東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
別に話の切れ目が解んなくなったとか、そんなんじゃ無いんだからね!
天狗の集落 side 諏訪子
「へえ、ここの頭目か。」
「そうじゃ、」
「なら、一言言わせてくれ。もう少し目下の者に配慮するような集落にしたほうがいいぞ。」
「蛙が鴉に意見するとは、滑稽だな。」
「私はあんまり戦いは好きじゃないのだけどね。」
「好き嫌いではなく、戦わねばならない時もあるだろう?」
「私は共存が理想だと、思っているのだけどね。」
かつて、私と神奈子がやり合った時も共存に行き着いた。異なるものはつぶし合わないといけないなんて、そんな世界はまっぴらごめんだ。
「蛙が鴉に口答えするなと─────
───────言っているだろう。
大天狗の方が背後に回り込んでいた。
速い。だが、反応が少し遅れる程度だ。
天狗の太刀を鉄の輪で受け止める。
「フフ、」
ドスッ
「ガッッ」
腹を思いっきり蹴られ、天魔の方に飛ばされる。ギリギリ意識を保つ。ピンチだが、飛ばされたならそれを此方の攻撃力にすればいい。空中で体勢を立て直す。天魔が刀を構えている。私は能力でマグマを創造し、鉄の輪に纏わせる。自身の加速を殺さず、鉄の輪を振り下ろす。
刀とぶつかる。妖力の補助がかかっているのだろう。競り合いに成る。だが、少しずつ、此方のマグマが刀を浸食していく。このままいけば押し勝てる。まあ、もう一人居るからそうもいかないだろうが。
大天狗の気配を探る。まださっきから動いていない。なら、まだ天魔に集中出来る。
「来い!手長足な・・・・」
その時、視界の隅に白刃が見えた。
急いで天魔から距離をとる。
「何故だ?」
私に太刀を振り下ろしたのは大天狗だった。奴の気配はまだ動いていないはず。だが、大天狗は天魔の隣に居る。気配の方を見ても何も居ない。
「・・・・・そういう能力ってことか」
「あぁ、私の能力は『気配と分かれる程度の能力』だ。」
「ずいぶん優しいんだね。相手に能力をあっさりあかすなんて、」
「自分が負けた相手の名と能力ぐらいは知っておきたいだろう?」
「そういう考えは無いね。」
気配と分かれる・・・か、名前から察するに自分と気配を別行動させ、位置を誤認証させる能力だろうか?常に肉眼でとらえたらいいだけの話かもしれないが、今は2対1。一方に集中すれば、もう一方にやられる。面倒な能力だよ。
帽子に見張らせればいいと思うかも知れないが、こいつ動く事しか出来ないし、喋れないから実質意味がない。
ようするに、大天狗を視界にとらえつつ、天魔の動きは気配で探るっていうのが正解だろう。気配を紛れさせるとやっかいだから、手長足長やミシャクジは多様出来ない。あぁ、せめてもう少し神力が回復出来ていれば。
神力は信仰に大きく影響をうける。この世界は神の存在を信じているお陰で、ある程度は回復出来たが、種族のトップクラスと戦うには後少し足りない。
「それでも負けるわけにはいかないけどね。」
『────諏訪清み・・・・・グッ、」
突如喉が詰まったような感覚に襲われる。いや、肺が空っぽになってしまったような。だが、きちんと肺は膨らんでいる。確かこの感覚は昔も味わった。
大急ぎで天狗から距離を取る。
「―――――カッ、・・・・・はぁ、はぁ、はぁ、」
「逃れたか、」
「似たような技は昔くらったことがあったからね。」
多分、天魔の方の能力だろう。神奈子と戦ったときにも似たような事をされた。確か、空気中に大量の酸素を『創造』して無呼吸状態にする技だった。だが、多分仕組みは違うだろう。神奈子のときは、突然呼吸が『出来なくなった』。だが、今回は呼吸が『苦しくなった』。つまり、呼吸が意味を失ったのだ。ようするに、奴の能力は・・・・・
「酸素を『抜いた』な?
「いかにも、儂の能力は『空気を操る程度の能力』だ。」
天魔が近づいて来るので、距離を取る。実体があるのは普段は便利だが、こういう生物向けの攻撃の効果を受けてしまうのが難点だ。
後ろに強い気配を感じたので輪を振るう。だが、手応えが無い。
「しまった。気配か」
帽子が突如動いて無理やり横に突き飛ばされる形になる。さっきまで頭があった位置を大天狗の白刃が通りすぎていった。
「ありがとう。助かった。」
私の帽子はただ自分に攻撃が当たりそうだったから避けただけだ。そういう奴だとは分かっているが、一応礼を言う。
こいつは見張りは出来ない。だが、戦闘時は下手な武装するよりよっぽど安心できる兜になる。こういうのは今風に言うと回避型壁役って言うんだっけか?
