東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
最近ここに書くこと思い付かなく成ってきた。書かないといけない訳じゃ無いけど、やっぱり書いときたいし………。
しばし時を戻す 境内の隅 side 魔理沙
あの異変以来、というよりあの対戦以来私はずっと気分が悪い。別に負けたこと自体をくよくよしている訳じゃない。正直霊夢に負けることも結構あるし、パチュリーから本を借りられない事もあるし、たまにやり過ぎた時にアリスにボコボコにされることもある。
なら何が原因か、それは………
「よう、アリス。久しぶりだな」
「久しぶり。ところで魔理沙、幻想入りして1ヶ月ぐらいのnormalに負けたって本当?」
「お前もそれか!」
………ずっとこのネタでいじられるからだ。
「最近みんな開口一番それだぜ。他にネタ無いのかよ……」
少し疲れた口調呟くとアリスが言葉を返す。
「まぁ、仕方無いわよ。あの新聞、読者は少ないわりに私達の知り合いは大抵目にしてるもの」
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『異変結果速報』の見出しの
霊夢が今回の親玉と戦っている写真の貼られた一面を眺めながら、いつになったら私が注目されるのかと溜め息をついた。まぁ、今回は妖精以外は秋っぽい神、河童、天狗だし、共闘っぽいのが多かったから注目されないだろうな。
「何か微妙にピント合ってないな。あぁ、私らが倒したから鴉でも使役して撮らせたのか?」
別にゴシップ感覚で読んでるからいいが、やっぱりピントは会ってて欲しいぜ。
そこまで考えて次のページをめくる。私の望み道理の『私が注目浴びてて』『ピントの合った写真』の記事が載っていた。
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「見出しは『注意力散漫に御注意を』だったかしら?焦点の合ってる写真があそこだけだったから余計に……ね」
そこまでアリスが言ったとき、上から呟くような声がした。
「………前を見過ぎていていて、後ろから飛んできただけの鞘に被弾なんて笑えないわね。………あれが刃の方だったらどうするつもりだったのよ。………貴女最近危機感が無さすぎるわよ」
一言発する前に考える癖からか、やや一言一言に間のある喋り方で誰なのかは解る。
「珍しくお前から来たと思ったら、ただ嫌味言いに来ただけか?パチュリー」
ゆっくりと私達の横に降り立った虚弱体質の魔法使いは、やはり間があって私の問いに答える。
「………危機感が無いと言ってるのよ。………負けたときの事を考えずに行動出来るのは貴女の長所でもあるけど、短所でもある。………最近の貴女は唯の無鉄砲に成りかけているのだから、これに懲りて注意力を身に付けなさい」
「はいはい、分かったよ」
パチュリーは本当に解ったのか疑問だというような顔をしたが、ここからは私の決めることだと判断したようだ。
「………まぁ、好きにしたらいいわ」
そこまで言って腰を下ろした。私とアリスも続く。魔法を使うもの同士何か縁があるのか、私達はよく一緒に居る。魔法談義をすることもあれば、唯の雑談で終わることもある。
今日は何を話すことに成るか………。
「ところで魔理沙、異変に急に言ったから会計私が持ったのよ。あなたの分、明日で良いからと返してね」
「………魔理沙、貴女が二週間前に盗っていった魔導書そろそろ必要なの。2日以内に返しなさいよ」
………
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新聞による頭痛からの復帰直後 霧雨魔法店
「何でピント合ってんのここだけなんだよ!」
私は思いっきり枕を殴っていた。
「そして、何で今回に限って他の記事は真面目なのばっかりなんだよ!」
そのまま枕を思いっきり投げ捨てると、枕は本の山にぶつかり倒壊させた。
そんな感じでしばらく荒れた後、財布を握り締めた。
「気分転換だ!欲しかった物買い漁ってやる!」
そうして飛び出した後、私には魔導書を下敷きにした欲しかった物達と大分薄くなった財布が残されていた………。
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「………一週間時間をください」
「「何か言った?」」
目を上げると武装した上海蓬来と、開かれた魔導書が浮かんでいた。
「………解りました」
さっそく更なる出費と明日は一日片付けてすることが決定したのだった。
「ところで魔理沙、これから当面収入どうするのよ?」
「………確かにそうね」
「おいおい、なんの話だ?」
私が問い掛けると、二人は大きく溜め息をついた。
「貴女、お金の事は何も考えて無いのね」
「………魔理沙らしいと言えば魔理沙らしいわ」
「だからなんだよ、一体!?」
私が少しイラッとして問うとアリスが口を開いた。
「魔理沙、貴女の収入源は?」
「へ?あぁ、魔法店の収入と香霖にマジックアイテム作って売り付ける事………」
「………なら魔法店の以来の中で一番お金に成ってるのは?」
そんなの決まっている。
「妖怪退治」
件数は疎らだが、あれが一番収入としては大きい。一回一回の利益が凄まじいからだ。
「でも退治屋なら霊夢も居る。それでもあなたに依頼があるのは異変解決で強さの信頼がある。それなら霊夢に分があるけど、霊夢よりも里に顔を出すことが多いから信頼がある。これは解るわね?」
「まぁ、そうかもな。霊夢の方が強いけど、あいつは自分から神社を離れることは滅多に無いしな」
「………アリスの説明で依頼は強さで霊夢との二択になり、信頼重視なら貴女に来るってことは解ったようね。………でも今貴女はその強さ側の評価が落ちている。………今回の異変の余波で天狗に変化があったのか、人里にも号外のみではあるけど新聞が配られるように成った」
「そうなのか?」
「………えぇ、そして今回の新聞には人間に有益な物の広告が載っていたためかなりの住民が目を通している。………当然貴女の間抜けな姿も」
……………
「まぁ、イメージダウンなんてじきに直るから頑張りなさい。にしても収入減るのが嫌で戦いにいって、かえって収入減るとは皮肉ね」
……………
「なんかあいつのせいで私の生活滅茶苦茶じゃないか。今度会ったらただじゃおかない」
「………それは唯の逆恨みよ。………でも魔理沙を負かした相手、少し興味はあるわね。………どんな奴だったの?」
「あぁ、それが変な奴でな………」
その時、上の方が光った気がしたので全員が上を向いた。
「スペルカード戦ね。あの感じだと『弾幕ごっこ』かしら?やってるのはチルノと………誰かしら?見ない顔ね」
アリスが独り言のように、いや実際独り言なのだろう。誰かが答えるとは思ってないはずだ。でも、私はその疑問の答えを知っていた。
「栂峰虎之助」
「え?」
「………その名前はたしか」
二人も新聞を読んでいたから解ったようだ
「あぁ、私が負けた相手だ」
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side 虎之助
「ふぅ、危なかった」
チルノとの勝負を終えて、降りてみるとまた早苗と小傘が来ていた。横には大妖精と一緒にルーミア・ミスティアが居た。リグルが居ないのはパーフェクトフリーズの余波でかなり冷えているから虫である彼女には厳しい環境なのだろう。
「チルノ、やり過ぎ。こっちにも結構飛んできてたよ」
「ごめん」
チルノ達の会話を聞きながら早苗達に目線を合わせる。
「虎之助くん、自分の封印は危ないですよ!」
「失敗したとき私が気が付かなかったら危ないでしょ!!」
「ごめん」
『封印錠』による収納には似たような作用の『スキマ』や『変化の術』と比べるとデメリットが多い。重量が半分にしか成らない事の他に、南京錠一つにつき1立方メートルの直方体に収まるようにしか収納出来ない。つまり、体積が1立方メートルの像なんかを入れようとしたら出っ張った部分が存在するため入らない。やったことは無いが無理に入れようとすれば物体が壊れてしまうだろう。
そして、これが自分の封印が危険な最大の理由だが、僕の能力はあくまでも『鍵』なので開けるには『鍵穴』が無いと発動出来ない。そして当然南京錠に『内側から開ける鍵穴』なんて物はない。つまり出られなくなる。実際には霊力の残滓の様なもので能力は発動できるが、残滓が残る時間は3秒。つまり3秒以上中にいると自力で出られなくなる。そうなったら小傘が持つ『万能鍵』で開けてもらうのを待つしかない。一応緊急脱出の方法もあるがあまり使いたくない。
今回は残り四秒を身体を抱えるようにして丸くなり時間を稼ぎながら弾の隙間からパームしていた南京錠を投げ、残り三秒と残り二秒の2秒間だけ封印した。残り一秒は動揺で稼いでゲームセットだった。能力で不安感や恐怖心は押し込めるから焦ってミスする可能性は低いがやはり見てる側からすると危なく見えるらしい。まぁ、僕がそういう感情を押し込めるとは誰にも言ってないから仕方無い。押し込めてる感情には『東方project』に関することが高い割合あるから発覚をさせないためにも言うことは出来ない。
