東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
次回から、風神録編です。
あの~、お気に入り登録外すのは読者様の勝手なのですが、感想欄にダメな点を書いていっていただけませんか?
あと、この間の回でUAが1000いきました。ありがとうございます。
栂峰よろず店 side 虎之助
小傘と組むことになって数日がたった。鍵の能力があるとはいっても、実際的に加工する小傘の方がメインだから、小傘の名前で店を出そうとしたのだが、「虎之助さんが考えたんだから、虎之助さんの名前にしよ。」って言われてしまった。結局、間をとって『
「虎之助さん、ここの仕組みってどうなってるの?」
「ああ、そこは鍵を入れたときに・・・・・」
鍵の開閉を操る程度の能力は、封印と解放の能力。物の解体なんかも応用で出来るので、解析なんかも楽でいい。
「なるほど、わかった。」
小傘は自分の腕を磨けるから楽しんでるようだ。笑顔で紙に何か書き込んでいる。
「あっ、そうだ。」
「ん?何?」
「この金具に能力掛けてください。」
「これ?鍵は?」
「単に虎之助さんの能力で開くようにしたらいいよ」
「???わかった。」
────施錠────
僕の能力は錠に付与すると、正規の鍵以外のものを弾くようになる。早い話がピッキング対策だ。だから、鍵として使うなら二つセットで掛けるのが基本だ。
「ところで、これ何に使うの?普通に鍵かけたから、僕じゃないと開かないよ。」
「秘密です。」
「教えてよ。」
「今はダメです。そのうち教えますから。」
「・・・・分かった。」
どうもこれ以上聞いても無駄なようだ。そのうち教えてくれるなら、その時を待とう。
カラカラカラカラ
「虎之助くん、今暇ですか?」
早苗か、
「私はだいたい出来あがったので、行ってあげてください。」
「了解。」
玄関に出ると、早苗が居たのだが・・・・・
「何で制服着てんの?」
久しぶりに見るセーラー服の早苗がそこにいた。
「私の持ってるちゃんとした服がこれしか無かったからです。」
「どっか行くの?」
「はい、紫さんが幻想郷の巫女服仕立てたから取りに来るようにと、」
「ああ、なるほど。」
そういえば、まだ腋巫女の服持ってなかったな、早苗。このまま風神録始まったら、世界観崩れるよな。僕が持ち込んだ服よりも、和服を多様しているのはそういった理由もあるのだが。
「で、何しに来たの。」
「もうすぐ紫さんが迎えに来るので一緒に行きませんか、ほら、あの空間模倣出来るかもって言ってたから」
「スキマか、」
八雲紫が守矢神社に訪れたとき、スキマが開く前に気が付くことが出来た。これはたぶん『通常空間からスキマ空間に繋がる扉の鍵を開ける。』という動作をしたことに成るから能力が反応したのだろう。裏を返せば、『スキマは鍵の能力で開けれる可能性がある。』という事だ。もちろん、本家本元の能力ではないので、何かしら制限が付くだろう。でも、あの便利空間が使えるかもしれないなら試してみる価値がある。その為にも、スキマをもう一度見ておきたい。
「分かった。小傘〜、少し出掛けてくる。」
「分かりました、いってらっしゃい。」
玄関を潜り抜け、外に出る。鍵屋はまだ試験段階で販売は出来ないが、そろそろ看板だけでも作っておくか。よろず店の看板は木の板に店名を書いただけの地味なものだが、鍵屋の方はもう少しデザイン考えようかな。
守矢神社までは徒歩数十秒。看板しっかりしないと社務所に間違われるぞ。すでに紫さんは来ていた。
「すいません。待ちましたか?」
「いえ、ちょうど今来たところよ。貴方も来るのね。」
「ええ、スキマにちょっと興味があって、付き添いがてら見学です。」
