夜天の守護者 番外編   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回の番外編は「抑え切れない愛」・・えータイトルでは判りにくいかも知れないですが・・はやて様のお話です。どうしても抑え切れない恋心・・純粋すぎて闇に染まってしまったはやて様の心境のお話です。時間軸的には・・無印に入る前だと思います。と言っても自分は原作を知らないのであくまで多分です・・それでは番外編始まります


抑え切れない愛・・

 

 

抑え切れない愛・・

 

何時の頃からだろう・・兄を見る目が変わったのは・・

 

気がつけば私は兄ちゃんの姿を常に目で追っていた・・

 

お父さんとお母さんが死んで・・私にとってのただ1人の肉親・・

 

優しくて・・強い・・私の兄ちゃん・・

 

何時も傍にいてくれて・・

 

私を見守ってくれる人・・

 

これが恋だと気づくのにそう時間は掛からなかった・・

 

でもそれが叶わない物だと気づくのにも、時間は掛からなかった・・

 

どれだけ私が兄ちゃんを愛そうと・・

 

例え兄ちゃんが私の事を好きだとしても・・

 

血の繋がった兄妹である、私と兄ちゃんが結ばれる事はない・・

 

私はその事を知ってしまったから・・

 

悲しかった・・

 

こんなに大好きなのに・・決して叶う事がないなんて・・

 

こんな事なら・・兄妹になんてなりたくなかった・・

 

普通に兄ちゃんに出会って・・

 

普通に恋をしたかった・・

 

神様なんていない・・

 

だって・・私からお父さんとお母さんを取り上げて・・

 

私の足を動かなくして・・

 

そして今度はこんなに酷い痛みを与える・・

 

神様なんていない・・

 

仮に居たとしても・・それは私にとっての悪魔だ・・

 

私だけから全てを取り上げる・・憎い相手・・

 

そんな事を考えていたからか胸に鋭い痛みが走る・・

 

痛くて・・痛くて・・車椅子から落ちかけてしまう・・

 

すると私に異変に気付いたのか、キッチンにいた兄ちゃんが駆け寄ってくる・・

 

来ないで・・お願いだから・・

 

「大丈夫か!?胸が痛むのか!?」

 

ああ・・そんなに優しくしないで・・

 

「だ・・だいじょう・・ぶ・・」

 

「嘘を言うな!そんなに青い顔をして・・」

 

優しく・・優しく抱きしめてくれる兄ちゃん・・

 

「どうして・・どうして・・私ばかりを苦しめる・・どうして・・私から全てを取り上げる・・」

 

しっかりと私を抱きしめる兄ちゃん・・私の方から兄ちゃんの顔は見えないが・・恐らく泣いているのだろう・・肩が小刻みに震えていた・・ああ・・どうして・・私と兄ちゃんばかりを苦しめるの・・

 

「はやて・・お前だけは・・お前だけは・・奪わせない・・私が何があっても護り続ける・・」

 

何度も何度も聞いた言葉・・その時・・何時も兄ちゃんは辛そうな顔をしていて・・自分を追い詰めてるよう気がして・・でも・・それが嬉しくもあった・・

 

私の足が動かなければ・・兄ちゃんは私の傍に居てくれる・・

 

この胸の痛みがあれば・・兄ちゃんは私を確りと抱きしめてくれる・・

 

これが間違っている事なんてわかりきってる・・だから・・

 

こんなに優しく抱きしめないで・・

 

そんなに・・私に優しくしないで・・

 

その優しさから離れられなくなるから・・

 

私の事ばかり心配しなくても良い・・

 

兄ちゃんは・・兄ちゃんの幸せを考えて・・

 

お願いだから・・そんな顔をして泣かないで・・ずっと笑っていて・・

 

私は・・兄ちゃんの・・そんな顔は見たくない・・

 

兄ちゃんに笑っていて欲しい・・それだけが・・私の望み・・

 

私は胸の痛みに耐え切れず、意識を失った・・最後に見たのは大粒の涙を流す最愛の兄の姿だった・・

 

「ん・・ここは・・」

 

私はゆっくりと身を起こし辺りを見回す・・今は私の部屋となった、母の部屋だ・・ベッドの横にある机にメモが置いてあり。それを見る

 

『少し出掛ける。直ぐに戻るから心配するな 龍也』

 

