夜天の守護者 番外編   作:混沌の魔法使い

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どうも混沌の魔法使いです、今回は前に書いた番外編「闇に幸せになる権利はありますか?」の続編で「陽華の1日」です。小話系を複数組み合わせての作品です。1話1話は短いですがそれなりには面白いと思うのでどうか宜しくお願いします



番外編 陽華とマテリアルの1日

 

番外編 陽華とマテリアルの1日

 

 

暖かい場所 陽華視点

 

チュン…チュン…窓の外から聞こえてくる雀の鳴き声で私は目を覚ました。

 

「朝…起きないと…」

 

もそもそと布団から抜け出し、真っ先に見たのは…

 

「う、ううーん…重い…」

 

「ご飯~えへへ~」

 

静夜の上で涎を垂らしながら熟睡している雷華の姿だった…星奈はちゃっかり雷華の移動範囲外で布団に包まり眠っていた…

 

「…起こすかどうか迷います…」

 

あまりに熟睡してるので暫く考え込むが…

 

「まぁ良いでしょう。後で起こせば」

 

私はそう判断し自分達の部屋を後にした…リビングに向かっていると緑の髪の女性が視界に入る…女性の方も私に気付いたのか微笑みながら

 

「おはようございます、陽華様。よく眠れましたか?」

 

「はい、よく眠れました。シャルナ」

 

私も笑いながら返事を返すとシャルナは

 

「そうですか。それは良かったです。そうそう、昨日遅くに王が帰ってましたよ?」

 

「えっ!?本当ですか?」

 

お父さんは忙しいので滅多に帰ってこない…それが家にいる…そう思うと嬉しかった…

 

「はい、本当ですよ。リビングに居ると…っともう居ませんか…陽華様も王がお好きなんですね」

 

返事を聞く前にパタパタと走り去った陽華を見ながらシャルナはそう呟いた…

 

リビングにはもう起きていたのか、お父さんが居て新聞を見ていた…私の気配に気付いたのかお父さんは読んでいた新聞を脇に置き

 

「おはよう、陽華」

 

笑いながら言うお父さんに

 

「おはようございます!!お父さん!!」

 

私はそう言いながらお父さんに飛びついた

 

「っとと…陽華は甘えん坊だな」

 

お父さんはそう言いながら背中を撫でてくれます…その優しい手付きに目を細めながら

 

「駄目…ですか?」

 

「いいや…そんな事は無いよ」

 

優しく抱きしめてくれた、お父さんの胸に顔を埋めていると

 

「パパッ!おはよーッ!!!あー陽華良いなあッ!僕も僕もッ!!!」

 

「おはよう父上…むっ陽華だけ居ないと思えば…ずるいではないか…父上…我も…その…抱っこして欲しい」

 

「…おはようございます、お父様…そして抱っこしてください」

 

口々にずるいと雷華達にお父さんは

 

「はいはい、皆おいで」

 

私を抱っこしたまま手を広げる、お父さんに飛び込むように雷華達が抱きつくと

 

「良し良し、皆甘えん坊だな」

 

苦笑しながらも優しく抱きしめてくれる、お父さん…この温もりが…私は大好きです…

 

 

 

 

パパと一緒 雷華視点

 

 

「…パパ…ごめんなさい」

 

「突然どうした?」

 

仕事しているパパに謝りながら

 

「0点…取っちゃった…」

 

学校のテストで0点を取ってしまい、怒られると思いながらそれを渡すとパパは

 

「うーん…まぁ良いんじゃないか?勉強だけが全てじゃないんだし」

 

と笑うパパに

 

「…怒らないの?」

 

そう尋ねると逆にパパは首を傾げながら

 

「何について?」

 

「0点取っちゃったから…」

 

俯きながら言うとパパはくしゃくしゃと僕の頭を撫でてて

 

「そんな事で怒る物か。誰だって苦手な物はあるさ、そんなに気にしなくていいよ」

 

にこにこと笑いながら言うパパは

 

「でも0点は不味いな…うん!丁度良い宿題はあるか?」

 

そう尋ねてくるパパに頷くと

 

「良し、じゃあ持っておいで、教えてあげるから」

 

「良いの?」

 

パパは今書類整理の仕事中のはず…だから良いのか?と尋ねると

 

「良いに決まっている。さっ持っておいで」

 

「うん!!」

 

僕はそう返事を返しパパの部屋から飛び出し、自分の部屋に戻り宿題を胸に抱えてパパの部屋に戻ると、パパは書類を片付けながら

 

「ほら、ここにおいで、今片付けたから」

 

