夜天の守護者 番外編   作:混沌の魔法使い

58 / 58
どうも混沌の魔法使いです。今回はかなり久しぶりの番外編の投稿です。タイトルを見るとおり「愛を込めて花束を」はやてさんとかが龍也さんに花を贈ると言う物ですが、地の分だけの構成なので今までの投稿と少し違う趣があると思います。あと花はいい花言葉で選んでいるので季節感とはぐちゃぐちゃです。それに花の色の場合ではネガティブな意味になる花もありますが、そこのところは突っ込み無しでお願いします。それでは今回の更新もどうかよろしくお願いします



愛を込めて花束を

 

 

愛を込めて花束を

 

 

その日機動六課のメンバーは臨時の休暇を貰い。のんびりと街を散策していた……そしてふと立ち寄った花屋で花を買うのだった……普段伝えたいと想っている事を口にするのは恥ずかしい。だから想いを乗せた花を贈ろうと想ったのだった……

 

 

 

ふと立ち寄った花屋で私の視線は1つの花に釘付けになった。

 

茎にまるで穂のように花が咲いたとても目を引いた。思わずその花を買ってその花束を抱えながら、店員に聞いた花言葉を考える。この花に目が止まってしまった理由はその花言葉を聞いて妙に納得してしまった

 

あの人はずっと私の目標だった

 

どこまでもどこまでも追いかけて

 

やっとはるか遠くに見えていた背中が少しだけ近くに見えた

 

そして判った。あの時空港火災の時にみたあの背中が

 

あの優しい笑みが私は大好きなんだと……

 

私がもう少し早く生まれていたら

 

妹みたいじゃなくて、もう少し異性としてみてもらえたのかな?

 

ううん。たぶん今とそんなに変わらないと思う。

 

それに今の弟子みたいな居場所もそんなに悪くないと思う

 

だけどきっといつまでもそんな感じじゃ嫌だと思う。だから貴方にこの花を贈ります

 

リナリアの花を貴方へ……

 

その花言葉は「この恋に気付いて」です。いつかはきっと私の気持ちに気付いてください、龍也さん

 

 

 

 

 

らしくない。私はそう思いながら花屋に足を向けてしまった。それはその花屋の周りのいい香りが原因だったのか

 

それとも私だって花の1つや2つを買うんだというのを知って欲しいと思ったのかもしれない

 

歪と言うのはおかしいがどれも違う花弁をし、薄い桃色と濃い赤のコントラストが美しく、そして少しずつ花弁に現れている白い色がとても私の目を引いた……

 

私の髪の色にも似ていて、そしてその花の色のグラデーションはどこか私の騎士甲冑に似ていて、どうしても気になってしまったのだ

 

店員に花を包んでもらっていると店員が得意げな顔をして私にその花言葉を教えてくれて買った後に私は頭を抱えた

 

様々な花言葉あるが、それはどう考えても愛を囁く言葉ばかりだった

 

買ってしまった花の花言葉を考えるとどうしても思う

 

私は最初は兄上を疑い敵対した事もあった

 

だけど兄上はそんな私を家族として迎え入れて

 

いつだって暖かく迎え入れてくれた

 

最初の出会いからやり直すことが出来たのならと思うときもある

 

ヴィータのように上手く甘えることが出来たのならと思うときもある

 

だけど私はきっとこれで良いのだと思う

 

私と貴方の始まりは疑いから始まってしまった

 

だけど今は違います。だから兄上にこの花を贈らせてください

 

そしてこの花に込められた言葉が今の私の貴方への思いです

 

ベゴニアの花を貴方へ……

 

この花の花言葉は「片思い」「愛の告白」だけど私が貴方に送りたいのはこの言葉

 

「幸福なる毎日」私に幸せな日々を与えてくれてありがとうございます。兄上

 

 

 

 

 

 

私はいつかあの人に贈ろうと思っていた花があった

 

渡そう渡そうといつも思っていたのにいざ花を買うとなると気恥ずかしくなって買うことが出来なかったけど

 

今日はすんなりと買えそうな気がする。そんなことを考えながら店内に入ると店長さんがくすりと笑い

 

視線で1つの花を見る。それは私がいつも買おうと思っていた花。だけどいつもレジでやっぱりと断ってしまう花

 

私がこくりと頷くと店長さんは馴れた手付きで木の枝を切って纏めてくれる

 

紙に包まれるその花は海鳴の町でも何回も見たし

 

お母さんが良くお店にも飾っていたから馴染みの深い花でもあった

 