「兄ちゃんはおらんのか・・」

 

少しだけ・・ううん・・凄く寂しい・・兄ちゃんに傍にいて欲しかったから・・でも何時までも甘えてる訳には行かない・・

 

兄ちゃんには兄ちゃんの人生がある・・何時までも私の傍にいてくれるわけではないのだから・・

 

「本でも読もか・・」

 

車椅子に乗り移り、本棚に手を伸ばそうとして気づいた

 

「ん?なんやあれ?」

 

偶然にも一冊飛び出ていた本の下に便箋が見える。恐らく挟んであったのがずれたのだろう・・私はどうしてもその便箋が気になり。その便箋に手を伸ばした・・漢字が多くて全て読めなかったが・・一部は読むことが出来た・・そしてその内容を見て私は思わず

 

「はは・・はははっ!!なんや・・そうやったんか・・私は何も間違ってなかったんや・・」

 

私がおかしかったのではない・・私が兄ちゃんに恋愛感情を持ったのは正しかったのだ・・

 

『・・龍也は私の本当の息子ではない・・捨てられていた赤子を・・自分達で引き取ったのだ・・』

 

この一文・・私が読めたのはこの一文だけだった・・でも・・それだけで良かった・・

 

私と兄ちゃんが本当の兄妹ではない・・それが判れば後はどうでも良い・・

 

私が兄ちゃんを好きになったのもおかしな事ではない・・

 

それに私と兄ちゃんが結ばれる可能性も出てきた・・

 

それだけで私の心は晴れた・・

 

嬉しくて嬉しくてしかたない・・

 

さっきまで感じていた胸の痛みは綺麗に消えていた・・

 

神はいないと思っていた・・でも本当は居たのかもしれない・・

 

私からお父さんとお母さんを取り上げて・・

 

私の足を動かなくしたが・・

 

私の本当に大切な者は取り上げず、与えてくれたのだから・・

 

「ただいま・・はやてもう動いても大丈夫なのか?」

 

兄ちゃんが帰ってきたのか心配そうに尋ねてくる

 

「うん、大丈夫」

 

後手で手紙を本棚に突っ込み最高の笑みを浮かべる。すると兄ちゃんは嬉しそうに笑い

 

「良かった、そうだはやて。お前の好きなシュークリームを買って来たんだ。一緒に食べよう」

 

「うん!!」

 

笑顔で返事をしてから私は両手を大きく伸ばして

 

「抱っこして!」

 

優しく抱きしめて欲しかった・・

 

兄ちゃんの温もりを感じたかった・・

 

「はいはい、何時までも甘えん坊だな」

 

苦笑しながら私を抱き上げてくれた兄ちゃんにしっかりと抱きつき

 

何時までもこの優しさを私にちょうだい・・

 

何時までも私の腕を放さないで・・

 

ずっと・・私を護って・・

 

もう私は・・この優しさから離れることが出来なくなってしまったから・・

 

「兄ちゃん・・大好き」

 

自分に出せる全力で兄ちゃんに抱きつく・・

 

離れたくない・・

 

一緒に居たい・・

 

誰にも渡したくない・・

 

私の心はそれだけに埋め尽くされた・・

 

たとえこれから先、足が動かなくても良い

 

気絶するほどの胸の痛みが来ても良い・・

 

ただこの人が私の傍に居てくれたら・・それで良い・・

 

優しい兄ちゃん・・

 

格好良い兄ちゃん・・

 

誰にも渡さない・・

 

兄ちゃんは・・私の物や・・

 

これから先、私から兄ちゃんを取ろうとする人間がいるかもしれない・・

 

でもそんな事はさせない・・

 

だって兄ちゃんは私の兄ちゃんだから・・

 

誰にも・・たとえ神様にだって奪わせる物か・・

 

だって・・私はこの人が好きなのだから・・

 

誰よりも・・この世界よりも・・この人が愛しいのだから・・

 

抑え切れない愛・・ 終り

 

 

 

 




えーと・・どうですかね?病んでいくはやて様の心境がテーマの話でした。
リクエストでは究極的に病んだはやて様・・でしたが・・その前にどうしてはやてが病んでしまったのか?というのを入れたほうが良いと思い今回の作品を書きました・・こういうタイプの話は初めてなので、感想をいただけると嬉しいです
それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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