夜天の守護者 番外編   作:混沌の魔法使い

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さて、今回も完結記念番外編です。リクエストしてくれたのは「シエスタ410様」で、「平行世界のプレシア」の話です。それでは今回もよろしくお願いします


『完結記念番外編 運命を切り開く者』

 

 

『完結記念番外編 運命を切り開く者』

 

 

「ユーノ、悪いがまたあの事故の資料を出して欲しい」

 

私は数日前から無限書庫に入り浸ってた。どうしても調べたい事があったのだ

 

「…またかい?一体何度調べれば気がすむんだい?全てのきっかけの事故を…」

 

私となのは、それにフェイトが出会った。全てのきっかけとPT事件、しかしそれこそが全ての間違い

 

「私の考えが正しければ…あれは、ヒュードラの暴走は…事故じゃない」

 

平行世界無限に広がるその世界には、様々な可能性がある。私がリインフォースを救ったように、ほんの少しの行動で歴史は変わる。それは良い結果にも悪い結果にも繋がる…

 

「龍也、まさか君が考えてるのは…」

 

私の考えに気付いた、ユーノに

 

「あの事故は…ネクロが引き起こした物だ…証拠も見つかった」

 

キメイラから現れたネクロ、ズィード。あれはヴェルガディオスの化身の1つ、その能力は様々な平行世界への扉を開く事。それは言い換えれば過去や未来にも繋がるという事…

 

「ヒュードラの事故があった時、謎の魔道師失踪事件が多発してる。それに…異形を見たという目撃情報もだ…」

 

「ば、馬鹿な!あれはネクロが活動を再開するより遥か前の事件だ。ネクロが関係してるとは」

 

「私は平行世界の闇の書事件の時にヴェルガディオスの遭遇してる、今回もその可能性が高い、ユーノ。ヒュードラが設置されてた場所はどうなってる?」

 

闇の書と戦った海上で過去に繋がるゲートがあった。今回も同じ筈だ、だからユーノに尋ねると

 

「…立ち入り禁止になってるけど…まだある。地図はこれだ」

 

「感謝する」

 

渡された地図を受け取り立ち上がり、私は無限書庫を後にした…

 

「ここか…酷い物だ」

 

「ヒュードラ」が開発されていた場所は、酷い有様だった…有害な魔力が充満してる可能性がある為、今も立ち入り禁止になり続けている。私はそれを眼下に見ながら

 

「何時まで着いてくる気だ。フェイト」

 

「バレてた?」

 

背後に声を掛けると、木の陰からフェイトが姿を見せる

 

「仕事は?」

 

「抜けてきた、無限書庫での話は聞いたよ…私も連れてって」

 

「良いのか?あの時代のプレシアはお前を知らないぞ?」

 

プロジェクトFをプレシアが知ったのは、ヒュードラの事件後…だから今のプレシアにはアリシアという娘しか居ない、態々来る必要はないと遠回しに言うと

 

「私にとっては何時の時代でも、大切な母さんで。その母さんを苦しめるネクロを私は許せない」

 

「良いだろう、来い。今度こそプレシアを救うぞ」

 

「うん」

 

私はフェイトを連れ、過去への門を潜った…全てを救うために…そして全てのすれ違いを正す為に

 

 

 

 

これが終れば…もっとアリシアと一緒に居てやれる。ヒュードラさえ完成すれば、莫大な報酬と研究者として未来が約束される。そうすればアリシアのそばに入れる、今まで仕事仕事で遊んでやれなかった。だがそれも終り、ここからは幸せな未来が待ってるはず、最終調整を始めたところで気付く

 

(!?なに?プログラムが全然違う!?これでは暴走が起きてしまう!)

 

私の管轄していた場所ではないが、わざと暴走するように仕組まれているプログラムに気付く

 

(と、止めないと!)

