ここは、海鳴市。日本にある海に面した小さな町。そんな、町の一軒家からけたたましい音後に破壊音が響き渡る。はっきりいって近所迷惑もいいところぐらいの大音量だ。
しかし、苦情がくるわけでもでもなく逆に近所の方々からは「これを聞かないと一日が始まらない」とまでいわれている位愛されているその家はこの物語の主人公『ラウル・スウェード』が住んでいる。
―――コンコン
「主、起きてますか?」
ドアがノックされ一人の女性が部屋に入ってきた
「またですか……」
粉々になっている目覚まし時計を見て「はぁ~」と溜息をひとつつきながらベッドの方に進む。
「主、もう起きる時間ですよ」
「……リインフォースか?悪いがもう少し寝かせてくれ。昨日、遅かったんだ……Zzz」
彼女の名前は『リインフォース・アインス』ラウルの同居人。大人っぽくとてもクール系の女性に見える。
「また、遅くまでゲームですか?」
チラッと机の上にある電源のついたままのPCを見る。その画面には、18未満が見てはいけないアレなシーンが映っていた。それを見たリインフォースは顔を真っ赤にして目を反らした。
「遅刻しますから、起きてください」
「うぅぅ~わかった、わかったから体をゆするなぁ~」
「それでは、早く降りてきてくださいね」
揺さぶるのを止めて部屋を出ていった。それから、数秒後ベッドから体を起こして体を軽く伸ばす。
まあ、これがこの物語の主人公である彼の毎朝の光景ひとつである。
◇◇◇◇◇
「……なんだ?これな…」
「あ、朝ご飯……です…」
「これが……か?」
「は……はい…」
目の前に並べられれている朝食もとい消し炭を指差しながら訪ねる。
これを朝食と言うなら食材に謝れと言いたくなる、焼くだけでいいパンまでコゲコゲだ。
「……お前はいつになったらまともに料理が出来るようになるんだ?」
「きょ、今日はたまたま失敗しただけです。明日は大丈夫ですから」
「確か昨日も同じ事を言ってたよな」
「うぐっ!!」
グサッとリインフォースにラウルからの言葉の矢が刺さる。
「一昨日も……その前も…」
グサッグサッとさらに言葉の矢が刺さる。
「はぁ~……まあ、努力は認めてやるよ」
そう言うとラウルは消し炭を口の中に運ぶ。とてつもない苦さで一瞬吐き出しそうになりながらも飲み込み皿に盛られていた物をなんとか完食した。
「……ごちそう……さまでした。学校行くわ…うっぷ…」
「あ、はい。気をつけて下さいね」
リインフォースに見送られて家をでた。
いつもと同じ道をいつもと同じようにお腹をさすりながら歩く。
今日もいつもの日常が始まる。