僕の座る場所を用意してくれたようだった、僕はその場所にノートを広げて

 

「えっと…判らないところ…教えてくれる?」

 

「良いよ、判らない所があったら言うんだよ」

 

僕の頭を撫でながら言うパパに

 

「うん!今度はもう少しいい点取れるように頑張るね!」

 

僕がそう言うとパパは

 

「はは、それは楽しみだよ」

 

「うん、楽しみにしててよ!僕が本気を出したら凄いんだから」

 

胸を張りながら言うとパパは嬉しそうに笑い

 

「あはは。雷華らしいな」

 

?僕らしいってどういうこと?僕が首を傾げてると

 

「雷華はいつでも明るくて元気だろ?だから私はそういう雷華が好きだよ」

 

「僕もね!優しいパパが大、大、大好き!!」

 

僕はそう言ってから勉強を始めた…今度はもうちょっと良い点取ってパパに褒めてもらえたらな。と思いながら

 

 

 

 

傍に居ても良いですか? 星奈視点

 

カタカタ

 

お父様の部屋からはキーボードを叩く音が断続的に聞こえてくる…きっと今は仕事中なのだろう…だから邪魔しないようにしなくては…

 

「ジー…」

 

扉を少しだけ開けてお父様の部屋を覗き込んでいると

 

「?」

 

お父様が私の視線に気付いたのか振り返る、私は即座に部屋を覗き込むのを止める

 

「??」

 

気のせいと思ったのか、首を傾げながら仕事を再開するお父様をまた見始める…しばらくすると部屋の中から

 

「星奈…お前何がしたいんだ?」

 

後を見ずに言うお父様、流石はお父様です気配だけで私だと断定するとは…私はゆっくり扉を開き

 

「えっと…お父様に遊んで欲しかったのですが。仕事中の様なので邪魔をしてはいけないと思い見てました」

 

「……邪魔じゃないからこっちにおいで」

 

おいで、おいでと手招きするお父様に

 

「いえ、邪魔をしてはいけないのでこのままここに居ます」

 

仕事の邪魔をせずにお父様を見る、これが今出来る最大の良策のはず。

 

「…多分、凄く良い事だと思ってると思うんだけど。気になって集中できないから入っておいで」

 

「…良いんですか?」

 

部屋に入らず扉の隙間から部屋の中を覗き込みながら言うと

 

「良いよ、どうせ雷華も居るし」

 

「失礼します」

 

雷華が居ないと思ったらまさかお父様の部屋に居るとは…私は即座に扉を開け中に入った、すると

 

「むにゅ…むにゅ…もうお腹一杯…」

 

お父様の膝をまくら代わりにして眠っている雷華を見つけました…

 

「勉強を教えていたんだが眠ってしまったんだ」

 

「…お父様に教えてもらっててもそうですか…」

 

私は呆れながら呟いた…雷華は授業中殆ど寝てる…雷華いわく勉強すると眠くなるそうだ…そんなんだからテストで0点を取ってしまうんです…

 

「まぁ、こんな状況だから星奈が居ても邪魔じゃないよ」

 

「そうですか…それでは失礼します」

 

お父様から少し離れた所で見ていると

 

「星奈、おいで」

 

「…私はここで…」

 

「嘘付け、そんなにそわそわして…迷惑じゃないし怒らないからおいで」

 

置いてあった鏡に自分の姿が映る…目はきょときょとと動き、身体も小刻みに動いてる…そんな自分の姿を見て

 

(ま、まるで子供じゃないですか…恥かしい…)

 

軽い自己嫌悪に陥りながら、お父様の真横に座ると

 

「星奈は我慢しちゃうからな。遊んで欲しいなら遊んで欲しい、かまって欲しいならそういえば良い。私はお前の父親だ、傍に居る時ならどんな我侭でも聞くよ」

 

キーボードを叩きながら言うお父様に

 

「…その…本当に迷惑じゃないんですか?」

 

「ああ、迷惑じゃないよ」

 

即答してくれたお父様にもたれかかりながら

 

「私は…お父様の傍に居ても良いですか?」

 

「良いに決まってる、お前は私の大切な娘なんだから」

 

笑顔でそう言ってくれるお父様の服を握り締めながら、上手く甘えられなくてごめんなさい…本当はもっと甘えたい、もっと遊んで欲しい…でも…今は…こうして傍に入れるだけで…私は幸せです…

 

 

 

王は実はおねえちゃんなんです 静夜視点

 

「ふん、相変わらず甘え下手だな。星奈は」

 

