融合騎の生まれた日・・
「・・・・」
ボーッと空を見上げる銀髪の男の姿がある、彼は管理局内で最強と称される魔導師にして神王・・八神龍也だ・・龍也の姿を見ながら複数の女性がひそひそと話をしている
「やっぱり、兄ちゃんセレスさんが居なくなって寂しいやろな・・」
私は隣のなのはちゃんにそう声を掛けた
「多分ね・・私達の前じゃそんな素振りを見せないけど・・やっぱり寂しいんだよ・・」
それは間違いないだろう・・襲撃のあった時から傍にいて支えてくれた者が居なくなるのは辛いだろう・・融合騎 セレス・・ジオガディス事件の際の唯一の死亡者だ・・いや正確には少し違う・・セレスさんは死んだ兄ちゃんを生き返らせる為に、兄ちゃんの体に取り込まれる形でユニゾンをした・・その所為でセレスさんの意識は完全に消え・・また二度とユニゾンを解除する事も出来ない・・今の兄ちゃんは半デバイスと言っても言い状態なのだ
「何とか出来ないかな?・・ほらリィン見たいにさ・・」
フェイトちゃんが言うが私は首を横に振った
「私もそれは考えた・・でも無理や・・リィン見たいに情報が残ってる物が無い・・」
リィンの時は剣十字に残された情報を元に作ったが、セレスさんの場合それが無いのだ
「でも何かあるかもよ?・・ほらセレスさんが良く使ってた物とか・・セレスさんの部屋にあるかも・・」
可能性は低い・・でも賭けて見ても良いかもしれない・・
「そやな・・今からセレスさんの部屋に行って見よか・・」
私はなのはちゃん達と共にセレスさんの部屋に向かった・・
「うわ・・凄い・・」
なのはちゃんが驚きながら言う、私も同じだ・・セレスさんの部屋の壁を覆い尽くす程の大量のぬいぐるみに驚いていた
「セレスって意外とこういうのが好きだったんだね・・」
フェイトちゃんが大量のぬいぐるみを見ながら言う・・意外だった・・堅物でクールな印象のあるセレスさんがここまでぬいぐるみを好きだったとは・・私達が呆気に取られていると
「何してるんですか?」
ビクッ!!
驚きながら振り返るとそこには柔らかな金髪の少女が居た・・私は
「驚かせんで・・クレア・・」
そこにいたのは天雷の騎士の1人のクレアだった
「驚かせたつもりは無いんですが・・所で何してるんですか?セレスの部屋で?」
尋ねるクレアに事情を説明すると
「成る程・・セレスを復活させようと・・それなら・・」
クレアは部屋の奥の行き、何かを持ってくるそれは
「セレスさんの杖・・」
セレスさんのデバイスである杖だった・・
「これなら行けると思いますよ」
これなら行ける・・私はそれを受け取り
「これなら行けるで、ありがとうクレア」
クレアに礼を言うと
「気にしないで下さい・・私達もセレスが居なくて寂しいですからね・・きっと王も同じだと思うんです・・だから生まれ変わりでも良いセレスにもう一度会わせて上げてください・・お願いします」
クレアに礼を言ってから、私はスカリエッティさんの研究室に向かった
「ふむ・・リィン君と同じ様にセレスを復活させるか・・出来ない事では無いな・・」
杖を分析しながら言うスカリエッティさんに
「良かったわ・・私だけじゃ不安やし、やっぱり専門家に手伝って貰うのが一番やからな」
私とスカリエッティさんなら融合騎の1人や2人楽勝だろうと思っていたが、スカリエッティさんは違っていた
「だが・・私でもかなり難しい・・セレスはユニゾンデバイスの原型・・オリジンに類される・・他のユニゾンデバイスとは構造が違う・・」
うっ・・確かにセレスさんは全ての融合騎の原型だ・・最古の融合騎・・構造や能力は現代の科学でも判らない事がある
「だがやり遂げて見せよう・・友の為にな!」
その日からセレスさんの後継機の制作が始まった・・制作から一ヶ月後・・
「で・・出来たぞ・・」
スカリエッティさんには酷い隈がある・・何せ仕上げの為に二週間近く徹夜をしているからだ
「ほんまや・・やっとや・・」
私は目の前の少女を見ながら言った、さらさらの銀髪に蒼い神官服の様なバリアジャケット・・その全てがセレスさんを連想させる
少女がゆっくりと目を開く・・その目は金だった
