レッドファイト!! THE NEW STAGE 作:剣音レツ
今回はちょっと変わったバトルです。
今回で初めて5000字を超えました(笑)
崖がそびえ立ち、風が吹き抜けるとある荒野。そこを独りとぼとぼと歩く者がいた。
赤を基調としたボディに中国の弁髪帽子をかぶったような外見が特徴の赤いアイツ。
彼は銀河連邦の一員で、レッド星雲のレッド星出身の戦士『レッドマン』である。
彼は平和を愛する戦士であり、いつも街中ではなくこのように山の中か荒野、渓谷等で人知れず怪獣や宇宙人と戦っている。
だが、彼はすべての怪獣を憎み敵と見なしているのか、怪獣の倒し方は極めて残酷であり、レッドアローでの串刺し、レッドナイフでの惨殺や首チョンパ、虫の息となった怪獣を崖から投げ落とすなどその殺り方は様々である。
それに加え、現れはしたものの対して何もしていない怪獣にも猛然と襲い掛かり、逃げる場合は執拗に追いかけて捕まえ無理やり戦いに持ち込むなどの行為も多い事から、一部では『赤い通り魔』と言う異名も持っている。
そんなレッドマン。今日も殺風景な荒野を一人歩いている。どこかに怪獣はいないかと探しているのであろうか?
そして仮にいたとすれば、彼は間違いなく戦いを挑み殺すであろう………。そう考えなが歩いている姿を見ているだけでも恐ろしい物である。
しばらくとぼとぼと歩いた後、レッドマンはとある自身より高い木の前で立ち止まる。
因みにレッドマンの身長は42mなのだが、彼の前の木はレッドマンよりも遥かに高いのである。
だからと言ってこの木がレッドマンの42mより高いと突っ込んではいけない(笑)
レッドマンは数歩木から離れた後、何処からか先端に向かって刀身の幅が広がる独特の形をしている短剣のような大型のナイフ『レッドナイフ』を取り出す。
レッドマンは木を見つめながら刃先を左手で撫でた後、右手の逆手持ちでナイフを持ち駆け始める。
そしてすれ違い様にナイフで木を斬りつける!木は折れはしなかったものの、斬られた部位は小さな爆発を起こし煙が上がっている。
それを見たレッドマンは自信が付いたのか、ナイフをしまい、何やら自慢げに両腕を斜め上に揚げて笑うような素振りを見せる。
その様子はまるで「私を称えろ!」と言っている様である。
………しかし、このような仕草は、レッドマンは以外にもこれまで見せたことが無いのである。一体今回の彼はどうしたのであろうか?
それによく見てみると、気の所為であろうか今回のレッドマンは隈が付いたような目つきをしている。
昨夜、怪獣退治の修行もしくは怪獣探索で忙しくしていて寝不足だったのか?………いや、流石にそれは無いであろう(笑)
だが、そうしてる間にも鼻を高くしているレッドマンの目の前に一匹の怪獣が現れる。
その怪獣は、直立した干からびた象のような外見が特徴の怪獣『忍者怪獣サータン』である!
奴は、中性子で出来た身体を利用した透明化、壁抜け、瞬間移動を得意としているが、本来中性子で物質を構成するのは不可能なため異次元の存在ではないかとも言われているのだ。
また、象のような長い鼻も、相手を締め付ける強力な武器である。
サータンはレッドマンともこれまで8回とかなりの回数戦っており、ある意味レッドマンにはお馴染みの相手となっている。
今回も別個体がリベンジ戦を挑んで来たのであろうか?
さて、『サータン』対『何かおかしいレッドマン』の戦いが始まろうとしている。
サータンは猛然とレッドマンに襲い掛かる。
そして接近した後両腕を振るってレッドマンに殴りかかるが、なんとレッドマンは無駄の無い余裕な動きでそれをかわしていく。
サータンと何度も戦ってきたためにもう既に完璧にサータンの攻撃方が読めているのであろうか?
