東方覚醒録〜Don't exist originally   作:tora@812

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 第二十話か~、なんか結構書いたな~。正確には解説二本書いたから二十二話なんだけど(^-^;)


第二十話 暗い陰、黒い道具

side 小傘

 

 「虎之助さんに、プレゼントです。」

 

 そういって、川での戦いのときに背に回していた荷物の紐をほどいていく。あっ、ちょっときつめに絞めすぎたかな。

 

 「ありがとう。ところで小傘。巫女達を見なかった?」

 

 「あっ見ました。ふもとで八百万の神と戦ってましたよ。巫女も魔法使いも。たぶん今頃樹が生い茂ってる辺りに居るんじゃないかなぁ?」

 

 「まだそこか・・・・なら、川のやつは何だったんだろう?」

 

 「たぶん私です。ふぅ、やっとほどけた。じゃあ、説明するね。まず・・・・」

 

 「ちょっと待ってください。」

 

 「何ですか?」

 

 「魔法使いってどういう事です?私は博麗霊夢という巫女にしか宣戦布告してませんよ。」

 

 「どういう事かは解らないけど居たよ。いつも異変のときには一緒に居たらしいし誘ったんじゃないかなぁ。」

 

 異変解決が仕事の博麗の巫女と一緒に何故か黒白の魔法使いが動くのは幻想郷ではわりと当たり前の光景と成っている。あっ、でも噂では永夜異変の時は戦ったんだっけ?仲が良いんだか悪いんだか、

 

 「まぁ、あの二人が異変に対して真っ先に動きますし、でも、だいたい最終的に解決するのは博麗の巫女なんですけどね。」

 

 「ところで小傘。川で戦ったって言ってたけど、寒くないのか?」

 

 「大丈夫・・・・かな?」

 

 「暖かくした方がいいだろ。ここじゃ広すぎて暖まるの時間かかるからよろず店に行こう。話はそっちで聞くよ。神奈子さん、よろず店の神力暖房使いたいんですけど。」

 

 「分かった。起動しておく。」

 

 「感謝します。行こう、小傘。」

 

 「はい、分かりました。」

 

 説明が長くなったら守矢の人達に迷惑だし、その方がいいかな。ちょっと寒くなってきたし。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

少し時間をさかのぼって side 早苗

 

 虎之助くんは天狗の様子を調べてくると言っていましたが大丈夫でしょうか。

 

 そんなことを考えても仕方がないのに心配してしまう。

 

 空を見ると黒い点が近づいてきた。私といたときは霊力の消費がどうとか言ってたのにかなりのスピードでとばしてくる。

 

「おかえりなさい、虎之助くん。どうでした?天狗の動き」

 

 「ああ、それがちょっと不味いことに成りそうだ。」

 

 割とあせった感じだ。何かあったのだろうか。

 

 「何かあったのかい?」

 

 諏訪子様が質問する。

 

 「端的に言います。天狗社会は今回の異変を成立させないために、この件に関わるものを消し去り、命名決闘法案に喧嘩を売ることにした。以上」

 

 とうてい人に理解してほしい説明とは思えない口調で虎之助くんが言葉を発する。私は言語に由来する能力だから、言葉の違和感には敏感だが、理解は別だ。

 

 「対応した方がいいな。」

 

 「そうだね。だいたい腹が立つね。神に逆らおうとするとどうなるか、目に物を見せてやろう。」

 

 「なんか祟り神オーラ出てますね。諏訪子さん。」

 

 なんだかあっちで話が進んでいるのですが・・・・・。

 

 「で、どうする。」

 

 「巫女達との対戦は何事もなかったかのようにした方が良いでしょう。だから、誰かが行って天狗を押さえ込んでおくのがいいかなと」

 

 ん?何だろう?今の言葉違和感があった。

 

 「ほんとは、二柱さんが残って巫女達の相手をした方がいいんでしょうから・・・・僕が良いのかもしれませんが。あいにく、僕『戦闘』は弱いですし・・・・・。」

 

 巫女・・・達?私が宣戦布告したのは一人だけのはずです。虎之助くんに聞こうと思ったのですが、諏訪子様に話しかけたのだと誤解されてしまいました。

 

 聞き間違えかな?あるいは偵察のときに巫女のようすも見てきたか。

 

 そんなことを考えていると小傘さんが飛び込んできました。気配を消していたのは驚かせるためかな?最近会うたびに驚かされてますし。

 

 「ありがとう。ところで小傘。巫女達を見なかった?」

 

 「あっ見ました。ふもとで八百万の神と戦ってましたよ。巫女も魔法使いも。たぶん今頃樹が生い茂ってる辺りに居るんじゃないかな?」

 

