東方覚醒録〜Don't exist originally   作:tora@812

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 またもや間が空きました。活動報告読んでおられる方には伝わっていると思いますが、僕も投稿ペース落ちそうです。まぁ、それでも生存報告が成立する程度には何かしら上げますのでよろしくお願いします。

 ところでおよそ一月前ですが、『東方覚醒録』が余所様とタイトルがニアミスしました。今はその状態は解消されましたが今後も起こり得るので(てか、こんなありきたりなタイトルがまだ使われてなかった方が奇跡的)タイトルにサブタイを付けて『東方覚醒録~◯◯◯~』にする予定です。それに関することを活動報告:『タイトルの質問《覚醒録の話》』で書いているので、是非ご意見下さい。



第三十五話 紅魔館組

 霧雨魔理沙を上手いこと丸め込んだ僕は、後を追ってきたアリス・マーガトロイドとパチュリー・ノーレッジと話した後、チルノに人探しを任せて紅魔館組のエリアに行ってそこで幾らか錠前店の依頼を取り付けていた。

 

 「………と食料庫の鍵を新調という事でよろしいですか?」

 

 「えぇ、それでお願いします」

 

 紅魔館は元々西洋式という事もあり、鍵自体は存在したが、僕らの感覚からしたらアンティークの部類に入る物ばかりなようだ。

 

 「………これで必要な魔導書まで盗まれずにすむわね」

 

 「(虎之助を上手く使って)(私も開けられるように)

 

 「聞こえてるよ、魔理沙さん?」

 

 「じょ、冗談だぜ」

 

 少し命名決闘のときに使った不安さを煽る笑顔を演じながら泥棒さんに釘をさしておいた。

 

 「なら、近日中にそちらに向かいますね。咲夜さん」

 

 「よろしくお願いしますわ」

 

 十六夜咲夜。東方紅魔郷の5ボスで紅魔館のメイド。種族は人間。保有する能力が『時を操る程度の能力』だったり、それを使った時止めナイフが攻撃パターンだったり、スペカに『ザ・ワールド』があったり、元ネタがジョジョの三部DIOなのだと察せられる所が多い。話し方は今僕が客みたいなものだからで、多分始終敬語という訳では無いだろう。

 

 「咲夜、お話終わった?」

 

 「えぇ、終わりましたよ。妹様」

 

 「分かった。ねぇ、あなた今ヒマ?」

 

 七色の宝石の様なものをぶら下げた翼を持つ、薄い黄色っぽい髪色をした少女が尋ねてくる。

 

 「いや、特に急ぐ用事はないけど何か用?そして誰?」

 

 「ううん。ただ魔理沙に勝ったっていうから気になったの。私はフランドール・スカーレット。紅魔の主の妹。みんなは名前が長いからフランって呼ぶの」

 

 フランドール・スカーレット。紅魔郷のEXボスで紅魔館の主の妹。種族は吸血鬼。およそ495年気が触れているため地下に居た。今は宴会に来てるって事は大丈夫になったのかもしれないが要警戒。保有する程度の能力は『ありとあらゆる物を破壊する程度の能力』。『目』という物質の力が集中している所を手の中に移送し、握り潰す事で破壊するという方法らしい。『目』は多分『物質崩壊点』と同義語だと思う。珍しく理論まで設定がある能力だからか二次では能力の解釈は一貫している。

 

 てか僕この先しばらくそういう話ばかりに成るのか?あぁ、言葉返さないと。えっと、何て呼べば普通だ?僕の使う二人称はフルネームにさん付けだから―――

 

 「フランドールさんも新聞みたの?」

 

 仕事モードって訳じゃないからこれで良いだろうと考えながら尋ねると僕の周りを回りながらフランが答える。

 

 「うん、それに魔理沙に確認したら本当だって言ってたしどんな人かな~って思ったんだけど………あんまり強そうじゃないね。簡単に壊れちゃいそう」

 

 「奇襲メインだから基本なめられてた方が良いんだよね。それに単に魔理沙さんと相性が良かったのもあるし」

 

 「……変なの。普通魔理沙に勝ったら十分自慢出来るのにしないんだ。それに普通略した名前の方を呼ぶのに」

 

 「フランさんの方が良い?」

 

