レッドファイト!! THE NEW STAGE 作:剣音レツ
今回の相手は“雪男女コンビ”です。
注:一部過激な描写があります。
とある緑の無い岩だけの渓谷。そこは珍しく雪が降り積もっていた。
粉のように降る雪は段々と積もっていき、さっきまでほとんど黒や茶色だけだった渓谷を銀世界に変えていく。
そんな銀の地に、二体の影が現れる。
一体は、嘴が付いており、奇妙な形状をした白く大きい頭が特徴の星人『雪男星人バルダック星人』、もう一体は、恐竜のような頭部に、ホッキョクグマのような純白の毛皮が付いている体が特徴の怪獣『雪女怪獣スノーゴン』である。
バルダック星人はかつて、別個体が240年に一度彼らの母星・バルダック星が地球に接近するのを機に、母星から大円盤群を呼び寄せて地球を侵略しようとした事があるが、当時地球で活躍していた『ウルトラマンジャック』によって阻止され、母星すら破壊されてしまっている。
今回現れたバルダック星人は、その生き残りなのであろう。
スノーゴンはかつて、若い男女をさらって母星であるブラック星の奴隷にしようと企んだ『冷凍怪人ブラック星人』の用心棒の怪獣であり、雪女の如く純白な肌の美少女に変身もできる。
また、奴は可愛らしい外見とは裏腹に、かつてウルトラマンジャックを氷漬けにし、怪力でバラバラにしてしまった事があると言う恐ろしい戦歴も持っている。
今回の個体はバルダック星人と共に現れている。バルダック星人が連れて来たのであろうか………?
この様に、二体とも冷気を操る宇宙人と怪獣であり、それぞれ“雪男”と“雪女”の怪物でもある。
恐らく渓谷一帯に雪が降り積もったのは奴らの仕業であり、いずれ地球全体を冷凍世界にしてしまおうとしているのであろうか………?
二体は崖の上から遠くにある街を見下ろす。そして、次なる標的をその町に決めたのか、そこに向かおうとする………!
と、その時!
二体はふと後ろを振り向く。
その先には、真っ白な雪が降りしきる中歩いてくる一つの影がいた。そして、近づいて来る内に、雪でほぼはっきり見えなかったそのシルエットは段々とはっきりしていく。
その影の正体は、辮髪帽子をかぶったような頭部、そして今にも周りの雪が溶けそうなほど真っ赤なボディが特徴の赤いアイツ。
そう、レッド星出身の銀河連邦の一員『レッドマン』の登場だ!
銀河連邦の一員である彼はいつも人知れず怪獣と戦っている。
例えどんな場所でも、今回のように荒れた天候でも、彼はいつでも怪獣の元へ現れるのだ。
だが、彼は正義感が強すぎる故か、もしくは銀河連邦の一員になった以上、「全ての怪獣を倒さなければならない」という使命感が強い故か、逃げる怪獣を捕まえるまで執拗に追いかけ回したり、弱り切っている怪獣を徹底的に刃物で刺したり崖から投げ落としたりなど、とても正義の味方とは言い難い過剰な行動が目立っている。
これらの行動から、彼は『赤い通り魔」とも言われている。
だが、今ではそんな汚名をも誇りを持って名乗っているようにも思える。
今日もその赤い通り魔は、降り積もる雪により足場が悪くなりつつあるなどという悪天候の中、二体を倒さんと現れたのだ。
辺り一面銀世界であるが故に、正に場違いとも言える真っ赤なボディの戦士。これだけでも何処か熱い闘志を感じるものだ。
「レッドファイト‼︎」
レッドマンは構えを取り、おなじみの戦闘開始の掛け声を上げる。
バルダック星人とスノーゴンも身構えた後レッドマンに向かう。
バルダック星人は先陣を切って突進するが、レッドマンはそれを右にそれるだけでかわし、それと同時にすれ違い様に左後ろ蹴りを背中に打ち込んで転倒させる。
続けて接近してきたスノーゴンと、互いに手を掴んで組み合う。
しばらく力比べをした後レッドマンは左腕に右膝蹴りを打ち込み、それによりスノーゴンが左手を放した隙に続けて腹部に右横蹴りを打ち込み、更に顔面の左側面に右拳を叩き込む。
その後レッドマンは後ろ向きにスノーゴンの角を左手で、右腕を右手で掴み一本背負いで叩きつける。
因みにスノーゴン、一見醜い風貌をしているが、肩書は『雪女怪獣』であり、かつて美しい雪女に化けたことがある。所謂れっきとした“雌(女)怪獣”なのである。
そんなスノーゴンにもいつもの様にラフなファイトを見せるレッドマン。奴は相手が怪獣ならば男とか女とか関係ないのであろうか?