さて、今の状態はなかなか厳しい。天魔は今の私の力では術の射程圏外、召喚術ならギリギリ届くが大天狗の能力的に召喚術は多用出来ない。そもそも今の私が神力が足りてないように、ミシャクジ達だって神力が足りてない。召喚術で決着はつけられないだろう。
なら、大天狗を倒せばいいか?それも否だ。私が最初天魔の能力をくらったとき、大天狗は天魔の隣にいた。天魔の能力は範囲攻撃だから、大天狗は射程圏内に居たことになる。だが、大天狗は能力の影響を受けた様子はなかった。つまり、大天狗は天魔の能力圏内でも普通に戦闘が可能だ。だから天魔が近づいて来るたびに逃れないといけない私とはハンデがありすぎる。帽子のお陰で頭は安全だが、他は自分でカバーしないといけない。大天狗を視界に入れておかないといけないので、天魔の接近に気がつきにくい。
「クッッ、」
かすった。
一度地面に降り、地面に手を触れる。大天狗が追って降りてきたところで、能力を発動させ急速に樹木を育てさせる。
大天狗はこれを切り裂き此方に迫る。その太刀は、私――――
――――の形をした土の塊を貫く。
「な!!」
「くらいな―――諏訪清水―――」
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山の中腹 side 文
「ははは、参ったわね。少しはそれっぽく見せておいたほうがよかったかしら。」
さっきまで手を抜いて長引かせることを目的にしていたけど、これは本気を出さないと不味そうです。
と、いうのも
「――――夢境『二重大結界』――――」
「文さん、これが噂に聞く」
「ええ、でしょうね。」
『
本気を出してもあと三分も持ちこたえられたらいい方かしら?このまま真っ直ぐ進まれると端の方とはいえ、天狗の集落の上を通すことに成ってしまう。守矢の神が大方片付けてくれたとはいえ、博麗の巫女を戦闘に巻き込んでしまう可能性はまだ高い。当初の計画では出撃して手が空いた隙に巫女を通してしまい、私の幻想郷最高の速度をもって守矢神社へ、そこで守矢と話をつけ二柱のうちのどちらかに出陣を願って異変終了まで天狗を抑える予定だった。相当無理な計画だとは自覚している。でも、これぐらいしか思い付かなかった。事前に守矢と話をしようにも天狗組織に情報が知れる。白狼の子達はある程度私を慕ってくれるけど、組織にバレたときの事を考えると無理は言えない。ほんとは椛にも黙っておくつもりだったのだけど、椛曰く「貴女の考えてることも分からないのに貴女と同じ道を歩もうなんて思いませんよ。」らしい。
そして、実際は守矢神社が天狗の動向に気が付いた。天狗の異変の阻害という当初の目的はほぼ破綻したと言えるだろう。でも、天狗の目的を果たすにはあと一つだけ方法がある。
今しないといけないのは、博麗の巫女を天狗の攻撃から逃れさせる事。その為には・・・・・
「椛!、今集落の状態は!?」
「守矢の神が天魔と大天狗相手に善戦していますが、決定打に欠いている状況です。」
「ねぇ?」
「何ですか?文さん?」
「全力で巫女に挑んでみない?」
「えっ!・・・・たしかにスペルカードルールに従っている身としては、興味はあります。ですが、ここで力を使いきったら・・・・・」
「だから・・・信じてみない?守矢の神を、」
「良いんですか?」
「さっきの質問、今答えるわ。あの神は信頼しても良いと思う。だいたい、『集落の外』と繋がる事を求めている私達が外の神を信頼しないなんて滑稽じゃない。それに・・・・神っていうのは自分の力を信じてもらえればもらえるだけ力を発揮できるものよ。」
「さっきから、何話してんのよ!!
───────神技『八方龍殺陣』───────」
くっ、話に気を取られすぎた。
「───────山窩『エクスペリーズカナン』───────
・・・・そうですね。より頼んでみましょうか。」
「何度も言うけど、あなたの意思で動けばいいのよ?」
「あなたと共に居たいのが私の意志です。」
「そう、行くわよ!!」
「やっと、やる気に成ったみたいね。
───────散符『夢想封印 寂』───────」
「なんか知らないけど私も忘れるなよ。
───────魔空『アステロイドベルト』───────」
「果たして、スペルカードルールのプロにどこまで通じるか。
―――――――狗符『レイビーズバイト』―――――――」
守矢の神様、私達の里を変えて、
良くしたいの、嫌なこともあったけど、
やっぱりあそこは私の故郷だから
はたて、私頑張るから、いつか貴女がまた外に出られるように成ったら
一緒に変わった幻想郷を見て回ろ
その時は、一緒に弾幕ごっこの取材でもしよう。
「手加減は止めるけど、本気でかかってきなさい!
