レッドファイト!! THE NEW STAGE   作:剣音レツ

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 (別作品で既に言いましたが改めて)明けましておめでとうございます!


 今年最初のレッドファイトは、昨年ジードでまさかの再登場を果たしたギエロン星獣です!

 因みにギエロン星獣の再登場には、正直私もビックリしました(笑)


 では、どうぞ!


再生怪獣シリーズ
VSギエロン星獣


 とある荒野の中心にて、とある一人の赤い巨人が股を開いてしゃがんだ姿勢で、所謂“ヤンキー座り”をしている様子が見えていた。

 

 

 その赤いアイツは何かを待っているのか、時折膝に肘をついて顎に手を当てたりしながらその場で佇んだまま動く様子もない…。

 

 

 しばらくすると、上空から一匹の鳥型の怪獣が急降下してきて着地し、どこか悲しい叫びにも聞こえる鳴き声を上げる。

 

 

 その鳥型の怪獣は、二股に分かれた頭部を持ち、翼にあたる両腕がブレード状になっているのが特徴の『再生怪獣ギエロン星獣』である!

 

 

 奴はかつてはシャール星座の第7惑星のギエロン星に生息していた生物であったが、ギエロン星はその星に生物がいないと誤って判断した人類が開発した超兵器『R1号』の実験の標的にされて爆破され、その際にギエロン星にいた生物がR1号の放射能の影響により突然変異、怪獣化した者なのである。

 

 

 所謂奴は、“悲劇の怪獣”でもあるのだ。

 

 

 その時ギエロン星獣は復讐として地球に来襲したが、その時活躍していた地球防衛軍『ウルトラ警備隊』、そして、その時地球で活躍していたウルトラ戦士『ウルトラセブン』によってやむなく退治されている。

 

 

 このギエロン星獣ももしかしたら、そんな核実験の影響で誕生した者の一匹なのかもしれない………?

 

 

 ギエロン星獣が出現すると、その前でヤンキー座りをしていた赤いアイツは、立ち上がった後指をポキポキと鳴らし、首を一回回す。

 

 正に気合十分である。

 

 

 「待ってました」とばかりにギエロン星獣の登場に反応するその赤いアイツとは、銀色の手袋・ベルト・ブーツをしており、清朝の暖帽をかぶっているような形状の頭部、独楽にアンテナが立ったような形状の耳、そして何より真っ赤なボディが特徴の“平和を愛する戦士”…!

 

 

 今ここに、『レッドマン』の登場だ!

 

 

 

 出身はレッド星雲レッド星。銀河連邦の一員とも言われ、日々、人知れず地球に現れる怪獣や宇宙人たちと戦っている…

 

 

 …ここまで言えば一見何の変哲もない“正義の味方”のようであるが、問題はその中身である…そう、“中身”!

 

 

 実はレッドマンの戦いの多くには、ただ野原等を徘徊しているだけの、特に悪さをする様子は無い怪獣に猛然と襲い掛かる形で戦いが始まる事が多いのである!

 

 逃げる怪獣を一方的に追い回しては捕まえて戦いに移すなど、およそヒーローらしからぬ行動もする事から、怪獣に対し私怨でもあるのか、もしくはどんな事していようと見つけ次第怪獣は仕留めるのが彼のポリシーなのであろうか…?

 

 

 更に、普通ウルトラ戦士等のヒーローは相手怪獣を倒す時は打撃である程度弱らせた後に光線技で止めを刺すという比較的スマートな戦法をイメージするものだが、奴の場合は違う…!

 

 

 レッドマンの場合、肉弾戦をする所は同じなのだが、その後のフィニッシュが…

 

 

 ただひたすら“刺す!”“斬る!”“首をへし折る!”“投げ落とす!”

 

 

 …など、これまたヒーローらしからぬえげつないやり方なのである!

 

 

 一応光線技を持ってはいるのだが、普段はこれらのやり方で怪獣を仕留める事が多い事から、奴は怪獣を残酷なやり方で仕留めるのを至高の喜びとしているのであろうか…?

 

 

 これらの行動から、各地では“赤い通り魔”とも言われ恐れられているのである!