「目の色が・・」
目の色が金色に驚いていると
「マイスター・・ですね・・私のマスターは何処ですか?」
マスターは何処だと?尋ねる少女に
「ん?・ああ今連れて来るでちょっと待ってて・・」
私は兄ちゃんを探しに行った
「・・」
ぼんやりと空を見上げている・・セレスがいなくなって1月と少し・・居ない筈のセレスの姿を求めて私は空を見上げてる事が多くなった
「兄ちゃん!!」
はやてが声を掛けてくる
「どうした?何か用か?」
立ち上がりながら尋ねると
「うん!!ちょっと来て!!」
はやては私の手を握り歩き出した
「ジェイルの研究室?」
はやてに連れて来られた場所はジェイルの研究室の前だった
「ほら、中に入って!」
私ははやてに背を押され研究室に入るなり目を見開いた
「貴方が私のマスターですか?」
目の色が違うがそれは間違いなくセレスだった・・どういうことだと驚きはやての顔を見ると
「兄ちゃんな、セレスさんが居なくなってから寂しいそうやったから・・セレスさんのデバイスにあった情報から・・セレスさんの後継機を作ったんや・・どうかな?」
バレていたのか・・妹に心配を掛けさせるは情けない・・そんな事を考えながらはやての頭を撫で
「ありがとう・・」
礼を言ってからその少女の前に立った
「マスターですか?」
首を傾げながらマスターか?と尋ねる少女に私は
「そうだ、私が君のマスターだ・・君の名前は?」
少女に名前を尋ねると少女は
「私に名はありません・・だからマスターに名前を付けて欲しいです・・」
名前を付けて欲しいと少女に頷き私は名前を考えた
セレスは天界の風だった・・ではこの子の名前も風から考えよう・・顎の下に手を置いて名前を考える
・・・
「ユナ・・そうだ君の名前はユナだ」
希望を抱き風の様に前に進む者・・ユナだと言うと
「ユナ・・私の名前はユナ・・ありがとうございます、王様・・」
!!さっきまでマスターと呼んでいたユナが王様と呼んだことに驚くとユナは
「私のマスターは優しい王様・・だから王様と呼ばせて貰います」
笑いながら頭を下げるユナに
「そうか・・好きにすれば良いさ」
少女の頭を撫でながら私は研究室を後にした・・消えてしまった天界の風の二代目・・希望の風は今穏やかに吹き始めた・・・
ユナが六課の一員になってから数日後
「ユナちゃん!!おはようです!!」
食堂で元気良くユナに話しかけるリィンにユナは
「朝から元気ですね・・リィン・・あんまり早く大声を出さないで貰えると嬉しいんですが?」
冷静に切り返すユナにリィンは
「あう・・判ったです・そうだユナちゃんはまだここに慣れてないですよね!!リィンが案内するですよ!!」
六課内を案内すると言うリィン・・どうやらお姉ちゃんぶりたいようだ・・案内すると言うリィンにユナは
「良いですよ、判らないところは王様に聞くので・・それじゃあ失礼します・・」
トレーを片付け歩き去ったユナを見ながらリィンは
「あううう・・・うう・・お兄様~」
両目に涙を浮かべながら私に抱きついてくる・・どうやらリィンのお姉ちゃん作戦は失敗に終ったようだ・・
「良し・・良し・・泣くなよ・・リィン」
私はリィンを抱え背中を撫でていた・・ユナが六課の仲間になって4日たったが・・まだユナは馴染めていない・・正確にはユナが馴染もうとしないのだ・・リィンの様に友好的に接しても無視してしまうのだ
(どうした物か・・)
私はリィンの背を撫でながらどうしようか考え・・私は良いアイデアを思いつき、リィンに耳打ちしたするとリィンは笑いながら飛び出して行った・・
「・・・・・」
薄暗い部屋の中で私はぬいぐるみを抱えながら後悔していた・・あの時リィンが案内してくれると言った時、嬉しかった筈なのに素っ気無い対応をしてしまった・・
「どうして、ああいう風に言ってしまうのでしょう・・」
ぬいぐるみを抱き抱えながら呟く
「やはり・・あの2人が融合騎と言うところが気に食わないのでしょうか・・」
私はまだユニゾンした事がない・・その点リィンとアギトは王様とユニゾンした事がある・・それが私に妙な苛立ちを与えるのだ
