忍者の世界で生き残る   作:アヤカシ

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PCのハードディスクが逝った……バックアップは一応取れたから支障はほとんど無いんだけど、直しに出すので3万かかる上に10日前後家でPCの無い生活とかマジ厳しい
新しいの買おうか迷ったんだけど、もう少しで新しいOS出るらしいしもう少し頑張ってもらう事にした……ちょっと8は使いにくそうだからね



第104話 危険人物

 ユギトの孤児院は雲隠れの里の外れの方に建っているらしく、歩いている内にどんどん人気が無くなっていく。

 そんな所をおっかなびっくり歩いていると、何処からか金属音が聞こえてきた。

 音は歩を進めると次第に大きくなり、気付けば孤児院よりもその音のする方へと向かっている自分に気付く。

 好奇心からなのか、それとも虫の知らせなのか、俺は本能に従うようにそのまま進み、一つの坑道の入り口に辿りついた。

 

 

「此処から音が聞こえてくるな……金属音だけじゃなく何かが爆発するような音も聞こえる。

 誰か戦っているのか?」

 

 

 もし誰かが此処で特訓や訓練の類を行っているだけなら別に問題無いのだが、どちらにしても俺がこの中に入っていく必要は全くない。

 シズネと合流した時にでもそういうことがあったと話せば良いだけのこと……そのはずなのに俺の足は言うことを聞かずに坑道へと足を踏み入れることになった。

 坑道の中は思いの外明るく、整備もされていたので危うげなく進むことができるのだが、壁に刻まれた戦闘痕が俺の緊張感を高める。

 変化を解き、面を着け、何時でも戦闘を行えるよう罠を伏せておく等の準備をしておく。

 歩みを進めれば進める程大きくなる戦闘音……それに加えて微かに声も聞こえ始める。

 その聞こえてきた声に俺は思わず足を止めた。

 俺の聞き間違いでなければ、今の声はユギトのものだ……何故彼女がこんな所で戦っているのだろうか?

 湧いた疑問を一先ず抑え、更に歩を進めると彼女以外にも二人の男の声が聞こえてくる。

 

 

「時間を掛けすぎだ飛段」

「しょうがねぇだろうが、手順ってもんがあるんだよ!

 テメーこそしっかり仕事しろよ角都」

「自身の無能を人の所為にするな」

「んだとコラッ」

 

 

 どうやら相手はチームワークが良いという訳ではなさそうだが二対一という状況に変わりはなく、ユギトは逃げに徹しているらしい。

 しかも相手にはまだ余裕がありそうだ……俺はいざという時加勢に入れるように様子を窺える位置で状況を見ることにした。

 ユギトはまだ怪我らしい怪我をしているわけではないが、其処は坑道の行き止まり。

 ゲリラ戦も出来ず、この状況ではかなり不利だろう。

 しかしユギトの顔には諦めの感情など一欠片も存在せず、むしろ獰猛な獣のような表情で二人の男を睨み付ける。

 

 

「お前等は私を此処に追い込んだと思っているのかもしれないが、それは間違いだ……お前等を私が連れてきたんだよ」

「ハァ? 何言ってんだテメーは?」

「ほぅ、面白い……飛段、あの女何かするつもりだぞ」

「ここからは私がお前達を狩る番だ!」

 

 

 そう叫ぶと彼女の身体から目に見える程高密度のチャクラが溢れ出し、その姿を覆い尽くしていく。

 そして形作られたのは蒼い炎に包まれた巨大な猫又。

 その姿を見て俺は今になってようやく彼女が人柱力だということを知った。

 初めて会った時に感じた禍々しいチャクラ、一部の人に向けられる負の感情……その全てが線に繋がる。

 何はともあれ彼女が人柱力であるのなら、そう簡単に負けることはないだろう……そう楽観視していた俺の考えはすぐに覆されることになった。

 

 

 攻守共に先程とは比較できない程に激化する戦闘だった……当たれば岩でもバターのように融解する蒼い炎、気持ちの悪い黒い人型から放たれる高威力の上級忍術、まるで痛みを感じていないかのように果敢に攻める男。

