東方覚醒録〜Don't exist originally   作:tora@812

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 前回の後書きのスペルカード用紙について一つ言い忘れていたので補足

 八雲紫は、最初この用紙の開発を面倒に思ったが、光を纏って消える演出に成功して以来「美しさが増した」と喜んでいる。そのまま開発が勢いづき、念じるとカードが手に現れる用紙も開発。ただし、この用紙は少し高い。

 ちなみに、「空間から浮かんだ赤い影」が金を持ってない妖精達に配り歩いたのは、この少し高い方の用紙である。

 紫はその後、スペカの殺傷能力を調整することにも成功、段幕ごっこによる事故の件数も低下した。(あくまで低下しただけ、当たり所次第では死ぬこともある。)なお、咲夜のナイフの殺傷能力は低下しない模様。


第十二話 初めてのお客

幻想入り三日目 栂峰よろず店 side 虎之助 

 

 昨日は帰ってから守矢に山の方針が様子見だと伝え、早苗に礼を言っておいた。

 

 守矢は天狗が様子見しているうちに異変を起こす方針になった。早苗は「私も人里に降りたとき目立ってしまったので、その時に慧音さんに頼んでおいただけですよ。たいしたことじゃないです。」と言っていた。早苗本当にありがとう。

 

 今は暇なので、河童に頼めなかった鍵屋の件をどうしようか考えていた。

 

 道具を作るという意味なら、香霖堂の森近霖之助もミニ八卦炉を作っていたが、魔道具専門だ。将来的には結界レベルの鍵を作りたいとはいえ、まだまだ、技術が無いから、普通の鍵から始めたいから除外。

 

 他に誰か居なかったかな、そういう技術持ってるの。アリス・マーガトロイドは手先器用だろうけど、違うよな・・・・・。

 

 作品順に、考えるか。

 

 紅・・・・居ない

 妖・・・・アリス×

 萃・・・・居ない

 永・・・・居ない

 花・・・・居ない

 風・・・・河童×

 緋・・・・居ない

 地・・・・居ない、それに仮にいても行き来出来ない。

 

 えっと、次は確か地霊殿の影響で起こった異変だから・・・・・・

 

 カラカラカラカラ

 

 おや、扉の空いた音。来客のようだ。鍵屋の事は一旦忘れよう。

 

 玄関に向かいながら尋ねる。

 

 「いらっしゃい、どちらさんですか?」

 

 廊下を曲がり玄関に出ると・・・・・

 

 「あっ、こんにちは。・・・・・じゃなかった。うらめしや!おどろけ〜!」

 

 真剣な眼差しで、一生懸命傘をこちらに向けている少女が居た。

 

 「驚いた?」

 

 「いや、たぶんそっちの思ってる意味では驚いてない。」

 

 本当に驚かすの下手なんだな〜。とは思ったって意味では驚いたけど。・・・・念のため確認するか、幻想郷広しといえど、こんなからかさは一人しか居ないと思うけど、

 

 「きみ、名前は?」

 

 「小傘(こがさ)です。ああ、人里の人たちは驚いてくれないから、わずかな望みを掛けてここに来たのに・・・・・」

 

 『多々良(たたら)小傘(こがさ)』、東方星蓮船の2ボス。色が奇妙だからと言う理由で棄てられた傘の憑喪神。全体的に青いデザインで、片目が赤なのは、からかさの特徴である『ひとつ目』をアピールするためという話がある。所有する程度の能力は『人間を驚かす程度の能力』を自己申告しているにはしている。そしてこのザマである。

 

 「昔は、からかさと言うだけで驚いてくれたのに、」

 

 「若人は過ぎし時の事は忘れて、明日を生きなきゃ。」

 

 「その明日を生きるためには驚かさないと栄養が・・・・そういえば、ここって何でも屋だっけ。」

 

 「そうだよ。」

 

 「ならお願いです。驚かすので驚いて。」

 

 「・・・・予告してたら驚けないんだが。」

 

 「うぅ、私ひもじい。」

 

 寂しそうな顔をしている。

 

 「驚くのは無理でも、驚かす手伝いならできるよ。」

 

 「ほんとに!ならさっそく」

 

 パッと明るい顔に成って出ていこうとする。

 

 「ちょっと待て」

 

 「???」

 

 「このまま行く気?」

 

 「・・・・うん、そうだけど?」

 

 「さっきみたいな脅かしかたしても、驚いては貰えないと思うよ。だから、練習していった方がいいと思うけど。とりあえず上がって。」

 

 「あ、はい、お邪魔します。」

 

 小傘を客間に通す。

 

 「お茶淹れるから、ちょっと待ってて。緑茶とほうじ茶と紅茶があるけど、どれがいい?」

 

 「ありがとう。なら、紅茶をお願いします。」

 

 台所に移動し、昨日買ってきたばかりのお茶を淹れる為にお湯を沸かす。魔法瓶持ってくればよかったな。

 

 それにしても、小傘っていい子だな。さっきも「紅茶でいいです。」じゃなかったし。まあ、日本は遠慮の文化だから、『で』が悪いわけではないけど、『を』の方が頼まれてる気がして好きだ。

 

 ・・・・・そういえば、いつからだろう?頼まれることに喜びを覚えるように成ったのは。こんな頼まれ事をする仕事したいと思ったのは何故だろう?

