こんゆり 作:毬藻
あの告白から2週間ほどたった頃、大学構内の食堂にて――――――――
「お、美優じゃん!おーい!」
俺と拓真、それから菜夏が大学の構内にある食堂で昼食を食べていると、一番先に食べ終わった菜夏が大声で名前を呼んだ。
呼ばれた本人は一人で食堂にいた。友達と待ち合わせでもしていないのだろうかと、気になったが美優は振り向いてこちらに向かって来た。
「菜夏!あ、祐希くんと拓真くん!?久しぶりだね、菜夏の知り合いだったの!?」
と、相変わらずのテンションで聞いてきた。
「と、とにかく座りなよ美優ちゃん。話はそれから聞くからさ……」
判明したことは、美優は俺たちと同じ大学に属していたこと。それから菜夏と知り合いだったことだ。1年ほど前から二人は知り合いだったらしく、よく食事にも行っているらしい。
俺と拓真はそのことを聞いてとても驚いた。その後も昼食の時間を過ごして、俺と拓真、菜夏の美優の二組に分かれて帰路についた。
俺は授業中に眼鏡をかけているのだが、授業が終わってからも今日はずっと眼鏡をかけていた。ただの気まぐれなのだが、拓真から言わせれば珍しいらしく1日中眼鏡のことについて話していた。
俺と拓真は喫茶店に寄ろうと思いつき、大学を出て駅近くの某喫茶店に向かっていた。丁度大学の建物を出て、道路沿いの方まで歩くと道路に真っ黒な車が1台停車していた。何の車かと思って、車を横目で見ながら拓真と俺は駅に向かって歩いていた。
「祐、希くん?」
すると、後ろから突然俺の名前を呼ばれた。振り返ると、久しぶりに顔を見たあの子がいた。
「あ……!さ、咲穂!」
仕事が終わり、大学の午後からの授業に参加しに来たらしいのだが、予定を何も確認せずに来たそうで丁度授業はなく、途方に暮れていたところらしい。俺たちが喫茶店に行くことを言うと一緒に行きたいと言うので、俺たちは3人で喫茶店へ向かった。
俺たちは無事に喫茶店で席をとることができたので、代わりばんこに注文しに行くことになった。
俺が頼んだのはアイスコーヒー(ブラック)、拓真はカフェラテ、咲穂はホットココアだった。
ホットを頼んだ咲穂は、ふーふーしながらココアを飲んでいた。
話が弾んだのは、咲穂の大学について。俺も咲穂が同じ大学にいるなんて思いもしなかったので、驚いていた。だが俺はあまり顔に出ないらしく、拓真の方が驚いていた。
それから俺の眼鏡の話。咲穂は俺の眼鏡を気に入ったらしく、『これからもかけてほしい』ということなので、少しくらいはかけることになるかもしれない。
駅に着いて家までの最寄駅に行く。3人とも同じ近所なので、拓真の家まで行きそこで拓真と別れ、俺と咲穂の二人だけになった。
「……ん」
咲穂の家に歩いていると、そっと咲穂が手を差し出してきた。俺の腰のあたりをつんつんっとつついてきて、なんともくすぐったい。おそらくは手を繋ぎたいということなのだろうが、少し焦らしてやろうかと俺の悪戯心が動いた。
「なんだよ?」
と、何も気づいていないフリをしていると、咲穂はぷーっ、と頬を少し膨らませもう一度つんつんしてきたので、俺は咲穂の手を握った。すると、咲穂は驚いた顔をして握り返してきた。そのまま家まで歩いていたが、その間はずっと静かだった。
数十分ゆっくりと歩き続けて、先に静寂をやぶったのは咲穂の方だった。
「来週の日曜日、あいてる?」
「あー、ちょっと待って……んーと、あぁ、あいてるよ」
スマホのカレンダーで予定を確認すると、何も予定が入っていなかったので了承すると、一緒に出掛けようと誘われた。
俺は軽く了承して、咲穂を家まで送り届けた。
次回はついに初デートです!