―――――――『無双風神』――――――――」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
天狗の里 激戦の真下
「う、う〜ん。」
一匹の白狼天狗が目を覚ます。それに気が付いた他の白狼天狗が声をかける。
「目ぇ覚めたか?」
「あ、うん。えっと、たしか守矢の神に強襲されて・・・・今どうなって―――――」
ドカーーーン
上から爆音が響き渡る。
白狼天狗達が見上げるとそこでは筆頭の大天狗と守矢の神が互いの技を繰り出していた。
「さっきからこんな感じ。」
先に目を覚ましていた白狼天狗がそう言った。
「・・・・・僕たちこれからどうなるのかな?」
「ん?さぁね。天魔様と大天狗様が勝とうが負けようが、私たちには関係無いよ。結局どうなるかは解りきってる。」
白狼天狗は天狗組織の最下級層に位置する。どうなろうととばっちりを受ける未来は確定済みだ。
「たぶん、鴉天狗の方達の憂さ晴らしの為にまた好き勝手やられるだけだよ。いつもの事だよ。組織がどうとかっていうのは結局お偉いさんがどうなるかってだけだよ。僕らは虐げられ、搾取されるだけだよ。いつもと同じさ。」
自嘲するように一匹の白狼が言った。
「僕らは射命丸さんや、姫海棠さんや犬走が組織を変えようとしてたときに何にもしなかったんだ。何にもしなかったから、姫海棠さんは精神的にボロボロに成って、引きこもることに成ったんだ。あの時何もしなかった時点で僕らは虐げられることを受け入れているようなものだったんだよ。だから・・・・救ってくれる人なんて居ないよ。」
「そうだ、お前らは俺たちの下だ。そうやって生まれてきたからな。文句あんなら白狼以外の天狗に生まれてくりゃあ良かったんだ。」
白狼達が声のした方を見ると何匹かの鴉天狗がこっちを見ていた。
「生まれてくる場所なんて選べるわk」
「あぁ、なんか言ったか!!」
白狼天狗が蹴り飛ばされる。
「いっ、」
「おい、大丈夫か!?」
「おいおい、何だよその目は」
また、白狼の一匹を殴り付ける。
「グハッッ!!!」
膝から崩れ落ちる。
「まったく、こいつらを大事にしろとか訳分かんないぜ。射命丸しかり、姫海棠しかり、守矢の蛙しかり。」
「守矢の神?」
鴉天狗の一匹が聞き返す。
「ん?あぁ、そういやお前最初の方で失神してたから知らないのか。」
「上の者は下の者を敬わないといけないんだと。それが出来てない俺らにこいつらは任せられないから、こいつらを自分の守護下に置くんだとさ。」
「アホらし」
「だよな。さてと、そろそろ神もへばってきたし打って出r」
「―――さっきの話、ほんとですか!?」
「あぁ、何だよ白狼!!俺たち鴉天狗様同士が話してんのによ!!!だとしたらなんだ!!!!!」
「だとしたら・・・・・こうします。」
そういうと、白狼天狗は鴉天狗に飛びかかった。
それも一匹ではない。何匹かの白狼が一斉にだ。
いかにスピード自慢の鴉天狗とはいえ、突然、それも複数による一斉攻撃なら隙ができる。結果、一匹の鴉天狗が抑え込まれる。
「貴様ら、正気か!?白狼天狗が鴉天狗に歯向かって、ただで済むと思ってんのか?」
一匹の鴉天狗が叫ぶ。
「
・・・・・前に天狗の集落が変わろうとしたとき、僕らは何もしなかった。
・・・・・だから姫海棠さんはああなった。
・・・・・僕らが動いたら変わったかもしれない。
・・・・・だから、僕らは決めたんです!!
次もしも、僕らのために動いてくれる者が出てきたら、絶対に手助けするって!!!
だから、守矢の神の邪魔をしようとするあなた達を止めます!!!!!」
「白狼が!!舐めるな!!!!」
白狼天狗は鴉天狗と激突した。ただ、守矢の神が自分達の環境を変えることを信じて、
そして、歴史の歯車は静かに回り出す。
やっぱりプロット真面目に考えてないときついな、
感想、評価、批評、誤字報告等々、お待ちしています。