クリスマス番外編 クリスマスパーティー
「良し! スポンジケーキ出来たぞ! 生クリームとデコレーションを頼む!」
「はい。判りました八神大将!」
食堂の料理人に焼きあがったケーキと生クリームにデコレーションを渡しながら
「はやて 焼く準備は出来たか!」
昨日からタレに漬け込んでいた肉を冷蔵庫から取り出しながら尋ねる
「OKや! 後は下味をつけた鶏肉を入れればOKや」
「よし! じゃあそっちは任せる! セッテから揚げのほうは!?」
「今揚げてます!」
朝から機動六課の食堂は戦場状態だった。それはパーティーの2時間前でも同じことだった……何せ人数が人数だ。そう簡単に準備は終わらない
私は全部の作業を少しずつ手伝いながら大量の酢飯の準備をしていた……
(昆布だしで炊き込んだ……水も天然水だ)
今日は電子ジャーではなく。釜で炊いている……今丁度蒸らしの時間。底が焦げ付かない絶妙のタイミングで蒸らしを止めなければならない
「今だ!」
大きな寿司桶に炊き上がった。4つ分の釜のご飯を取り出す。蒸らしに加え底が焦げ付いていない絶妙のタイミングだ。
「良し、寿司飯の準備に入る。後は頼むぞ」
「OKや。私もレンジに入れたらピザの準備するわ!」
「こちらは任せてください!」
セッテとはやてにそのほかの料理を任せ寿司飯の準備を進める
「良し! OKだ」
昨日の合わせ酢と混ぜ合わせ味を確認してから握りの準備をしていると
「………」
「どうした? アザレア」
じっとこっちを見ているアザレアにそう尋ねると
「て、手伝い……たいです」
「そうか。じゃあ準備して入っておいで」
こくこくと何度も頷くアザレアを見ながら。早速握りを作り始める
「は、速い!? 何であんなに速いんですか?」
「あれは小手返しって言う握り方や。兄ちゃんは手大きいからな。一発でできるんやよ」
得意な小手返しでどんどん寿司を握っていると
「き、来ました」
自分用の台を持ってきて笑うアザレアに
「アザレアはこれを作ってもらおうか」
小さめに切った魚の切り身をトレーに載せてアザレアの前に置きながら
「こうやって。ラップを切って」
ラップを切り目の前に置き。
「切り身を乗せてから、小さく酢飯を取って」
ピンポン球大の酢飯を切り身の上に載せて
「ラップで包んで形を整える」
「き、綺麗です」
「手毬寿司と言うんだ。これならアザレアでも出来るだろう? やってごらん」
「は、はい!」
ちまちまと作り始めるアザレアを見ながらどんどん寿司を仕上げていく
(あと2時間……間に合う!)
今の六課には食欲魔人が多数居る(スバル・リヒト・ウェンディ等)時間との勝負だ。何とか間に合わせる!! 食堂班はフル回転で料理の準備をしていた
~3時間後~
食堂には六課のメンバーに加え。レジアスやクロノも来ていた。あれから2時間丁度で料理の仕込を終え、1時間休憩することにしたのだ
「クリスマスパーティーを始めたいと思います!!」
イエーッ!!!
料理の山を凝視しているスバルとかを見ながら苦笑し。ジュースを手に
「乾杯ーッ!!」
「「「「乾杯ーッ!!!」」」
はやての合図でクリスマスパーティーが始まった
「美味しーッ!!!」
凄まじい勢いで消えていくピザに寿司、スバルの食欲は相変わらず底知らずだ。そんな事を考えながら自分用にとピザを2切れ取っていると
「「「「「メリークリスマス♪」」」」」
居ないと思っていたりィン達が声をそろえて言う。着ている服は可愛らしいサンタの衣装だ
「あはは、可愛いじゃないか」
可愛らしい格好のリィン達の頭を撫でているとアギトが
「兄全然食べてないじゃないか!」
「ピザは2枚食べたぞ?」
「駄目だ! 駄目だ! もっとちゃんと食べないと!!」
アギトは口は悪いが世話焼きだ。私が全然食べてないと怒りながら
「取ってくる! ちゃんと待ってろよ!!
