東方覚醒録〜Don't exist originally   作:tora@812

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 虎之助のキャラってちゃんと安定してるのかな?たまに不安になる。


第十六話 芝居と天狗の動き

妖怪の山ふもと side 虎之助

 

 「急ぐぞ、」

 

 「っていう割には何で低空飛行なんですか。」

 

 「霊力の消費抑えたいの、早苗のせいで無駄に霊力使ったから、」

 

 「さっき人のせいにするなと言ったのは、誰ですか。」

 

 早苗と口論しつつ守矢神社を目指して飛んでいる。

 

 「・・・・妙だな、」

 

 「何がですか?」

 

 「静か過ぎる。」

 

 いつもなら、こうやって神社から出ていると哨戒の天狗が動いてる音がするものだ。しかし、それは無い。行きも神社に向かうときも隠れながら移動する物音がした。

 

 「異変を起こしたのを上に報告しに行ったのでしょうか?」

 

 「報告はしてるだろうけど、それなら一匹だけ報告して、残りは監視を続けるだろ」

 

 「それもそうですね。ならどうして・・・・、見張る必要が・・・・、いえ、見張るよりも優先することがあると言うことですか。」

 

 「そうなるか・・・・・・、確認してみるか。早苗、先に帰ってて。」

 

 「分かりましたけど、何する気ですか?まさか、天狗の集落に向かう気じゃ無いですよね。」

 

 「そんなこと出来るほど、僕は出来た人間じゃあ無いよ。違う手考えてるから安心して。」

 

 「分かりました。それでは後で、」

 

 そういうと、飛び上がり上空で言葉を紡いでから、猛スピードで飛んでいった。

 

 「・・・・僕の能力を害悪害悪っていうけど、早苗はやっぱりチートだな。」

 

 さっき早苗がしてたのは、能力の応用だろう。風に関する術式でも唱えて、追い風なり風に乗るなりして加速したのだ。元々早苗の職業である風祝は風の神を祭る神職と言う意味だ。風関連の術式には適応力が高い。

 

 「・・・・・風の能力は文屋(ぶんや)の物だろう。」

 

 蘇我(そがの)屠自古(とじこ)の能力や、永江(ながえ)衣玖(いく)の能力の応用である『雷』。射命丸(しゃめいまる)(あや)の能力である『風』。これらは早苗の能力の範囲内だ。多分、チルノの『冷気』や、レティ・ホワイトロックの『寒気』も起こせるはずである。ここまでいくと、パチュリー・ノーレッジの専売特許である『多色属性』も持ってるような物だ。もちろん、それぞれの専門家には負けるだろうが。

 

 「さてと、解らないことは人に聞くに限るよね」

 

 今の時系列は『東方風神録』もうすぐ自機の連中が来るだろうから、原作登場キャラ達もだいたい登場した地点に居るだろう。5ボスの早苗、6ボスの神奈子さん、EXボスの諏訪子さんに聞いても意味はない。4ボスの射命丸文や同面中ボスの犬走(いぬばしり)(もみじ)は天狗側だから聞いても無駄だろう。まぁ、あいつらは割りと人間にも融通利かせてくれるだろうけど。3ボスのにとりは人間好きだろうけど、こないだ揉めたからアウト。となると1ボスか2ボスだなぁ。

 

 「・・・・2ボスの方が近いな。」

 

 それに2ボスは人間好きだったはずだ。下手して1ボスの所まで戻って自機勢にあっても嫌だし。

 

 飛び上がり、周囲を見回す。

 

 「博霊神社があの辺で、滝があそこ、山頂があっち。最短距離で来るだろう。たしか、2面は深い森だったから・・・・・あそこか。」

 

 低空飛行で向かう。が、途中から歩き出す。

 

 僕の得意戦闘パターンは『奇襲』、相手にこうだと思い込ませ、その裏をつく。だから、その為のスキルはだいたい上手い。『はったり』、『嘘』、『背後の取り方』、・・・・・『演技』。

 

 おっ、居た居た。

 

 設定は・・・・『妖怪の山は知っているが、此処とは知らず迷い込んだ人里の住民』

 

 「あぁ、完全に道に迷ったな。妖怪は怖いけど野宿するか。」

 

 身体の暖かさを感知する機能を施錠。結果身体をブルブルとふるわせる。目視した距離からして声は聞こえたはず。

間もなく飛びながら、クルクル回りながら登場する。

 

 「この山は人間の立ち入る所じゃないわ」

 

 「ギャー、よ、妖怪。に、逃げなきゃ。」

 

 後ろに向かって走るようにした瞬間に能力を発動。脚の筋肉に鍵をかけ、恐怖によって足がすくんだ様子を再現。手で地面をかき、必死に逃げようとする感じを表現する。汗腺の鍵を外し、滝のような汗をかかせる。瞳孔も能力で開かせる。