「まあいいわ、付いていらっしゃい。」
手を
「後ろを付けて来てもらいますわ。くれぐれも、はぐれないように。」
「早苗、先行って。」
「はい、分かりました。」
早苗に続き、スキマ空間に入る。薄暗い世界に無数の目が浮かんでいる。地面があるように歩くことが出来るのに、足元が空間の底というわけではなく、しゃがんで手を伸ばすと足を上げずとも靴の裏に触ることが出来た。上下左右果てしなく広がるように感じるが、すぐとなりに壁があるような圧迫感も感じる。振り返ると入ってきたスキマへの入り口が閉まるところだった。入り口のあったところが壁というわけでもなく、空間がその場で裂けているように見えた。
早苗の声が聞こえる。
「何て言うか不思議な空間ですね。物凄く気味が悪いはずなのに、この居心地の悪さを感じない。」
確かにそうだ。不気味さと心地好さの境界線すら、いじられているような奇妙さがある。さすがは境界の能力者の専用空間といったところか。
しばらく歩くと、紫さんが手を翳し、空間を開く。向こうには、日本風の屋敷が建っていた。順々に外に出る。出るときに、スキマの入り口に手をかける。確かに触れることは出来るのに、触覚は何も感じない。僕が一番最後なので、淵に手をかけつつ外に出る。どうせ無理だろうと思うが、試しに能力を発動させる。
―――施錠―――
「え!!!」
「な!!!」
「嘘!!!」
・・・・・・・・閉じちまった。
もう一度、能力を発動させる。
―――解錠―――
「・・・・・・・さすがに、開く方は無理か」
開く方はおいおい練習すればいいか。
振り返ると・・・・
「やっぱり、虎之助くんの能力って害悪ですね。」
「貴方・・・・・・スキマを・・・・・・」
胡散臭さとか丸投げで本気で驚いてる紫さんがいた。
・・・・・・ひょっとして、やったら駄目なこと仕出かしたか。僕、
・・・・・・誰かこの空気何とかしてくれ〜〜〜〜〜〜!!!!
「ふふふ、驚いた紫の顔なんて、久しぶりに見たわ、」
「
「何でって言われても、自分の家なんだからどこにいてもいいじゃないの。」
「貴女が守矢の風祝ね。」
「はい、東風谷早苗です。」
「私は西行寺幽々子、この白玉楼の主よ。こっちの部屋に置いてあるから、着てみてね。」
「はい、ありがとうございます。」
そういって、早苗は縁側から建物の中に入っていった。
「で、貴方は?」
「栂峰虎之助、しがない鍵屋兼何でも屋ですよ。」
「・・・・・緑の風に真黒の鍵ね。」
「ま、そんなとこですね。そんな感じでいうなら、神社に天空の蛇と大地の蛙もいますよ。」
「紫から話は聞いているわ。『外界から、面白いものが流れ着いたって』、以前に大きな力が幻想入りしたのは、侵略者だったから友好的なのは大歓迎よ。」
侵略者・・・・・吸血鬼異変か。
「あの時は、苦労しましたもの、その分理想的な郷にしますわ。」
紫さんが復活したようで、
「ところで紫さん、もうそろそろ守矢は異変を起こしそうですよ。」
「そう、なんでわざわざそれを?」
「起こして欲しかったんじゃないですか?」
そういうと紫さんは少し驚いた顔、幽々子さんは興味深そうな顔でこちらを見た。
「なぜ、そう思うのかしら?」
「スペルカードルール、異変用ルール『命名決闘』」
「どういうことかしら。」
「単に幻想郷に流れ着いた者として守矢を判断したのなら、交渉手段『弾幕ごっこ』さえ教えればいい。それなのに異変用ルールを教えた。信仰を得たい守矢としては名前を売るのに最適であるこの手段を使わない手はない。間違えようもなく異変を起こすだろう。」
「・・・・・・・・」