皿を持って歩いていくアギトを見ていると後ろから
「め、メリークリスマス。兄上様」
「そうだな。リイン……ごぶっ!? げほ!? ごほっ!!!」
振り返った瞬間咳き込み蹲る
「だ、大丈夫ですか?」
「にーさま、大丈夫?」
アザレアとユナに背中を撫でて貰いながら
「な。なんて格好してるんだ……」
「そ、そのウーノに作ってもらったんですが……」
もじもじしているリインフォースの格好は膝より少し長いスカートに胸元に大胆な切れ込みの入ったノースリーブの赤い服の上から半袖の赤いジャケットに帽子のサンタ風の姿だったが。その余りに大胆な切れ込みと俯き赤面している、リインフォースは
「に、似合いませんか?」
「そ、そういうわけでは無いんだが……」
長い銀髪と赤い目と神秘的な容姿のリインフォースがサンタの衣装を着ていると余計にその神秘的な雰囲気が強調されて。一言で言うのなら綺麗の一言しかない
「綺麗だし。良く似合っていると……っておーい!!!」
ふらっと倒れかけるリインフォースを抱きとめる。トマトの様に顔が真っ赤だ……
「お姉様恥ずかしいって随分と長い事悩んでましたから」
「お兄ちゃんに綺麗って言われてオーバーヒートしたんですね」
おいおい。じゃあ着るなよ……呆れながらリインフォースを抱えていると
「おろ? 姉どうしたんだ?」
「恥ずかしくてオーバーヒートしたようだ」
アギトにそういうとアギトは
「じゃあ。あれだなちょっと休ませたほうがいいな。椅子の所で待っててくれよ、姉の分料理持ってくからさ」
「じゃあ、頼むよ」
リインフォースに肩を貸して食堂の隅の椅子が置いてる所に向かっていると……
「「ッ!!!」」
涙目で暴れているスバルとリヒトの姿を見て
(大人用を食べたな。あの2人)
恐らく自分達用の食べたいネタを食べきってしまってこっそり大人の用の食べたようだが。大人用にはワサビを塗ってある、予想外の刺激に悶絶しているようだ
「あの……龍也さん。大人用と子供用って何か違うんですか?」
ティアナが私に気付いてそう尋ねてくる。私は
「ワサビと言う地球の薬味が塗ってある。深呼吸して熱いお茶を飲ませてやれ。落ち着くから、あとキッチンにまだ追加があるからちゃんと話を聞いて子供用を貰って来い、後あんまり食うと太るといってやれ」
「……スバル号泣しますよ?」
「何故だ?」
「……すいません。忘れてください」
はぁっと溜息を吐き歩いていくティアナ……はて? 何か選択を間違えたかな?
私はそんな事を考えながらリインフォースを抱え椅子の置いてるところに向かったのだが……
「……」
「!?!?」
ティアナに何事か耳打ちされ絶望したという顔をしたスバルががっくりと項垂れているのがやけに目に残った……
「龍也さんは?」
「んー気絶したリインフォースの看病中」
珍しくコスプレをしたリインフォースは色々と脳内のブレーカーが落ちてしまったのか、気絶してしまったらしい
「何をやったの?」
「サンタのコスプレ」
「ひ、卑怯な!? そんな手で繰るなんて!」
「まぁまぁ落ち着きいや……」
いつもは恥ずかしいとかで甘えることのないリインフォースなのだから、多めに見ても……
バキャン!?
「はやてちゃん!? グラス! グラス!!」
「おお、ちょっと力入れすぎたな」
私の手の中のグラスがはじけ飛ぶ、その理由は
「ふみー」
「動けなくなってしまった」
兄ちゃんの膝枕で眠っているリインフォースを見たからだ。兄ちゃんの膝枕は私の物なのに!!!
ビクッ!?