「勝つために手段を選ばないタイプなのは分かりますけど程々にして下さいよ」
「まあ言って治るとは思ってないけど……」
「善処する」
さてと、
「ところで僕が勝ったらなんかしてくれるんだよね」
「そうだったわね。さぁ、あたいに出来ることなら何でも言いなさい!」
「だから『何でも』って言うなよ。………人を探したいんだけど良い?」
「分かったわ、誰を探せばいいの?」
「まずは霧雨魔理沙。それから………」
「私がどうかしたか?私もお前に言ってやりたいことがあるんだが」
その時後ろから聞き覚えのある声がした。少し怒気が混ざっている。やっぱり先に対処に動いて正解だったか。
「商売のことだよ。
振り向くと白黒の魔法使いがこちらを向いて立っていた。
「なんだ?前に自分とこ潰されかけたから仕返しか?」
臨戦態勢を取ろうとしている魔理沙を手で制してから説明を始める。
「いや?そんなのしても世間体悪くなるだけだししないよ。やるならそっちの株を買い占める方が効果的だしね。株があるとは思えないけどね。それよりは人手が欲しい」
「人手?」
「そ、人手」
まあ、訳が分からんわな
「僕が『よろず店』とは別で『錠前店』でも動いているのは知ってる?」
「あー、そういやそんな記事もあったような……」
「そう兼業してるわけだ。本当は『よろず店』は『錠前店』が出来るようになるまで最低限の収入を得る手段兼能力の慣らし運転の予定だったんだよね。でも、実際は『錠前店』の相方が予定よりだいぶ早く見つかったから、どっちもやることに成った。そして異変以来『よろず店』にもボチボチ依頼が入るように成ってきた。でも、こっちは今錠前店の方で忙しい。でも、『よろず店』も続けたい」
「贅沢だな」
「かもね。そして人里で上白沢慧音から聞いた話だと、『魔法店』は依頼受付の箱なりは無いから依頼が少ない。だから儲けが少ない」
「ならそっち潰して依頼寄越せよ」
「うちが無かった頃から依頼は少なかっただろう?」
「そ……それは……」
「霧雨魔理沙の人里に訪れるペースは週一回。そして過去の事があるからそれ以上に増やしたくない。だから『魔法店』に依頼箱的な物は無い……だよね?っても妖怪退治は僕は不得手」
「……何が言いたい」
「簡単な話。業務提携しよう」
「………は?」
あぁ、よく解らなかったか?そういう言葉はいつからあるか知らないが、ひょっとしたらまだ幻想郷には無いかもしれない。
「だから、『栂峰よろず店』と『霧雨魔法店』で協力した方が互いの得意分野で依頼をこなせるし、変に依頼の奪い合いしなくてすむから合理的でしょ?なら、そういう関係を結ぼうという提案をしたんだけど……」
「いや、言ってることは伝わってる。たださ、色々やったからマイナスな事をされるかと思ってたから意外だっただけだ」
「そう。なら、そっちも言いたいことあるんでしょ?何?」
「べ、別に何でもないぜ」
誤魔化すような態度をとっている。あぁ、これは明らかに此方に敵意あったわ。先手打って正解だったな。敵対はなるべくしたくない。
「???………。何かあるって言ってた気がするけど………。まぁいいや。で、提携するの?しないの?」
気がついていないふりをしながら、話題を元に戻す。魔理沙は少し考え込むような格好をしてから答える。
「乗った。ただし、金に成りそうなのは貰うからな、虎之助」
「了解……ならそういうことでお願いね、魔理沙さん」
話し方を通常に戻して返事をする。
ちなみに、このとき後ろの方で「どう思う?」「確実に体力的な依頼を押し付ける為ですね」って会話が聞こえて、別に否定しないことにしたのはどうでもいいことであった。本人が
相変わらず、悪知恵の働く僕であった。
前回のラスト十秒の戦いはテンポをある程度求めて細かい制約について述べなかったので書きました。残滓は強く霊力を発してから入ればもう少し伸びるとは思うので、将来はかなり長く入ってられるかもしれません。でも、当分無理でしょうね。
意図してないのに、何故か毎回三人集まってしまう。まぁ、しばらくチルノが案内してくれるから虎之助・チルノでパーティ組んで動いたらいける……よね。
実はここ数話の流れは元々の計画と大分ズレてたりします。自身の封印は終盤用の技でしたし、魔理沙はもっと悲愴的で虎之助が明らかに懐柔してる運びだったし。虎之助はチートって訳ではないはずなので、出力調整しながら書いてます。てか、企画道理に書けた例がない。まぁ、結果的にいい塩梅に成ってるとは思うから良しとしよう。