東方覚醒録〜Don't exist originally   作:tora@812

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 活動報告でも書いたけど、ルーミアの口調って筆者の個性出ますよね。

 僕は筆者の個性は全面に押し出したいタイプです。ですが余りにも脱線していると思う設定もたまにあります。例えばですが、一部キャラの過去設定は色々と悲惨だという話を解説回で書いた気がします。具体的に言うとパチュリーと古明地姉妹です。『過去綴〜パチュリー〜』は賛否がかなり別れそうな設定。『過去綴〜さとり&こいし〜』はかなり重いです。

 まぁ、早い話がこの二つは余りにも脱線している為、メインストーリーで書くのは無茶な気がします。でも裏設定ではあるのでひょっとしたらこの先本編にも影響があるかもしれません。

 だから、頃合いを見て別タイトルで投稿するかもしれません。まぁ、たぶん半年以上は先に成ると思いますし、調整案が思い付いたら変えるかも知れないので期待しないでください。

 閑話休題

 正直この小説ってどういうタイプだと思われてるんだろう?シリアス?シリアル?ネタ?考察発表会?箸休め?

 それがたまに知りたくなる。別にアンケートじゃないけど何が読みたくて皆この小説読んでるんだろう?みなさん何が好きでこれまで本編だけだと三十三話もに成る『東方覚醒録』を読まれてますか?



第三十三話 カルテット組〜後編〜

side 虎之助

 

 氷符『アイシクルフォール』はeasyとnormalが存在するスペルカード。easyなら正面安置、normalなら正面にも弾が飛んでくる。って事はチルノのシューターランクはeasyかnormalか。まずはeasyかnormalか見極めて作戦決めるか。

 

 そこまで頭で考えて正面に突っ込んでいった。

 

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜~~

 

少し時間を戻して side 早苗

 

 虎之助さんが人探しで別れた後、私は小傘さんと二人で近くにある屋台に入っていた。

 

 「いらっしゃい。小傘さんか。友達連れてくるなんて珍しいですね」

 

 鳥のような翼があるし妖怪なのだろうか?女将らしき人が小傘さんに話しかけている。

 

 「うん、最近出来た友達なんだ。妖怪の山の上に外界から引っ越してきた神社の風祝……えっと……巫女の色違いだよ」

 

 うぅ、やっぱり風祝って知名度低いんだ……。頑張らないといけませんね。

 

 「風祝兼現人神の東風谷早苗です。よろしくお願いします」

 

 「此処の店主をしています。ミスティア・ローレライ、夜雀です。皆からはミスチーと呼ばれています。小傘さんにはいつもご贔屓にしていただいてます」

 

 挨拶をすると、ミスチーさんは料理を始めた。

 

 「小傘さんはよく来るんですか?」

 

 「う〜ん、食べに来るより、卸しに行く事が多いかな?此処の包丁とか串とかは私が作ったし、研ぎで依頼されることも多いしね。仕事だけの付き合いならそれなりに広いんだよね」

 

 そこまで言って、小傘さんが少し恥ずかしそうな顔をする。

 

 「だから仕事とかそういうの抜きで『友達』に成れたのは早苗さんが初めてなんだよね」

 

 「へー、なら虎之助くんは?」

 

 「う〜ん、虎之助さんも私の中では『友達』なんだけど、虎之助さんって何か一歩踏み込んでくれないところがあるでしょ?………あの人きっと凄くバカみたいな事で悩んでるから」

 

 「………まぁ確かに何か気にしすぎている感じはありますね」

 

 「!!!。早苗さんも気がついてたの?」

 

 「別に守矢神社の部屋が足りなくても私の部屋があったのに」

 

 「それは早苗さんの方の感覚がおかしいから!最低限の性差は気にしてあげて!」

 

 「ははは、そうですね」

 

 さてと。

 

 「………で、小傘さんは何に気がついてたんです?『も』って事は何かあったんですよね?」

 

 「………鎌掛けました?」

 

 「いえ、虎之助さんみたいに常に出し抜くことを考えているわけではないので偶々ですよ。ただ能力が言霊由来なので、言葉の違和感に敏感なだけです」

 

 「そう………。宴会が終わったら話すよ」

 

 珍しく真剣な顔で小傘さんが言葉を返す。

 

 「分かりました。ならまた後で」

 

 「今は食べよ。せっかく宴会なんだから楽しまないと」

 

 笑顔で小傘さんが言葉を発した。

 

 「小傘さんは明るいですね」

 

 「早苗さんほどじゃないよ」

 

 クスリと笑っていると、ミスチーさんの料理が出来上がったようだ。

 

 「鰻ですか?高いんじゃないですか?」

 

 「う〜ん、昔はそうだったけど、最近じわじわ幻想郷で増えてきたから大分安いよ。って早苗さん何落ち込んでるの?」

 

 「いえ、やっぱりニホンウナギは絶滅危惧種に成ってしまったんだなぁって。レッドリストにも載りましたし」

 

 「「???」」

 

 あぁ、昔の日本にはそんな言葉はありませんでしたね。

 

 「外の世界では天然の鰻が幻想に成りつつあるって事です」

 

 そこまで話していると屋台の向こう側からミスチーさんが話しかけてきた。

 

 「外の世界も大変ですね。そういえば外界って地域によって蒲焼きは蒸すところと蒸さないところがあるんですよね?早苗さんの所はどうだったんですか?」

 

 以外と外の話題って受けが良いのかな?何て考えながら、記憶を思い返す。

 

 「そうですね………。あまり食べてたわけでは無いですけど、丁度諏訪湖周辺が東西の境目だという話を聞いたことはありますね。だから地域としては両方ですかね?」

 

 「そういえばこの店は白焼きだよね。蒲焼きはしないの?」

 

 「単純に場所が無いからですよ。場所が会ったらどっちも作れます。いつかお店も持ちたいかなぁ」

 

 「まぁ、ミスチーは頑張り屋さんだから出来るわよ」

 

 その時、ちょっと大人びた感じの女の子の声が割り込んできた。

 

 「あっ、ルーミア、来てたの?」

 

 「今来たところよ」

 

 「私も同じ」

 

 「リグルも久しぶり」

 

 スッと横を向くと金髪に赤いリボンをした女の子と、虫のような触角のある女の子が来ていた。

 

 「外界人なんて珍しいわね?ご一緒しても良いかしら?」

 

 「私は良いですけど小傘さんは?」

 

 「私も良いですよ」

 

 「ミスチーも飲む?」

 

 「うん、なら少しだけ」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

side 虎之助

 

 「スペルカードブレイク。これで2枚目だね」

 

 「ふん、最後に勝ったら良いのよ!それまでの内容なんて関係無いわ!」

 

 「確かにね。好きだよ、そういう考え方。だけど後一枚ブレイクしたらサヨナラ勝ちだね」

 

 いつも道理挑発して、相手のテンポを崩す。相手は妖精とはいえかなり高位だし、そもそも手加減する気はない。

 

 「早くあんたのターン始めなさいよ」

 

 「カードで戦ってんだから、心理戦は当然でしょ?」

 

 さて、どうするか。チルノの今までの使用カードは『アイシクルフォール』と『マイナスK』。『アイシクルフォール』は正面への弾幕が微妙だったから多分easyとnormalの中間、『マイナスK』は難易度設定の前世知識は無いけど弾幕の濃さ的にこれもeasyとnormalの中間。これから察するにチルノのシューターランクは『easy以上normal以下』。とはいえ弱い訳ではない。僕のランクはnormalらしいからギリギリ勝ってる感じか。

 

 とはいえ弱い訳ではない。むしろ反射的に避ける部分では魔理沙と同等ぐらいはあると思う。ただ、当たりそうに成ったときの反応は良いけど、そういう咄嗟の判断が必要になる様になる場面が多すぎる。早い話が弾の先読みが下手だ。先読みと誘導で避けるタイプの僕とは真逆のタイプだと言えるかもしれない。

 

 「なら行くよ。──遺失物『忘れ傘落とし鍵』──」

 

 取り出した二つの南京錠から妖力傘と鍵弾をぶちまける。妖力傘はゆっくりと、鍵弾は急くように対象を目指す。

 

 「ふん、こんな直線的なの当たるわけ無いじゃない」

 

 「だね。このまま変化のない弾幕ならね」

 

 スペルカード宣言の継続時間中だ。同じスペルカードなら撃ち続けることが出来る。追加の傘と鍵を放つ。

 

 「同じ事しても変化なんて……!!!!!」

 

 チルノが反論しようとしたとき、最初に放ってまだ漂っていた妖力傘に次に放った鍵弾達がぶつかる。それにより傘の『開閉』が変化し、閉じた傘は素早く、開いたまま、もしくは閉じたものの再び開いた傘はゆっくりとチルノを目指す。また、傘に命中しなかった鍵弾も速度を変えつつ飛ぶ傘の間を雨粒のように過ぎていく。

 

 「二回目から真価を発揮するスペルカード!!」

 

 下の方から大妖精らしき声が聞こえる。さすがは大妖精、理解が早い。そう、このスペルは『過去の名残』を味わうカード。微妙に完全発動まで時間がかかるため、スピードアタッカータイプの霧雨魔理沙とは相性が悪かったけど、『撃ち落とし』が禁止の『弾幕ごっこ』ならその利点を最大に活かせる。

 

 「おっと!うわぁ!危ない!!」

 

 持ち前の反射神経の良さでなんとかかわしていく。これが『決闘』なら追い討ち掛けられるんだけど、規定のカードしか使えない『ごっこ』だとそうも行かない。やっぱり『ごっこ』は性に合わない。

 

 しかしよく避けるな。1ターン目の『鎖錠鎖縛』でだいぶ消耗させたと思ってたんだけど。今回は押し切れないな。なら下手に弾を撃って消耗するより、最低限の攻撃に留めて、次のターンの攻撃を耐える方が得策かな?ならちょっとチルノに消耗してもらうか。

 

 「ほらほら、次の傘と鍵行くよ。そんなチマチマした動きじゃ追いつかれるよ!」

 

 「くっ」

 

 大きく動いて今の位置から外れる。少しでも傘の少ないところに行こうとしているのだろう。その際何度か被弾しそうに成りつつも、グレイズさせて上手く避ける。今の動きで幾らか消耗しただろう。

 

 「ほら、行くよ!」

 

 新たに南京錠を取り出したところで、辺りに漂っていた傘がスッと消える。

 

 「チッ、タイムオーバーか」

 

 悔しそうな顔を()()()()()南京錠をしまい直す。

 

 もちろんタイムオーバーも解らないなんてドジはしない。ちゃんとカウントして今のタイミングで宣言が無効に成るようにコントロールしてチルノに次の弾の予告をした。

 

 チルノの方は気が付いていないようで、ホッとした顔を浮かべている。

 

 「どうやら後一歩届かなかったみたいね。アナタに次のターンは無いわ!」

 

 「だろうね」

 

 「ふん、やっと私の強さに気づいたようね」

 

 「いや?」

 

 「へ?」

 

 下から大妖精の声がする。

 

 「チルノちゃん。次のチルノちゃんの番が終わったらどっちでも決着付くからこの人のターンは無いよ」

 

 「へ?………あっ!」

 

 指を押って数えて、今何ターン目かやっと思い出したらしい。

 

 顔を赤くしながら早口で話す。

 

 「と、とにかく次で決めるわ!ところでさっきの傘、アンタの力じゃ無いわよね?」

 

 あぁ、人間が妖力の弾幕使うのって普通はあり得ないか。

 

 「あぁ、知り合いから借りてんの。綺麗でしょ?」

 

 「友達?」

 

 「まあね」

 

 「そう……なら最後のカードよ!──凍符『パーフェクトフリーズ』──」

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

ミスチーの屋台 side 早苗

 

 「へ~、なら海は見たことないんだ」

 

 「えぇ、海からも遠い地域でしたから」

 

 さっきから私・小傘さん・ミスチーさん・ルーミアさん・リグルさんで外の世界の話をしていた。

 

 「にしてもミスチーさん達仲良いですね」

 