「嫉妬とは醜い事です・・」
自分でも嫉妬は醜いと理解している・・だがそういう行動にどうしても出てしまうのだ
「もう・・案内してくれないでしょうね・・」
ギュウ・・ぬいぐるみを抱き抱えながら後悔していると
コンコン
「入るですよ~」
リィンが私の部屋に入ってくる、ぬいぐるみを慌てて隠そうとするがそれより早く
「可愛いぬいぐるみですね~それに他のぬいぐるみも可愛いです~」
リィンが私の部屋を見ながら言う・・私の部屋には大量のぬいぐるみが置かれている・・元は私の原型になった、セレスという融合騎
の部屋らしい
「可愛い?・・本当ですか?」
可愛いと言うリィンに本当か?と尋ねると
「はいです!!どれも凄く可愛いです・・リィンも1つ欲しいですね~」
部屋のぬいぐるみを見ながら言うリィンに
「良かったら・・欲しいのをどうぞ・・」
欲しいぬいぐるみをあげると言うと
「本当ですか!!・・うーん・・どれにしようかな~」
リィンは笑いながらぬいぐるみを物色し・・1つのぬいぐるみを抱き上げた
「これが良いです!」
リィンの選んだぬいぐるみは虎のぬいぐるみだった・暫くリィンとぬいぐるみの事を話していたが・・私はある事が気になり尋ねた
「どうして?私の部屋に来てくれたんですか?・・私はリィンに酷い事を言ったのに・・」
食堂での事を思い出しながら言うと、リィンは
「う~ん・・リィンは別にさっきの食堂の事は気にしてないです!それにリィンはユナちゃんと友達になりたいですよ~」
友達・・
リィンの言った友達という言葉に私は嬉しいと感じた・・妙に恥かしくてぬいぐるみを抱き抱えていると
「それでユナちゃんはリィンと友達になってくれますか?」
手を差し出しながら尋ねて来るリィンに私は
「はい・・こちらこそ宜しくお願いします・・」
私がその手を握り返しながら言うと
「はいです!!これでユナちゃんとリィンは友達です!!それじゃあ行くですよ!!」
私の手を引き、歩き出したリィンに
「どこに行くんです?」
何処に行くのか?と尋ねると
「さっき話してた、案内ですよ!!リィンがユナちゃんに六課の事を教えてあげるです!!」
笑いながら言うリィンと共に六課の中を歩き回り、お昼になると
「そろそろですね・・ユナちゃん!!お兄様の部屋に行くですよ!!」
王様の部屋に行くと言うリィンに頷き、私達は王様の部屋に向かった
「ん?来たか・・丁度良かった・・いまお昼ご飯が出来たところだ」
王様は机の上に料理を並べていた
「ユナちゃん!早く座るですよ!!」
リィンに手を引かれながら椅子に腰掛け、机の上を見るとそこには
「オムライス・・ですか・・」
美味しそうなオムライスが3つ並べられていた
「リィンのリクエストでな・・ユナもきっと気に入ると思う、だから冷めないうちに食べよう」
笑いながら言う王様に頷き、私はオムライスを口に運んだ・・
「美味しい・・」
ふわふわの卵に上に掛けられたデミグラスソースが非常にマッチしていて美味しい
「美味しいです~」
リィンはぱくぱくと凄い勢いで食べてく・・その気持ちは判る・・凄く美味しいからだ・・私もゆっくりとオムライスを食べ始めた
「「ご馳走様でした・・」」
お腹が一杯になった所為か眠くなり目を擦っていると
「布団を引いてきた、少しお昼寝をすると良い」
笑いながら言う王様に頷き、私とリィンは王様の部屋で眠りに落ちた・・
次の日からリィンに手を引かれながら歩くユナの姿が良く目撃された・・その姿は見ているだけで気持ちが穏やかになるほど、ほのぼのとした光景だった・・これは平和な毎日の小さな1ページ・・
融合騎の生まれた日 終り
キャラ設定
ユナ
外見は10歳前後の少女、長い銀髪に金の瞳を持つ、言動は大人びているが、甘えん坊でぬいぐるみが大好きと子供っぽい所もある
リィンとアギトは仲が良い、同じ融合騎と言う所でシンパシーがあるのかもしれない、魔力ランクはSSS-と融合騎の中では最高の能力を誇り、龍也だけではなくアイギナやはやてともユニゾン出来るが嫌だそうだ、好きなものは甘い物、嫌いな物は怒った龍也の顔である