こんゆり 作:毬藻
今回は少しエロいかも……
作者の脳内が咲き乱れているよー。
のんたんイベが大変です……
5月に入った春の日――――――
初お出かけ当日。
俺は家のリビングで寝ていた。
前日の夜会の所為で、酔いつぶれた俺はそのままソファで寝てしまったのだ。
ハッとして起きたのは午前7時15分。咲穂の家に迎えに行くのが9時。ギリギリ起きた俺は、昨日の残骸(空缶、つまみの皿、箸など)を片づけ、洗濯をして8時。着替えや準備を15分、咲穂の家までを20分として残り30分ほど。ニュースでも見ようと思い、テレビをつけるとなぜか昨日の夜に拓真が持ってきた、そういうビデオが大音量でついてしまった。
「うわっ!ちょ、ちょま、え、えっと……はぁ……拓真、許さない……」
なんとかビデオをデッキから抜き、ニュース番組に切り替える。そのまま部屋に行って着替えと準備を済まし、25分まえの35分までニュースを楽しんだ。
まったりと住宅路を歩きながら、俺はヘッドフォンをして、音楽を聴きながらゆっくりと家へ向かっていた。
咲穂の家の前に着き、腕時計をみるとそこには【08:51】と表記してあり、かなり早くついてしまったため暇になっていた。ふと目についた表札を見ると、おしゃれな筆記体で『Hirayama』と書かれていた。一人暮らしのクセに、一軒家に住んでいる咲穂は金持ちなのだろうか。そんなことを想像していると、ガチャっと玄関のドアが開き、玄関から咲穂がひょっこり出てきた。
「あ、祐希!来てたんだー!おはよー!」
朝からテンションの高い咲穂の声は俺の頭にガンガン響いた。
まだ支度が終わっていないという咲穂なので、俺はしばらく待っていた。
咲穂が決めた出かけの行先は遊園地。大きな観覧車が一番人気の大型施設だ。
電車に揺られること数十分。遊園地に着いた俺たちはとりあえず入場券を買い、アトラクションに乗って楽しんでいた。
数時間して、施設内にあるファストフード店で昼食を食べてお化け屋敷に入った。
俺はまったくこういうのは平気なのだが、咲穂は苦手らしい。震えながらも、提案したのは咲穂だった。
中に入ると、仲は真っ暗で少しの照明が軽く光っているだけで道の奥は真っ暗だった。従業員の人から急に話しかけられ、お化け役でもないのにとてつもなく驚いていた。
「お客様は、カップル様でしょうか?」
と聞かれ、咲穂は戸惑いつつ話を聞いていた。要約すると、通常は二人は500円なのだが、カップル割というシステムがあり、300円になるそうで。それなりに所持金はあると思うのだが、咲穂は『か、カップル割で……』と、お金を払っていた。俺が払うと言ったのだが、涙目で断られた。ちなみにカップルだとライトの数も変わり、二人で1個と言う形になるらしい。
怖がる咲穂がねだるので、俺の左手と咲穂の右手を繋ぎ、俺の右手でライトを持つという形でスタートした。従業員曰く、追いかけてきたりして、途中退室もあるらしい。
ゆっくりな咲穂の歩調に合わせてゆっくり歩くと、まず通路に入る。結構長い通路では途中3回ほど白煙が噴出してきて、咲穂は既に絶叫していた。
進むごとに咲穂が俺の手を握る力が強くなっていき、横からお化けが飛び出してくると咲穂はその場にしゃがみ込んでしまって手におえなくなってしまった。
なんとか立たせて、先に進むと前に見えた張り紙に『もう少しでゴールだ!』と書いてあり、咲穂は『早くいこ!』と少し元気が出たようだ。
俺は最後だからお化けが追いかけてくると思っていたが、まず白煙ふしゅーがあって、お化けが俺たちに話しかけてきて、咲穂に好きな食べ物を聞いていた。咲穂は恐る恐る、『あ、あ、甘い物です……』と答えていた。
完全に怖がっている咲穂は俺の腰に抱き着いていた。なんとか進んでいると、予想通り後ろから『うおぉぉぉぉぉーーーーーー!!』とゾンビみたいなやつが追いかけてきて、咲穂は絶叫しながら出口へ先に走って行ってしまった。