 「どっちでもいいよ。ちょっと略さずに呼ばれたのが久しぶりだったから驚いただけ」

 

 「うーん、愛称でならともかく、普通に呼ぶなら略さないかな?その方が僕の主観で()()だと思うから」

 

 「そうかな?」

 

 「そうだよ」

 

 「ふ〜ん」

 

 ここから変えても不自然だから今のままでいくか。

 

 「虎之…助……だっけ?」

 

 「うん」

 

 「貴方の名前も長いね」

 

 「あまり考えたこと無かったけど確かにそうかもね。言いにくい?」

 

 「ちょっとだけ。まぁ、いつも会う訳じゃ無いから別に良いけどね」

 

 『つがみね とらのすけ』確かに外国出身には言いにくいかもな。………てか冷静に考えたら、和名の東方キャラって小文字を一音に数えなかったら大抵二・三文字だな。早苗、小傘、霊夢、魔理沙、咲夜、文。四字以上って鈴仙と永琳と霖之助ぐらいか?でも鈴仙は『れーせん』、永琳は『えーりん』、霖之助は『こーりん』だから実質三音……。外国勢力相手の交渉の最大の敵は自分の名前か。

 

 「あいつも貴方の名前、何度もかんでたしね」

 

 「あいつ?」

 

 「こらこら、お姉さまをあいつ呼ばわりしないの」

 

 ふと気が付くと、フランの後ろに銀髪で蝙蝠の翼を持つものがいた。

 

 「あら、いつの間に後ろに居ましたの?お姉様」

 

 「さっきから」

 

 「姉?」

 

 「そ、レミリア」

 

 レミリア・スカーレット。紅魔郷の6ボスで紅魔館当主。種族は吸血鬼で、所有する程度の能力は『運命を操る程度の能力』なのだけど、公式の描写が無くいまいち良く分からない。だいたい、レミリアは公式の出番そこそこある割に詳細情報があまり出てない気がする。吸血鬼異変への関わりすら分からない。正直月のあれもあんまり気にしてない気もするし。

 

 「だから、呼び捨てにもしないの」

 

 そういえばフランの口調、レミリアが来てから変わったような……。気のせいじゃないな無いな。………なんて言うか芝居っぽい。

 

 「どうせそいつと話すんでしょ。私はその辺ふらふらしてるから」

 

 そういうと傘を持って駆け出していった。

 

 「一人で行かせて良いんですか?」

 

 「今日は特に問題無いから良いのよ……。(それに私には……)

 

 次第に小さくなる声は最後まで僕に届くことは無く、夕暮れの次第に深くなる闇に溶けていく。幻想郷でも上位に位置する力を持つはずの吸血鬼の姿は少し突いただけで壊れそうなほど脆く見えた。

 

 「……僕が口出しして良い問題じゃ無いのは分かってるつもりですけど一言。せっかく居る肉親なんだからすれ違うのは悲しいですよ。居ること自体が幸せだし、居てもいつ居なくなるか解らないですから」

 

 少し悲しげな声にしてそう告げた。

 

 「そうね、分かってる………。その言葉、一応覚えておくわ」

 

 仕切り直してレミリアが話し出す。

 

 「せっかく外の世界の人間が来たのだから話してみたいと思ってね。今ヒマかしら?とりゃの……。今のなし」

 

 顔を赤くしてコホンと咳払いをし、再び仕切り直す。

 

 「せっかく外の世界の人間が来たのだから話してみたいと思ってね。今ヒマかしら?虎之助」

 

 苦笑して言葉を返す。

 

 「えぇ、チルノが人を探し終えるまで暇ですから」

 

 「なら、あっちにテーブルが有るから行きましょう。でも、神社って狭いから探し人も直ぐに終わるんじゃ無いかしら?」

 

 そりゃ紅魔館と比べたら狭いだろうけど結構広いと思うんだけどなぁ、博麗神社。

 

 「大丈夫ですよ。絶対時間かかりますから」

 

 「何故?」

 

 「頼んだのはスキマ探しですから」

 

 「ふふ、それは沢山お話し出来そうね」

 

 この後外の世界の話をから外のロケットの話に移り、今度は幻想郷の事を聞こうとするとまず紅魔勢の話になり、そのままチルノが来るまでの間フランの話をずーっと聞かされるとはこのときの僕はまだ知らなかったのだった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ちなみにその頃 side 小傘