だから私のとても好きな花。でもその花言葉を知っていつかは渡したいと思った

 

そんな思い入れのある花。薄いピンクの花びらを見ながら店長から差し出された花を受け取る

 

たぶんこの花を渡すときっと驚かれるだろう

 

あの人は博識だからきっとこの花の意味も知っている

 

口にして言うのは恥ずかしくていえない

 

だから花で伝えます。返事は直ぐじゃなくてもいいですけど

 

いつかは私に返事を返してください

 

そのいつかを夢見ながら貴方にこの花を贈ります

 

ハナミズキの花を貴方に……

 

この花の花言葉は「私の想いを受け止めて」です♪

 

私はいつだって貴方を想っています、だからいつかは私の想いを受け止めてくださいね。龍也さん

 

 

 

 

 

 

 

普通に考えて男の人に花を贈るのはおかしいのでは?と想う自分がいるが……

 

それでも私はあの人に渡すことを考えてその花を買った

 

そして私がこの花を贈るのは身分違いも良い所だと思い苦笑していると

 

私と同じ花を抱えて歩いていた仲間に会った

 

互いの手の中の花を見て笑い合い

 

分違いの想いを抱いてしまったなと言うと

 

それでも私はこの花を贈る。それが私と言う存在を示すと自信に満ちた表情で言い返された

 

たぶん私が言われてもきっとそう返事を返したと思う

 

手の中の鮮やかな赤の花を見つめる

 

そして記憶の中に写るその気高く大きな背中

 

いや、出会った当時は小さかった。それでもその背中ははるか未来を想像させるほどの力強さを持っていた

 

一癖も二癖もある私達を纏め上げた貴方

 

心を閉ざしてしまった仲間の心を解放してくれた貴方

 

貴方こそ私の剣を

 

私の全てを捧げるのにふさわしい方だ

 

貴方はそんなことはないと喧騒なされるがそんなことは無い

 

だから私達は貴方にこの花を贈ります

 

口にすれば謙遜なされるし

 

自分は弱いと仰られるだろうから

 

口ではなく、花と心で貴方に伝えます

 

心からの忠誠を再び誓いながら貴方に花を贈ります

 

ゼラニウムの花を私達が贈ります

 

この花の花言葉は「真なる友情」……だけど私達が贈るのはこの言葉です

 

私達は貴方「尊敬」し、全てを賭けて貴方を「信頼」します

 

だからいつかこの身が朽ちるその時まで貴方の傍にいさせてください、我が君よ……

 

 

 

 

 

 

花なんて私は買ったことが無かった……

 

いつも言葉と行動で想うがままに私は自分の思いを伝え続けたがどうも空回りしている気がする

 

そう姉に相談すると姉はやさしく頭を撫でながら、お姉さまは背が低いから少し背伸びしてだけど

 

想いを口にし行動できるのはお前の良い所だと思うが

 

あまりに真っ直ぐに思いを告げて行動するのもどうかと姉は想う

 

たまには別のアプローチはどうだろう?

 

そう言われた私は花屋へと足を向けたのだが

 

何の花がいいのだろう?

 

それに見た目が良くても花言葉と言うのがあるというのは知っている

 

悪い意味の花を選んでしまってそれを渡してしまうのは嫌だ

 

そんなことを考えながら花を選んでいると

 

1つの花が目に止まった

 

6枚花びらが茎の方に向かって伸びた変わった形の花で、美しいまでの青い色がとても気に入り。この花を買うと店員に言うと店員は上機嫌で花を数本カットして紙で包んでいる。私はその店員に花言葉を尋ねてみた

 

ありがとうございましたー。笑顔で手を振る店員に背を向け買った花を見る

 

直感で選んだが、私の想いをこれほど現している花は他にないのではと思う

 

ずっと私は貴方を愛している

 

何をしても貴方に愛して貰いたいと想っている

 

貴方が他の女を見て笑いかけているのを見ていると心が痛む

 

だから私は貴方に私だけを見て欲しくて迷惑をかけてしまうのかもしれません

 

だけどこの気持ちだけは迷惑と思わないでください

 

だから私の気持ちを込めてこの花を貴方へ贈ります

 

貴方の目のように青いヒヤンシスの花を

 

きっと貴方なら説明しなくても判ってくれるでしょう、この花の花言葉を

 

この花の花言葉は「変わらぬ愛」そして

 

「constancy(不変)」「sincerity(誠実)」

 

私が貴方を想う気持ちは不変であり、誠実です。いつかは私だけをその目に写してくださいね……龍也様

 

 

 

 

 

 

花言葉と言うので想いを伝えるというのはどうだろう?