 

 「落ち着きなさい。私は人間の敵ではないわ。」

 

 回転を止め、手を伸ばしてくる。

 

 「く、来るな!!」

 

 必死の形相を作り、その手を思いっきり払いのける。

 

 と、同時に能力を発動。対象の警戒心と僕の正体に気がつく可能性を施錠する。

 

 「そうやって油断させてガブリといくつもりなのだろう!!」

 

 

 「落ち着きなさい。私は鍵山(かぎやま)(ひな)、人間の味方。人間の厄を受けて、神々に渡しているの。」

 

 さっきさんざん考えてたけど、お決まりだし、一応思い返すか。

 

 『鍵山(かぎやま)(ひな)』、『東方風神録』の2ボス。鍵の字を持つが、特に僕の能力に何かあるわけではない。所有する程度の能力は、『厄をため込む程度の能力』。さっき自分で言ってたように、人間の厄を受ける能力だ。これは種族『厄神様』としての力だ。彼女の周囲には厄が渦巻いているので、近付きすぎると厄い事となる。因みに僕は先に厄関連に鍵をかけたので、厄を受けてもらえないが、厄を受ける事もない。だからこそ疑われないために、彼女にも鍵をかけたのだが。

 

 「ほ、ほんとに?」

 

 「嘘いってる暇があれば、ガブッと言ってるわよ。」

 

 「そ、それもそうですね。」

 

 操作していた自分の鍵を一個一個もとに戻していく。この能力は便利だけど、オンとオフだけで半開きが出来ないのは問題だな。あと、霊力消費しちゃったな。

 

 「すいませんが、ここはどこですか?」

 

 「貴方迷子なの?ここは妖怪の山よ。」

 

 「えっ、妖怪の山!でも、妖怪の山って見張りの天狗がいるはずじゃあ。」

 

 「あぁ、今は天狗は全て集落に集まっているわ。」

 

 「見張りすら集めてまでやりたいことなんて・・・・そんなのあるわけ無い!!やっぱりお前、僕を食べる気で!!」

 

 「だから、違うって言ってるでしょ。もう、なんでも戦いの準備らしいわ。」

 

 「戦い・・・・ですか?」

 

 「えぇ、山の上に新しく神社が出来たのは知ってる?」

 

 「はい。里でそこで店をやってるって張り紙を見たので、」

 

 張り紙張っといて良かった〜。

 

 

 「その店っていうのは解らないけど、その山の頂上の神社が異変を起こすらしいのよ。」

 

 「異変・・・・ですか?ずいぶん久しぶりですね。この間のは定期的に起こる異変だったらしいので、誰かが起こしたわけではないですし。むしろあれは、見てて楽しかったですし。」

 

 思い出しつつ、気分の高揚した感じを出す。顔を明るくし、語尾が上がるように意識すればよい。

 

 「神社が起こすなら、人間に害は少ないですかね。いつかの気味の悪い霧の異変は具合が悪く成ったので嫌でしたけど。」

 

 「さあ、異変の内容までは知らないわ。でも、天狗の動きはそれが原因らしいわ。」

 

 「どういう事です?」

 

 

 「天狗の組織が排他的なのは知っているでしょう。だからこそ、外の社会が定めた現行のルールに抵抗がある。個人としては知らないけどね。そのルールにより、手近に勢力が出来るなら・・・・・」

 

 「攻め滅ぼしてしまえと。」

 

 「そういうことね。だから早く里に帰りなさい。天狗組織は今回の異変をめちゃくちゃにするつもり。ここにいたら巻き添えをくうわ。」

 

 実力行使に出たかよ。流石にそれはまずいな。急いで報せなければ。

 

 「あの、人里はどっちですか?」

 

 「あっちよ。」

 

 「ありがとうございます。」

 

 そう言って、指された方に走り出す。鍵山雛が見えなくなったので、飛び上がる。

 

 「霊力の消費とか、構ってられないか。」

 

 最高速度で守矢神社を目指し飛んでいった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

同時期

 

 「よう、霊夢。どこいくんだ、」

 

 「魔理沙じゃない。妖怪の山よ。異変に成りそうなことになってね。」

 

 「奇遇だな、私も妖怪の山にいくところだ。一緒に行こうぜ。」

 

 「いいけど、邪魔するんじゃないわよ。永夜異変の時みたいに。」

 

 「あれは、霊夢が邪魔したんだぜ。お、妖精が出てきた。邪魔すんな!」

 

 ――――東方風神録開演――――

 




 虎之助は一応頭脳戦タイプのつもりなんだけどな。能力に頼りすぎかな。

 感想、評価、批評、よろず店への依頼、後書きの解説の希望等々お待ちしています。
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