 フッと話を振るとリグルさんが答える。

 

 「まぁ、だいぶ長いこと一緒に居るかなぁ?最初は私とミスチーだけだったんだけど後からルーミアが加わったんだ」

 

 「そうだったわね。最近は妖精で仲良くしてる娘も居るけどね」

 

 「へ〜、いったいどんな―――」

 

 その時、辺りが急に冷え込みだした。

 

 「急に冷えましたね。何でしょう」

 

 「多分今話してた娘の性ですね」

 

 ミスチーさんが答えて言った。それに補足するようにルーミアさんが言葉を続ける。

 

 「氷精……氷の妖精なの。元気のいい娘よ。おてんばすぎるのが珠に傷だけどね。近くにいる訳じゃないし、弾幕戦でもしてるのかしら?」

 

 「みんな見てくれば?私は寒いの嫌いだから待ってるから」

 

 「ならリグル店番よろしくね。熱燗だけ置いてくから」

 

 「うん、楽しんできて」

 

 そんな流れで、私達は屋台の外に出た。

 

 すると上空には凍てついた弾幕が浮かんでいた。

 

 「ルーミアさん。妖精って弱小種族ですよね」

 

 椅子から立ち上がったことで、余計に小さく感じるように成った金髪の妖怪に訪ねる。

 

 「そうよ」

 

 「物量多すぎませんか?」

 

 「そうかもね」

 

 上空を覆いつくさんばかりに放たれた弾幕が全て凍てつき、動きを封じられている。

 

 自然の結晶の様なもので、事実上の不老不死を有する代わりに力は殆ど無い種族。それが神奈子様や諏訪子様、虎之助くんから聞いていた『妖精』の概念だった。何で虎之助くんも知っていたかと聞くと『厨二病だから他人の知らなそうな知識をひけらかす為に調べてた』らしい。ほんとよく分からない、あの人は。

 

 閑話休題

 

 とにかく、妖精=弱いと考えていた私からしたら随分驚きの光景だった。私も氷属性は『雪』や『吹雪』で持てますが、あそこまでの出力を出すにはかなり時間がかかるだろう。

 

 「『冷気を操る程度の能力』、それがあの氷精、チルノの能力よ。正直いつもの状態で戦ったら仲間内では一番強いんじゃないかしら?」

 

 「そんなにですか!」

 

 私が驚いていると、近くで女の子の声がした。

 

 「って言ってもコントロール仕切れてないみたいだからで今みたいに大技を撃つとき以外は『氷精』としての力しか使ってないみたいですけどね」

 

 「あぁだいちゃん、来てたの?」

 

 「うん、ルーミアちゃんの声がしたから」

 

 視線を下ろすと、緑髪の妖精がいつの間にか来ていた。

 

 「大技ですか?」

 

 その妖精に尋ねる。

 

 「はい、凍符『パーフェクトフリーズ』

 

 

 

 

 

 チルノちゃんが唯一『hard』で撃てるカードです」

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

side 虎之助

 

 ………不味い、思考停止してた。未プレイ勢でプレイ動画の知識で戦ってるから自信無いけど、これ『hard』だよな。弾幕濃いもん。てかだいたいこの世界でスペルのランクは『一度に維持する弾幕の数』を参照するみたいだから微妙に前世知識とズレるんだよな。ははは。

 

 

 

 

 

 なんでや?

 

 

 

 チルノって『easyとnormalの間』じゃなかったの?あれか?確実に倒すためにあえて有効打撃たないで相手に油断させ、それから有効打撃つつ的な携帯獣でよくある奴か?

 

 焦りすぎだよ、えっと『施錠――焦燥感――』

 

 よし、いくか。パーフェクトフリーズは『グリモワールオブマリサ』の記述を信じるなら、あらゆる弾幕を凍てつかせる点は凄いが、溶けたあとの軌道はランダムで術者も操作できないはず。つまり運ゲースペル。そして僕は害悪と呼ばれた事のある鍵。つまり運ゲーも強いはず!

