レッドファイト!! THE NEW STAGE 作:剣音レツ
今回の相手は、怪獣娘で人気が出て、実に37年ぶりにウルトラに帰って来たザンドリアスです!
ジードに登場した時も可愛かったですよね。
それでは、どうぞ!
場所はとある人知れぬ森林地帯。
緑広がるこの地に突如巨大な結晶のような物が現れ、それが割れて中から一匹の巨大生物が現れる。
その姿は翼状の腕が特徴で、翼竜やワイバーンにも似ている。
…ここまでだとカッコいいイメージなのだが、その生物の仕草をよく見てみると、興味深そうに辺りを見渡したり、はしゃぐように足踏みをしたりなどまるで子供のようなのである。
その生物の名は『だだっ子怪獣ザンドリアス』。
奴は元々は宇宙を放浪する渡り鳥のような習性を持つ宇宙怪獣なのだが、どうした事か今回突然地球にやって来たのである。
ザンドリアスは以前にも二度地球に飛来したことがあり、その理由はいずれも子供の個体が、それぞれ母親との親子喧嘩で拗ねて、幼馴染の女の子(雌のザンドリアス)との関係の縺れで自信を無くして地球に飛来しており(前者は母親の個体も飛来している)、いずれも子供らしい無邪気な動機なのだがいずれも地球人にとってはいい迷惑となっている。
(ウルトラ戦士たちも、宇宙へ帰すのに意外と苦労したんだとか…?笑)
因みにザンドリアスは、人間で言えばちょうど中学生ぐらいの年齢らしい。
なるほど、それならばちょうど反抗期真っ盛りで多感な時期なのだから、親や彼女とのちょっとした関係の縺れで拗ねてしまう気持ちは何となく分かる気がする…(笑)
仕草や大きさを見た感じだと、どうやら今回飛来したのも子供の個体のようである。
果たして今回は何のワケで地球に来てしまったのであろうか…?
まるで新しい遊び場を見つけたかのようにその場ではしゃぐザンドリアス。だが、その行為だけでも木が踏み倒されたり、知らぬ間に起こしている強風で木や石などが吹き飛ばされるなど、やはり子供とはいえ怪獣だけにその力は人間側からすれば脅威なのであろうか…?
特に暴れる様子が無いザンドリアス。だが、そんな子供の怪獣にも忍び寄る一つの赤い影。
とある山の上からザンドリアスを見下ろしている“赤いアイツ”。
殺気立つ視線を向けるその巨人は、真っ赤なボディに辮髪帽のような形状の頭部に独楽の上にアンテナが立ったような耳、銀色の手袋、ベルト、ブーツが特徴。
今ここに、銀河連邦の一員のレッド星雲レッド星出身の戦士『レッドマン』の登場だ。
奴は平和を愛する戦士であり、それ故かつ銀河連邦からの命もあり人知れず地球で怪獣と戦っている。
だが、奴は怪獣を憎んでいるのか、特に暴れる様子もない怪獣にも猛然と挑みかかる事も頻繁であり、時には奴が逃げ回る怪獣に問答無用で襲い掛かることもしばしばあるのである。
そして怪獣を倒す際も、その方法は短剣のような形状の『レッドナイフ』や石突が十字型の『レッドアロー』などで斬ったり刺したり、首をへし折ったり、虫の息の怪獣を崖から投げ落として止めを刺すなど、非常に惨いモノなのである。
これらの過剰な行動が目立つため、奴は“赤い通り魔”として恐れられてもいるんだとか…。
そして今回レッドマンは、突如地球に飛来したザンドリアスを標的にしたのである。
(レッドマン登場BGM)
「イヤッ!」
レッドマンは掛け声と共にその場からジャンプし、ザンドリアスの目の前で着地する。
何かを探すようにその場ではしゃいでいたザンドリアスも、突如目の前に現れたレッドマンに気づく。
いつものように殺気立った表情でファイティングポーズを決めていくレッドマンを、ザンドリアスは「この人誰だろう?」とばかりに首をかしげて見つめる。
「レッドファィ…」
いつものようにポーズと共に戦闘開始の掛け声をあげようとしたレッドマンだが、その最中にザンドリアスは突然レッドマンに急接近し、まるで遊び相手を見つけたかのようにじゃれつき始める。
一瞬困惑したレッドマンだったが、すぐさま自身に縋り付くザンドリアスを乱暴気味に押して引き離す。
ザンドリアスは再び遊び相手と認識したレッドマンに接近しようとするが…
「トウッ!」
“ドゴンッ”
レッドマンの問答無用の前蹴りをあえなく胸部に受けてしまい、転倒してしまった。
…やはり赤い通り魔の異名を持つレッドマンは、例え相手がだだっ子の怪獣でも容赦がないみたいである…!
