惚れ薬パニック 最終話
「さて・・あと1時間20分・・どうします?」
「とりあえず・・上着を着たい」
「・・・そうっすね・・」
逃げるかどうかではなく上半身裸という事が最大の問題だった・・
「えっと・・とりあえず・・どうぞ」
ヴァイスの上着を借り着込みながら
「1番最悪な敵が残ってる・・」
「部隊長ですよね・・」
「ああ」
今この状態で1番危険な相手・・それは間違いなくはやてだ・・何をしでかすか判らないからな
「見つかる=結婚ですよね?」
「そんなに!?」
私って今そんなに貞操の危機なのか?驚いてヴァイスを見ると
「えっ!?って顔をするのを止めろ!!」
何を言ってるんだこの人は?て顔を見られていた思わずそう叫ぶと
「「見つけたぁッ!!!」」
シグナム&ノーヴェに発見された
「・・・・」
「悪かった・・私が全て悪い・・」
私の大声のせいで敵2人を呼び寄せてしまった・・なんと言うミスだ・・
「旦那・・すいません・・でもこうするしか・・」
ヴァイスは謝ってから私の上着に手を掛け、一気に下に降ろした・・つまりさっきの上半身裸に逆戻りになってしまったが・・
「「ブシューッ!!」」
ドサ・・
純真なシグナムとノーヴェは鼻血を出して昏倒した・・だが・・女性が鼻血で昏倒する光景は出来れば見たくなかった・・
「・・・凄く複雑な気分だ」
「・・耐えましょう・・後1時・・ぐはあああッ!!!」
耐えようといったヴァイスが吐血しながら吹っ飛んで行く・・恐る恐る背後を見ると
「みーいーつーけーたー」
邪な笑みを浮かべ何故か赤色に染まった制服を身に纏った・・大魔王が居た・・その手にはシュベルトクロイツが握られており・・ヴァイスを吹っ飛ばしたのは魔力波だと理解した・・
「んふふ~皆が兄ちゃん弱らせてくれたから・・楽にしとめれるわ」
にっこりと微笑むはやてを見て・・私は全力で走り出した・・掴まるわけには行かなかったから・・私は兄と妹の禁断のラインを超えるつもりはなかったから・・だが・・
「追いかけっこ?・・ええよ・・捕まえちゃう・・それで・・幸せな家庭を築こ?」
・・残念な事に我が妹はそのラインを軽々と超えてしまったようだった・・
「築くかアアアアアッ!!!」」
私は逃亡しながらそう絶叫した・・
龍也VSはやて・・戦闘開始・・?
「はぁーはぁー」
「追い詰めたー」
現状を言おう・・逃亡を試みたが・・結果は失敗・・理性とか大事な物を捨てたはやてから逃げ切る事は出来ませんでした・・
「うふふー2人きりやねー?」
楽しそうなはやての目はどんよりと真っ黒・・星のない夜より暗かった・・それを確認した私は思わず腕時計を見る
(後20分・・)
後20分でこの地獄は終る・・だが・・
「うふふ。子供は一杯欲しいなぁ・・家族が多いのは嬉しいから」
・・・もう・・言葉では駄目なようだ・・完全にトリップしてしまっている・・
「さてと・・デバイスもない・・ついでに言うと上着もない兄ちゃんを捕まえるのは楽勝や。あとは捕まえてから考えよか」
騎士甲冑展開・・しかも・・
「フォールダウン!?殺す気かっ!?」
最狂最悪の形態・・フォールダウンで騎士甲冑を展開するはやて、身の危険を感じそう叫ぶと
「大丈夫・殺さへんよ・・ちょっと記憶を私に都合に良い様に作り変えるだけやから・・」
・・フォールダウンでそんな事まで出来たんだ・・知らなかったよ・・
「とりあえず、私と兄ちゃんが婚約者って言う設定で・・」
「私は妹を恋愛対象に見ないぞ?」
「大丈夫や・・直ぐに私が妹だったて言う事実はなくなるから」
・・・本気だ!私の妹は本気で記憶を作りかえる気だッ!!
「大体や、私と兄ちゃんは本当の兄妹やない・・別に結婚したっておかしく無いやろ?」
「でも兄妹として育ったから・・「育っただけやん・・血縁関係無いやん」・・く・・」
くっ・・反論できない・・
「まぁ、とりあえず・・私はこれ以上話し合うつもりは無いし・・逝こうか?」
「誰が逝くかああッ!!!」
ゼロアームズを構えたと思った直後突っ込んでくるはやてを横っ飛びで回避し、時計を見る
(後7分!なんとかなる)
答えの出ない言い合いが良かったのか、残り時間は7分・・頑張れば何とか逃げ切れる!!