その殺気に気付いたのか飛び起きるリインフォースと目が合うと、リインフォースは
「も、もう大丈夫ですから!」
「お、おい?」
ぴゅーと走り出し職員の中に紛れ込む。兄ちゃんは暫くそのままだったが。立ち上がり私となのはちゃんの所に来て
「楽しんでるか?」
「ぼちぼちな」
砕いたガラスは魔力で焼き尽くし返事を返す
「こういうのもいいな。皆でワイワイやるのも」
「そうですねー平和ってかんじで」
なのはちゃんがそう言うと
「そうだな。 さてとじゃあ皆にちらほらと声でもかけてくるよ」
そう言って今度はスバルとかの方に歩いていく兄ちゃん。ちらほらと声を掛け勧められた料理を取り皿に取り、それを食べながら歩いていく兄ちゃんは一切アルコールをとろうとしない。それは酒豪である筈のゼストさんにスカリエッティさんも同じだ。それを見て
「やっぱサンタクロースを……」
「言ったらアカン。子供の夢を壊す気か」
兄ちゃんは子供の夢を護ろうとしている。それを大人が壊すのは酷いだろう……
「そうだね。黙っておこうか……」
うんうんと頷き色々と料理を食べ歩きながら。ちょこちょことワインを飲んでいるとあっという間に時間が過ぎて
「さてと……そろそろプレゼント交換会だな」
「ん? そういえばそうやね」
料理も酒も少なくなったところで兄ちゃんがそう言う。皆が用意したプレゼントをくじ引きで交換会をするのだ
「よっしゃ! じゃあ皆ちゅうもーく!!」
手を叩き皆の視線を集める
「今からプレゼント交換会するでー!! 最初に渡した番号札と一緒のプレゼントがその人のもんやで。視界は兄ちゃんな、お願いするで」
「ああ、判った」
マイクを手に歩いていく兄ちゃんはさっそく舞台の上に置かれていたプレゼントの番号読もうとした所でセッテが
「龍也様! 質問があります!!」
「ん? なんだ?」
「龍也様の用意したプレゼントはなんですか!」
これはちゃんと聞かないと不味いな……私も聞き逃さないように注目すると兄ちゃんは
「剣十字のペンダントだ。手作りの物だからそんな大層なものじゃないがな」
そうは言うがそれは是非とも欲しいものだ
(ペンダントというと小さい小箱……どれや)
小箱は全部で40個くらいある。どれが兄ちゃんの用意したものやろうか……
「じゃあ始めるぞー、まずは38番!」
「私だ」
ヴィータが前に行くと大きめの箱が渡される。まずペンダントでは無いだろう
「なんだろな……おお!?」
「あははは。なんだそれ」
ヴィータの箱の中からは兄ちゃんをデフォルメした大き目のぬいぐるみが。そんなのを作れるのは
「わ、私のです」
「あーやっぱ。アザレアか。ありがとな」
「……これしか……出来ないですから、こ、今度ヴィータ姉さんのも作りますね」
「?」
「それ……同じ人形と……手が組めるようになってるんです……だから当たった人の……人形もつくろうって……」
「マジで? 嬉しいな」
「本当ですか?」
「ああ、楽しみにしてる」
きっと自分の人形も出来たら兄ちゃんの人形と一緒にヴィータの部屋に飾られることになるだろう。これはある意味当りの品だ
そんなので順調にプレゼント交換が進み……
「19番」
「私だ。これは……時計?」
「それ私です。 シグナム副隊長」
ティアナの時計はシグナムに渡り
「27番」
「はーいっす。これは……髪留め?」
「私。無難かなって?」
ウェンディにはスバルのプレゼントである、青の髪留めが……
そして残り僅かになった小箱のプレゼント……否が応でも緊張感が高まる中……
「47番」
「僕だ……これは……」
クロノ君が面白いくらい顔を青褪める。その手にはシルバーの剣十字のペンダント。そして一斉に降り注ぐナイフ
「「「「「殺す!!」」」」
「来るなーッ!!!」
魔王に追いかけられているクロノ……この騒動でクリスマスパーティはなし崩し的に終了となった……
コンコン
「はい。なんだ? ユナ達かどうした?」
部屋で皆が寝るのを待っているとユナ達が部屋に来て
「これ。お兄ちゃんに」
差し出された5個の箱と画用紙を受け取る
「これは?」
「お兄様へのプレゼントです」
「下手くそだけど一生懸命作ったから」
「リヒトもね! 頑張ったから」
「だ、大事にしてくれると、う、嬉しいです!」
「お休みパパ! ヴィヴィオパパ大好きーッ!!」
言うだけ言って走って部屋を出て行くユナ達に渡された箱を開けてみる
「はは。これはまた」
小さなあみぐるみで作られた自分の人形と私への手紙がそこには収められていた……
「ありがとう。皆」
渡されたプレゼントの箱から人形を取り出し。皆と撮った写真の近くに並べヴィヴィオのプレゼントの絵は大事に机の中にしまい
「よし! 気合入った! サンタの役頑張るか!」
そして、深夜龍也達のもう1つの戦闘が幕を開ける
クリスマス番外編 サンタ大作戦に続く