 「まだそこか・・・・なら、川のやつは何だったんだろう?」

 

 「たぶん私です。ふぅ、やっとほどけた。じゃあ、説明するね。まず・・・・」

 

 「ちょっと待ってください。」

 

 「何ですか?」

 

 「魔法使いってどういう事です?私は博麗霊夢という巫女にしか宣戦布告してませんよ。」

 

 「どういう事かは解らないけど居たよ。いつも異変のときには一緒に居たらしいし誘ったんじゃないかなぁ。」

 

 えっ、どういうこと。虎之助くんは今の話し方だと川であった何かを巫女と魔法使いだと思っていたことになる。つまり博麗神社のあれの後、巫女に会ってないということだ。ってことは、

 

 

 ―――――一度も見てないのに来るのが二人だと分かっていたってことですか?―――――

 

 

 いや、いつも居ると小傘さんも言っていたし、居るという仮定のもとで考えてただけかも知れない。

 

 

 私はこの疑問を放置することにした。そして、長いこと思い出すことは無かった。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

栂峰よろず店 兼 虎傘錠前店技術開発局 side 虎之助

 

 「小傘、川でやったってことは相手って・・・・・」

 

 「河童だよ。」

 

 「河童ってそれなりに強いよな。」

 

 「まぁ、私も始めは勝てるとは思わなかったけどね。私が勝って驚いた?」

 

 「うん、驚いた。」

 

 「それ驚いてくれたことを喜んだらいいのかな?それとも、負けるほうがあり得ると思われたことを怒ればいいのかな?」

 

 「どっちでも、いいんじゃないのか?はい、紅茶砂糖多め、」

 

 「なら、喜ぶことにする。虎之助さんってなかなか驚かせないし。紅茶ありがと。」

 

 さっきからひとまず小傘の体を暖めることに集中している。服は勝負した相手が脱水してくれたらしい。正直に言うと、相手が水を操ったって聞いた段階で『河城にとり』と戦ったって解っていた。だが実際に河城にとりが能力を発動したところを見たわけではないので、知っていたら不自然だ。だからこうやって知らないように演じている。知ったかぶりなら、割りと前世でしていたので出来るのだが、知らないふりは集中してないとぼろが出やすい。今のところたいしたミスはしてないと思うけど大丈夫だよな。

 

 「驚かし方を教えたのは僕だからね」

 

 うそ、ほんとは何時も何時も僕が『転生者』だとバレるのが怖くて常時警戒してるから奇襲がきかないだけ、

 

 「いつか、ホントに驚かせてみせます。」

 

 「楽しみにしておく。」

 

 小傘も早苗も、僕を普通の人間として接してくれる。だからこそ、僕が異質だとバレるのが怖い。

 

 転生したと気が付いたとき、凄く不気味だった。今の親は僕の親だけど僕の親じゃない。この体は僕のものだけど、僕のものじゃない。

 

 僕は僕じゃ無い。

 

 嫌だ、嫌だ、嫌だ、

 

 だから僕は・・・・・

 

 ――――死にたかった――――

 

 でも、死ぬのが恐かった。

 

 だから、僕は絶望するだけだった。早苗と違って行動する事は無かった。

 

 なのでとりあえず、この世界の正体を知る為に動くことを生き甲斐に過ごしてきた。

 

 この世界が『東方project』の世界だと判った後は、原作キャラに会ってみたい好奇心で過ごしてきた。

 

 今は小傘や早苗が居るから、生きている。ホントはイレギュラーは居ない方が良いのだろう。でも、居たいんだ。転生して以来初めて積極的な理由で生きたいと思ったんだ。だから、転生者だと気付かれたくない。

 

 「・・・・・ら・・けさん?虎之助さん?聞いてますか?虎之助さん?」

 

 「えっ、何?」

 

 「どうしたんですか?恐い顔して?」

 

 「あぁ、ごめん。ちょっと考え事してた。」

 

 「悩み事なら私にも言ってね。」

 

 「いや、大丈夫。それよりさっきの荷物は?」

 

 「・・・・大丈夫って感じじゃなかったけど・・・・・。まぁ、いいや。じゃあ説明するね。」

 

 ごめんね、小傘。これだけはいうわけにはいかない。お互いの為にも、

 

 ――――施錠『不安感』――――

 

 よし、大丈夫。

 

 「お願いします。」

 

 「まずは、これ」

 

 そういって、幾つかの南京錠を取り出した。黒っぽい金属光沢があり、光の反射がとても綺麗だ。

 

 「虎之助さんの霊力が伝わりやすいような金属の配合で作ったの。」

 

 「そんなの作れたの!!」

 

 「ホントは硬度上げようと色々試してたときに出来た失敗作なんだけどね」

 

 そういって、ペロッと舌を見せた。

 