「凍る大地ッ!!!」
・・・頑張れば逃げれる?・・何と甘い考えだったんだろう?あたり一面の雪原にされ私の行動範囲は著しく制限された・・
「うふふ・・逃がさへんよ?」
首を傾けて笑うはやては恐ろしいほどの邪気を放っていた・・
(くっ・・どうする!どうすれば・・この魔王を抑えれる!?)
スフィアを展開し・・ゼロアームズにはご丁寧に鎌形に変形させた魔力刃を纏わせている。この魔王からどう逃げる・・色々なパターンを考えるが・・
(打つ手がないッ!!!)
スフィアで中距離、ゼロアームズで近距離、フォールダウン自体で遠距離・・どう考えても逃げ切れるという答えが見つからない!?
「ほいっ」
「うおおおおっ!?」
放たれたスフィアを飛んで回避すると
「よいしょっ!!」
「ああああっ!?」
まるで物を持ち上げる前の掛け声みたいに振り下ろされた、ゼロアームズを白刃取りする
「中々思い通りにいかんなぁ・・?」
「行かせてたまるか!!」
というか今の避けなかったら致命傷だぞ・・また最初の位置に逆戻りになる・・袋小路に私・・そして私の道を塞ぐように宙に浮いてるはやて・・突破口が何処にもない!!
(時間は・・あと6分っ!?・・全然進んでない!)
時計が進むのが恐ろしく遅く感じる・・どうすればいい・・どうすれば・・逃げれる・・考えろ・・考えるんだ・・必死で対処法を考える・・そして1つだけ思い浮かんだ・・
(くううう・・背に腹は変えれん・・ここは・・これしかない!!)
このまま掴まってしまうよりかはこれが良い・・私のアイデンティティが少し揺らぐだけ・・そうそれだけだ・・
「ええい!」
「?」
首を傾げるはやての腕を掴んで自分の方に引き寄せ
「「んっ!」」
はやての唇を己の唇で塞ぐ・・驚きに目を見開いていたはやてだったが・・直ぐに目を閉じ私の腕の中で眠りに落ちた・・どうやら脳の処理を超えたことで意識を失ったようだが・・
「・・私は・・妹に・・自分から・・」
私は自分からはやてにキスをしたと言う事実に思いのほかダメージを受けその場に崩れ落ちた・・
龍也VSはやて ダブルノックダウン
翌日・・
「お前のせいで・・お前のせいで・・お前のせいでええええっ!!!」
ドゴンドゴンッ!!
私は馬鹿を十字架にはり付け、その腹部に容赦のない正拳突きを叩き込んでいた・・
「死ぬっ!!死んでしまうっ!!」
「くたばれれえええっ!!!」
死ぬと喚く馬鹿の息の根を本気で止める為、拳を振りかぶると同時に
「ううーなんか頭痛い・・」
!!!
はやてが頭を抱えながら歩いて来る。私に気付いたはやては
「何しとるん?」
「い・・いや・・この馬鹿が大変な事をしてくれたのでお話をしてるんだ」
「そうなんか・・何したか知らんけど・・あんまり兄ちゃんを怒らせないほうが良いで?」
苦笑しながらジェイルを嗜めるはやてに
「なぁ・・昨日何があったか覚えてないのか?」
「昨日・・?何かあったけ?」
訳が判らないと首を傾げるはやてに
「いや・・何でもない・・」
忘れてる?・・それなら・・それで良い・・下手に刺激して思い出せさせる訳にも行かないし・・
「変な兄ちゃん・・まぁええわ・・先に食堂いくでな?」
「ああ、私も直ぐ行く」
はやてにそう返事を返し、私は最後にやり場のない怒りを込めてジェイルを殴った・・
・・・本当は覚えてるんやけどね・・
私は足早に兄ちゃんから離れながら自分の唇を指でさわり・・
「忘れたくないからな~ちゃんと魔法掛けてて良かった」
兄ちゃんの性格を考慮し発動させておいた、広域魔法は自分の思い通りに発動してくれた・・そのトリガーは兄ちゃんからのキス・・つまり最初からああなる事を予測していたのだ・・
「へへ・・皆は何が合ったのか忘れてるけど・・私は忘れてへんからね・・」
兄ちゃんからの初めてのキス・・
「これだけは・・忘れるもんか・・」
そう呟き微笑んだはやての笑みはどこまでも美しかった・・それは長年の恋が叶ったと言いたげなほど自慢げな嬉し恥かしそうな笑みだった・・
惚れ薬パニック 終り
えーどうでしたでしょうか?リハビリを兼ねての作品なのでまだ前みたいなキレはないと思いますが・・それなりの出来だったと思います・・出きれば感想を頂けると嬉しいですね・・それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします