東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
どういう過程を経て『雨滴一文字』が出来たのかをサラッと書いただけの話です。だからタイトルの『振る』は『降る』の誤字では無いですよ。
別に伏線なんてないので気軽に読んで下さい。伏線なんてないので。
SOK作戦から二日後 side 小傘
「虎之助くんが欲しがりそうな物……ですか?」
「うん、何か無いかなって」
私は仕事――まだ会議ぐらいしか無いけど――の合間に守矢神社に来ていた。
「虎之助くんに直接聞いたらいいのではないですか?」
私は首を横に降る
「それじゃあ驚いて貰えないから、サプライズって美味しいんでしょう?」
「……小傘さんの食生活は分からないので答えられませんよ」
「虎之助さんは『驚かした快感と礼を言われる優越感で二度美味しい』って言ってたよ」
「あの人の思考って‥‥‥。まぁ本来人間が外に見せないようにしている影の思考の様なものがメインに成っているだけのような気もしますが」
「ある意味表裏が無いのかもね」
「あの人の発言って案外的を得ているから扱いに困るんですよね」
「まぁ、そこが飽きないんだけどね」
あの人の言動は見てて面白いし、今の感じも楽しい。変な人だとは思うけど
「だから、何かプレゼントしようかなって。それで、まだ私は虎之助さんの趣味知らないし早苗さんの考えを聞こうかな?って」
「私も友人に成ってあまり時間が経ってないんですがね‥‥‥趣味、いえ、好きなことは漫画ですかね?荷物の移動手伝ったとき荷物のかなりの割合がそれだったので。でもこれは‥‥‥」
「無理」
「ですよね」
何だろう?そういうのじゃなくて‥‥‥
「私の鍛冶の腕が使えるような物で何か無いかなぁ」
「鍛冶って何が出来るんですか?」
「一応金属加工なら何でも出来るよ。鏡から、針から、刀から、鉄砲から、台所用品から」
「手広いですね」
「今の時代『唐傘お化け』ってだけじゃぁ不利だからね。昔の先輩に肖ろうと色々調べたら昔鍛冶の巧い傘の大妖怪が居たらしくて『鍛冶が出来るように成ったら驚いて貰えるかも』って思って始めたの。はまっちゃって気が付いたらこのレパートリー。集中してる間はお腹空かないしね」
お腹が空いてるの気が付かなくて倒れてて、通りがかった人が驚いてお腹が膨らむって生活を一時期していたのは絶対内緒。
「妖怪が居ない世界に居たので解らないですけど、『唐傘お化け』って確かに驚きにくいそうですよね。昔からずっと居る感じがして」
「なんと、わちきが古風な妖怪と申すか」
「キャラ作らなくても‥‥‥あっでも武器っぽい物作れるんですね」
「うん、長いこと作ってないけどね」
「なら、何か虎之助くんに装備品作って上げたらどうですか?」
「装備品?」
「荷物の運び込みしてたときなんですけどね――――
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side 早苗
「紫さんが出てきたとき、私何にもしなかったですからね。もしもあれが敵だったらやられてましたよ」
「早苗って臨戦態勢ってどんなのなの?」
「どんなのって‥‥‥私は能力が後衛固定砲台なので思いっきり後ろに下がって、流れ弾だけ避けるためにお払い棒を前にって感じですかね」
ゲームみたいに言うと私は『魔法使い』に近いと思いますしね
「やっぱり、それっぽい感じに成るよな」
そんなこと言いながら虎之助くんは溜め息をつく
「どうしたんですか?」
「いやあの時、とりあえず手を前に出してたでしょ?」
「はい、そうですね」
「僕の能力は『施錠』を相手に作用させようとしたら接触判定出さないといけないでしょ。だからああしたけど、冷静に考えたら何か武道出来るわけでも無いのに丸腰でどうしろと言うんだよ」
「触れたらこっちの物何だから良いじゃないですか」
「早苗、僕の能力が格上に利かないのわかった上で言ってる?」
幻想郷に来る前、虎之助さんは当時は諏訪大社だった守矢神社を訪ねた事があった。目的は能力の確認で他に能力が使える人が欲しかったらしい。その時私の動きを封殺することは――霊力の浪費でかなりばてていましたけど――出来ていました。その時諏訪子様が私が雷を打てるように成った理由を考察したり色々しました。そのついでに私が休憩している間虎之助くんに能力を使わせてみたのですが、実質上無効。一瞬は作用しているらしいのですが、直ぐに解けてしまうようでした。