外へ出ると咲穂は出口の所にしゃがみ込んで、この世の終わりのような顔をしていた。アイドルがこんな顔をしてよかったのだろうか……と心配になるレベルだ。
疲れ切った咲穂のために俺は夕方までメリーゴーランドなど、疲れないアトラクションを回っていた。しばらくすると、閉設時間30分前になっていた。俺たちは最後に観覧車に乗ろうと、乗り口へと向かった。
「よいしょっ、と……」
咲穂が観覧車に乗ると、ドアが閉まり上へと昇って行った。咲穂は俺の隣に座って、抱き着いてきた。何を思ったのかそのまま「うんしょ」と俺にまたがってきたのだ。
流石に混乱してしまった俺は、なんとか咲穂を引きはがそうとするが、しっかりと身体に手を回してしまっているので身動きが取れない。
きっともう頂上くらいだろう。あと半分、耐えるだけだ。
「な、ど、どうしたんだよ咲穂!ちょ、離せって……」
「嫌だよ」
と、俺の耳元に顔を寄せて囁いてくる。そのまま俺の手を自分の手で押さえつけて俺の身動きが取れない様にした。本格的に混乱してきた俺に咲穂は微笑んでまた囁いてくる。その息がくすぐったくて、もどかしい。きっと顔は真っ赤だろう。
「興奮する?それとも、ドキドキする?」
咲穂の囁き攻撃に俺は何もできなくなって遂には唇と唇がくっついてしまうくらいに顔を近づけてくる、俺は顔を引くが窓に頭が当たってしまい、本当に動けない。
「な……やめ……っ!」
「……!きゃっ―――――――」
本当にキスされるかというくらいで、俺は反射的に咲穂の腕を振りほどき、突き飛ばしてしまった。自分でもヤバいと思うが、咲穂の身体はそのまま床に倒れてしまう。起き上がった咲穂は涙と怒りのような顔を浮かべてこちらを見ていた。
「……あ、ごめん」
俺は謝ることしかできず立ち上がって咲穂の手を取ろうと手を差し出すが、パンっと手をはたかれて俺はその場で立ちすくんでしまった。そのまま咲穂は立ち上がり、丁度下に着いてドアの開いた観覧車から、飛び降りて行ってしまった。
「咲穂!」
俺は走って追いかけるが人ごみの中に入ってしまった咲穂を見つけることができず、電話を鳴らすがもちろん出ずに途方に暮れ駅に探しに行った。
走って駅まで向かい、駅構内を探し回るが咲穂らしき人はいない。流石にもう帰ってしまったのだろうか、俺はまた探し結局みつかることもなく家へと戻った。
家に戻る途中でも目を配り、連絡をするが応答はなく。
それから約1か月半、俺と咲穂が連絡をとることは無かった。
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観覧車を飛び出して、ヒールなのに走って駅まで走って走って。トイレに駆け込んで個室で永遠と泣いた。冷静になって、自分が悪いのはすぐ自覚できたけど、涙がとまんなくて、連絡する気にもならずに、ずっと泣いていた。
ひとしきり泣いて落ち着いたら、家の最寄駅の近くにある店でヤケ食いして、家帰ってシャワー入って布団に飛び込んだ。ふっかふかの布団が気持ちよくて、ひと肌みたいで、なんかまた泣けてきて。また泣いて、すっきりしたらやっと寝れた。
朝、携帯を見たら祐希からいっぱい連絡来てたけど、何にも返信しないで仕事の支度して。洗面所で自分の顔見たら、泣きあとで凄いことになってて。
それからずっと、嫌われたんじゃないかと思って、怖くて。祐希に連絡できずにいて。たまに大学で見かけたときの祐希の笑顔を見たら、すごい悲しくなって。なんにもできずにいたら、2週間くらいで祐希からメールも来なくなって。すごく怖くなって、それから1カ月くらい、ずっとずっと連絡はとらなかった。
なんか急に重い話に……
次回も二人の心境だけを描いた重い話になります。
ごめんなさい……
次回もよろしくです!