 

 「いつもより多めに回しておりま~~す」

 

 まともな収入源は手には入ったけど、いつもの癖で神社の隅でお小遣い稼ぎの傘回しをしていた。流石に人間の友達の出来たとこだし、その友達はまだこっちのノリに慣れてないから、いつもの頭蓋骨でなく鞠や升だけどもね。

 

 「結構稼げたからそろそろいいかな」

 

 殆ど身一つでやる芸だし升はその辺にいくらでも転がってる。手軽に稼げるいい手段だと思う。

 

 鞠をその辺で遊んでた子に返して歩き出す。その時、木の影から女の子の声がした。

 

 「??。誰か居るのかな?」

 

 恐る恐る影を覗き込む。するとそこには七色の宝石の翼を持つ女の子が頭を抱えて丸くなっていた。耳をすますと───

 

 

 

 

 

 「わぁぉぉ、どうしよう!またお姉様をアイツなんて言っちゃった!!違うの!他の人に話すときにお姉様の話なんてしたら顔が赤くなっちゃうんだもん!だってお姉様ってカッコいいし、キレイだし、優しいんだもん。だからお姉様の事考えるとすぐ赤くなっちゃうんだもん。だから恥ずかしいの!でもこんなの言って嫌われたらイヤだし………。

 

 さっきの私のバカバカバカ。お姉様になんて態度とってるの!いくら照れ隠しだからってお姉様に失礼だよ!!どうしよう………お姉様怒ってないかな?いや、お姉様はこのぐらいで怒るほど器の小さな人じゃない!だってお姉様だもん!!でも、お姉様にあの態度は駄目だよ私のバカぁぁぁぁぁ

 

 最近私、お姉様に嫌われるような事ばっかりしてる気がするよぉ!!!お姉様に嫌われてないよね。お姉様って器は大きいから怒らないだろうけど意外と繊細だから………。でも、お姉様傷付いても私には弱いところ見せてくれないんだよね。やっぱり嫌われてるのかな?お姉様嫌わないで!!

 

 ダメよ私、お姉様にワガママ言っちゃ。私が悪い子だからお姉様を苦しめてるのに、私のバカバカバカバカ。頑張らないと、だって私はお姉様の妹だもん。お姉様の側にいるのに相応しい吸血鬼に成るんだ。………よし、帰ろ……う」

 

 

 

 

 

 立ち上がった女の子とバッチリ目が合う。

 

 

 

 

 

 「…………こ、こんばんは」

 

 「…………みたの?」

 

 「…………」

 

 

 

 

 

 「お願い、今の誰にも言わないで!特にお姉様には言わないで!!恥ずかしいから言わないで!お願い!!」

 

 詰め寄ってきて、真っ赤な顔の女の子に懇願された。すごく可愛い子にこんな風に頼まれたら断れない。

 

 「分かった。誰にも言わないよ」

 

 「絶対?」

 

 「絶対」

 

 これが私と私の妖怪としての初めての友達に成るフランちゃんとの最初の出会いだった。まぁ、この時はそんな仲良くなるなんて思わなかったけどね。




 紅魔館組はwin版東方界でも最古参ですし、紅魔組には主人公してもらう場面も多いと思います。特に終盤にかけての出番は多くなると思います。

 フランはお姉様大好きキャラにしました。姉妹揃って素直に成れないのでなんか噛み合わないです。でも、二人とも互いのことが大好きなのは一貫しているのでうまく書いていきたいです。

 美鈴と小悪魔は挟み込むスペースが無かったので書きませんでしたが一応来てる設定です。現在紅魔館はパチュリーの高性能結界で守ってます。

 美鈴は次章で活躍というか過去に触れるつもりだから今は勘弁してください。

 小悪魔は大雑把に設定は決まっているものの、最後一つのピースが決まらないです。同じ名無しの中ボスである大妖精は初期構想段階で殆ど完成してたんですけどね。構想タイトルが『東方過去綴』だった頃にどちらもネタは思い付いてたのですがね。

 感想、批評、評価、誤字報告等々お待ちしています。それと活動報告:『タイトルの質問《覚醒録の話》』にもコメントお願いします。
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