そしてレッドマンはサータンの振り下ろして来た右腕を左腕で受け止め、そのまま右脇腹に左横蹴りを二発打ち込み、更に後ろに回り込みながらの右回し蹴りを背中に叩き込み吹っ飛ばす。
まるで流れるような無駄の無い余裕な動きでサータンを圧倒するレッドマン、だが、本来彼はもっと荒々しいラフな戦い方をする。
やはり目に隈があるのは昨夜寝ずに余裕のない戦い方を身に付ける努力をしていたためであろうか?
一方でサータンは透明化能力を一向に使う様子は無く、終始ただ殴りかかるのみである。
うむ、今回の個体は脳筋であり、サータンも個体によって戦い方が異なるのであろうか?
サータンはなおも腕を振るって殴りかかるが、レッドマンはそれを難なくキックで弾き、そしてサータンに連続で蹴りを浴びせ始める。
目にも止まらぬ速さでストレート、前蹴り、横蹴り等様々な蹴りを頭部、胸部、腹部などに次々と浴びせ、徐々に体力を奪っていく。
………ん?よく見てみたらレッドマンの足に違和感を感じる。
なんでも、つま先がやけに尖ってるように見えるのだ。いや、現在のレッドマンはサータンに蹴りを連発しているため、それによる目の錯覚なのだろうか………?
ますますこのレッドマンへの疑惑は深まる一方である。
レッドマンから蹴りを連続で浴びたサータンはもう既にだいぶ弱っていた。
サータンは最後の力を振り絞って長い鼻をレッドマン向けて伸ばすが、レッドマンは横にわずかにそれるだけでそれをかわし、逆に鼻を左手で掴んで引っ張る事でサータンを自身の方へ引き寄せ、頭部に強烈な右エルボーを決める。
サータンはもはや完全にグロッキーとなっている。
その後レッドマンは両手で挟むようにサータンの首を力一杯締め上げる。
“ボギリッ”
骨が折れるような鈍い音が響く。するとサータンは首の骨が折れた事で息絶えたのか、腕をわなわなと振るわせた後、完全に動きを止め、レッドマンが手を放すと地面に崩れる様に倒れた。
サータンを倒したレッドマンは勝利の印として右拳を上に揚げる。その姿はまるで「私の力を見たか!」と自慢してるようである。
う~ん………サータンを首折で倒した………。惨たらしい倒し方こそいつもとほぼ変わらない。
だが、このレッドマンは全体を通していつもとまるで違う。
………何はともあれ、いつものレッドマンなら敵に勝利した後、何処かへと徒歩で去って行くはず。
サータンを倒したレッドマンも、今にも歩いてその場を去ろうとしていた………。
と、その時。
“ビューン”
“ズサッ”
突如、何処からか槍が飛んで来る!レッドマンは既に殺気を感じていたのか、それを頭を少し動かすだけでかわし、槍は岩肌に勢いよく突き刺さる。
その槍をよく見てみると、石突が十字の形をしている………そう、飛んで来た槍はレッドマンの武器『レッドアロー』なのだ⁉
レッドマンは驚きながらも後ろを振り向く。
そこに立っていたのは赤いボディに辮髪帽をかぶったような頭部………そう、なんとレッドマンなのである!
レッドマンは二人いた⁉
しかし、サータンを倒したばかりのレッドマンは驚くどころか「待ってましたよ。」とばかりに顔をフッと上に動かしている。
一方の新たに現れたレッドマンは、何やら荒い呼吸をしているかのように肩を上下に動かし、拳を強く握っている…。恐らく怒っているのだと思われる。
すると、新たに現れたレッドマンはレッドナイフをゆっくりと取り出し、刃先を左手で撫でた後、右手で逆手持ちに構える。
この一連の行動は、先ほどサータンを倒したレッドマンと同じなのだが、此方は刃先の撫でるゆっくりスピード、きびきびとした動きからの構え、更にどこか凛とした面構えなど、正に“殺意”や“激しい闘志”らしきものを感じる。
すると、レッドマンは前にある木に勢いよく駆け寄り、木をナイフで斬りつける!