我はそう呟き父上の部屋の前から歩き去る。本当は我もかまって欲しいが、今は星奈の番なので素直に待つ

 

「静夜、王の部屋に向かったのではないのか?」

 

我達の部屋の掃除をしていたアイギナにそう言われ、我は肩を竦めながら

 

「今は雷華と星奈が父上の部屋に居る。あんまり押し掛けては迷惑だと思い戻ってきたのだ」

 

「そうか、静夜はやはりお姉さんなのだな」

 

アイギナがしみじみ言うので我は

 

「ち、違うぞ!我は王だ、断じてお姉ちゃんなのではない!」

 

慌てて違うと言うとアイギナはくすくす笑いながら

 

「そうか?何だかんだ言って、星奈と雷華の面倒を見てるじゃないか」

 

た、確かに…今までの我自身の行動を思い返す…

 

『雷華!まったくお前というやつは、自分の脱いだ服すら片付けれんのか!』

 

『ご、ごめん!今片付けてくるから』

 

『もう我が片付けておいてやった、感謝しろよ』

 

『あ、ありがとー静夜!』

 

『星奈、何をしてる?』

 

『……何でもないです』

 

『目を逸らすな。お前は何をしてるんだ?』

 

『…に、人形を…作ってたんです』

 

『人形?…ああ、父上のか…何だこれは!?』

 

『うう、言わないで下さい…私不器用なんです』

 

『下手にも程があるだろうが…仕方ない、我が教えてやろう』

 

『ふえ?出来るんですか?』

 

『お前馬鹿にしてるだろ?我は王だぞ?この程度の人形、ちょちょいのちょいだ』

 

『なんか、おばさんのようです』

 

『知らん。不器用なお前で憐れな物でも作っていろ』

 

『ご、ごめんなさい!助けてください、静夜』

 

『最初からそう言っていれば良いのだ』

 

……た、確かに…アイギナの言うとおりだ…

 

「な、何故項垂れるんだ!?どうしたんだ静夜」

 

「わ、我は王なのに…なぜあいつらの世話をしてるんだ?」

 

我は本来王だから、指示する側なのに…なんで雷華達の面倒を見てるんだ?我が困惑してると

 

「静夜」

 

「父上?どうしたのだ?」

 

仕事中の筈の父上が我の部屋に来る、どうしたのか?と尋ねると父上は

 

「いつも雷華達の面倒を見てる静夜にご褒美を持って来たんだ」

 

笑いながら差し出されたのはチョコレートだった、我がそれを受け取ると父上は我の隣に座り

 

「仕事が忙しくてあんまり遊んでやれなくてごめんな」

 

「良いのだ、我達のためだと判ってるから」

 

父上が忙しいのは我達のため、それが判ってるから我侭は言わない

 

「それでもあんまり父親らしい事をしてやれないから、悪いと思ってるんだ」

 

肩を竦める父上に

 

「違う、違うぞ。父上はちゃんと我達の事を考えてくれてるではないか。なぁ皆」

 

扉の影から様子を見ていた、星奈達に声を掛けると星奈達も部屋に入って来て。父上の周りに座り

 

「僕達はちゃんと知ってるよ。パパが僕達のこと考えてくれてる事を」

 

少ない暇な時間に我達の破けた服を縫ってくれたり…休みの日はゆっくり寝たい筈なのに早く起きて我達のご飯を作ってくれる…忙しくてあんまりかまえないことを気にしてるかもしれないが…そんな事を気にする必要はないんだ…ちゃんと判ってるから…父上が我達を愛してくれてる事は…

 

「だから良いんだ、父上が傍に居てくれるだけで嬉しいから」

 

ギュッと抱き付きながら言うと、雷華達も同じ様に抱きついている…

 

「我達は父上が父上でよかった…我達は父上が傍に居てくれるだけで幸せなんだ…」

 

闇の書の欠片…人並みの幸せは得れないと思っていた…でも今…我達は幸せだ…優しい父上が傍に居てくれる…ただそれだけで…幸せなんだ…だから…

 

「遊んでくれなくても良い、授業参観に来てくれなくても良い…ずっと我達の父上で居てくれればそれで良い」

 

今我の手の中にある、この小さな幸せだけで良い。高望みはしない…ただ傍に入れるだけで幸せなのだから…

 

陽華とマテリアルの1日 終り

 

 

 




陽華→雷華→星奈→静夜視点で回してみましたがどうでしたか?面白かったでしょうか?最近あんまり静夜達メインの話をしてないので若干スランプ気味です、今度書くときはもうちょっと確りした物を書きたいと思います。それでは次回の更新もどうか宜しくお願いします
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