 「まぁ、失敗から発明は生まれるんだしね。」

 

 「そういう事。結果良いものが出来ればそれでいいの。」

 

 ワクチンもミスから生まれた。だいたい後の世に伝わる発明っていうのはそうやって生まれるものだ。もっとも、僕の霊力の伝達が良いって、僕の生きてる間しか意味ないけど。あと、金属の配合は鍛冶屋じゃない気がするけど、そこは突っ込まない。小傘はできる女ってだけ、

 

 「使い方はそっちで考えてね。」

 

 あっ、そこは丸投げなんだね。

 

 「で、これが本命なんだけど、・・・・・・虎之助さん、戦闘体制とるとき構える得物無かったから右手伸ばしただけだったのを、地味に恥ずかしがってたってホントですか?」

 

 ゲフッ、ゴホゴホゴホゴホ

 

 「だ、誰に聞いたのそれ!!」

 

 「あっ、ホントなんですね。」

 

 クスッ

 

 笑われた・・・・・。だって冷静に考えたら、『施錠「進歩の拒絶」』は相手に触れないと発動出来ないから、あの動作全く意味ないもん。誰だ、チクったの!早苗か!神奈子か!諏訪子か!大穴で(BBA)か!

 

 内言語とはいえ、思いっきり前世での呼び名で焦っている。あっ、実際紫さんは美人さんだから、見た目は若いから。

 

 「何だか、焦ってる虎之助さんも新鮮で良いですね。」

 

 「・・・・はい、そうです。あのときの構えは自分でも酷いと思ってます。」

 

 「ここまでの嫌な思い出だとは思わなかったけど。・・・・・だからこれ。・・・・・どうかな?」

 

 そういって、取り出したのは、黒塗りの棒だった。両端から30センチメートル位のところに金色に塗られた金具が入っている。長さは目測でだいたい1.6メートルぐらいだろうか。棒術様の棒はたしか1.8メートルが基準だったはずだから、かなり短めだ。普通に考えたら得物が短いとリーチが短くて不利に成るだろう。でも、僕は短い方が都合が良い。第一に短い方が小回りがきく。僕はメインの戦闘スタイルが『奇襲』なので小回り性能はかなり大事なのだ。第二に情けない話だか、大きな得物振り回すだけの力がない。

 

 「ありがとう。使わせてもらうよ。」

 

 手にとって見る。これも僕の霊力が馴染むように作られているのだろうか、よく手に馴染む。

 

 「これも僕の霊力が伝わりやすいようにしてるの?」

 

 「それがっていうよりは、この中身かな?」

 

 「えっ?どういう・・・・・」

 

 その時、手が金具に触れた。

 

 「・・・・・そういう事か。」

 

 「そういう事。見た目で分からなかったんなら、成功かな?」

 

 「だね。良くできてるよ。」

 

 

 ――――解錠――――

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

一方、山の麓では、

 

 「あらあらまだ居たの?追い返したつもりだったのに」

 

 「いつ?」

 

 「うーん、記憶がかなりあやふやなのよね。何だか記憶を封じられてたみないな感じ。でも、人間をさっき追い返したのは事実よ。」

 

 「邪魔するなら敵と見なすわよ。全く、魔理沙は先に言っちゃうし、」

 

 「一人先に行っちゃったか。まぁ、にとりがどうにかするわね。私は鍵山雛、秘神流し雛よ」

 

 「楽園の巫女、博麗霊夢」

 

 ――――東方風神録 stage2――――

 

 ――――命名決闘 博麗霊夢vs鍵山雛――――

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

一方、川では、

 

 

 「これ以上山に入るのは危険だから追い返そうと思ってね。悪いこたぁ言わないから引き返せ。」

 

 「引き返せって言われたら進みたくなるだろう。お前だって立ち入り禁止の立て札見たら入りたくなるだろう?」

 

 「ならないよ、ならないからさっさと帰れ」

 

 「みんなで追い返そうとするんだもんな。だいたいこっちは生活かかってるからな。私は霧雨魔理沙、普通の魔法使いだ!」

 

 「河城にとり、谷カッパのにとりだ」

 

 ――――東方風神録 stage3――――

 

 ――――命名決闘 霧雨魔理沙vs河城にとり――――

 




解説 光学迷彩スーツについて

 虎之助との遭遇前の段階で完成はしていた。ただし、完成したばかりで使える時間が分かってなかったため、遭遇時には体だけ透明に成ってしまった。

 その後、何故発見されたかは使用可能時間を判定したため自覚する。小傘戦の時には、きちんと時間を測って使用した。

 魔理沙との対面時には、残り五秒程しか残ってなかったが、目を引くために使用する。そして、原作の通り壊される。

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