斬りつけられた部位は爆発を起こし、木はその部位から切れて倒れてしまった。
サータンを倒したレッドマンも先ほど木を斬っているが、その時は斬られた部位が爆発しただけで留まったが、新たに現れたレッドマンの場合は一撃で切り倒してしまっている………。
疑惑がさらに深まっていく中、次にレッドマンは遠くに向けてレッドナイフを投げつける!
投げられ遠くに飛んだレッドナイフは地面に突き刺さり、そこが爆発して燃え始めた。
まるで自身の力を見せつけるかのような行動を見せた後、新たなレッドマンはサータンを倒したレッドマンの方を向き、構えを取る。
もしかしてだが新たなレッドマン(以降:新レッドマン)は偽物であり、隈があるレッドマンは本物で、昨夜偽物に対抗するために寝ずに特訓したため目に隈が出来ており、サータンを倒したのも自分の力を確かめるためだったのかも………?
混乱が続く中、二人のレッドマンは睨み合いながら構えを取る。
すると、新たに現れたレッドマンが掛け声を上げた。
「レッドファイト‼」
これはレッドマンが怪獣と戦う際に発する掛け声である。
この掛け声を叫んだと言う事は、やはり新に現れた方が本物なのであろうか………?
掛け声を上げたレッドマンは猛然と駆け寄るが、隈があるレッドマン(以降:隈レッドマン)は余裕そうに歩きながら接近する。
新レッドマンは駆け寄りながら右横蹴りを放つが、隈レッドマンはそれを余裕で右腕で叩き落とし、返り討ちとばかりに新レッドマンの右脇腹目掛けて左横蹴りを繰り出す!
“ドゴッ”
蹴りはクリティカルヒットした………と思われたが、なんと新レッドマンはそれを両手で掴んで受け止めていた!
隈レッドマンが動揺している隙に、新レッドマンは脚を掴んだまま回転して倒れ込んで相手を地面に叩きつける『ドラゴンスクリュー』を決める!
新レッドマンは横たわっている隈レッドマンの右横腹を蹴り転がす。
そして隈レッドマンを掴んで起き上らせた後、右腕を掴んだまま腹部に連続で右拳を叩き込み、その後跳躍して背中に左チョップを浴びせて膝まづかせた後右膝で踏みつける様に背中を蹴ってうつ伏せに転倒させる。
さっきは余裕を持って戦っていた隈レッドマン。だがしかし、新レッドマンの予想できないラフな戦い方は対処できず、追い詰められていく。
うむ、ますます新の方が本物に見えてきたぞ………?
新レッドマンは隈レッドマンを起き上らせると、隈が打ってきた左拳を素早く右手で弾き、顔面の右側面に左拳、腹部に左右パンチを打った後、跳躍して胸部に右足蹴りを打ち込んで吹っ飛ばす。
「レッドキック‼」
“バゴンッ”
新レッドマンは数回バク転をして距離を取った後隈レッドマン目掛けて駆け寄り、跳躍しての右足蹴り『レッドキック』を顔面に叩き込む!
蹴りを顔面の左側面に喰らった隈レッドマンはたまらず吹っ飛び地面に落下する。
新レッドマンは立ち止まり隈レッドマンを見つめる。
隈レッドマンは、蹴りが相当効いていたのか、顔を押さえながら立ち上がる………と思ったら、なんと押さえている部分から何やら砕けたカケラの様な物が零れ落ちてるのだ。
やがて隈レッドマンが顔を押さえていた手を放した時、なんとレッドマンの顔が完全に砕け、中から別の顔が現れる!
それは、ヘラクレス座M−16惑星から来た、宇宙一の格闘家を目指す宇宙人『宇宙格闘士グレゴール人』の顔だった!
