天雷の騎士達の日常・・
「朝ですか・・起きるとしましょうか・・」
私はそう呟きベッドから上半身を起こした・・時間は4時30分・・王が起きるまでジャスト30分・・何時も通りの時間に起きれた事に1人納得していると・・もぞもぞと布団が動き、アイギナとシャルナも起きだす・・2人の目が合う・・それと同時に
「「はあっ!!」」
2人同時に拳を繰り出す・・お互いに力比べをしながら
「今日は私が王を起こしに行くッ!!」
「黙りなさい・・アイギナ・・王を起こすのは私です!!」
お互いに自分が起こしに行く!と言っている2人を見ながら
(やれやれ・・あの2人は何時も通りですね・・では私は朝食の準備でもしに行きましょうか・・)
喧嘩している2人を見ながら私は部屋を抜け出した
トン!トン!!
野菜を切り鍋の中に入れ、暫く煮た所で味噌を加える・・それから蓋をして煮詰める
「さてと・・次は玉子焼きでもしますか・・」
卵を割りボウルに入れる・・味付けの段階で
「ふーむ・・甘めか出汁を効かせるか・・迷いますね・・」
王はどちらも食べるが今日の好みはどちらだろうか?
「そう言えば・・昨晩はヴィータが泊まりに来てましたね・・では甘い方にしましょうか・・」
ヴィータが居るなら甘い方が良いだろう・・そう思いボウルに砂糖を入れた甘い玉子焼きを作る・・6人分焼いた所で・・
「クレア、おはよう・・ヴィータいい加減離れろ」
「やーだッ!」
「クレアーッ!!おはよう!」
王の心なしか少し疲れた声と楽しそうなヴィータの声がする・・私が振り返ると、私の予想通りヴィータが王の背中にしがみつきながら笑っており、ヴィヴィオが王の手を握りながら手を振る
「ほら・・もう朝ご飯だから離れろ」
王が繰り返し言うとヴィータは渋々といった表情で離れる・・うん・・何時も通りの朝だ・・私が微笑んでいると
「くうう・・お前の所為で王の目覚めに間に合わなかったではないか・・」
「・・それはこっちの台詞です・・」
酷く疲れた様子のアイギナとシャルナが入ってくる・・どうやら結局決着つかずで王が起きるまで争っていたようだ・・私は2人に呆れながら朝食を机の上に並べた・・
ううー順番なのに・・どうしてああ・・シャルナは強情なんだ・・私は玉子焼きを食べながらそんな事を考えていた・・私達は基本ローテションでその日の行動を決めている・・のだが・・シャルナはそれを護ろうとしない・・だから毎朝こんな攻防をしなければならない・・速く決着が付けば良いが、中々決着が付かず王が起きてしまう事の方が多いのだ・・そんな事を考えながら正面を見ると
「あーん」
にこにこと笑うヴィヴィオ様の口に微笑みながら玉子焼きを運ぶ王を見る・・何時もの光景でとても心が和む・・私がそんな事を考えていると王が
「どうしたアイギナ?食事が進んでないようだが?・・調子でも悪いのか?」
しまった・・王の事を見ていて食事の手が完全に止まっていた・・私は
「だ・・大丈夫です!私は元気ですから!」
慌てながら言うと王は
「そうか?・・調子が悪いなら悪いと言ってくれよ?」
そう言いながら食事を進める王に一安心し
(ふー・・焦った・・しかしやはり王はお優しい・・私の事もちゃんと心配してくれている・・)
プログラムである、私達の事も普通の人間の様に扱ってくれる王の優しさを感じながら、私は食事を進めた・・
朝食後・・
「・・掃除でもするか・・」
王達が仕事に行く準備をしている間に家の周りの掃除を始める
「中々・・楽しいな・・」
自分が掃いた所が綺麗になっていくのを見て楽しいと考えていると
「あ、アイギナさんおはようございます」
穏やかに笑いながら頭を下げる、なのはの姿が見える・・私は箒を1度壁に立てかけて
「なのはか・・どうした?まだ王の出掛ける時間ではないはずだが?」
時計を見ながら尋ねるとなのはは笑いながら
「そうなんですけどね・・ちょっと用事でこの近くまで来たんで・・龍也さんと一緒に六課に行こうと思って・・」
そう笑うなのはに私は
(嘘だな・・用事と言うがこんな朝早くからある訳も無い・・夜勤空けにも見えない・・王と一緒に居たいから来たんだな・・)
