姫と黒き守護者 遊園地デート編
俺は仕事を終え普段着に着替えようとした時、胸のポケットから2枚の紙が落ちる・・
「ん?何だこれは・・これは守護者から貰った・・」
それは守護者から貰った遊園地のチケットだった・・(番外編 ヴィヴィオの授業参観参照)
「ラグナを誘ってみるか・・」
折角だからラグナを誘い行ってみようかと思い、ラグナの部屋に向かった・・
コンコン
ラグナの部屋の扉をノックする・・ラグナの部屋と言っても3人部屋用の大きな部屋の向かい側なのだが・・ノックしてから暫くすると
「何?ハーティーン?」
濡れた髪を拭きながら、身体にはバスタオルを巻いただけの目のやり場に困る格好のラグナに俺は
「ラグナっ!!そんな格好で出てくるなっ!!」
顔を真っ赤にしながら怒鳴るとラグナは
「そんな格好・・?・・あっ!・・んふふ~意識しちゃう?」
悪戯っぽく微笑むラグナに
「良いから着替えてから出て来いっ!!」
そう怒鳴り俺はラグナの部屋の扉を閉めた・・それから5分後・・
「ん・・着替え終わったよ・・何の用?」
パジャマに着替えたラグナが顔を出す、俺はまず・・
「良いか?・・ラグナ・・俺は男だ・・もう少しその辺を考えてくれ」
そう言うとラグナは左手の指輪を見せながら
「私達婚約してるんだよ?・・意識するも何も無いでしょ?」
にこやかに笑うラグナに何を言っても無駄と判断し
「はぁ・・お前が良いなら・・俺は何も言わないが・・用件はこれだ・・」
渡されたチケットをラグナに見せると
「あ・・デートの誘い?嬉しいな~ハーティーンから誘ってくれるなんて初めてじゃない?」
そう笑うラグナに
「そうかもな・・それで・・お前さえ良ければ・・明日出掛けよう」
そう言うとラグナは微笑みながら
「良いに決まってるよ・・それじゃあね、ハーティーン・・明日楽しみにしてるよ」
ウィンクしながら部屋に戻っていくラグナを見ながら俺も部屋に戻った・・
次の日・・
「それじゃあ・・行こう」
白いワンピースに身を包むラグナに
「後ろに乗れ・・それと確り掴まれよ」
グレイダルファーをビークルモードで起動させそれに跨りながら言うと
「言われなくてもそうするよ」
ギュッと抱きついてくるラグナを後ろに乗せて、俺は遊園地に向け走り出した・・その姿を見ていたヴィータは
「ラグナはまたハーティーンとデートか・・良いな・・ラグナは好きな人に振り向いて貰えて・・私は・・全然だ・・」
そう呟くヴィータの後ろに龍也が現れ
「ヴィータ、丁度良い所に・・今からヴィヴィオと買い物に行くのだが・・お前も来るか?」
そう尋ねられたヴィータは満面の笑みで龍也に駆け寄り
「行くっ!絶対行くっ!!」
ヴィータにも良い事があった様です・・
「着いたぞ」
バイクが停まる、私はゆっくりと降り遊園地のゲートを見上げた・・この遊園地はミッドでもかなり有名な所で雑誌にも良くデートスポットとして紹介されている・・まぁ・・ハーティーンは知らないだろうけど・・そんな事を考えているとグレイダルファーを待機状態に戻したハーティーンが
「行くぞ・・」
そういって歩き出すハーティーンの後を追って、私も遊園地のゲートを潜った・・
「どこに行く?」
そう尋ねて来るハーティーンの腕を取り抱き抱える
「どうした?」
どうして腕を抱えられたのか判らないハーティーンに
「デートなんだから・・せめて恋人に見えるようしてよ」
私とハーティーンの身長差はかなりの物だ・・普通に歩いていてはとても恋人同士には見えない・・だからこういう事でアピールするしかないのだ・・私がしっかりと腕を抱えるとハーティーンは
「それで落ち着くなら・・俺は構わんが・・それじゃあ行こうか・・」
私とハーティーンはゆっくりと遊園地のアトラクションを見ながら歩き出した・・色々あるアトラクションで私の目に止まったのは
「あ・・あれ面白そう・・」
それは室内ライド系のシューティングだった、私がやろうと言うとハーティーンに言うと