 

このままではヒュードラは暴走し、大惨事が起きてしまう。それはなんとしても防がないと。緊急停止レバーに手を伸ばそうとした瞬間

 

「おっと、困りますね。今止められては」

 

私の腕を掴む異形の手、それに驚きその手の持ち主を見て

 

「!?!?」

 

声に鳴らない悲鳴を上げる。顔がボロボロと崩れそこから獣の顔が姿を見せる。それに伴い身体も崩れ異形の身体が姿を見せる

 

「良い顔です、絶望と恐怖。最高の顔ですね」

 

にやにやと笑う異形は左手を掲げ、まるで指揮者の様に指を動かしながら

 

「ここで貴女の娘に死んでいただければ。全てが始まるのですよ、滅びへの美しい葬送曲がっ!!そして貴女の狂気を利用し、まだ幼い守護者を滅する。そうすれば我が理想郷が誕生するのです!」

 

「た、助け!?ッキャアアアアッ!?」

 

周りに居た研究者、管理局の上役が目の前の異形と同じく姿を変える、何!?何が起こってるの!?そこで唐突に思い出した、最近多発してる魔道師失踪事件と異形の目撃情報。それらは全てこの異形たちが原因だったのだ

 

「さぁ、よく見なさい。貴女の娘が死ぬ瞬間を」

 

パチン

 

異形が指を鳴らすと、鎧を身に纏った異形が隣の部屋から

 

「い、痛い!痛いよぉッ!!!」

 

「あ、アリシアっ!!」

 

アリシアの腕を掴んで無理やり引き摺ってくる。思わず駆け寄ろうとするが

 

「おーと、駄目ですよ?あれは奏者ですからね、触れてはいけませんよ?最高の悲鳴を聞こうではありませんか」

 

「は、放しなさいッ!!あんな所に連れてったら…」

 

異形がアリシアを引き摺っていく先は、魔力を溜める部屋がある。そんなところに生身のアリシアを連れて行けば、死んでしまうのは目に見えている。

 

「あんなところ?何を言うんですか?安楽死が出来る最高の場所ではないですか?それとも目の前で、バラバラに引き裂かれるのがご希望で?それならそうしますが?」

 

にやにやと笑い続ける異形に

 

「な、何がしたいのよッ!!貴方達はッ!!」

 

「私達の目的ですか?忌々しい守護者を殺し、未来を変える。それだけですよ…おっ。どうやら最高のアリアが聴けそうですね?実に楽しみだ」

 

異形の視線の先を見る、そこには今正に、アリシアが魔力増幅炉の中に投げ入れられそうになっていた

 

「や、止めてッ!!アリシアを奪わないでッ!!!」

 

「んー。良いですねその絶望に満ちた悲鳴…それこそが私「魔楽師アステル」を楽しませる。最高の楽曲ですよ」

 

私は絶望した。もう無理だ…誰も助けてくれない…私のただ1つの生き甲斐はもう手の届かないところへ…その時初めて気付いた…閉鎖されてる研究所に吹き込む

 

「風?」

 

優しく包み込むような、そんな風…それが何処かから吹き込んでいた…それに気付いた瞬間

 

「エルンストンウェルッ!!!」

 

雷を纏った剣撃がアリシアを掴んでいた、異形を切り裂き消滅させる。それと同時に金色の閃光が走りアリシアを空中で抱きとめる

 

「もう大丈夫、助けに来たよ」

 

「お、お姉ちゃんは誰?」

 

「正義の…味方だよ」

 

赤いマントに蒼い鎧を身に纏った、美しい美女が腕の中のアリシアに優しく話しかけてるのが見える

 

「ば、馬鹿なッ!!なぜ金色の戦乙女がここにッ!!」

 

異形が驚愕を伴った声をあげると

 

「貴様を滅する為に決まっているだろう?」

 

背後から男の声が聞こえる、驚いて振り返るとそこには。黄金色の鎧に炎の翼…そして美しい蒼と朱の瞳を持った男が立っていた

 

「ば、馬鹿な…何故貴様がここに居るッ!!!夜天の守護者アアアッ!!!」

 

守護者?…ではあの男がこいつらの敵?それに気付いた私は

 

「た、助けてッ!!早くッ!!!このままじゃヒュードラが暴走を!!」

 

「判ってる、プレシア・テスタロッサ。今助ける」

 

男が腰の鞘から抜刀する、それと同時に黄金色の魔力が吹きあがる…文献で見た事があった…あの魔力は

 

「せ、聖王の魔力?」

 

古代ベルカの王の証の魔力。ではこの男は何者なのだ、もう居ないはずのベルカの王族だというのか?