王は非常に良くモテる・・私が知る限り14人の女性に想われている、それも全て王の優しさと人徳からだろう・・私がそんな事を考えていると
「・・その細い目は何ですか・・?」
そう尋ねて来るなのはに
「別に・・だが・・朝早くから押し掛けるのは良い印象では無いと思うが?」
ゴミを掃きながら言うとなのはは
「・・そう・・思います?」
涙目で尋ねて来るなのはに
「そう思うな・・私としては仕事先で出迎えた方が好印象だと思うぞ?」
落ち葉などを掃きながら言うとなのはは
「私がここに来た事言わないでくれます?」
そう尋ねて来るなのはに
「さて・・何の事かな?・・ここには誰も来なかったし、私は誰とも話してないぞ?」
そう言うとなのはは頭を下げて走り去った・・私は走り去るなのはの後姿を見ながら
「王を支えれるのは・・案外ああいうタイプなのかもな・・」
無茶をする王を支えれるのはなのはの様な芯の強い女なのかもな・・天雷の騎士達はそれぞれ龍也に相応しいのは?と言うのを考えている、アイギナはなのはとフェイトで、クレアはヴィータというか八神家全体、シャルナは・・何だかんだ言ってるがナンバーズを押していたりする・・私が掃除を続けていると
「アイギナ・・私達はそろそろ出掛ける・・後は任せるぞ?」
制服に身を包んだ、王とヴィータにシャルナが玄関から出てくる、私は掃除の手を休め
「はい、お任せください・・お気をつけて」
そう見送り、私は掃除を再開したが・・
(どうして今日に限ってシャルナの番なんだ・・納得いかん・・)
今日は私が王を起こしに行き、シャルナが付き添い、クレアが食事の準備の筈なのに・・私は王を起こしに行けなかった・・その事が納得できず・・
(シャルナめ・・1度決着を付けてくれる・・)
どうやらもう1組の炎と氷の相性は良くないようです・・
「!・・」
私は王の後ろを歩いていて感じた妙な気配に立ち止まる・・これは
(アイギナですか・・まったく・・しつこいですね・・)
この感じはアイギナがまた決着を付けてくれるとか・・考えてる時の物に良く似ている・・私達は同じ目的、同じ人を護る為に一緒に居るが・・正直仲はそれほど良くない・・クレアは私の邪魔をしないから仲が良いが・・アイギナとはどうしても馬が合わないのだ・・だが
(こんな事は王には言えませんし・・自分で解決するしかないですね・・)
王は私達の事を仲良しだと思っている・・それは単純な理由で王の前で喧嘩するほど私達は馬鹿ではない・・だから仲の良い振りをしているのだ・・私がそんな事を考えていると
「シャルナ?どうした行くぞ?」
エスカレータの上から声を掛けてくる王に
「すいません、少し考え事をしてました・・今行きますね・・」
私はそう返事を返しエスカレータに乗った・・私は王の元へ行きながら
(・・決着を付けるのはこっちの言い分ですよ・・アイギナ・・)
自分と相性が悪い炎の事を考えていた・・
「今日の予定は?」
執務室で尋ねて来る王に私は手元のスケジュール表を見ながら
「午前中は、FW陣の訓練と書類仕事・・午後からは本局でレジアス中将とこれからの事についての話し合い・・それが終ったら今日の報告書に目を通してください」
今日の予定を読み上げると、王は天雷の書を手に取り
「判った・・では先に訓練を見てくる・・暫く待っててくれ」
そういって執務室を出て行く王の後姿を見ながら
(今日はツイてないですね・・殆ど付き添い出来ないではないですか・・)
本局に行く時は私は付き添い出来ないし・・訓練を見る事も出来ないので・・その間は執務室に待機となる・・
「アイギナの邪魔をしたからでしょうか?・・因果応報とも言いますし・・今度は邪魔をしないでおきましょうか・・」
今日アイギナの邪魔をしたからそのしっぺ返しが来たのだと思い、暫く本を読んで暇を潰してると・・
「何だ、シャルナ居たのか?」
チンクが入って来て、驚いたという表情で尋ねて来る私は読んでいた本を閉じながら
「そう言うチンクはどうしたのです?・・王はここには居ませんよ?」
この時間なら本局に居る筈だと思いそう言うとチンクは
「判ってる、八神に提出した報告書で間違いがあったからそれを訂正しておこうと思ったんだ・・」
