レッドファイト!! THE NEW STAGE 作:剣音レツ
またラストでは『VSギエロン星獣』との繋がりを思わせるシーンもあります!
では、どうぞ!
周りに崖が立ち並ぶ、ほとんど緑がないとある広場。
この場所を、しばしば決戦の場にしている孤高の戦士が一人いる。
今、その戦士が遠くから悠然と歩いて来ていた…。
清朝の暖帽をかぶったような形状の頭部に銀色の手袋・ブーツ・ベルトを付けており、独楽の上にアンテナが立ったような形状の耳…そして何より真っ赤なボディが特徴の“赤いアイツ”。
今ここに『レッドマン』の登場だ!
レッドマンは、レッド星雲レッド星出身の銀河連邦の一員であり、日々人知れず地球上に現れる怪獣や宇宙人と孤高の戦いを繰り広げている。
…ここまでを見るとウルトラマンと変わらないただの正義の味方なのだが、問題はその“やり方”である!
奴は怪獣を見つけるや、例えその怪獣がただ野原を徘徊しているだけで何もしていなくても猛然と襲い掛かるのである!
そして捕まえて格闘をした後のフィニッシュも、これまたえげつない…!
ウルトラマンのように光線技ではなく、短剣に似た大型ナイフ『レッドナイフ』と石突が十字型の槍『レッドアロー』…そう、所謂“凶器”で止めを刺すことが多いのだ!
ある時はマウントを取って滅多刺し、ある時はナイフで首チョンパ…敵が二体以上の時はアローでまとめて串刺しにする事もあるのである…!
はて、奴は強い使命感故にやっているのか、それとも怪獣に私怨があってやっているのか…?
とにかく、これらのヒーローらしからぬやり方から、奴は“赤い通り魔”とも言われ恐れられているのである!
そんなレッドマン。周りに崖が並び立つ広場に悠然と歩いて来ると、ふと足を止める…。
いつにも増して真剣な奴の眼差しの先には、四匹の『円盤生物』が待ち構えていた…!
一匹目は、鳥のような姿が特徴の『サタンモア』、
二匹目は、てるてる坊主のような姿が特徴の『ノーバ』、
三匹目は、上記二匹とは打って変わって、頭部の二本の触角、タコのような口、ビニール製のレインコートを着たようないかにも奇妙な姿が特徴の『ブニョ』、
そして四匹目は、丸い体の前後に二本の角が生え、長い尻尾が特徴の、円盤とドラゴンが合わさったような姿をしている『ブラックエンド』である!
遂に、残り四体もの円盤生物軍団が、レッドマンに総攻撃を仕掛けて来たのである!
これまで円盤生物はレッドマンを倒そうと二度に渡って軍団で攻めて来たが、ことごとく惨殺されてきた…。
そのため今回は、そんなレッドマンに最後の決戦を挑むつもりで、最強クラスとも言える面子が揃ったのである!
立ち尽くしながら円盤生物を見つめるレッドマンも、どこかいつもよりも真剣な目つきになっているようであった…。
因みにブニョだが、一応“円盤生物”としてカウントされてはいるものの、自身は“宇宙人”を自称しており、円盤形態も取らず、自我も強い事から実際は円盤生物かどうか曖昧な存在でもあるのだ。
一説にはブラックスターの星人そのものとも言われている。
やがて両者は対峙したまま、円盤生物達は身構え始め、レッドマンも両肩を大きく回して呼吸を整える…。
「レッドファイッッ!!」
やがてレッドマンは戦闘開始の口上を上げながらファイティングポーズを取る!
円盤生物達も攻撃を開始する!
まずはサタンモアがレッドマン目掛けて突っ込んで行く!
「レッドナイフ!」
“カキーン”
レッドマンはすぐさまレッドナイフを取り出し、サタンモアの嘴を突き立てた突進を受け止め、そのまま両者は力比べを始める。
だが、レッドマンはその間にノーバの伸ばして来た右腕の鞭を、無防備だった左脚に巻き付けられ、そしてノーバが思い切り右腕を引っ張った事でレッドマンは仰向けで転倒する!
ノーバは左脚に鞭を巻き付けて捕えたレッドマンをそのまま自身の方に引きずり込み、やがて左手の大鎌を振り下ろして攻撃を仕掛ける!
“カキーン”
レッドマンは両手持ちのレッドナイフでそれを受け止めて防ぎ、その隙に右足でノーバの腹を蹴って怯ませた隙に地面を転がってその場を逃れる。
立ち上がったレッドマン目掛け、今度はブニョが口から火花状の『ジェット火炎』を噴きつけて攻撃を仕掛ける!