 

「くっ!!掛かれッ!!ここで守護者を殺せば、我らの願いは叶うぞッ!!!」

 

「「はっ!」」

 

周りに居た、鎧を身に纏った異形が動き出そうとするが

 

「ぐっ!?」

 

「な、何がッ!?」

 

「グギャアアアアッ!!!」

 

何が起こっているのか全く判らなかった、異形たちが動こうとした瞬間。黄金の閃光が放たれ、次の瞬間にはバラバラに切り裂かれ消滅していた

 

「弱いな、所詮はLV2、弱すぎて話にならん…そして貴様もだ、アステル」

私の腕を掴んでいる異形に男が言った瞬間

 

「ぐっグギャアアアアッ!!腕が!私の腕がッ!!!」

 

異形の腕が肩から切り飛ばされる、それと同時に

 

「プレシア!いまだッ!!ヒュードラを停止させろッ!!」

 

「!!判ったわッ!!」

 

男の怒声に頷き、ヒュードラを緊急停止させる。これで最悪の事態は回避できた

 

「お母さんッ!!」

 

「アリシアッ!」

 

後の扉が開きアリシアが飛びついてくる、それをしっかりと抱きとめ

 

「良かった、アリシアが無事で…」

 

思わず涙が出る、もう生きて会えないかもしれないと思ったから。アリシアは私の腕の中で

 

「お姉ちゃんが助けてくれたんだよ?」

 

アリシアが指差す方には先ほどの美女が居た。その美女はアステルに左手をむけ

 

「許さない、お前だけは…私の手で殺すッ!!」

 

凄まじいまでの殺気を叩き付ける

 

「ひ、ヒィィィッ!!!」

 

アステルが壁をけり破り逃げ出すが

 

「手伝うか?」

 

「必要ない、私だけで充分」

 

美女が掲げた左手から凄まじいまでの魔力と放出され始める

 

「一発だけなら、撃てるんだから。罪人に雷神の裁きをッ!!ユピトールスマッシャーッ!!」

 

ズドンッ!!バチバチッ!!!

 

一瞬だけ女の手が光ったと思うと、外からまるで雷が落ちたような音と

 

「ギャアアアアアアッ!!」

 

異形の悲鳴が聞こえてくる、どうやら先ほどの魔法が命中したようだ

 

「はぁ…はぁ…これきつい」

 

「当たり前だ、私専用の魔法を使おうって言うのがまず無茶だ」

 

へたり込む女に呆れたように男が呟く。私はその男に

 

「さっきのは一体?…それに貴方達は何者?」

 

アリシアを抱き抱えながら尋ねると、男は

 

「人は知らない方が良い事も沢山ある。プレシア・テスタロッサ。貴方は気絶し何も見なかった。それが今ここでおきた出来事です」

 

「…誰にも言うなと?」

 

「その通りですよ、異形とそれを倒した者、人に言っても信じないでしょうからね」

 

からからと笑う男に

 

「それは…そうね。でもせめて名前だけでも教えてくれないかしら?命の恩人の名前も知らないなんて嫌だから」

 

「そんな必要は無いですよ、だって貴方はここで誰にもあっていないし、誰とも話してないのですから」

 

何の事…?と私は尋ねる事は出来なかった、急速に遠のいていく意識の中で

 

「また会えて嬉しかったよ…母さん」

 

悲しげな、それでもとても嬉しそうな女の声を聞いた気がした…

 

 

 

「新型魔力炉を命懸けで止めた、天才魔道師。だとさフェイト」

 

ネクロを倒した翌日の新聞にでかでかと書かれている、見出しと写真を見ながら言うと

 

「…えっ?何?聞いてなかったよ」

 

「…やっぱり記憶を消さない方が良かったか」

 

