忍者の世界で生き残る   作:アヤカシ

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第14話 一つの可能性

 綱手があんまり店に来なくなってからしばらく経ったとある休日。

 この日俺は一つの実験を行う予定だ。

 その実験とは……高攻撃力トークンの召喚及びその攻撃力の検証。

 今までは万が一言うことを聞いてくれなかったらと思って尻込みしていたけれど、他の里の様子がピリついていると言う話を聞いて決断したんだが……もしかしてこれって第二次忍界大戦ってやつか?。

 もしこの里に攻めてきた忍者に囲まれでもしたら、一人じゃ対応しきれるかどうか分からない……周辺への被害無視して、尚かつ人の眼を気にしないなら幾らでもやり様はないわけじゃないんだけどな。

 なんにしても一人より二人、もしもの時一緒に戦ってくれる相手が居るのと居ないのとでは大きく生存確率が異なると思ったから、ドキドキしながら除外ゾーンに来ているわけだ。

 

 

「とりあえず高攻撃力で召喚可能なのは、‘フォトン・サンクチュアリ’のフォトントークンと‘黄金の邪神像’の邪神トークン……トークン以外では‘アポピスの化神’‘カースオブスタチュー’‘死霊ゾーマ’‘ソウルオブスタチュー’辺りか?」

 

 

 この中で召喚するとしたら‘アポピスの化神’だな。

 邪神って呼ばれるのを呼ぶと邪神崇拝してる人とかいたら騒ぎそうだし、フォトントークンは自分から攻撃できない効果持ち。

 スタチュー系でも良いんだけど……俺って爬虫類系結構好きなんだよね。

 流石に大蛇丸みたいに爬虫類系の顔をした人間は嫌だけど、ナーガとかメデューサとかってなんか良くない?

 死霊ゾーマ? いやお化け怖いし。

 

 

「と言うわけで‘アポピスの化神’セット。

 んで身を守るために‘和睦の使者’もセット」

 

 

 伏せたターンはトラップを使用できないというルールがあるから、トラップカードの発動は伏せた5分後から可能。

 故に……5分暇だと言うことだ。

 時間は有限、この時間を有効活用するために忍術の練習を行う事に決め、俺は手にチャクラを集中させる。

 最近の修行内容は幻術の精度向上とこの特訓が殆どだ。

 10秒ほどで俺の手はチャクラでコーティングされ、切れ味を帯びた。

 そう、これは将来的に綱手やカブトが使用するチャクラメスなのだ……あんなに切れ味良くないけどな!

 チャクラで刃物を作るのは正直かなりしんどいんだよ。

 密度上げて、薄くして、鋭くしてっていう作業をしなきゃいけないんだが、チャクラって言うのは緩い粘土みたいなもので形を作るだけならそんなに難しいことはないんだけど、それを硬くしたり思うがままに動かすとなるとそうはいかない。

 

 

 実際螺旋丸とか出来る気しねぇ……チャクラを高速回転させて尚かつ乱回転させるなんて、とんでもないチャクラコントロールが出来るやつ位しか出来ないと思う。

 ナルトはそこら辺を影分身と使用するという裏技でくぐり抜けたわけだけど、普通はそんなチャクラ持ってないんだよ。

 影分身とかあれ実際結構チャクラ喰うだろうから……俺なら一体が限界だと思う。

 我愛羅と戦うときにナルトが1000体とか作ってたけど、マジあり得ない。

 人柱力が化け物扱いされるのもここら辺が理由の一つな気がする。

 

 

 その後もしばらくチャクラメス(笑)をチャクラメスにするために試行錯誤していると時間はあっという間に過ぎ、気付けば5分どころか30分ほど経過していた。

 その事に気付いた俺は最後にチャクラメスで事前に用意しておいた石を斬りつけ、まだ石を切断するほどの切れ味がないのを確認して修行を一旦終える。

 さぁ今日のメインイベント、アポピスの化神召喚だ!

 これがなんの問題もなければ、この死亡フラグがゴロゴロ転がっている世界で生き残れる確率が僅かながら上がる。

 モンスター召還は口寄せだって言えば誤魔化しが効くっていうのも大きいしね。

 鬼が出るか仏が出るか……どっちだ!

 

 

「リバースカードオープン‘アポピスの化神’

 アポピスの化身を場に特殊召喚する!」

 

 

 ガラスが割れるような音と共に長方形の光の中からズルリとその姿が現れる。

 黒い鱗の大きな蛇の胴体に蛇の皮膚を持つ戦士が融合した異形の姿。

 戦士の目に感情は感じられず、蛇の頭は舌を出して威嚇しているようだ。

 ……これはミスったか?

 なんにせよ喚んでしまったからには言うことを聞いてくれるか試さないと。

 

 

「アポピス」

 

 

 俺が名を呼んだ瞬間に蛇の頭が俺の方を向き、ジッと俺を見つめる。

 その事に一瞬緊張したが、まだ敵対行動を取られたわけじゃないと自分に言い聞かせて言葉を続ける。

 

 

「俺の言うことを聞いてくれるんだったら相槌を頼む」

 

 

 緊張の時……しばらく蛇と睨み合いを続けていると、突然蛇が目をそらした。

 何故そらしたのか疑問に思っていたが、アポピスが戦士の首を縦に振ったのを見て、俺を認めてくれたのだと理解する。

 俺は「ありがとう」と一言告げ、これから宜しくという意味を込めて握手をした……握った彼の手は冷たくて、改めて蛇なんだなぁなんて思ったけど顔には出さなかったと思う。

 その後はアポピスの強さを調べたり、逆に守備力が高いモンスターを出してみたりして、俺の戦力強化をした……ちょっと想像以上に彼らが強くてビックリしたけどね。

 だって剣で石がバターのように切れるなんて想像できるわけがないじゃないか。

 剣の切れ味は異常で、左手に持った盾も異常に硬い。

 これが攻撃力1600、守備力1800のモンスターか……これだったら社長の嫁(ブルーアイズホワイトドラゴン)が現実にいたら町なんて即壊滅するな。

 あんまり装備魔法とか使わないようにしようと改めて思った一日だった。

 

 




今の遊戯王の環境において意外と罠モンスターは使い道が多い
まぁ今となっては手に入りにくい訳だけど……封印の黄金棺やメタルリフレクトスライムほすぃ

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