「レッドジャンプ!」
レッドマンは大きくジャンプしてブニョを跳び越える事でジェット火炎をかわして着地し、かわあされたジェット火炎はブラックエンドに当たりそうになるが、ブラックエンドはすぐさま口から高熱火炎『デスマグマ』を噴き出す事でそれを相殺した。
振り向いたブニョは、今度はレッドマンの足元目掛けて口から『スリップオイル』を噴きつける!
たちまち足元が黒いオイルで満ちてしまったレッドマンはその場で滑って転んでしまい、その後も全身がオイルで滑るため、なかなか立ち上がる態勢を取れない…!
更にブニョは、口から宇宙光線を束ねて造られた『宇宙ロープ』を吹き出し、レッドマンの右腕に巻き付ける!
ロープを引っ張る事でレッドマンを無理矢理立たせたブニョは、両腕でレッドマンの体を掴み、完全に捕らえてしまった!
身動きの取れなくなったレッドマン。チャンスとばかりにサタンモアは後ろから何度も背中を嘴で突いて攻撃し、ノーバは鞭で何度も叩きつけ、そしてブラックエンドは自慢の長い尻尾で何度も打撃を与えていく…。
危うしなレッドマン!
しかし、赤い体がオイルによって瞬く間に黒く染まりつつあるレッドマン………自身の誇らしい真っ赤なボディを汚された事に対し、怒りがヒシヒシと湧いて来ていた…!
そして今、そんな怒り心頭な“赤いアイツ”の大逆転劇が始まる!
嘴でレッドマンの背中を何度も突いたサタンモアは一旦離れ、目を光らせた後そこから破壊光線を発射する!
…だが、光線発射の時を待っていたレッドマンは、捕えられているまま無理矢理力を入れてブニョをサタンモアの前に来るようにする。
“ドガーン”
やがてサタンモアの光線は誤ってブニョの頭部に命中して爆発し、それにより触角が破壊された事から、元々体が軟体性のブニョは遂に重力に耐えられなくなり弱体化する。
レッドマンは、弱ったブニョを仰向けに押し倒すと同時にマウントを取る。
“ザシュッ ザシュッ ザシュッ”
そして、右手持ちのレッドナイフを何度も頭部に振り下ろして突き刺した!
頭部を何度も刺されたブニョは、その部位から緑色の体液を噴き出していき、やがてそこを中心に徐々に体が全て溶けて液体化した後に消滅した…。
ブニョを仕留めたレッドマンは、黒くなった体で、殺気立った表情で残りの三体の方を振り向く!
その様子は正に「次はお前らだ!」と呼び掛けているようであり恐怖を感じるモノである。
残り三体も案の定身構えていた。無理もない。(『ブラック指令』の協力があったとはいえ)一度はレオを死に追いやったブニョがこうも簡単にやられてしまったのだから…。
だが、円盤生物たちは怯まず反撃を始める。
ノーバは左右に振るえたりなどトリッキーな動きでレッドマンの目の前に急接近し、それによりレッドマンはふと驚く仕草を見せる。
そしてレッドマンの目前までに来たノーバは首をかしげるような動作を見せる。
恐らく、ノーバは掴み所のないトリッキーな動きでレッドマンを翻弄しようとしているのであろう。
実際『ウルトラマンオーブ・バーンマイト』も見事にこの術にハマってしまったのだから…。
だが、レッドマンは違った!
「イヤッ!」
レッドマンはノーバの術に惑わされる事無く、逆に両手でノーバの顔を鷲掴みしそのまま握り潰し始める!
まるで風船かクッションのように丸い顔が潰れていくノーバ。たまらず反撃として口から赤い毒ガス『レッドクレイジーガス』を吐き出す!
…だが、ここが運の尽きの瞬間であった…。
よーく考えてみよう…浴びた相手を“凶暴化させる”ガスをレッドマンに浴びせて良かったのであろうか…?
…案の定、ガスを至近距離で顔面に浴びたレッドマンは、何やら狂ったように高笑いをするような仕草を取る!
ガスが回って来た証拠だ!
反撃のつもりでやったはずの事が、ただでさえ戦闘狂のレッドマンを更に凶暴化させてしまったのである!
「レッドアロー!」
“ザシュッ”
いつもより荒っぽい声でレッドアローを取り出したレッドマンは、それを勢いよくノーバの口に突き刺す!
「レッドサンダー!」
そしてそのまま『レッドサンダー』を発動させ、レッドアローを通じて相手の体内に流し込む荒技『レッドゼロサンダー』をぶち込む!