「そういえばそうですね」
「早苗の感じて言うと僕は前衛サポートっていう奇妙な能力だから、一応間接的に触れても反応するけど遅くなるんだよな」
「何か中距離で触れられる物があったら良いですね」
「異変し終わって自由に動けるように成ったら霊木とか魔法石とか探して色々試してみるか」
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side 小傘
―――って言ってましたよ。これ本当は内緒なんですけど」
その話を聞いて疑問に思ったことを聞いてみる。
「弾幕に能力のせたらダメなの?」
「鍵弾は此方に来てから出来るように成ったんですけど、指向性が無くて自分で投げないといけないらしいですよ。近くを通った相手にすれ違いざまに放つならいいけど、ちょっと距離がある時は何個か投げてどれか当たればいいって感じみたいですよ。玄関の鍵閉め忘れたって言ってたときに十個ほど投げてましたし」
虎之助さんの能力って便利そうで羨ましかったけど、案外そうでもないかも。私の『人間を驚かせる程度の能力』も最近何か掴めそうだし、結局みんな自分の能力が一番肌にあっているのかも知れない。自分の能力は自分自身の一部だしね。
「なら、武器かな?」
「ですけど、虎之助さんの霊力を伝えやすい何かなんてあるんですか?」
「無いから作らないとね」
「出来るんですか?」
「金属加工ならだいたい出来るから合金とか錬金とかもやったことあるよ。だから色々やってみる。何作ろうかな?そういえば、早苗さんは虎之助さんが戦ったところ見たこととかある?」
「ありますけど‥‥‥酷いですよ。聞きます?」
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数分後
「‥‥‥敵にしたくないなぁ」
「‥‥‥まあ、味方を囮にしてますしね。あの人は思考が妖怪めいてますよ。自分勝手といいますか」
「騙し討ちとか影うちとかそういうの得意そうですね」
「真っ向勝負型で無いことだけは確かです」
虎之助さん、普段はいい人なんだけどなぁ
「ここは軍神の意見でも聞いてこようかな?」
「神奈子様なら今屋根の上に居られたと思いますよ」
「ありがとう。あっ、この事虎之助さんには内緒ね」
そういって私は跳び去った。
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「と言うわけで何かいい武器無いですかね?」
「私は正攻法側なのだけどな、こそこそするのは苦手だから詳しく無くてね‥‥‥大丈夫、戦術には変わりないからちゃんと考えもある」
訝しむような目で見ていると慌てたように補ってきた。
「仕込み武器の類がいいだろうな。虎之助が自分の能力を完璧に理解しているとは思えないから現状の証言にそうよう作るしかない。虎之助が間接的に触れるって言うからには投擲系の装備では意味が無いだろう。それと虎之助は素の耐久性はかなり低い。接近戦はあまり向かないから中距離戦に近い方が対応しやすい筈だ。判断能力は無意識的に能力が働いているのかかなり高いからそれでいけるはずだ。だが、彼奴は早苗の話を聞く限りかなり動きを重視するはず。ヒット・アンド・アウェーに近い戦い方をする。だから刃を常に出していないといけないような武器は向かないだろう」
「ようするに長いめで、でも動きやすいような長さの武器であること。普段は攻撃力が低くても良いから、ここぞの時だけ致命傷を与えられる装備であること。この二つを満たすものってこと?」
「そういうことになるな。仕込み杖の系統に平時でもって戦えるような状態にするのが良いだろう。例えば棒術的な使い方をするようにするとか」
「『仕込み棒』ってことですか?」
「人間には作れないだろう。重心が狂うし強度面で不安が残る。でもお前は妖怪だろう?きっと上手く行くはずだ」
「ならそうしてみます。ありがとうございました」
「ところで小傘よ。材料はどうするんだ?」
「えっ?これから採りに行きますけど」