 

 嘘、僕は戦略型だっての。あぁ、挑発で運ゲーを封じたい。……さっきから、現実逃避ばっかりだな。携帯獣の話は忘れよう。

 

 チルノは今は弾数を増やすのに力を割いている。恐らく何度も低密度で撃つより、先読みが追い付かない密度にしてから一撃で決めにいく方が僕には有効だと考えたのだろう。もしくは無意識でそうしてるのか。宣言の有効時間的に後五秒後位に解除して攻撃に移るかな?だいたい、二回以上弾を撃つ気ならもう時間的に無理だ。

 

 「流石に()()()やったら避けきれないな」

 

 「どう?凄いでしょ」

 

 「あぁ、スゴいな。素直に」

 

 『パーフェクトフリーズ』上手く使えばたぶん異変解決組でも苦戦するだろう。

 

 会話をしながら、今のうちに(たもと)から南京錠を一つ手に落としておく。マジックで言うところのパーム――隠し持つ技能――で気付かれないようにしておく。

 

 「これで終わりよ」

 

 「悪あがきはさせてもらう」

 

 チルノが手を上げ、此方を指差す。

 

 「パーフェクトフリーズ……解除!!!」

 

 一斉に動き出した弾幕が辺りに飛び散る。てかこのカード周囲への被害でかくないか?スペルカード戦を観戦するときは流れ弾の処理は自己責任とはいえなぁ。まぁスペカ用弾幕は火力無いけどね。

 

 えっと、今当たりそうな弾は上の三発と右の一発だから右側の弾とグレイズして回避、今のうちに眼が届いてなかった後ろを確認。上よりに弾が集中しているから霊力を切って自然落下で球数の少ないところに移動。下方向を気にしなくていい地面まで降りたいけど、宣言序盤で下側は厚く張られてたから不可能。ちょっと降りすぎか。

 

 「施錠結界―(おのず)―」

 

 打ち返したらジャッチキルで敗けだけど、能力の使用は可能だ。霊力消費を押さえる為に『栂峰虎之助』だけを疎外する結界を張り、壁を蹴って走る方向を変える要領で結界を踏みつけて上昇の助けにする。

 

 施錠結界は『個人認証付きの鍵』と同じように何かだけ通さない、または何かだけ通す事が可能だ。対象を絞る分結界形成のコストが安くなり、固くするのに霊力を回せるのが利点だが、今回は僕の体重だけ支えれば良いので固くする霊力は消費しない。

 

 上がったところで進行方向が左右から挟まれそうなので、結界を壁にして無理矢理止まる。

 

 「痛、無理するもんじゃない………」

 

 有効時間は後十秒。今、上が開けた。溶けた後の弾は方向は変わらないから暫くあそこは安地。

 

 後九秒。そちらに向けて移動開始。弾が集中下場所からバラけていた為に此方に向かう弾もあるが、幅が広がりつつある所だったので、グレイズしつつ上を目指す。

 

 後八秒。目的地に到着。一旦深呼吸。その時、回りがヒヤッとした。

 

 

 

 

 

 へ?

 

 

 

 

 

 「………フリーズ」

 

 後七秒。残り少なく成った弾幕が再び氷結する。追加弾無しで冷却?別に今凍らせるメリットなんて………。

 

 後六秒。此処で数秒前に考えていた自分の言葉を思い出す。『溶けた後の弾は方向は変わらないから〜〜』って事は再び凍らせたら方向は変わる。そして此処はさっきまで弾幕が集中していた地点。って事は………。

 

 

 

 

 

 「解除!!!」

 

 後五秒。僕が周囲にある弾が全て凍っているのを確認するのとほぼ同時にチルノの能力が解かれる。

 

 後四秒。さっきまでこの場を離れようとしていた弾のうち、およそ半数が此方を目指す。気がつくのが遅れたため、体を通せそうな逃げ道が直ぐに見つからない。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

side チルノ

 

 「ふう、ギリギリでこんな作戦を思い付くなんて、やっぱりアタイ天才ね」

 

 だいちゃんや最近―――と言っても年単位だが人外にとっては最近である―――友達に成った皆はアタイを『その場の判断力だけなら幻想郷でも上位』って言ってくれる。さっきも偶々あいつが飛び込んだタイミングで今のアイデアを思い付いてやってみたら上手くいった。

 

 さっきのあいつみたいに時間切れしたくないから、アタイには珍しく数を数えていて……。あれ?さっきの作戦を考えた時に後何秒か忘れちゃった。えっと………まぁ、確か後ちょっとよ。

 

 あいつに向かって飛んでいた弾が真ん中に集まって弾け、煙が上がる。

 

 「やった!」

 

 逃げた感じもなかったし、絶対倒した!