フェイトの願いで、アリシアとプレシアの記憶を消したが。それで良かったのか?と尋ねると

 

「うん、これでいいんだ。あの出来事でこの世界は変わった。私は最初から居ない事になる、だから私の記憶は必要ないんだよ」

 

少しだけ寂しそうなフェイトの頭を撫でながら

 

「そうはならないと思うがね」

 

「えっ?どういうこと」

 

困惑してるフェイトに

 

「確かにヒュードラの暴走はなくなった。しかし、世界には絶対に変わらないものがある…例えば、お前となのはの出会いの様に」

 

どの世界でも必ずなのはとフェイトは出会っている。アリシアが居ても居なくても

 

「だから、必ずお前はこの世界に生まれるのさ、今度はプレシアの本当の娘として」

 

「そ、そうかな?そうとは言い切れないんじゃ?」

 

首を傾げるフェイトに

 

「あれを見てみろ」

 

「あっ!」

 

プレシアと話す男性の姿に気付いたフェイトに

 

「雰囲気からすると、あれがプレシアの夫なんだろうな。あの調子だとよりを戻しそうじゃないか」

 

「そ、そうだね…じゃあ、私も生まれてくるのかな?」

 

「そうだと思うよ。フェイト、それじゃあ帰るか。私達の世界へ」

 

「うん!」

 

私はフェイトを連れ、この世界を後にした…ヒュードラの暴走はなくなり、アリシアの生きてる世界。これがプレシアが望み、フェイトが護った世界…皆が幸せになれる世界なのだから…そして数年後のこの世界の海鳴で

 

「何をしてるの?」

 

「空を見てるんだ、どこまでも広い空を…君は?」

 

公園のベンチに腰掛けながら呟く、黒髪の男の子に話しかける、金髪の女の子は

 

「わ、私は、君じゃないよ!私はフェイト。フェイト・テスタロッサだよ。貴方は?」

 

「僕?僕は…誰だろう?名前は判らないよ、ずっと1人だから」

 

「1人?…お父さんや、お母さんは?」

 

「判らない、僕は1人だから」

 

悲しそうに呟く男の子の手を掴んだ、フェイトは

 

「行こッ!私のお母さんの所に」

 

「何で?」

 

「お母さん、男の子が欲しいって言ってた!だから連れてくのッ!!」

 

「言ってる意味がよく判らないよ」

 

「判らなくてもいーのッ!一緒に来れば!!あれ?そのペンダントは?」

 

龍を模したペンダントを指差すフェイトに男の子は

 

「ずっと持ってた。何か意味があるのかな?って」

 

「ふーん。んじゃ、行こッ!近くに私の家があるんだ」

 

「結局僕を連れてくんだね。君は」

 

「そうだよ、1人じゃ寂しいでしょ?」

 

「…うん、寂しい」

 

ぽつりと呟く男の子にフェイトは

 

「それじゃあ、私が妹になってあげる。そしたら寂しくないよね?」

 

「…寂しくないと思う」

 

「うん、私もそう思うよ!それじゃあ行こう!龍斗」

 

「龍斗?なんで?」

 

「そのペンダント龍の形をしてるから、龍斗で良いよね?」

 

「龍斗、うん…龍斗でいい」

 

笑いあう龍斗とフェイトはそのまま公園を後にした…そして。彼はテスタロッサ家の一員となる。そして彼は後の世界でこう呼ばれることとなる「閃光の剣神」と比類なき最強の魔道師として、ミッドチルダでは知らぬ者の無い英雄となるが…それはまだずっと先のお話です

 

『完結記念番外編 運命を切り開く者  終り』

 

 

 




どうも混沌の魔法使いです、自分は原作を知らないもので、あんまり深くプレシアとアリシアに触れる事は出来ませんでしたが。どうでしたか?面白かったですか?もしそうなら良いのですが…あと判っていると思いますが、最後に登場した男の子は「八神家」に拾われなかった場合の龍也さんです。名前も龍也ではなく龍斗となっています、それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

PS かなり自信のない作品なので感想をもらえると嬉しいです
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