スノーゴンのピンチにバルダック星人は腕を振るってレッドマンに殴りかかるが、レッドマンはそれらを動きが読めてるかのように腕で防いでいく。
「レッドチョップ!」
“バゴッ”
レッドマンは隙をついてバルダック星人の頭頂部の割れ目に強烈な右手刀『レッドチョップ』を叩き込み、それによりバルダック星人が痛がっている隙に左脇腹に右横蹴りを打ち込み、その後アウトローに左前蹴りを腹部に叩き込んで転倒させる。
バルダック星人が仰向けに倒れた所にレッドマンは踏みつける様に右膝を胸部に打ち込んで追い打ちをかける。更にそのまま馬乗りになってタコ殴りを始める。
突如戦いを仕掛けてきた得体の知れない“赤男”に圧倒される“雪男と雪女”。だが、彼らも負けてばかりではない。
スノーゴンはバルダック星人に馬乗りになっているレッドマン目掛けて口と合わせた両手からガス状の冷凍光線を噴射する。
バルダック星人も自身に馬乗りになっているレッドマンに至近距離から冷凍ガスを吹き付ける。
二つの冷凍ガスを浴びたレッドマンはたまらず吹っ飛び地面を転がる。
レッドマンはすぐさま立ち上がり、即座に二体の間に立つ。
二体はレッドマンが自分らの間に立った事で、挟み撃ちできる絶好のチャンスと見たのか、同時に冷凍ガスを噴射する!
「レッドジャンプ!」
だが、レッドマンは計らって両者の間に立っていたのだ。
レッドマンは二体が冷凍ガス噴射を始めるや「計画通り!」とばかりに『レッドジャンプ』で跳躍してその場から脱する。
よって、バルダック星人はスノーゴンの、スノーゴンはバルダック星人の冷凍ガスをそれぞれ浴びてしまった。
(BGM:レッドマン)
両者が怯んだところでレッドマンはバルダック星人に跳びかかる。
そして、落下スピードを利用しての両足のドロップキックを顔面に叩き込んで吹っ飛ばした。
その後レッドマンはスノーゴンと組み合う。
その隙にバルダック星人は立ち上がり、怒りを込めた冷凍ガス噴射を始める。
だがレッドマンは、それに気づくやなんと咄嗟にスノーゴンを掴んで前に突き出し盾にしてそれを防ぎ始める!
バルダック星人は逆上しているのかそれに気づかず、冷凍ガスを噴射し続ける。
やがて盾にされて冷凍ガスを浴び続けたスノーゴンは身動きが取れない程全身が完全に凍り付いてしまった。
「レッドアロー!」
レッドマンは凍り付いたスノーゴンの死体を横に投げ捨てると同時に、バルダック星人目掛けて石突が十字の形をしている手槍『レッドアロー』を投げつける!
これはレッドマンの主要武器の一つであり、これまで様々な怪獣や宇宙人などのトドメに使われている。
“ザシュッ”
レッドアローは風を劈き一直線に飛ぶ。そしてバルダック星人の胴体を貫いた!
バルダック星人は槍が刺さった腹部を押さえて数秒もがき苦しんだ後、その場に崩れ落ちる様に倒れて力尽きた。
レッドマンはバルダック星人の死体に歩み寄り、刺さっていたレッドアローを引き抜く。
すると、なんと再びバルダック星人の死体に両手持ちで上からレッドアローを突き刺す!
これぞ、怪獣が息絶えたかどうかを念入りに確認する行動『レッドチェック』である。
レッドマンは「よし、死んだな。」とばかりに頷いた後、レッドアローをバルダック星人の死体に刺したまま今度は横たわるスノーゴンの凍り付いた死体に視線を向ける。
そして、勢いよくスノーゴンの死体に跳びかかり、馬乗りになって数発パンチを浴びせる。
「レッドナイフ!」
スノーゴンの死体に馬乗りになっているレッドマンは、数発パンチを打ち込んだ後、先端に向かって刀身の幅が広がる独特の形状をしている短剣にも見える大型ナイフ『レッドナイフ』を取り出す。
レッドマンはどこか殺意に満ちた視線でレッドナイフをゆっくり振り上げた後、なんとスノーゴンの死体にメッタ刺しを始める!
