東方覚醒録〜Don't exist originally 作:tora@812
今回は早い目に上げれたな。4日ぶり。でも、ちょっとクオリティ落ちたかもだけど。
夜雀の屋台 side 虎之助
「あいてます?」
「あいてますよ、どうぞ」
適当に注文して腰掛ける。
「お客さん、さっき外で弾幕ごっこしてた人?」
「ん?そうですけど?」
「チルノが迷惑かけたみたいですいませんね」
「あれ?あの氷精の知り合いですか?」
「はい、友達です。ミスティア・ローレライです。皆からはミスチーと呼ばれてます」
『ミスティア・ローレライ』、東方永夜抄の2ボス。自身が鳥の妖怪の為、焼鳥屋撲滅の為に屋台を出している。能力は『歌で人を惑わす程度の能力』で早い話が彼女の歌を聴くと鳥目に成る。将来はどっかの寺の門前のヤマビコとパンクロックのグループを結成するはずだ。公式で出てたときはギターっぽかった。小傘もそうだけど、幻想郷の少女は芸の振幅が広い。
「栂峰虎之助、鍵屋兼何でも屋です。弾幕ごっこは楽しませて貰いました。弾幕戦自体はわりと好きですし。しかしミスティアさんは何か雰囲気大人っぽいですね」
「そんなこと無いです、仕事モードなだけですよ。でも男の人の割には珍しいですね。『決闘』の方ならともかく『ごっこ』は男の人あまりやらないから」
あぁ、そういや少女の遊びだっけ?
「かわすだけってのも大事ですよ。人間なんて基本耐久も火力も無いし。それに外来人だからかもしれないけど、野郎も割と派手好きな所ありますから」
「あっ、外来人なんですね。やっぱり外と内じゃ色々違うんですかね?どうぞ」
「ですかね?ありがとうございます」
まぁ、僕は『外』というなら究極の『外の世界』の人間だけど……。
「……あの……、何かおかしなところありました?料理見ながら固まってますけど?」
「えっ?……あぁ、何でもないですよ、全然」
「???、そうですか?なら良いですけど……。ひょっとして嫌なこと思い出させてしまったんじゃないかな~って」
ある意味当たってる。ミスチーは多分『外界での嫌な記憶』を思い出させたと思ってる。でも、本当は『自分がこの世界の者じゃ無いこと』を思い出してしまっただけ。でもまぁ、勘違いしてもらった方がありがたい。
「まぁ、………望んで住む世界を変える程度には……ね」
言葉自体は嘘ではない。実際望んで幻想入りしたし、向こうに住みやすい環境があった訳でもない。外界は僕からしたら今世の親に
「え~っと、そういえば虎之助さんってウナギの蒲焼きって言ったらどうですか?」
話題変えようとしてるのだろう。何故その話題なのかは疑問だけど。……しかしどうしよう?脳内で考えてから笑顔を演じて話を返す。
「親が転勤族……えっと、家替えが多かったのでどの文化圏ってのが無かったんですよね」
早苗も僕の出身は知らないから今後はこれで通そう。この話は嘘、転勤は今回が初めて。僕は前世が比較的関西文化圏の海沿いの田舎、今世が関東文化圏の都会出身だ。だから最初は色々苦労した。『ちくわぶ』ってなんだよ……、昔どっかの教育テレビでやってたおでんの具のアニメにそんな名前の奴居たけど竹輪をもじった何かだと思ってたわ。おかげで色々ごった煮な感覚に成ってしまった。だから転勤族設定で幻想郷では演じた方が良い。そうしないと説明が付かなくなる。
「そうなんですか?」
「そうそう、でも関西よりな地域が多かったかな?」
話しながら不可視の錠前を酒に落とし、アルコールを先に分解しておく。幻想入りしてから酔ってボロを出さないようにいつも人前で飲むときはこうして酔いすぎないように調整している。まぁ、元々が割と外の世界基準で強い方だからそんなに強くは意識していないが。
「何となくそっちよりな感覚が多い気がする」
「さっき守矢の風祝が来てたんですけどその人は境界線上の地域だって言ってましたよ」
「早苗来てたんだ、そういやそんなこと言ってたような言ってなかったような」
「あぁ、お知り合いでしたか。世界は狭いですね」
「ですね」
ハハっと、笑っていると後ろに人の気配がした。
「相席いいかい?」
あぁ、客か。振り返ると大鎌を持った赤毛の女性が一人。
「本当に幻想郷は色んな奴が居ますね。お迎えはちと早いと思いますよ、死神さん」
ちょっと敵意的な物を出しておく。
「嫌々、あたいは三途の川の船頭さ。お迎えは余程の事が無い限りしないよ。気になるなら鎌は預けとこうか?」
「いや、別にいいです」
「なら、隣失礼するよ」
「どうぞ」
「女将いつものね」
「はい、解りました」
よく来ているのかと問えば、週1・2回ぐらいは来てるらしい。オススメを聞いてみたら結構詳しく教えてくれた。
「ところで、私をお迎えだと思ったってことは外来人かい?」
「えぇ、ひと月ぐらい前に来たところです」
「ふ~ん、よく無事に保護されたもんだね」
「あぁ、知り合いと一緒に飛び込んだんでその点は大丈夫でしたよ。ほら、今回の異変主犯の神社です」
「そうなのかい?私あんまり新聞読まないからさ。ほら、職業柄そんなに情報が居るわけじゃないしね。今回も山に出来た神社が珍しく博麗の巫女に正面から喧嘩ふっかけた程度にしか知らないよ」
「小町さん、割と情報遅いですからね。新聞ありますけど読みます?」
「あぁ、ありがとう女将」
『
「しかし、神社のとこってことは禰宜かなんかかい?」
「あ、友人は風祝ですけど僕はそういうんじゃないです。友人に誘われて来ただけで」
「おいおい、向こうに家族も居るだろうに誘われただけで幻想入りとは変な奴だね」
「向こうの関係なんて親に育ててもらった恩があるだけですよ」
「『だけ』なんて薄情だね。親が聞いたら泣くよ。いや、忘れられてるだろうけど、それでよかったのかい?」
少し目線を杯に落とす。
普通はそうなんだろうな。早苗みたいに親と絶縁関係だった訳でもないのに、ただ友人が出来ただけで、それも出会ってすぐの関係も浅いのに今の関係を即座に捨てる決断をする。普通に考えたら頭おかしい。普通もうちょっと考えるはずだ。
早苗に誘われた日、神社に寄ったときも二柱さんには説得しようとされた。関係が冷えてない親が居るならその親との事も考えるべきだと。当然だろう。しない方がおかしい。
だけど、僕からしたら深い関係でも無かった。心が前世の影響を受けてるから前の親に引っ張られてるのもあるとは思う。でも、親だろう。そう言われたら確かに『親』ではある。親ではあるけど。『僕からしたら、二人は今世の親ということに成る』なんて歯切れの悪い言い方ではないか。
考えてみて欲しい。感覚がズレている。神仏否定の世界に納得いかず反発したこともある。それだけが友人を作らず、人も近づかなかった理由なるだろうか?普通『友達なんて居ない』って言う奴でも大抵側に良くも悪くも何かしらの関係があった経験はある。『神が居ても可笑しくない』と言ったのは小学生の一年の時だ。いくらこの世界が自分達が信じないからとの理由で宗教なんかの否定、要するに『
「だって、本当に『だけ』ですもん。だって……
………だって僕、捨て子ですから」
小町さんがしまったって顔をしているがここまで来たら吐き出した方が楽だ。杯の中身を空けて言葉を続ける。
「確かにあの人達は『育て親』だったけど血の繋がりもない。薄情かもしれないけど、親だけど親じゃなかった。むしろ捨て子だった事が外じゃ枷だった。感謝はしてるけどしてるだけ………本当に薄情ですね。僕は」
少し飲み過ぎたかな。感傷的なことを考えることはあっても、口に出すなんてキャラじゃ無いのに。
「………悪いことを聞いたね。すまない」
「いえ、気にしてませんから。ある程度の知り合いには自分からあかしている程度の事です。ここはそんな事気にしない人は多いですし。……あなた気にする人ですか?」
「いや、そんなの気にするなら霊と話すことの多い船頭なんて仕事してないよ」
「ならいいです。まぁ、正直相手がそれでどうのこうのしようとするのが嫌いなだけで捨てられたら事自体に対しては記憶も無かったし別に何とも思ってないですし」
「………強いな」
「弱いですよ。弱いから流されてるだけ………。全部諦めてるから、抗って無いから、それが何もかも受け入れてるように見えてるだけ。『全てを受け入れる』こと程残酷な事は無い、とここの賢者は言ったそうですがなんとなく分かりますよね。………僕に言う資格無いだろうけど。結局逃げてるだけなんですよ、正面から向かい合うことから」