 

 これで私は魔理沙やあいつより『さいきょー』って証明されたわ!これでアタイは普通の人間より『さいきょー』よ!霊夢は別だけど。だいたい霊夢は人間の皮を被った鬼よ。天才のアタイが思うんだから間違い。

 

 「………あれ?倒したのにカードが戻らない?」

 

 スペルカードは決着がついたら手札に返る。そういう術がかかっている。なのに『アイシクルフォール』も『マイナスK』も『パーフェクトフリーズ』も返ってこない。

 

 「………って事は!」

 

 

 

 

 

 煙をよ〜く見ても、あいつは居なかった。

 

 

 

 

 

 嘘!眼はさっき考えてた間もそらせてない。前に魔理沙に「お前は目の前の相手を見な過ぎる」って言われてから相手をよく見るようにしてる。たまに相手見すぎて弾幕に当たるけど。

 

 「どこ!!?」

 

 急いで辺りを見回すが、何処にも居ない。

 

 「何で!?」

 

 その時、上から黒い何かが降ってきた。

 

 「これ、あいつの持ち物よね?」

 

 よく分からないけど『ごっこ』なら装備品にも当たり判定がある。当てれば勝ち。

 

 「残り一秒」

 

 その時、あいつの声がして一瞬弾を作る動きが鈍る。その声は、明らかにあの『南京なんとか』って言う鍵を入れたら開くやつからした。

 

 カチャって音と一緒にあいつが急に目の前に現れた。

 

 「………エぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜!!!!!」

 

 一瞬目の玉が飛び出してそのまま第三の目に成るんじゃないかってぐらい驚いたけど、なんとか立て直してまだ宣言が有効な『パーフェクトフリーズ』のばら蒔き弾幕をだそうとする。

 

 「鍵の能力で『栂峰虎之助』を『封印錠』に収納した。そして―――」

 

 

 

 「パーフェクトフリーズ!!!」

 

 

 

 「これで後(ゼロ)秒」

 

 

 

 アタイの撃ち出した弾幕が霧散していく。

 

 

 

 「あぁ………」

 

 「凍符『パーフェクトフリーズ』スペルカードブレイク」

 

 淡々とあいつが状況を語り出す。

 

 

 

 「あぁ………」

 

 

 

 勝ったと思ったのになぁ………。

 

 

 

 「僕の勝ちだ」

 

 

 

 また人間に勝てなかった。

 

 

 

 『弾幕ごっこ 一撃決着3セットマッチ』

 

 ―――WINNER 栂峰虎之助―――

 




 やっぱり戦闘シーンは長くなる。でも今回の戦闘は前のダブルバトルより上手くいったと思う。たぶん。

 うちのミスチーは『おかみすちー』型です。たぶんこれが一番書きやすい。小傘の取引先でルーミア、リグルと親友です。妖精組は紅霧異変前後ぐらいで合流した設定です。

 ルーミアはよくExで使われる口調をベースにしてます。ただし『そーなのかー』とは言います。ルーミア過去編は地霊の頃に書く予定ですが、使いやすいキャラなのでチルノや大妖精と一緒によく出すと思います。

 リグル。今回この娘が一番書きにくかった。なのでたぶん出番少ないです。特に過去設定も考えて無いしな………。ルーミア過去編までにミスチーとあった頃の過去設定無理矢理作ります。過去設定無いキャラは書きにくい。

 久々に虎之助らしい戦闘が出来たと思うのでその点は満足かな?ただ、虎之助らしい戦闘ってだいたいセコい手に成るっていう………。

 バトル描写あるある『無駄に長い一秒』を深く感じました。

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