 

私は臨時の休暇を使って色々と花言葉を調べてそう想った

 

口で伝えるよりも

 

行動で示すよりも

 

偶にはこういう変化球と言うのあの人は良いのではないのだろうか?

 

あの人は知識が豊富だ、きっと私の贈ったこの花の意味を考えてくれるに違いない

 

良い香りのする紫の花の香り。初めて買って見たけどこんなに良い香りなんだ……

 

そう言えば管理局のアンケートで女性局員につけて欲しい香水NO.1になっているのは

 

この花を使った香水だったような気がする

 

ふわりとした優しい香りそれなのに甘い甘いといった普通の香水にはない清涼感のある香りがする

 

今まで香水なんて買ったこと無かったけど、こんなにいい香りがするのなら買って見ると良いかも知れない

 

香水であの人の気が惹けるのならそれはそれで素晴らしい物のような気がする

 

最初からこの花の花言葉は私に相応しいと思った

 

これほど見事に私の想いを告げてくれる花は他にはないと思う

 

私は貴方みたいになりたいと思いました

 

兄さんが死んで1人で無茶をしていた私を嗜めて

 

頑張ろうと思える言葉を貴方はくれた

 

その言葉があったから私はここまでこれた

 

あのときの言葉はずっと私の胸で輝いています

 

今はまだ貴方に守られるだけの存在だけど

 

いつかは貴方の隣に立って見せます

 

だからその時まで待っていてください。今はまだ私は自分の気持ちを告げることが出来ないと判っています

だから想いを告げる代わりにこの花を貴方に贈ります

 

紫のフリージアの花を貴方へ

 

この花の花言葉は「あこがれ」私は貴方にあこがれてここまで来ました

 

そしてそれはいつまでも変わりません。だからいつまでも私が憧れたままの貴方でいてください。龍也さん

 

 

 

 

 

今年も良い華が咲いたなあ……

 

家の庭で育てている花の咲き方に満足し園芸用の鋏を取り咲いた花を摘む

 

本当ならもう少しこのままでと思うけど

 

この花は直ぐに枯れてしまう花だから、早めに摘んでおかないと気がついたら枯れているなんて事になったら目も当てられない

 

毎年育てているので来年も綺麗な花を咲かせてやと声を掛けてから根元で切って花の茎を見る

 

うん。今年も虫とかはおらへんし、花の色も最高やな♪

 

鼻歌を歌いながら買って来ておいた紙に包みリボンで仕上げる

 

毎年贈るこの花。昔は買ってきたのを渡していたけど最近は自分で育てて贈る準備をする

 

こんなめんどくさいことをするのは兄ちゃんの為だけ

 

兄ちゃんが好きで私も大好きな花だから出来る

 

仕上げて終わった花束の仕上がりに満足し

 

紫の花と会うように選んだ紙とリボンも良くあっていて完璧な仕上がりだ

 

兄ちゃんは当然知ってるよな?この花の花言葉を

 

桔梗の花が捧げるは愛の言葉

 

毎年私は兄ちゃんだけに愛を捧げているんやで?

 

私は兄ちゃんだけに「永遠の愛」を捧げて

 

兄ちゃんの前だけは「誠実」で

 

兄ちゃんが好きならば「清楚」にだって振舞う

 

本当に大好きやで兄ちゃん♪

 

毎年通り愛を込めて花束を贈るな?

 

私の大好きな桔梗の花を愛を込めて贈ります

 

桔梗の花の花言葉は「永遠の愛」「誠実」「清楚」

 

私はいつだって貴方を想っています……

 

 

 

 

【愛を込めて花束を】

 

 

 

 




今回は投稿できるものをと考えて番外編を考えて見ました。私が良く聞く「愛を込めて花束を」を聞いていて思いついたのですが
どうでしょうか?地の文オンリーと言う普段とは違う感じの話となりましたが偶にはこういう話もいいのでは?とか思っていたりします。本当は全員でやりたいと思っていたのですが、流石にそこまで花言葉も知らないし全員分は無理だったので「スバル」「シグナム」「なのは」「アイギナ&シャルナ」「セッテ」「ティアナ」「はやて」でお送りしました

花を貰った龍也さんがどんな顔をしたかは、読者の皆様の想像にお任せします。喜んだのか?悩んだのか?それともデッドエンドになったのかは皆様の中で補完して貰えると嬉しいです。それでは次回の更新もどうかよろしくお願いします

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。