 

 ・・・・・前世も今世の始め頃も虐められてて、人と関わりたいと思っても、人に恐怖感を持っていた。だから、頼まれることに喜びを感じなかった。

 

 ・・・・・面倒を押し付けられてるだけだ。そう感じていた。

 

 ・・・・・素直に人の役に立ちたいと思えたのはいつだろうか。

 

 ・・・・・考えるまでも無いか。

 

 「・・・・早苗、か」

 

 あいつに会ってからか、純粋に人助けを望むように成ったのは・・・・

 

 ・・・・・素直に助けたい自分の気持ちを信じられなくて、「邪魔だから」なんて理由で動いてたけど

 

 ・・・・・結局あいつを助けたかったんだ。

 

 ――――――――ありがとう、きみのお陰で僕は変われたから――――――――

 

 ぎゃっ、お湯噴いてる!

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~

客間 side 小傘

 

 人間を驚かそうとして人里をうろうろしてて、ここの張り紙を見つけたから来てみたら、驚かそうとした人間に驚かし方を教えて貰うことに成っちゃった。人の家に招かれたことって無いから緊張する。

 

 「お待たせ。砂糖はこれから取って。」

 

 「ありがとう。あの、そういえば名前・・・・」

 

 「あ、言ってなかったね。栂峰虎之助、よろしく。」

 

 「よろしく。」

 

 「さてと、驚かす練習だったね。」

 

 「はい、お願いします。」

 

 「まず、人間ってどういう時に驚くと思う?」

 

 「うーん、思ってもみない事が起きたときかな?」

 

 「うん、予想外の事が起きたときは驚くね。他には?」

 

 「・・・・・分からないです。」

 

 「虚をつかれたとき、ようするに、隙をつかれたときだよ。」

 

 「ああ、たしかに。」

 

 「人を驚かすにはこの二つが大事になってくる。それを思い返した上でさっきの玄関で何で驚かせなかったと思う?」

 

 「真っ正面に居るのに驚かそうとしたから・・・・かな?」

 

 「そういうこと。なら実際どうしたらいいと思う?」

 

 「後ろに回り込むとか・・・・でも、一本道の廊下で回り込むなんて出来ないんじゃ・・・」

 

 「なら、やってみようか。僕がさっきの小傘見たいに玄関に入ってくるから、小傘は僕が玄関に入った音がしたら、玄関に来て。」

 

 「はい、分かりました。」

 

 虎之助さんは玄関の方に歩いて行った。紅茶に砂糖を溶けきらなくなるギリギリまで入れる。

 

 そういえば、ただの傘から唐傘お化けに成って以来、人に構ってもらったことなんて無かったな。

 

 「はぁ、甘い。」

 

 温かい物を飲んだからかホッとする。

 

 なんだかちょっと幸せだ。

 

 「小傘、今玄関から入るよ。」

 

 「はい、どうぞ、」

 

 あの人の家なのに何で私が「どうぞ」なんて言ってるんだろう。クスッと笑ってしまう。

 

 カラカラカラカラ

 

 扉の開いた音がしたので、玄関に向かって歩き出す。

 

 廊下を曲がり玄関に出ると・・・・・

 

 「・・・・・居ない。」

 

 廊下は一本道だからすれ違うはずもない。

 

 「まさか音がしただけで、実はまだ外に居るとか?」

 

 ひょっとしたら、外で驚かそうと待ち構えているかもしれない。スッと私の本体である傘を構える。それなら、逆にこちらから驚かそう。

 

 勢いよく扉を開ける。

 

 「おどろ・・・け・・・・・」

 

 ・・・・・・・・・居ない。

 

「えっ?なんで?」

 

 廊下にも玄関にも居なかったから外しか無いのに・・・・

 

 「一体どこに行ったんd」

 

 「驚け!!!!!!!」

 

 「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

 いきなり後ろで大声を出された。

 

 「な、驚いたでしょ?」

 

 「は、はい、お、驚き、ました」

 

 驚きのあまり息が整わない。

 

 「驚きすぎだよ。ちょっと落ち着いて」

 

 「はぁ、はぁ、はぁ、びっくりした。でもどうして?さっき玄関に誰も居なかったのに。裏口でも使ったんですか?」

 

 「いや、家に裏口は無いよ。それに小傘は一つ勘違いしてるよ。」

 

 「???」

 

 「玄関に居たよ。僕、」

 

 「うそ!誰も居なかった!能力でも使ったんですか?」

 

 「小傘に驚かし方教えるのに小傘が出来ないことはしないよ。こうしてただけ、」

 

 そういうと虎之助さんは、天井の高さまで飛んだ。

 

 「ああ、なるほど、」

 

 私は上を確認することはしなかった。

 

 「洋風の屋敷ならともかく、普通飛ぶのは家の外ですること。まさか上に居るなんて『思ってもみない』。後は驚かしたい対象が『隙』を見せたときに驚かすだけ。」

 

 すごい、この人驚かすの上手い!

 

 「虎之助さん、もっと教えてください!」

 

 「分かった。なら次は・・・・・」

 

 昔捨てられたから人間をうらんでたのに、なんでか人間も悪くないなと思えてきた。




 お察しかと思いますが、小傘の特技はあれなので、今後かなりの確率で登場すると思います。

 次回は、小傘の驚かし作戦~実践編~かな?


設定説明 守矢神社と栂峰よろず店

 守矢神社の境内によろず店はあるが、「居るように言ったのは私達だから」との理由で場所代はただ。

 水は諏訪子が諏訪湖からの水脈を創造したため、いちいち湖の辺まで行かなくても確保可能。

 秋なので今は動いていないが、神奈子が能力で創造した神力式空調を完備。夏は涼しく、冬は暖かい。神力なので、扉を開け放っていても問題無く機能する。そして環境に優しい。(ただし、神社もよろず店も囲炉裏を作っている。)


 感想、評価、批評、誤字報告、後書きで解説して欲しいこと、よろず店に来て欲しいキャラや依頼等などお待ちしています。
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