レッドマンからの攻撃を受けたザンドリアスはさっきまでの気持ちが一変。遊び相手だと思っていたレッドマンが、一気に恐怖の存在に変わってしまった!
再びザンドリアスに殴り掛かろうと拳を振り上げるレッドマン。
それを見たザンドリアスは翼で顔を隠し怯えるような仕草を見せる。
因みにザンドリアスはかつて『ウルトラマンジード』と戦った時も同じような仕草を取っており、その時ジードは一瞬攻撃を躊躇った。
…しかしレッドマンはと言うと…
“ドゴンッ”
…案の定、全く躊躇う様子も無く問答無用でザンドリアスに蹴りを入れた。
再びレッドマンに蹴り倒されたザンドリアスは、立ち上がると目から赤い稲妻状の光線を発射し、続けて口から赤色の光線・ヨルゴビームを放つ。
ザンドリアスの連続光線攻撃がレッドマンの周囲で爆発し、それによる爆風に少し怯むレッドマン。
その隙にザンドリアスは、回れ右で振り向き、翼を羽ばたかせて飛び立とうとする。
…だが、赤い通り魔がそれを見逃すはずが無い。
レッドマンは逃走しようとするザンドリアスに猛然と跳びかかる!
「レッドジャンプ!!」
レッドマンは大きくジャンプして飛び去ろうとしていたザンドリアスに跳び付き、共に地面に落下することで叩きつける!
ザンドリアスを強引に引きずり降ろしたレッドマンは再び殴り掛かろうと構える。
レッドマンを目前にしたザンドリアスは、最後の抵抗とばかりにレッドマンにがむしゃらに連続パンチを浴びせる。
…しかし、だだっ子怪獣が放つパンチの音は「ぺチ、ぺチ…」とどこか弱々しく、それを受けるレッドマンも平然としておりダメージを受けたような様子はない。
ザンドリアスの必死の抵抗を鼻で笑い飛ばしたレッドマンは、ダメ出しとばかりにザンドリアスの頭部に拳骨をするようにチョップを叩き込み、それにより怯んだところで更にヤクザチックな前蹴りを腹部に叩き込んで転倒させた。
転倒したザンドリアスは後ずさりをするように痙攣をしている。
どうやらすっかり抵抗する気を失い、もはや目前に迫るレッドマンに怯えるのみとなってしまったようだ。
そんなザンドリアスの様子を見たレッドマンは、一旦立ち止まって上を向く。
まるで「今のままじゃ退屈でつまらないな…。」と言っているようで不気味である。
そして数秒上を向いた後、レッドマンはゆっくりとレッドナイフを振り上げる…。
そして何やら自身の胸にレッドナイフを突き立てる。そして…
「レッドナイフ!!」
“ザシュッ”
なんとレッドマンは、レッドナイフで自身の胸を切り裂いてしまった!
レッドナイフで斬った胸は血と共に火花が飛び散る!
その様子には子供であるザンドリアスも目を見開いて驚きの表情で見つめるしかなかった…!
レッドマンの胸には大きな切り傷が出来ていた。
レッドマンは傷によるダメージにより少しふらつくが、その様子は何やら少しでも退屈を凌げる事への歓喜のようにも見えて不気味である。
常により強い怪獣との戦いを求めている赤い通り魔レッドマンは、今回のザンドリアスの手ごたえの無さに退屈を感じ、そして退屈凌ぎのために自分自身を傷つけたのだ!