 

 

 ひょっとすると、銀河連邦の一員であるのは過去の話で、残酷なやり方で無差別に怪獣を倒す事を止めない事から既に追放されているのかもしれない…?(個人的な憶測)

 

 

 

 そんなレッドマンを、見つけるや威嚇するように翼に当たる両腕を羽ばたかせるような仕草を見せるギエロン星獣。

 

 その様子はまるでレッドマンに警戒している様にも見えた…。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 やがてウォーミングアップが終わったレッドマンは、いつもの様にファイティングポーズを取って戦闘開始の口上を上げる!

 

 

 レッドマンはギエロン星獣に勢いよく駆け寄り、ギエロン星獣の左右に挟み込むように打って来た両腕での打撃を両腕で防ぎ、腹部に前蹴りを叩き込んで後退させる。

 

 次にギエロン星獣が放った左フックをしゃがんでかわした後、後ろに回り込んで両腕で首を締め上げ始める。

 

 なんとか振りほどいたギエロン星獣の放った右腕の殴り込みを両腕で受け止めると、そのまま右腕を掴んだままコンパスで円を描くように振り回し始め、振り回されるギエロン星獣も地を駆け始める。

 

 「トォーッ!」

 

 レッドマンは数回振り回したギエロン星獣を思い切り放り投げ、地面に叩き付ける。

 

 

 レッドマンは仰向けに倒れるギエロン星獣にマウントを取って打撃を連打するが、どうした事か途中で殴る腕が止まり、何故かそのまま考え事をするように上を向き始める…。

 

 だがその隙を突かれて、ギエロン星獣の腕で叩き落とされてしまう。

 

 

 レッドマンは地面を転がった後すぐさま立ち上がりギエロン星獣と対峙する。

 

 

 はて、いつもなら張り切って獲物(怪獣)を仕留めるレッドマンが、突然何を考え始めたのであろうか…?

 

 

 …実はレッドマンが考え事を始めたのにはワケがあった…。

 

 

 

 実は、レッドマンがギエロン星獣と戦うのは、今日が六日目なのである!

 

 

 

 一体どういう事なのか? では、一旦遡ってみよう。

 

 

 まずは二日前(所謂一日目)。

 

 突如荒野に現れたギエロン星獣。そしてそれを嗅ぎつけたようにレッドマンも現れ、戦闘に突入する。

 

 

 「レッドファイト!」

 

 

 レッドマンはギエロン星獣に駆け寄ると、先手必勝とばかりにヤクザキックを腹部に叩き込み、続けて両手で嘴と頭部を掴み、「トォーッ!」という掛け声と共に背負い投げで地面に叩き付けた。

 

 

 倒れたギエロン星獣を、腕を掴んで起き上らせると、レッドマンは次なる攻撃に入る!

 

 

 「レッドチョップ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドマンは掴んだギエロン星獣の右腕に必殺チョップ『レッドチョップ』を打ち込むが、何やら金属がぶつかり合う様な音が響き、それどころかチョップを受けたはずの腕は全くの無傷なのである!

 

 

 レッドマンは少し動揺しつつも続けてがむしゃらに腕に数発パンチを打ち込むが、いずれもダメージを受けた様子は無く金属がぶつかるような打撃音が空しく響く一方であり、それどころかなんと逆に殴ったレッドマンが痛がり始めたのである!

 

 

 レッドマンは一旦後退して距離を取り、そして短剣に似た大型ナイフ『レッドナイフ』を取り出し投げつける!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “カキーン”

 

 

 レッドナイフはギエロン星獣の頭部に命中したのだが、なんと斬れるどころか全くの無傷であり、おなじみの音と共にレッドナイフをはね返したのである!

 

 

 打撃どころか自慢の武器が通用せず動揺するレッドマン。

 

 

 ギエロン星獣の頭部と翼状の腕は非常に頑丈であり、かつて『ウルトラセブン』の必殺武器『アイスラッガー』をはね返した事があり、それを活かした体当たりは自分よりも大きいサイズの隕石を木端微塵に粉砕したり、ビルを切り裂いたりするほど強力なのである!

 

 

 レッドマンの攻撃をことごとくはね返したギエロン星獣は嘲笑うようにレッドマンに接近し始める。

 

 

 …だが、レッドマンも万策が尽きたわけではない。

 

 

 「レッドサンダー!」

 

 

 レッドマンは更に一歩下がると、右腕を突き出してそこから破壊光線『レッドサンダー』を発射する!