「目的は妖怪の山の天狗社会ですかね。時々哨戒の天狗がこちらの様子を窺ってますし、排他的な組織だと聞いてますから、新しい幻想郷のルールにも積極的に絡んではこないのでしょう。でも、同じ山でこのルールによる勢力が台頭すれば、受け入れざるを得なくなる。結界を越えたときに、かなりギリギリで潜り抜け一番高いところに降りざるを得なかったのも今から考えると紫さんの策略だったのではないですか?」
「・・・・・・」
「ふふふ、紫の思考をここまで読むとはたいしたものね。」
「当たってましたか?なめられたくなかったもので。」
「・・・・・ええ、正解よ。」
当たっていたようだ。幻想入りした日の八雲紫の胡散臭さを読み取った甲斐があるというものだ。
「ふふふ、紫は他人を出し抜くのは上手いのだけど、考えを読まれるのには慣れてないのよね、」
「あの~」
早苗の声だ、
「似合い・・・ますか・・・・」
白地に青の縁取りがされた上着、水玉模様の書かれた青いスカート、お祓い棒を手に持っている。ようやく前世知識の早苗と一致した・・・・よな。・・・・・・何故だろう違和感を感じる。でもまあ、
「似合ってるよ凄く。」
「そうですか?ありがとうございます。」
「サイズも問題ないわね〜」
「はい、大丈夫です。」
「神社まで、送らせてもらいますわ。」
「早苗ちゃん、虎之助ちゃん、異変頑張ってね。」
「「はい、」あっ、でも僕はあくまでサポートですよ。」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
よろず店兼錠前店 side 虎之助
「ただいま〜」
「あっ、虎之助くんもう帰ってきたんですか。」
奥でドタバダごそごそ音がする。
「どうかしたか〜」
廊下を歩きながら声をかける。
「なんでもないです。」
部屋に入るが、特に変わった様子はない。気のせいか。
「守矢神社が準備一通り終わったから、明日決起集会兼宴会やるんだけど来る?」
「明日か・・・・・、やめておきます。」
「そう、わかった。」
明日か、僕は依頼されたからサポートで動くだけだけど、いかんせん異変解決時の霊夢はみさかい無いらしいし、巻き込まれるのも覚悟しなきゃな。風神録スタートか、
・・・・・・あっ、分かった。違和感の原因、
「小傘、ちょっと急ぎで金具作って欲しいんだけど・・・・・」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
翌日 守矢神社 side 虎之助
「・・・・・というわけで明日早苗に博麗神社に宣戦布告してもらって異変を起こすよ。」
「私、頑張ります。」
「えっと、打ち合わせするのはこのぐらいでいいかな。」
「ああ、なら僕から一つ。」
「なんだい、虎之助」
「これ、早苗に、」
「何ですか?」
「髪飾り。」
蛇と蛙、守矢の二柱を示す動物を模した髪飾り。白玉楼で感じた違和感はこれがなかったからだ。
「いいじゃないか、付けてみな、早苗。」
「はい」
これで準備完了。
「おお、似合ってるじゃないか。」
「ありがとうございます。」
「それじゃ、乾杯しようか。」
「「「「乾杯!!!」」」」
ん?守矢で酒といえば、何か忘れてるような、
バタッ
「「早苗〜〜!!」」
あっ、早苗下戸だった。
キャラ解説
名前 多々良 小傘
種族 唐傘お化け(付喪神)
能力 人間を驚かせる程度の能力
虎之助のレクチャーにより、自称している能力がまともに機能するように成った。最近は人里によく出没し驚かしているらしい。
虎之助と鍵屋を開くため試行錯誤している。風神録の異変解決後の宴会で売り込む予定。因みに工場は人里近くにあり、販売店も兼ねる予定。虎之助が融通聞かせてるので、地味に鍛治の技術が覚醒中。そのうち、オールマイティーな鍛冶屋に成りそうな予感。
感想、評価、批評、あとがきで解説してほしいこと、よろず店への依頼等々お待ちしています。