの部屋をなんだか居心地の悪い空気が充満し始めた・・私とシグナムが目を合わせて困ってるとヴィータは
「・・という訳で、リインフォースに服を貸してやってくれ」
シグナムにそう言ったヴィータは俯いて、自分の胸を見ながら
「良いもん・・その内大きくなるもん・・」
完全いじけてしまっていた・・私とシグナムは今の状態のヴィータには何を言っても駄目だと判断し、2人でクローゼットの方に向かった・・
「これなどはどうだ?」
シグナムに手渡された服を見て
「無理だ!!・・こ・・こんなの・・恥かしい・・」
胸元が大きく開いた服で、恥かしくて無理だと言うと
「そうか・・ではこれは?」
シグナムが差し出して来たのは・・
「・・お前・・」
私が服の感想を言う前にシグナムは真っ赤になり
「・・うるさい・・似合わないのは判ってる・・」
真っ赤で俯きながら言うシグナムに手渡された服を見る、フリルつきの白いワンピースで胸元には大きめのリボン・・そして肩やスカートには黒のワンポイントが入っていた・・なんと言うかお嬢様と言う感じの服で、私は気に入ったがシグナムにはイメージが合わないだろう・・私が服を持ちながらそんな事を考えてると、シグナムは
「気に入ったならやる、大切にしてくれ」
そう言うシグナムに頷き、ヴィータが待ってる部屋に戻り、私とシグナムは停止した・・そこには
「くすん・・どうしてだよ・・折角成長出来たのに・・何で胸は小さいままなんだよ」
体育座りで落ち込んでいるヴィータの姿があった・・私はなんと声を掛ければ判らなかったがとりあえず
「ヴィータ・・服は借りたぞ?」
そう声を掛けるとヴィータはゆっくり立ち上がり
「そうか・・んじゃあ・・私は寝る・・」
ふらふらと歩いて行くヴィータを見ながら、私も自分の部屋に戻った・・
「ふむ・・少し早すぎたか・・」
私は待ち合わせ場所でそう呟いた・・待ち合わせの場所は遊園地のゲートの前、前に雑誌の取材を受けたときにお礼として貰った、フリーチケットがあるので丁度良いと思ったのだ・・私は時計を見ながらそう呟き、遊園地のゲートの近くのベンチで腰を下ろしてリインフォースが来るのを待った・・待ち始めて数分後
「すいません!!お待たせしました!!」
リインフォースの声が聞こえ振り返り、私は目を見開いた・・白の上品なワンピースに身を包んだリインフォースは長い銀髪を相まってとても美しかった・・私が驚いているとリインフォースは不安そうに
「あの・・もしかして似合ってないですか?」
目の前で首を傾げるリインフォースに慌てて
「いいや、そんな事は無いぞ・・似合いすぎて驚いてたんだ」
私が正直にそう言うとリインフォースは頬を赤らめながら
「あ・・ありがとう・・ございます・・兄上様・・」
そう言うリインフォースに
「それじゃあ、行こうか」
「はい!」
嬉しそうに言うリインフォースの隣を歩いてゲートを潜った・・
「す・・凄いです・・」
遊園地の中を見て驚くリインフォースに
「何処から行く?」
笑いながら尋ねるとリィンフォースは
「そ・・その・・あれはどうでしょうか?」
リインフォースが指差したのは・・
「ホラーハウス?・・本当にあそこで良いのか?」
雑誌で紹介されるほど怖いと有名なホラーハウスだった・・私がその事を教えると・・
「・・そ・・そ・・そんなにですか・・そ・・それじゃあ・・止めときます・・」
止めると言うリインフォースに
「代わりにあれで良いだろう?」
私が指差したのは
「ジェットコースターですか?・・あれなら平気そうですね・・」
そう呟くリインフォース、それは当然だろう空戦魔道師がジェットコースターを怖い訳が無いと思ったのだが・・
「っきゃああああああああッ!!!!!」
隣で大絶叫するリインフォースに驚いた・・模擬戦とかでは物凄い速さで空中戦をする様には見えなかったからだ・・私は驚きながらもリインフォースの手を握り
「大丈夫」
私がそう言うとリインフォースは叫ぶのを止め、耳まで真っ赤になりながら
「・・はい・・」
そう呟くリインフォースが可愛くて私は少しだけ笑ってしまった・・ジェットコースターを降りた後・・リインフォースに
「空中戦とは感覚が違うのか?」
そう尋ねるとリインフォースはゆっくりと頷き
「出来れば・・もう2度と乗りたくないです・・」
そう呟くリインフォースを連れて私は遊園地の中を移動した・・ゲームセンターや何故かやっていた体験乗馬など色々と遊んだ・・その間リインフォースはとても楽しそうに笑っていて、誘って良かったなと私は思っていた・・リインフォースには楽しい思い出よりも辛くて悲しい記憶の方が多い・・だから少しで多くの楽しい思い出を作ってやりたいと思って、今日誘ったのだ・・勿論訳は他にもあるのだ
が・・私がそんな事を考えてると
「兄上様!こっちです!次はあれが良いです」
笑顔で私を呼ぶリインフォース・・外見的には大人だが、中身は子供のような彼女に苦笑しながら
「ああ・・今行くよ」