「大変だろう。諏訪子に能力を使って材料を創造してもらえるように頼んでおくよ」
「良いんですか?」
「諏訪子にもこの話にかませないと後で『私だけ仲間外れ』なんて言って五月蝿いからな」
「ありがとうございます」
神様って案外人間的なところあるなぁ
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2日後 人里近く 錠前店・製造所
「第一関門クリアー」
最近『人間を驚かせる程度の能力』が相手の本質という形の気配を察せられると分かった私はその能力を使い、虎之助さんの霊力の伝達がいい合金──錬金も使ったのでそう言ってもいいか不安だけど──を作ることを成功した。
虎之助さんは自分の能力がいまいち上手く使いにくいみたいだけど、私は割と楽に使えた。長生きしてるし、私は技術力でなんとか生きてた妖怪だからね。
「でも偶々出来たことにしとこうかな。恥ずかしいし」
別に虎之助さんに恋愛感情があるわけでは無いけど、ずっと虎之助さんの為にどうしたら良いか考えていたという事実は照れくさい。まあ、プレゼントを手作りしている時点で今更ではあるけど、虎之助さんだってプレゼント自作とかしそうだからその点は大丈夫だろう。
しかし、早苗さんとか、私とかの力を伝達する物を作る方法もなんとなく分かるけど、材料は貴金属などの稀少な物だったりする。
なのに、
「何で虎之助さんの材料って卑金属とか毒性のある植物ばっかりなんだろう?」
まあ、貴金属でも諏訪子さんが創るから変わりなかったけど
そういえば、霊力のある人間に何度が会ったことがあるけど少し虎之助さんって異質なんだよね。なんて言うか
‥‥‥‥‥この世界にあること自体が不自然ななかんじ?
「まあ、いいや。ひとまず刀を打って、虎之助さんが仕事中外出したときにもう一度漫画を確認して外見の最終調整をしようっと」
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数日後、小傘は虎之助が早苗と白玉楼に向かったさいに外装のデザインを確認をする。思っていたより速くてドタバタとしてしまったりする。そして、
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「───封刀『雨滴一文字』───」
その刀を使い、『先を閉ざす異界の鍵師』が異変解決屋の黒白を倒すのは少し先の話
今回も後書きコーナーあります。
感想・批評・評価・質問・誤字報告等々お待ちしています。
傘「今回の質問は『早苗さんの詠唱は早苗さんの自作なの?』です」
早「半分は正解です。私の詠唱は本来は『洩矢の風祝』の系図である東風谷家が保管している筈ですが、宗教の形骸化に伴い神社の蔵に置きっぱなしに成っていた『歴代風祝の手記』に書かれていた文言を私が現代語に再構築したものです」
傘「つまり、『過去からあったものを早苗さんが少し改造したもの』ってこと?」
早「そうですね。なので私は原作どうり理系ではありますが、古典は点数がいい設定が追加されています。まぁ、使うタイミングないでしょうけど」
傘「『歴代風祝の手記』は魔導書化しているため『鍵』を生まれつき持っている早苗さん、その家計を創造した諏訪子さん、『風祝』としての力を与えた神奈子さんぐらいしか今読める人は居ないらしいよ。ひょっとしたら『動かない大図書館』さんや『七色の人形遣い』さんなら読めるかも知れないね」
早「あとこれはボツネタですけど『歴代風祝の手記』はちゃんと家で保管してある設定も考えられていました。この場合は私が親を酒に酔わせて虎之助さんが『口の鍵』を外すことで探し出すというエピソードを『東方現代序編』に入れるつもりだったようですが、先に話した『宗教の形骸化』との矛盾や『セコい手使うのは虎之助くんだけでいい』との理由でボツに成りました」
傘「早苗さんの詠唱はこんな感じに設定されているみたいだね。だから、今後早苗さんが完全に自作の詠唱を使う可能性もあるよ。ところで『早苗さんの詠唱』の評価聞きたいな。是非是非教えて下さい」
早「以上で今回は終わりです」
傘「ところでこのコーナー私達必用?」
―――試行錯誤中なんだ、勘弁して―――
傘「そんないい加減な奴は酸性雨に打たれて溶けてしまえ〜」