王の机の上を探して、目当ての書類を見つけたチンクは胸ポケットからボールペンを取り出し、すぐに訂正をし
「さてと・・やる事は済んだ・・私は戻る・・」
戻るというチンクに
「そうですか・・王には来た事を黙って置きますから」
そう言うとチンクは頭を下げ
「ありがとう、シャルナ・・」
戻っていくチンクを見ながら、私は王の部屋に置いてあった料理の本を開きながら
「明日の朝食はどうしましょうかね・・」
私は明日食事当番だ・・だから何にするか考えながらページを捲り
「ふむ・・これで行きましょうかね?」
私はオムレツを作ると決め、チンクが来るまで読んでいた本を再び読み始めた・・そして日が暮れかけた時間帯に王が戻ってくる・・王は肩に手を置きながら
「レジアスめ・・騙したな・・雑誌の記者が居るなんて聞いてないぞ・・」
恨めしそうに言う王に
「肩を揉みましょうか?」
お茶を置きながら尋ねると、王は
「すまん・・頼む・・」
王の肩を揉みながら
「記者が居たのですか?」
そう尋ねると王は
「ああ・・何でもこれからの復興についての私とレジアスの対談を取材したかったそうだ・・」
クラナガンの一部は現在立ち入り禁止となっている、ネクロの生き残りが居る可能性が有るからだ・・だからその復興の目処を取材したかったのだろう・・そんな事を考えながら肩を揉んでいると王が
「・・もう良い・・ありがとう・・大分楽になった」
そう笑う王に
「お気になさらず、それでは戻りましょうか?」
仕事はもう終ったはずだから戻りましょうか?と尋ねると王は
「・・そうだな・・今から帰れば・・ヴィヴィオと夕食が出来るな・・よし戻るか・・」
そう言って立ち上がる王の後ろを歩いていると
「お兄様~リィンも一緒に帰るです~」
肩に飛び乗る小さな妖精・・王の家族の1人・・融合騎のリィンだ・・王の事をお兄様と呼び慕っている・・可愛らしく見ていて和むので嫌いではない・・他の融合騎達も同様だ・・愛らしく純粋な彼女達は嫌いではない・・
「リィンも上がりか?・・では一緒に帰ろうか・・」
そう笑う王と一緒に私達は家に戻った・・
「パパー!!お帰り~」
突進してくるヴィヴィオを抱き抱え
「ただいま、ヴィヴィオ」
にこにこと笑うヴィヴィオの頭を撫でながら笑っている王の前にクレアが来て
「お帰りなさい、王・・お風呂にお湯が入っているのでどうぞ、その間に夕食の準備をしてますから」
そう笑うクレアに頷き、お風呂場に歩いて行く王の後姿を見ながら、私は夕食の準備を手伝う為にキッチンに向かった・・
「シャルナ、これを机の上においてください」
チーズと野菜のサラダの入ったボウルを受け取っていると、
「んふふ~お風呂気持ちよかった~」
「リィンもです~」
にこにこと笑いながら戻ってくるヴィヴィオとリィンの後ろから
「ふう~、仕事の後の風呂は良いな」
髪を拭きながら歩いてくる王にアイギナが
「夕食の準備が出来ましたので、どうぞ」
椅子に座るように促す、私は王達にジュースを注ぎ
「どうぞ」
笑いながら手渡すと
「ありがとう!」
「ありがとうございますです!」
笑いながら受け取るヴィヴィオとリィンに
「すまないな・・」
謝ってから受け取る王に頭を下げてからキッチンに並べられた料理を取りに行く、本来なら王と一緒に食事を摂る等恐れ多いのだが・・王の意向で一緒に食事を摂る様にしている・・食事を終え部屋に戻って行った王を見送ってから、私は風呂に入り汗を流しパジャマに着替え
3人の部屋に戻る・・ベッドに座りながら瞑想しているアイギナに
「アイギナ・・今日はすいませんでした」
向かい合う様に座り謝ると瞑想していたアイギナは目を開き
「お前としては珍しい・・どういうつもりだ?」
そう尋ねて来るアイギナに
「いえ・・やはり順番を決めてるのですから・・その通りに動いたほうが良いと思うんです・・ですから、すいませんでした・・」
今日の事を謝るとアイギナは布団を被りながら
「お前がそういう事を反省するだけ救いがあるな・・今度から気をつけろ」
そう言って眠りに付くアイギナを見ながら
「私も寝ますか・・」
そう呟き私も眠りに落ちた・・また明日・・王の為に力を使うことが出来る、幸福を感じながら・・
天雷の騎士達の日常・・ 終り