東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
そして、今回からあとがきでキャラ等の解説入れていきます。
第九話 幻想の決闘法
ある山の頂上の神社 side 虎之助
「いや〜、なんとか着いたね。」
「正直、目眩がしたときは怖かったですけど、なんとかなりましたね。」
「私達も全盛期なら、もっと楽に結界を通り抜けれたのだがね。」
「仕方ないですよ、そもそも神奈子様も諏訪子様も力を失ってないなら、この世界に来る必要無いのではないですか?」
「それも、そうか」
神社に笑い声が響いた。
「さて、ひとまず片付けでもしようか」
「そうですね。着陸の衝撃で崩れてる物もあるかも知れないですしね。」
「それじゃあまず・・・・は・・・」
諏訪子さんが急に黙って神社の入り口の方を見つめる。
「諏訪子、いったいどうし・・・・た・・・」
神奈子さんも同じ地点を見つめる。
「「神奈子さん(様)、諏訪子さん(様)どう・・・」どうされたんですか?虎之助くんもどうしたんですか?」
早苗は気づいていないようだ。まあ僕も感じたわけではなく、見えたから気づいただけだから早苗よりすごいって訳ではない。実際力の総量は同じぐらいらしいし、
「二柱さん、気のせいかもしれないので念のため確認しますが、何か居ますよね。」
「ああ、いるね」
「どうしますか。」
「まずは交渉、だけど臨戦態勢はとっておいた方がいい」
「了解」
臨戦態勢といっても武器があるわけでも無いので、鍵の能力を使えるように右手を前に向ける。横に視線を向ければ二柱さん達もそれぞれ小型の御柱と鉄輪を展開している。
「あの、さっきから何をして・・・・・」
「来るよ」
僕が視認した違和感、わずかに揺らいでいた空間が縦に割れ、開かれる。そこにあったのは多数の目が浮かぶ空間、そして
「戦闘の意思はありませんわ。武器はおさめていただけないかしら?」
その空間からゆっくりと一人(いや、厳密には一体か)が歩いて来る。
「何者だい?」
「私は
『八雲紫』、幻想郷の創始者にして管理人、胡散臭きスキマ妖怪。東方妖々夢のPHボス。スペルカードルールの原案にあたる『命名決闘法案』の考案者。保有する程度の能力は『境界を操る程度の能力』、ありとあらゆる境界を創造、操作、破壊できる。究極的に考えれば、全ての物は別の何かと区切ることで存在するので、理論上は万能能力である。実際どこまで出来るか分からんが、解釈次第では全東方キャラの能力を模倣出来る・・・・。間違ってもこの人の可能性の鍵は開けないようにしよう。
「私は洩矢諏訪子、この神社の元の祭神だよ」
「八坂神奈子、今の祭神だ」
「栂峰虎之助です。えーと、ただの人間です。」
チラッと横を見る。
「で、そこで驚きのあまり固まってるのが、東風谷早苗。ここの風祝で僕の友人です。」
「あ、現人神の東風谷早苗です。って神奈子様達はともかく、何で虎之助くんまで驚いてないんですか!」
「ん?だって空間の違和感は気づいてたし、そもそもこの世界ってこういう所でしょ?」
「はあ、常識はずれですよ、空間が裂けて人が出てくるなんて、」
「外界での常識は捨てた方が楽だと思うよ、」
「あら、普通の人間がどうして私に気づけたのかしら?」
なんかスキマ妖怪が口を扇子で隠しながら、こっちを物珍しげに見てる。別に隠すようなことでも無いし話すか、
「多分能力のせいですよ。」
「あら、能力持ちなの。いったいどんな能力なのかしら?」
「別に教えてもいいですけど、ここにいる二柱さんと早苗に、この先の方針のアドバイスぐらいしてくださいよ。八雲紫さん」
目的がうやむやになる前に、釘をさしておこう。紫さんには、山のこととか、スペルカードルールのこととか、色々話させないといけない。間違っても僕が説明するわけにはいけないからな。
「分かりましたわ、元々その為に来たのですから。」
本当にそうなのか?何せ胡散臭いから何考えてるか読めない。
「なら能力の話でしたね。『鍵の開閉を操る程度の能力』それが僕の能力で、読んで字のごとくのことも出来ます。あなたの出現は空間の隙間の鍵を開けたことになるので気づいたのでしょうね。ですが、この能力の真の力は『封印と解放』。まだ能力に気がついたのが最近なので詳しいことはわかりませんが、今判明している力は『可能性と努力の封印と解放』。人間の今出来ることっていうのは、過去の努力によるものがほとんどです。僕はその努力に鍵をかけることで、行動を制限。鍵を開けることで、努力する取っ掛かりを作ることが出来ます。」
「開ける方は努力前提なのね。」