 

 

 “ズドーン”

 

 

 光線はギエロン星獣の胴体に命中して爆発し、やがてギエロン星獣は全身が木端微塵に吹き飛んでしまった…!

 

 

 珍しく光線技を使ってギエロン星獣を撃破したレッドマンは、いつもの上を向いて右腕を挙げるポーズはせず、何やら呆然と立ち尽くすように粉々に吹き飛んだギエロン星獣の残骸を見つめる…。

 

 今回はまだ痛ぶり足りなかったのだろうか…?

 

 

 やがて背を向けて歩き去るレッドマン。

 

 

 …しかし、しかしである!

 

 

 翌日、倒したはずのギエロン星獣が同じ場所に現れたのである!

 

 

 それを見つけたレッドマンは驚く様子なく挑み掛かる。

 

 

 レッドマンはギエロン星獣の腕に摑みかかると、再び投げるために振り回そうとするが、ギエロン星獣は至近距離で口からの黄色い毒ガスを吹き付け、それをモロ顔面に浴びたレッドマンは思わず手を放して後退する。

 

 

 更にギエロン星獣は、怯んだレッドマン目掛けて、両手を近づけて発射するリング光線『ビームコイル』を数発放つ!

 

 

 無数に飛んで来るリング光線をレッドマンは避けたりしていくが、やがてその内の一つが左腕に命中して爆発してしまう!

 

 

 レッドマンは左腕を押さえて痛がり始め、光線を命中させたギエロン星獣はあざ笑うように咆哮を上げる。

 

 

 しばらく痛がるような仕草を見せた後、遂に怒りに火が付いたレッドマンは右腕でレッドナイフを取り出す!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 ナイフを手に駆け寄るレッドマン。まずはギエロン星獣の右腕の殴り込みを受け止めるとそのまま腹部に斬撃を2発決め、その後ギエロン星獣の左フックをしゃがんでかわして後ろに回り込むと、後頭部に上から振り下ろした斬撃を決める!

 

 昨日の戦いでギエロン星獣の頭、腕の硬さを学習済みなため、今回はそれ以外の比較的柔らかい所を集中的に斬っているのだ!

 

 実際レッドナイフで斬られた部位からは黄色い体液が噴き出ているため、効果は絶大である!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンは怯んだギエロン星獣目掛けて、石突きが十字型の槍『レッドアロー』を取り出して投げつけ、それが腹部に貫通したギエロン星獣はその場で倒れ込んで息絶えた…。

 

 

 ギエロン星獣を倒したレッドマンは、昨日と同じく何処か物足りないような仕草を見せた後その場から歩き去る…。

 

 

 …しかし、その翌日も同じ場所にやって来たレッドマンは驚愕を隠せなかった…!

 

 

 なんと、一昨日、昨日と倒したはずのギエロン星獣が、また姿を現していたからである…!

 

 

 皆さん、既にお気づきであろうか?

 

 

 そう、ギエロン星獣の最大の能力は肩書でも分かるように驚異的な再生能力であり、例えミサイルやウルトラ戦士の光線技で粉々にされても、一晩で再生してしまうほど高いのである!

 

 そのため、このギエロン星獣もレッドマンに倒される度にその再生能力が作動し、毎日同じ場所に、ほぼ同じ時間に現れている、所謂同一個体なのである!

 

 

 実際、ギエロン星獣と戦った『ウルトラマンジード』は、その再生能力に頭を抱えた事があり、実に5日以上も連続でギエロン星獣と戦った事があるのである!

 

 実際にジードは三日目辺りからは動揺が始まり、そして五日目の時点では完全に呆れ、疲れ果てる状態にまでなってしまっていた…無理もない。毎日決まった時間に全く同じ怪獣と戦う日々を強いられては、肉体的、精神的にくたびれてしまうも当然である…

 

 

 …だがレッドマンは違った…!

 

 

 ギエロン星獣の再生能力を知った瞬間、彼は呆れるどころか何やら心が躍るような激しい感情が芽生え始めたのである…!

 

 

 もはや毎日怪獣を惨殺するのが生き甲斐みたいになってしまっているレッドマンにとって、何度も蘇る怪獣は毎日退屈しないための格好の相手みたいなものなのであろうか…?

 

 

 そしてレッドマンは、この日から毎日様々なバリエーションでギエロン星獣を倒すという新たな楽しみを生み出してしまったのである!