そう言いながらリインフォースの呼ぶ方に向かって歩き出した・・
こんなに楽しいのは初めてだ・・私は兄上様の隣を歩きながらそんな事を考えていた・・
「兄上様、最後はあれに乗りませんか?」
私は観覧車を指差しながらそう言った、もう直ぐ閉園時間だ・・最後に乗るのはあれが1番良いと思ったのだ
「そうだな・・行こうか」
笑いながら頷く兄上様と一緒に観覧車に乗った
「綺麗だ・・」
夕日が沈んでいくのを見ながら私はそう呟いた・・向かい側の兄上様を見ると穏やかに微笑んでいた・・その時私は気になっていた事を尋ねた
「兄上様・・どうして私を誘ってくれたのですか?」
私が気になっていた事はそれだった・・主はやてやヴィータ、シグナムでも無く私・・それがどうしても気になっていたのだ・・私がそう尋ねると兄上様は
「・・前になヴィータに聞いたんだが・・お前達には誕生日が無いだろう?」
私が頷くと兄上様は頭を掻きながら
「それでな・・ヴィータ達は自分で誕生日を決めたんだ・・何でも自分にとっての記念日にしたそうなんだ・・それでな・・リインフォースにも何か記念日があれば・・それを誕生日に出来ると思ったんだ・・だが・・その私はこういうのを考えるのは苦手で・・それで、前にお前から遊びに誘ってくれただろう?・・だから・・その・・私から誘ったのは初めてだから・・記念日にならないかな?と思ったんだ」
不安げにそう言う兄上様が酷く可愛く見えた・・そしてそこまで私を思っていてくれた兄上様がいる事がとても嬉しかった・・
「兄上様・・嬉しいです!!」
私がそう言って抱きつくと兄上様は私の背を撫でながら
「その・・ごめんな・・もっと気の聞いた事が出来れば良かったんだが・・」
謝ってくる兄上様を上目目線で見ながら
「いいえ・・そんな事は無いです・・とても嬉しいです・・兄上様・・」
そう言うと兄上様は空いてる手で頭を掻く、私は兄上様の身体を離さないように確りと抱きしめ・・観覧車から降りる時間までずっとそうしていた・・
「兄上様・・今日はとても楽しかったです・・」
帰り道で兄上様の腕を抱き抱えながら言うと、兄上様は
「そうか・・喜んでもらえて嬉しいよ」
そう笑う兄上様を見ながら私は六課へとゆっくりと歩いて行った・・
「大丈夫・・何にも問題ないはず・・うん・・兄と寝るのは何も悪い事じゃない・・」
その日の夜、私に兄上様の部屋の前で自分に言い聞かせるようにそう言うと
「良しッ!」
私は気合を入れて兄上様の部屋の扉を叩き、兄上様の部屋に足を踏み入れた
「ん?・・リインフォースか?・・どうした」
寝る前だったのかパジャマ姿の兄上様に
「その・・一緒に寝たくて来たんですけど・・駄目ですか?」
枕を抱き抱えながら言うと兄上様は
「別に良いぞ」
笑いながら言う兄上様に頷き、私は兄上様と一緒に寝室に向かった
「はふう・・暖かいです・・」
兄上様の胸に顔を埋めながらそう呟くと兄上様は
「少し・・近すぎないか?」
少し赤面している兄上様に
「近くないです・・これくらいが丁度良いです・・」
さらに抱きしめる力を強めると
「まぁ・・良いか・・ヴィータもこんな感じだしな・・」
そう呟く兄上様の胸に顔を埋めながら
(私はどんどん欲張りになってしまう・・最初は傍に入れれば良かったのに・・今はそれだけじゃ嫌だ・・兄上様に愛されたいと思ってる・・でも・・これは・・これで心地良い感覚だ・・自分が・・プログラムじゃないと認識できるから・・)
プログラムである時の私なら・・こんな感情は持たなかっただろう・・だから今こうして兄上様を愛する気持ちがある以上私はプログラムでは無いのだ・・私はそんな事を考えながら心の中で
(兄上様・・私は・・貴方の事を愛しています・・)
そう呟き眠りに落ちた・・少しずつ変わり始めた祝福の風・・これから彼女がどうなるのか・・それはきっと誰にも判らないでしょう・
おまけ
リインフォース ステータス
愛情度 150 これが高いほど龍也に対する愛が高い事を示す
狂愛度 0 これが高いほど龍也に対する執着度+嫉妬度が上昇し、常軌を逸した行動に出るようになる セッテは300
純愛度 180 これが高いほど純粋に龍也を愛している
積極性 70 積極性をもって行動する、この数値だと色仕掛けなどの行動が出来ない
恥じらい 200 肌をさらす事への抵抗、この数値では水着などになることも出来ない
執着度 10 龍也に対する執着度 これが高いほど病んでいる。はやての数値は400・・危険域の病み度である
嫉妬度 5 龍也が誰か他の女性といる時に感じるムカムカ・・この数値ではあんまり気にしない・・フェイトの数値は250
おまけ2
ヴィータ達が自分の誕生日をした記念日
ヴィータ 初めて龍也に抱きしめられて寝た日
シグナム 龍也に服を送られた日
シャマル 初めてまともに料理を作れた日
リインフォース 初めて龍也から誘われてデートに行った日
祝福の風と守護者と 終り