 戦況はややユギトが有利だったが、相手の二人もどうやら凄腕の忍だったらしく、尾獣と化したユギトの猛攻に対抗できていた。

 しかしこのままなら押し切ることが出来ると俺がユギトの勝利を確信した次の瞬間、飛段と呼ばれていた男の鎌が後ろへと回り込んで尾獣の尾の一本を切断した。

 そのまま鎌はユギトの足を傷つけ僅かに出血させる。

 すると男は一端後退し、少し離れた所で血のついた鎌を舐めると肌が真っ黒に染まり、所々に白い入れ墨のようなものが現れるという気持ちの悪い見た目へと変化した。

 

 

「ゲハハハハァ! これでテメーは呪われたぁ! 人柱力だろうが化け猫だろうが関係無く呪い殺してやるぜぇ!」

「馬鹿か貴様は……殺してどうする」

「うるせぇ、分かってるっての! 半殺しで止めときゃいいんだろ!?

 チッ……テンション下がるぜ」

 

 

 ガシガシと頭を掻きながら懐から黒い杭のようなものを二本取り出すと、接近してくるユギトに目もくれずに、その杭を自身の両太股に突き刺した。

 突然の自傷行為に驚いた俺は間抜けな声を出しそうになるが、何とか我慢して謎の行動を起こした男を観察する。

 男の表情は痛みに歯を食いしばるでもなく、諦観の念に捕らわれたものでもない……その顔に浮かんでいるのは愉悦と快楽。

 それを見た俺は行動と表情が噛み合っていないことに途轍もない違和感を感じ、ふとユギトの方を見ると尾獣化した彼女が倒れ込む姿が見えた。

 

 

「ハァ……痛気持ちいぃ……」

「相変わらず気持ち悪い性癖だな」

「別にいいだろうが! むしろテメーの身体の方が大分気持ち悪いじゃねぇか!!」

「見た目などどうでも良い、実用性こそ全てだ」

「俺の趣向も実用的じゃねぇか! 俺は気持ちいいし敵は死ぬんだぞ?

 一石二鳥って奴だろうが!」

「あぁ分かった分かった……いいから早く終わらせるぞ、人が来ると面倒だ。

 どうせ賞金のかかっている奴は来ないだろうしな」

「分かってるっての……この守銭奴が。

 というわけだ……ホントならもっとじっくりとヤりたい処だが、手早く済まさせて貰うぜぇ」

 

 

 そう言うと男は太股に刺さっていた杭を強引に引っこ抜き、今度は自身の両腕に突き刺す。

 身体を前足だけで支えていた猫又はそれで地に伏すことになる。

 しかしそれでもまだ諦めようとしないユギトは口から火遁を放とうとするが、もう一人の男が出した二体の黒い人型が強力な水遁と風遁の術を放ち、彼女の身体が壁に叩きつけられ……る寸前にその身体を抱き留める。

 術が当たった瞬間に尾獣化が解けなかったらこうして受け止めることはできなかったから、ある意味運が良かったのかもしれない。

 

 

「誰だアイツ? てっきりゼツ辺りが覗いてるんだと思ったが……どっかの暗部か?」

「恐らくな……おい貴様、今すぐそれを渡せば優しく殺してやろう。

 だが渡さないというのなら残酷に殺してから奪わせて貰う……さぁどちらを選ぶ?」

「おいおい角都、どっちを選んだって変わんねぇじゃねぇか! そりゃあ可哀想ってもんだ。 どうだ? ジャシン様の贄になるって言うんなら痛みも感じないように殺してやるぜ?」

「貴様の提案も変わらんではないか、全く……それで貴様はどれを選ぶ?」

「どれも選ばないよ……俺が選ぶのは、君たちを退けてこの子を助けるという選択肢だ」

 

 

 そう啖呵を切りつつ、面の下で冷や汗を流しながら彼女を連れて此処から脱出する手段を考える。

 敵は特殊な術を使う上に、理由は分からないけれど致命傷が致命傷にならない凄腕の忍二人……俺は腕の中にいる傷ついたユギトの顔を見て、一度溜息を吐くと、逃げる隙を作るために戦闘を行う覚悟を決めた。

 




久しぶりに主人公が主人公っぽい活躍を……

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