「努力を実りやすくする能力といえばわかりやすいですかね。まあ、他者を対象とする場合、ある程度対象と親しくないと発動しないし、意図的に対象を選べない。おまけに自動発動っていうデメリット付きですけど、」
早苗の雨乞い能力が雷操作能力に覚醒したのはこの能力の影響らしい。らしいというのは、諏訪子さんの予測だからだ、
まったく、前世で努力を面倒がった僕に努力を要求する能力とかイヤミにしか感じない。
「面白い能力ね」
「まあ、嫌いじゃないですね。」
実際、この能力のおかげであの連中に勝てたし、
「そろそろ、この世界について話して貰えませんか?紫さん」
「そうね、ではこの幻想郷についてから」
そういうと紫は幻想郷の主要な場所の地理、この山(予想どうり妖怪の山だった)の主だった妖怪等について話していき、最後の項目
「「「「スペルカードルール?」」」」
についての説明に移っていた。僕としては、ここからが一番興味がある。
「ええ、まずは一度見てもらった方が分かりやすいかしら?」
そういうと表に出た。僕と守矢勢も続いて外に出る。
「では、ご覧に入れましょう。」
『結界「光と闇の網目」』
不思議な光の編み目で埋め尽くされるスペルカードと著される妖々夢での第三のスペカだ、
「きれい・・・・・」
早苗が弾幕に見とれている。早苗って思ってることが表に出やすいな。
「これが、スペルカードルールに基づく弾幕ですわ。」
「なるほど、これを使って行う対決というわけだね。」
「ええ、具体的に説明しますわ。」
そう言って、解説を始めた。被弾したらダメ。技には宣言が必要。弾幕の構成要素は何でもいい。絶対避けられない攻撃は不可。技は一定時間以上の連続使用禁止。前世の知識でよく知っている弾幕戦のルールだ。
「あと、スペルカードルールに基づく対決は二種類あります。『弾幕ごっこ』と『命名決闘』」
ん?それは初耳だ。
「紫さん、その二つは何が違うんですか?」
「早い話が被弾の判定の仕方が違いますわ。例えば、刀を使う者がいたとして、弾幕を刀で受けたとしましょう。この行為は『弾幕ごっこ』では被弾、『命名決闘』ではセーフになりますわ。」
「???」
「『弾幕ごっこ』の主目的は遊戯。弾幕を当てあうこと、また回避することを基礎としているから、受けることはアウト。対して『命名決闘』の目的は模擬戦闘。実戦形式なので主に異変解決時に行われるわ。だから得物で受けるのはセーフ。弾幕で弾幕を迎え撃つことも可能ですわ。」
『弾幕ごっこ』は当てあいだから、持ち物を含め被弾したらアウト。『命名決闘』は実戦での動きを軸としているから持ち物を使って直接被弾するのもあり。って感じか、
「命名決闘では、手足に気を纏って弾幕をはたき落とすことも可能ですわ。手足のみですがね。もっとも、今のところ一人しかするものは居ませんわ。」
それ、美鈴じゃないか?手足のみって制限かけてるの絶対美鈴対応のルールだ。美鈴ってチートキャラだったのか・・・・。
「それと『スペルカード』はこの用紙を使っていただきますわ。」
そう言って、紫さんは十枚づつの紙束を四束取り出した。
「普通の紙ではダメなのかい?」
確かにそうだ。前世の記憶では、普通の紙を使っていたはずだ。
「昔は普通の紙でよかったのですが、不正するものが多く出ましてね。宣言した技と実際に発動させた技が異なったり。技の連続使用を行ったり。小声で宣言したり。仕方がないので、統一規格のスペルカード専用用紙を開発するはめに成ってしまいましたの。この用紙は宣言と共に光を纏って消失し、決着が付き次第元に戻る仕様になっていますの。また、宣言と違う技をした場合。スペルカード用紙が弾幕に変更され、術者を被弾するまで追尾いたしますわ。」
不正防止策か、どこの世界にも不正するやつっているんだな。
「今回はこの束をお渡ししますが、次回以降は博霊神社で販売しております。本当は人里に販売を依託する予定だったのかですが、巫女が販売の独占を主張しましたのでこのような販売形式に・・・・・」
「紫殿も大変だね。」
・・・・・霊夢、外界なら独占禁止法違反だよ。・・・・・賽銭を見込めないから収入源切り替えたな。
そんなこんなを話したのち、紫さんはかえっていった。
キャラ紹介
名前 栂峰 虎之助
種族 人間(転生者)
能力 鍵の開閉を操る程度の能力
守矢一家と共に幻想入りした少年、現在早苗の唯一の友達。
霊力は早苗の現人神としての力と同じぐらい。能力により努力が実りやすい為、徐々に強くなっているが、余波で早苗も成長しているので、競い合うこととなる。
幻想郷に持ち込んだ荷物のうち半分ぐらいは、通貨獲得のため売却予定の外界の小型の電気機器。この金を使い切る前に幻想郷で店を開く予定。
感想、批評、評価、誤字報告、解説してほしいこと等お待ちしています。