少し考えるようにしてから小町が口を開く。
「………、さっきも言ったけどあたいは三途の川の船頭なんだよ。色んな奴を見てきた。戦ってきたやつ。負けてきたやつ。………当然、逃げてきたやつも沢山居た。でも、少なくともあたいが見てきた中では逃げてきた事が原因で地獄に行った奴は居なかった。だから……きっと逃げることは罪じゃ無い。それは逃げてて見える何かもあるって事だと思う」
「………分からないですね」
「いつか分かるさ。ここは幻想郷、
「……あなたは……見つけることは出来ましたか?」
小町さんは影で表情は見えなかったが少し間をおいて答えた。
「……さぁね」
「……幻想郷の先輩の言葉。一応、頭に留めておきます」
「そうしときな。まだ飲むかい?」
「いえ、止めときます。ミスティアさん、勘定お願いします」
「なら、あたいも帰ろうかな?」
お代を払って屋台を出た。いい時間に成ったので小傘と合流して錠前店の物を片付けて守矢と一緒に引き上げた。
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彼岸 side 小町
「小町!また勝手に抜けてましたね!」
あぁ、しまった。思ったより時間がかかってしまったから見つかった!これは……長くなりそうだね。いつもの様に正座をさせられながらそう思った。
「で、今日は何していたのですか?」
「……はい、博麗の方の神社で異変解決の宴会をしていたのでそちらに行って飲んでました」
「あなたはいつも―――」
「今日はこの辺にしておきます。明日はちゃんと最後まで働くこと」
「……はい、分かりましたよ」
立ち上がり、少し歩き出したところで立ち止まり、振り返らず尋ねる。
「映姫様、逃げることそのものは罪ですかね?」
「なんですか、急に?」
「いや、今日一緒に飲んでた奴のこと思い出したんで」
少し考えてから答えがくる。
「逃げることや流されてることは、その場で抗えば傷つくと察して起こる防衛本能です。その事自体にはなんの罪もありません。生き残るための逃げはありです。ですが、ただ逃げ続けるだけではいけません。逃げた先で答えを見つけられなければ、それが一番の罪です。当然、あなたも……」
「映姫様」
話を遮る。
「その話は……」
「……はぁ、分かりました。しかし、幻想郷の住民でそんなことを口に出すなんて変わった者も居たものですね」
「居たんじゃなくて来たらしいですよ。守矢のおまけみたいに幻想入りしたって言ってましたよ」
「守矢の………」
「どうかしました?」
「いえ、何も」
「なら帰ります」
「えぇ、また」
少しだけ歩いてふと思い出した。
「映姫様、明日あたい非番だったはずじゃ」
「今日休んだでしょう。明日は働きなさい。これが今の貴方が積める善行よ」
そう言った映姫様の顔は凄く良い笑顔だった。
一度も『肉親』と言った覚えは無いですよ?(言ってなかったよね?)
小町の映姫の呼び方って『四季様(花映塚)』と『映姫様(三月精)』の二つあるそうですが、どっちがメジャーなのでしょうか?てか、三月精の時期が分からないので小町の心境に変化があった結果だとしても風神録の頃がどっちだか分からないです。やっぱ三月精買うべきなんだろうけど最近出費が………。誰か三月精のそのエピソードの時期を教えて下さいませんか?分からなければ何話かでも良いですよ。東方wikiで時系列調べますから。
多分次の話で風宴会終われるかな?その後は『解説〜東方風宴会〜』→『The Grimoire of Marisa&戦術確認用ノート』(魔理沙によるスペルカード解説&虎之助の記録による非スペルカード技解説)→『Character's file』(よくあるキャラ解説風の現在登場キャラまとめ)→『Q&A メイン主役組』(解説回次元の三人に色々質問します。メタ次元なのでお互いに本編に影響無く話せます。メタ次元は本編に関係ない。小傘にわざわざ記憶封じしてた?そこは大嘘憑きで無かったことにしてください)って流れで行きます。仮タイトルなので変わるかもです。あと、質問あったらまだ受け付けてますよ。
感想、批評、評価、誤字報告等々お待ちしています。