即ち、新レッドマンは本物で、隈レッドマンはグレゴール人が変身した偽物だったのだ。
かつて別人だと思われるグレゴール人が『ウルトラマンダイナ』に挑戦するために地球を訪れたことがある。
今回も恐らく赤い通り魔と悪名高いレッドマンに挑戦するためにやって来たのであろう。所謂彼には侵略意思がないのである。
更に彼は自身の強さに相当な自身を持っているのか、戦い方も終始余裕を持ったものであり、その様子は正に強さを自慢しているようにも見える。
かつてニセウルトラマンダイナに変身したグレゴール人も、そのような戦い方でダイナや『破壊獣モンスアーガーⅡ』を圧倒した事がある。
今回レッドマンに変身したグレゴール人も、余裕でサータンを倒してしまった。また、レッドマンに化けたのは本物をおびき寄せるためだったとも思われる。正に余裕綽々の体勢でレッドマンに挑んだのだ。
しかし、彼はレッドマンを見くびり過ぎていた。
まず、レッドマンに化けた事がまずかったと言える。
レッドマンは平和を愛し誇りを持って戦っている。そのため、自身に化けて勝手な事をする者が許されないのは当然である。
それに、本物はどうやら先ほど偽物が倒したサータンを倒すつもりだったみたいであり、本物は獲物を横取りされた怒りにも燃えていた。
以上の事から、グレゴール人は完全にレッドマンの逆鱗に触れてしまったのである。
それに、レッドマンはこれまで数多くの怪獣と戦い、それらを血祭りにあげてきている。そのため、本来の強さも侮れないものなのだ。
また、本物レッドマンの戦い方とは、赤い通り魔と言われるだけあり予測不能なほど粗いのである。そのため、どんなに余裕を持って戦っても、予想外の攻撃を食らってしまってはそれも崩れてしまうであろう。
グレゴール人は格闘術に優れた宇宙人なのだが、怒りに燃えたレッドマンはそれよりも上であった。
グレゴール人は負けた事や、それによる自身の無力さを痛感し始めたのか、膝をつき、拳を強く握る。
レッドマンはそんなグレゴール人に御構い無しと襲い掛かろうとするが、グレゴール人は即座に両手の手のひらをレッドマンに向け、レッドマンはふと立ち止まる。
グレゴール人は警戒するようにそのままゆっくりと立ち上がる。彼は負けを認め降参してるのであろうか?レッドマンは警戒の構えを崩さない。
するとグレゴール人は、レッドマンに右人差し指を指した後、空の彼方へと飛び去って行った………。
恐らくグレゴール人の飛び去る直前の仕草は、「次こそは倒す!」という事なのであろう。
レッドマンは飛び去るグレゴール人を見上げた後、岩肌の方へ歩み寄り、突き刺さっていたレッドアローを引き抜く。
そして、先ほど偽物が倒したサータンの死体の方へゆっくりと歩み寄り、横たわるサータンの死体に上からレッドアローを突き刺す!
レッドマンはこのように、例え怪獣が死んでも、それを念入りに確認する『レッドチェック』は怠らないのだ。
レッドマンはサータンの死を確認したのか、「よし、死んだな。」とばかりに頷いた後背を向け、レッドアローをサータンの死体に突き刺して放置したまま、何処かへと歩き去って行った………。
新たなライバル(グレゴール人)も出来た赤いアイツの戦いはこれからも続く!!
〈完〉
読んでいただきありがとうございます!いかがでしたか?
今回は本物(笑)は誰も殺せませんでしたが、新たなライバルができ、さらにこの戦いが今後のバトルに影響するのです。
今回の相手:宇宙格闘士グレゴール人(初登場作品:ウルトラマンダイナ)
忍者怪獣サータン(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)
また、たくさんのリクエストありがとうございます!
リクエストには必ず答えるようにしたいと思いますので期待は程々に(笑)楽しみにしていてください!
リクエスト募集は一旦締め切りましたが、リクエストは今後も活動報告内で定期的に取っていきたいと思います。
注:感想欄にリクエストを記入しないように。ご理解・ご協力をお願いします。
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