「判った・・行こう」
2人でそのアトラクションに向かった・・
「あー面白かったね~」
私が言うとハーティーンは右手を見ながら
「俺にはやはり射撃は向かん・・」
面白く無さそうに言うハーティーン・・何故なら彼の撃った弾は殆ど当たらず・・全然スコアが取れなかったのだ・・ちなみに今回のスコアの殆どは私が取った物だ・・面白く無さそうなハーティーンに
「ほら、誰でも苦手な物あるじゃない・・そんなに気にしないで・・次はあっちに行こうよ!」
私はハーティーンの手を取り、次のアトラクションに向かった・・
「ははっ・・これは良い!!気に入ったぞ!!」
ハーティーンはジェットコースターが気に入った様で、私の手を掴み
「また乗るとしよう!!」
「ちょ・・ちょっと待ってぇぇっ!!」
私の訴えは決して聞かれる事無く・・結局7回もジェットコースターに乗る羽目になってしまった・・
「あうう・・気持ち悪い・・」
口を押さえながら言うとハーティーンは
「す・・すまない・・あの感じが空を飛んでるようで心地良かったんだ・・」
謝ってくるハーティーンに
「空を飛ぶのは気持ち良いの?・・」
そう尋ねるとハーティーンはキョトンとした顔になったあと
「ああ・・気持ち良いぞ・・顔に当たる風・・下の方に見える人や建物・・それを見るのはとても楽しいぞ」
そう言うハーティーンの手を借りながら立ち上がり・・
「今度私を抱き抱えて空を飛んで・・そうすれば許して上げる」
上目遣いで言うとハーティーンは
「一緒に空を飛べば良いのか?・・それなら約束する・・絶対に一緒に空を飛ぼう」
そう言うハーティーンに
「それなら許して上げる・・それじゃあ・・次行こう」
そう言うと私達はまた歩き出した・・私が何のアトラクションをやろうか歩き回っていると・・私は1つのアトラクションの前で立ち止まった・・私が立ち止まった事に気付いたハーティーンはそのアトラクションの看板を見て
「体験型都市伝説・・?生きて返すつもりはありません・・?・・これが良いのか?」
首を傾げながら尋ねて来るハーティーンの顔を見ながら・・
(怖いのは嫌いだけど・・こういうのってデートの定番だよね・・それに抱きついても自然だし・・良しっ!!)
私は決意を固め・・お化け屋敷に入ったが・・次の瞬間後悔した・・
「うっ・・」
目の前に広がる・・光景に私は思わず息を呑んだ・・私の目の前に広がる光景は閉塞感で一杯の薄暗い廊下に・・それは廃病院という雰囲気だった・・それに明滅する蛍光灯に照らされた、血の付いた廊下が恐怖心を更に煽る・・私は計画とか関係無しに全力でハーティーンの腕を抱きしめた・・こうでもしないと恐怖心に飲まれてしまいそうだったからだ・・私が怯えながらハーティーンと病院の廊下を歩いていると
「がああああっ!!!」
ゾンビが飛び出してくる、私はそれで一気に我慢できなくなり
「きゃああああああっ!!!!!!」
凄まじい悲鳴を上げた・・それと同時に
「ぎゃああっ!!!」
ゾンビがハーティーンに殴り倒された・・私とハーティーンがアトラクションの外に出ると
「お客さん・・困りますよ・・ゾンビを殴り倒しちゃ・・」
係員の人がそう文句を言いかけたが
「ギロリッ・・」
ハーティーンに睨まれ、係員の人は冷や汗を流しながら
「今回は許しますから・・次は止めて下さいよ」
そう言って係員は消えた・・私が掴んでいたハーティーンの服を見ると・・それはよれよれになってしまっていた・・私が謝ろうとすると、ハーティーンの大きな手が私の頭の上に置かれ、わしゃわしゃと撫でられる・・私が驚いていると
「怖かったんだな・・良し良し・・大丈夫だ・・俺が傍にいるからな・・怖い物など何も無いさ」
そう微笑むハーティーンに
「うん・・大丈夫・・もう怖くないから・・」
私はそう呟き時計を見た・・もう1時を過ぎている
「そうだ、そろそろお昼にしようよ」