そして、両腕、両足、頭部を切り落としバラバラにしてしまった!
スノーゴンはかつて、ウルトラマンジャックを冷凍ガスで氷漬けにし、怪力で四肢、頭部をもぎ取ってバラバラにした事がある。
女怪獣でありながら、何とも恐ろしく侮り難い怪力の持ち主であるスノーゴン。
だが今回は、自身が氷漬けにされバラバラにされるという皮肉な最期を迎えてしまったのだ。
レッドマンは立ち上がり、切り落とした四肢と頭部を滅茶苦茶に蹴り飛ばす。その様子はもはや殺人鬼にしか見えないなんとも恐ろしい光景である。
ここまで過激なレッドチェックは初めてなものである。どこまで念入りな奴なのであろうか?
そして、バルダック星人とスノーゴンの死体を数秒見つめた後、レッドマンはどこか満足そうに胸を張って上を向き、ナチス式敬礼にも似た右腕を上げるポーズを取る。
彼が完全に怪獣討伐を完了した証である。
バルダック星人とスノーゴンの死と共に、さっきまで吹雪のように降りしきっていた雪が止み、雨雲も晴れて日が差し始める。
そして、周囲に積もっていた雪が次第に溶けていく。
レッドマンは歩き去ろうとした時、ふと何かに気付いて下を向く。
視線の先には何やら等身大の宇宙人が悔しそうな素振りを見せている。
その宇宙人は、黒い体と白い顔が特徴の宇宙人『冷凍怪人ブラック星人』である。
彼はブラック星出身であり、土星に自分たちの基地を造り上げ、太陽系侵略計画を実行しようとするが、その基地での人手が足りなくなったため、地球人の若い男女1000組を誘拐して奴隷にしようと企んだ事がある。
その際に彼は、手下としてスノーゴンを連れて来ていた。
今回のブラック星人は恐らく地球侵略が目的であり、手下としてスノーゴンを連れて来て、バルダック星人とは何やら協力関係にあったものだと考えられる。
しかし今では、自身の協力者も用心棒も失ってしまい、打つ手が無く悔しがりに明け暮れている。
レッドマンはそんなブラック星人を見つけるや、彼の頭上に大きく足を振り上げる。
ブラック星人は、振り上げたレッドマンの足による影に囲まれた事に気づくや、頭上を向いた後慌ててその場から逃げようとする。
だが時はすでに遅し、レッドマンは慌てるブラック星人目掛けて足を振り下ろす!
“グシャリッ”
等身大ブラック星人は無情にも巨大なレッドマンの足で踏み潰されてしまった。
更にレッドマンはブラック星人を完全に潰すために、踏んだ足をグリグリ動かす。
レッドマンは踏んだ足をゆっくりと離し、無惨なブラック星人の死骸を見下ろす。
そしてレッドマンは再び満足げに胸を張って上方を見上げた後、その場から何処へ歩き去って行った………。
例え悪天候で環境が変わっても、己の執念等のためなのか、怪獣達の討伐完了したレッドマン。
空は完全に晴れ渡って日が照り、降り積もっていた雪もほとんど溶けていく。
それは単に雪男と雪女が敗れた影響のみならず、赤男の完全勝利を現している様にも見える。
レッドマンは去り、その場は奴が倒した怪獣達の死骸が放置される………。
赤いアイツの戦いは今後もこのように激しさを増していくであろう。
負けるな!レッドマン。
そして、ある意味がんばれ!怪獣達(笑)
〈完〉
読んでいただきありがとうございます。
思えばレッドマンの相手怪獣は帰ってきたウルトラマンからが多いですね(笑)
今回は最近帰ってきたウルトラマンを見返していた時、「そういえば雪男と雪女の話が立て続けにあったなあ…」って思ったのがきっかけで思い付いた一戦です。
今後も様々な敵と戦いますので楽しみにしていてください。
今回の相手:雪男星人バルダック星人(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)
雪女怪獣スノーゴン(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)
冷凍怪人ブラック星人(初登場作品:帰ってきたウルトラマン)
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