 

 

 三日目は仰向けに倒したところを馬乗りになってレッドナイフを何度も振り下ろして惨殺、

 

 四日目はうつ伏せに倒した所を同じく馬乗りになってレッドアローで滅多刺し、

 

 そして五日目は同じくうつ伏せに倒した後、頭部を三回地面に叩き付けた後に頸椎をへし折る…

 

 

 …と言う感じで、レッドマンは毎日ギエロン星獣を違うバリエーションで倒すという楽しみを満喫し、そして現在(六日目)に至るという感じである!

 

 

 ただでさえ悲劇的な出自の怪獣だというのに、運悪く赤い通り魔に付け狙われてしまい、その上その赤い通り魔の退屈凌ぎのおもちゃにされてしまったギエロン星獣…。

 

 実に哀れである!

 

 

 先ほどマウントを取っている最中に何やら上を向いていたのは、毎日の戦いに呆れ、疲れていたからではなく、「今日はどうやって倒してやろっかな~?」みたいな感じで考え事をしていたためであるのだ!

 

 

 そんな考え事をしながらギエロン星獣と対峙するレッドマン。やがて何か思い付いたのか、俯いていた顔を上げると勢いよくギエロン星獣に駆け寄る!

 

 そしてギエロン星獣の右腕に掴みかかった!

 

 

 「レッドナイフ!」

 

 

 “ザシュッ ザシュッ…”

 

 

 レッドマンはそのままレッドナイフを右手で取り出すと、左腕で掴んでいるギエロン星獣の右腕を引っ張りつつその付け根に何度もナイフを突き刺していく…!

 

 

 やがてレッドマンが更に力を入れると、ギエロン星獣の右腕は、激しく羽毛を撒き散らしながら千切れてしまった!

 

 

 ギエロン星獣が悲鳴にも似た鳴き声を上げる中、レッドマンはそのもぎ取った右腕をポイと投げ捨てると再びギエロン星獣に掴みかかる!

 

 

 「レッドアロー!」

 

 

 “ザシュッ”

 

 

 レッドマンはレッドアローを取り出すと、もぎ取った腕の断面に突き刺した。そして…

 

 

 「レッドキック!」

 

 

 “ズブッ”

 

 

 跳躍して『レッドキック』を石突に打ち込むことで、槍を更に深くギエロン星獣の体内に押し込む!

 

 

 石突を蹴られたアローは腕の断面から深く刺さっていき、やがて左横腹から突き抜けてしまった…!

 

 

 それによって再び息絶えたギエロン星獣は、目を閉じ、その場に崩れるように倒れ込んでしまった…。

 

 

 …だが、これで終わりではなかった!

 

 

 レッドマンは横たわるギエロン星獣の死体の左腕を掴むと、そのまま思い切り引きずりながら崖淵まで走っていく…!

 

 

 「レッドフォール!」

 

 

 やがてレッドマンは、必殺の投げ技『レッドフォール』でギエロン星獣の死体を崖底へと投げ落としてしまった…!

 

 

 レッドマンは、倒した怪獣の死骸を、本当に死んだかどうか見つめるという所謂『レッドチェック』を行う事も多く、恐らくこのレッドフォールも、念には念を入れるレッドチェックの一つなのであろう…。

 

 

 やがてレッドマンは崖下へと投げ落としたギエロン星獣の死体を見下ろすように見つめた後、その場から歩き去って行った…。

 

 

 六日目の今日もレッドマンに惨殺されてしまったギエロン星獣だが、恐らく翌日も再生して姿を現すであろう…。

 

 

 …そしてまたレッドマンに倒されては次の日蘇える日々を繰り返すかもしれない…。

 

 

 弱点である“頸動脈”を斬られない限り…!

 

 

 レッドマン!早くギエロン星獣を楽にしてやれ!!(笑)

 

 

 〈完〉




 読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?


 …何でしょう?…書いていく内に何故か私も胸が痛くなってしまいました(笑)

 なにしろギエロン星獣は悲劇の怪獣ですからね…前書きでも言いましたが、そんなギエロン星獣が現代のウルトラマン作品に再登場するという事は非常に衝撃でした。

 ギエロン星獣は現段階では完全に倒されていないので、今後のレッドファイトにも登場予定です。


 今年も様々な怪獣と戦わせていくつもりなので、どうぞよければ今年もよろしくお願いします!


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