ここまで来ると完全に狂気しか感じない(汗)
レッドマンは恐怖により仰向けのまま痙攣しているザンドリアスのそばでしゃがみ込み、そして胸ぐらを掴むように首根っこを掴んで詰め寄る。
その様子はまるで自身の胸の傷を狙えば勝てるかもしれないぜと語り掛けているようである。
しかし、子供でもあるザンドリアスはもはや完全に抵抗できない状態であった。無理もない。ここまでイカれた奴に下手な事をすると何をされるか分からないのだから、、、。
ザンドリアスは遂に感極まって号泣し始めてしまう。
レッドマンは大きな鳴き声により耳を塞ぐが、すぐさまザンドリアスに「うるさい!」とばかりに平手打ちを打ち込んで転倒させる。
レッドマンはザンドリアスを突き倒すと再び立ち上がり、そしてゆっくりとレッドアローを取り出して振り上げる…。
鋭い視線で、号泣したまま横たわるザンドリアスに狙いを定めるレッドマン。ザンドリアスも赤い通り魔の餌食になってしまうのであろうか…!?
その時、突如上空から赤い稲妻状の光線が降り注ぐ!
“ズドーン”
光線はレッドマンの手元に命中して爆発し、レッドマンは驚きと共に痛みによりレッドアローを手放して地面に落としてしまう。
レッドマンは急いでレッドアローを拾い上げようとするが、上空から何かに体当たりされて吹っ飛んでしまう。
レッドマンが地面を転がっている間に、その上空から飛来した者は着地し、ザンドリアスを起き上らせる。
その容姿はザンドリアスと変わりないが大きさはザンドリアスよりも一回り大きい。
現れたのは、ザンドリアスの親『マザーザンドリアス』である。
どうやらザンドリアスは、宇宙で迷子になって地球に飛来して来たようであり、それを探していたマザーザンドリアスはようやく子供を見つけたのだ。
母親と再会したザンドリアスはマザーザンドリアスに泣きながら縋り、マザーザンドリアスは我が子をなでなでする。正に感動の再会を果たした親子である。
レッドマンは立ち上がり、むしろ相手が増えた事に喜びを感じるかのように構えを取る。
だが、マザーザンドリアスはすぐさま目から光線を放ってレッドマンを牽制する。
光線を喰らい、更にその流れ弾が周囲で爆発した事により発生した爆風により視界を遮られる。
レッドマンが煙を振り払っている隙にマザーザンドリアスはレッドマンに接近し、左右交互に翼で打撃を食らわし、そして翼を羽ばたかせて浮遊して両足蹴りを胸部に叩き込んで吹っ飛ばす。
再びレッドマンが地面を転がっている隙に、マザーザンドリアスはザンドリアスと共に飛び立ち、宇宙へと帰り始める…。
レッドマンが立ち上がって見上げた頃には、既にザンドリアス親子は宇宙へと飛び去って行った…。
獲物を逃してしまったレッドマンは悔しそうに地団太を踏む。
それもそのはず、ザンドリアスを仕留めるために自身を傷つけた行為が無駄に終わってしまったのだから…。
だが、地球にはまだ怪獣が沢山いる。そう感じたのか、レッドマンは振り向いて何処かへと歩き去って行った…。
レッドマンを退けて子供を助けたマザーザンドリアス。流石は母は強し。
そもそもマザーザンドリアスは、かつて拗ねた子供を追って来た個体も、攻撃してきた地球防衛軍アメリカ支部を全滅させた事があるように、意外にも侮れない攻撃力を持っているのだから…。
ザンドリアス親子には今後も平和に暮らしてほしいものである。
〈完〉
読んでいただきありがとうございます!
いかがでしたか?
今回のレッドマンの描写は一際残酷過ぎたかと思います(汗)
その代わりに、隙を突かれて取り逃がしてしまうというオチにしてみました。
…と言うか、ウルトラ怪獣界のシンデレラであるザンドリアスを殺すわけにはいきませんもんね(笑)
その一方で、最近相手を取り逃がす展開が続いている気もするので、次回は赤い通り魔らしいレッドファイトを見せたいと思います。お楽しみに!
感想・指摘・アドバイス等をお待ちしています。