破壊光線を体内に流し込まれたノーバは全身から青白い電気を走らせながら動きを止める。
「レッドキック!」
“バゴンッ”
レッドマンは動きを止めたノーバに、ややアウトロー気味に放った必殺キック『レッドキック』を叩き込んで吹っ飛ばし、蹴飛ばされたノーバは上空で花火のように大爆発して散った。
あとはサタンモアとブラックエンドだけである!
ブラックエンドはレッドマン目掛けて高熱火炎『デスマグマ』を噴射する!
普通ならここでレッドジャンプで跳躍してかわすレッドマンなのだが、完全に狂気に拍車がかかった今回は違う!
なんと手に持ったレッドナイフを前に突き出し、そのまま火炎を切り裂いて相殺しながらブラックエンドに駆け寄る!
切り裂いた火炎の流れ弾が多少体に当たり焼けながらも怯まず走り続け、ブラックエンドとの距離を詰めていく…!
もはや理性崩壊により、痛みすらほとんど感じなくなっているのであろうか…?
やがて接近に成功したレッドマンはブラックエンドに組み付き、そのまま狂ったようにパンチやチョップを連打していく!
その隙にサタンモアが再び嘴を突き立とうと接近していくが、レッドマンの無茶苦茶な打撃の流れ弾を頭部に喰らってしまい、たまらず地面に落下する。
レッドマンは落下したサタンモアに気付き、それを拾い上げる…。
“ザシュッ”
そして、なんとサタンモアの嘴をブラックエンドの体に突き刺してしまった!
ブラックエンドは驚きと共に痛みにより錯乱し始め、嘴をブラックエンドの体に突き刺さられたサタンモアは身動きが取れなくなってしまった!
「レッドナイフ!」
“ザシュッ”
レッドマンは、再び手に取ったレッドナイフでサタンモアの首を斬り裂いた!
それによりサタンモアの頭部と首から下の体が離れてしまい、体の方は力なく地面に落下し、頭部も目の光を失って完全に息絶えた…。
最後に残ったブラックエンドは、サタンモアの頭部が体に刺さった状態のまま最後の力を振り絞ってレッドマンに襲い掛かる!
ブラックエンドは、自身に組み付いているレッドマンを、腕にも似た二本角で挟み込んで捕える。
そしてそのまま尻尾の先端による一突きを胸部に打ち込んで吹っ飛ばした。
地面を転がったレッドマンはすぐさま体勢を立て直そうと膝を付くが、更にブラックエンドの放った尻尾の一撃を喰らい再び吹っ飛んだ。
流石はブラックスター最強の円盤生物であり、かつてはレオを苦戦させただけあり、レッドマンをそれなりに手こずらせるブラックエンド。
だが、凶暴化したレッドマンの猛攻を喰らい、更に深手も負っている今、消耗は激しかった…!
レッドマンは再びブラックエンドに接近すると、両腕で二本角を掴み力任せに引っ張り始める…!
時折足で押さえ込みながらも引っ張り続け、やがて角は根元から爆発と共に抜けてしまった!
折られると力が半減してしまうという弱点でもある角を抜かれえたブラックエンドは完全に弱体化してしまった。
「トォーッ!」
“ザシュッ ザシュッ”
レッドマンは引き抜いた角を持って急接近すると、一本を体の側面、もう一本を頭部にそれぞれ突き刺した!
ブラックエンドはしばらく痙攣した後完全に息絶え、その場に崩れるように倒れてしまった…。
遂に最後の円盤生物・ブラックエンドを倒したレッドマン。だが、これで終わりではなかった!
レッドマンはブラックエンドの死骸の尻尾を掴むと、そのまま引きずりながら崖淵へと駆け始める!
「レッドフォール!」
やがてレッドマンは崖淵まで来ると、ブラックエンドの死骸を頭上高く担ぎ上げ、谷底目掛けて思い切り放り投げた!
これは虫の息となった怪獣へのトドメとして使用する投げ技『レッドフォール』である。
谷底に落下していくブラックエンドの死骸。やがて地面に衝突した印として、激しい衝撃音と共にレッドマンの周囲に地響きが走った…。
すべての円盤生物を倒したレッドマンは、それらの死骸が転がる辺りを歩き始め、そして一匹ずつ見つめていく…。
これは怪獣を倒した後、死んだかどうか入念に確認する『レッドチェック』とも言われている…。
レッドマンがレッドチェックをしている最中、そんな様子を遠くで見つめる一つの人間大の影があった…。
黒ずくめの服に身を包み、黒いハットをかぶっており、手にはそれぞれステッキと水晶玉を持っているその男は悔しそうな素振りを見せている…。
奴はブラックスターから地球侵略のために差し向けられた刺客『ブラック指令』である!