私がそう言うと、ハーティーンは
「そうだな・・では行くとするか」
頷くハーティーンと一緒にレストランへ向かった・・
「おれは海老ドリアにするが・・ラグナはどうする?」
首を傾げながら尋ねて来るハーティーンに
「私は・・ピラフにするよ」
2人で昼食を食べる・・食べ終えてから2人でまたアトラクションで遊び・・大分日が傾いてきた所で
「最後にあれに乗ろうよ!」
私はハーティーンの手を引き観覧車に向かった・・
「綺麗だね~」
私がのんびりと言うとハーティーンは
「確かに・・だがお前の方が綺麗だ」
真顔でそんな事を言うハーティーン・・恥かしくなって窓の外を見る・・本当に不意打ちだ・・何の前振りも無く突然そんな事を言う・・本当に卑怯だ・・私がそんな事を考えていると・・ハーティーンは窓の外を見ながら
「俺は幸せだ・・お前といると本当にそう思う・・だから・・1回だけ言わせて貰う・・1回しか言わないからちゃんと聞いて置けよ」
そう言って1回言葉を切ったハーティーンは私の顔を見て
「良いか、絶対に俺の傍にいろ・・お前の居場所は俺の隣で、俺の居場所はお前の隣だ・・それを絶対に忘れるな」
その告白めいた言葉に私は返事を返す事が出来なかった・・でも私は確りと頷いた・・するとハーティーンは満足気に頷き私を抱き寄せた・・ハーティーンの体温が心地良くて・・ずっとこのままで居たいと思った・・でもそれは叶わない願いで・・観覧車は一周し・・降りる時が来る・・私とハーティーンはゆっくりと観覧車を降り、そのまま遊園地を後にしようとした・・だがハーティーンはバイクを出さず何処かに連絡を取っていた・・遠くから聞こえてくるハーティーンの声が途切れ途切れに聞こえてくる
「・・何?・・出せない・・黙れ・・俺のやる事に・・文句を言うのか・・責任を取れない・・?構わん・・良いな・・俺がやる事に文句を言うな」
そう言うとハーティーンはゆっくりと歩いて来て、私を抱き抱える
「ちょっ・・急にどうしたの?」
私が慌てながら訪ねると、ハーティーンは
「セットアップ・・」
騎士甲冑を展開し空を舞う・・私は慌てながら
「ちょっと飛行には許可が要るんじゃ?」
そう尋ねるとハーティーンはにやりと笑い
「そんな事は知らん・・俺がやると決めた事に文句は言わせん」
そう笑うハーティーンと夜景を楽しみながら六課へと帰った・・私はベッドに横になりながら
「今日は楽しかったな・・ハーティーンの気持ちも判ったし・・」
指輪を見ながら呟き、私は布団に入りながら
「おやすみ・・ハーティーン・・・」
ハーティーンと一緒に撮った写真をそう呟き、私は眠りに落ちた・・その頃ハーティーンは
「守護者・・俺はただラグナを喜ばせたかった・・それだけなんだ・・それなのにこれは酷くないか?」
大量の書類を見ながら、冷や汗を流すハーティーンに龍也は
「規則は規則だ・・頑張ってやれ・・」
そう言うと龍也は自分の部屋に引き返していく・・龍也の部屋では
「パパ!!おかえりっ!!」
「・・あ・・兄貴・・お帰り・・」
ヴィヴィオと遊んでいるヴィータが居て、龍也は
「すまないな・・ヴィータ・・ヴィヴィオの面倒を見させてしまって、・・ヴィータはもう部屋に帰らないといけないんだ・・」
龍也に言われたヴィヴィオは両手でヴィータの服を掴み
「いやっ!!ヴィヴィオ、ヴィータねねと寝るのっ!!」
嫌々と首を振るヴィヴィオに龍也は苦笑しながら
「・・ヴィータ・・すまないが・・ヴィヴィオと一緒に寝てくれるか?」
そう言うとヴィータは
「えっ・・そういう事は兄貴も一緒か?」
赤面しながら言うヴィータに龍也は
「まぁ・・そうなるが・・嫌か?」
龍也がそう尋ねるとヴィータは
「い・・嫌じゃねぇよ!!・・その・・うん・・嬉しいかな?」
そう言うヴィータは赤面しながら、布団に横になり・・眠りについた・・その顔はとても幸せそうだった事をここに記す
姫と黒き守護者 遊園地デート編 終り