恐らくレオを倒そうとしたかつてのブラック指令のように、地球侵略に邪魔なレッドマンを倒すべく円盤生物を送り込んで来たがことごとく倒されてしまった事に悔しがっているのであろう…。
やがてブラック指令はまた出直そうと振り向き、地球を出ようと飛び立とうとするが、その直後に何やら強い殺気を感じて恐る恐る振り向く…。
その視線の先には、なんとレッドチェックを終え、いつの間にか等身大になっていたレッドマンが立っていたのだ!
円盤生物を全て倒したレッドマンは、遂にその黒幕にも気づき、ついでに倒してしまおうとやって来たのであろう…!
ブラック指令は驚きつつも、左手に持ったステッキを振るって殴り掛かるが、レッドマンはすぐさまそれをレッドアローで受け止めて防ぎ、腹部に蹴りを叩き込んで転倒させた。
蹴飛ばされた事によりステッキを手放してしまったブラック指令は、仰向けで尻を付いたまま恐怖心により後ずさりを始める…。
そんなブラック指令にレッドマンは問答無用で接近し、詰め寄る。
その様子はまるで「敗者に相応しいエンディングを見せてやる!」と言い放っているようで確かに恐怖を感じる。
レッドマンは、ブラック指令の円盤生物を操っていた水晶玉を持っている右腕を掴み、無理矢理引き寄せ始める…!
ブラック指令は引き離そうと必死に掴まれた腕を振って抵抗するが、強く握ったレッドマンの手は、それを放さない…!
「レッドナイフ!」
“ザシュッ”
レッドマンは手に持ったレッドナイフでブラック指令の右手を手首から切り落としてしまった!
ブラック指令は痛みや苦しみにより、辺りをのたうち回り始める…!
レッドマンはそんなブラック指令を他所に、地面に転がった水晶玉を見下ろす…。
“バリンッ”
“ビキビキ…”
やがてレッドマンは右足を振り上げると、水晶玉を思い切り踏みつけて粉々に砕いてしまった!
そしてブラック指令も、水晶玉を破壊された事により、悶絶した後完全に息絶えてその場に倒れ込んでしまった…。
ブラック指令の死体はやがて泡となって消滅した…。
黒幕であるブラック指令をも逃さず倒したレッドマンは上を向き、勝利のポーズでもある右手を高く揚げるポーズをどこか満足げに決めた。
そして背を向け、何処かへと歩き去って行った…。
…だが、円盤生物は実はこれで終わりではなかった…!
宇宙空間では、何やら円盤のような形状の頭部に、全体的にメカニカルな外見が特徴の円盤生物が地球を見つめていた…。
これは『ロベルガー』という、『ウルトラマンメビウス』が地球に滞在していた時に出現した新種の円盤生物である!
ブラック指令は万が一全滅した時の為に、ひっそりとロベルガーを待機させていたのである!
『レッドマン、抹殺…!』
ロベルガーはそう発声した後、何処かへと飛び去って行った…。
新たに自分を狙う者が現れた事を今は知るはずも無い赤い通り魔・レッドマン。
いずれはロベルガーと激突する日が来るであろう…。
決して油断するな!レッドマン!
戦え!レッドマン!
ここで余談だが、更に同じ頃、ブラック指令や円盤生物の出身でもある悪魔の惑星『ブラックスター』が、地球目掛けて急接近を始めていた…!
地球から1000キロメートル離れた宇宙に存在していたはずのブラックスターだが、既に数日前から接近を始めていたのか、あと数日で地球に衝突するぐらい近くまで来ていた…!
このままではレッドマンはおろか地球が危ない!
その時!
“バギンッ”
“ドゴーン”
ブラックスターは突如真っ二つに割れ、大爆発して宇宙の塵になってしまった…!
その爆風の中から、一匹の巨大生物が飛び出す。
二又に分かれた頭部にブレード状の両腕が特徴の鳥型のその怪獣は『再生怪獣ギエロン星獣』である!
宇宙を飛行していたギエロン星獣は、頭や腕の頑丈さを活かした体当たりでブラックスターを破壊したのだ!
ブラックスターを破壊したギエロン星獣は、そのまま地球向かって飛行を続ける…。
はて、恐らくこのギエロン星獣はかつての個体のように地球に復讐しに向かっているのであろうか…?
次々と身を潜める敵達。レッドマンの戦いにやはり休息は無い…!
〈完〉
読んでいただきありがとうございます!
いかがでしたか?
ここから『VSギエロン星獣』に繋がるワケです。
ロベルガーとのバトルもいずれ製作しますのでそちらもお楽しみに!
感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています!