こんゆり 作:毬藻
「風呂、わいたぞ……?入ってこい」
寒そうな咲穂を風呂に入れるため、タオルを差し出す。咲穂は俺の顔を見て困ったような顔をする。
「下着とか、どうすんの……」
「咲穂が入ってる間に急いで洗濯するから大丈夫だよ。ほら、風邪ひくから」
と、風呂場まで連れて行き、無理矢理といわんばかりに風呂に入れた。
俺は咲穂が風呂に入ったのを確認して、洗濯をしてコートはドライヤーで乾かした。
夕食の支度をしつつ、風呂に目を見やる。水洗いが終わると、乾燥に切り替えてもう一度洗濯機を回す。水の跳ねる音が聞こえるから、大人しく湯船に入っているのだろう。風呂場から立ち去り、夕食の野菜炒めを作る。
風呂場の方から音がするので、乾燥が終わっているのかを確認しに行くと、丁度咲穂が風呂から出たところで、バスタオルを巻いた咲穂と鉢合わせしてしまった。俺は一応女だから咲穂の身体を見てもなんとも思わないのだが、咲穂は俺のことを男だと思っているため、顔を真っ赤に高揚させた。
「そ、そこの洗濯機に入ってるからな」
とはいえ流石に相手が恥ずかしがっていると、こちらも恥ずかしがってしまう。
台所に戻って弱火で野菜炒めを温めていると、髪を濡らした咲穂が出てきた。
そのままソファに座ってさっきのココアの残りを飲んでいた。
「今日は泊まって行っていいよ、豪雨だし、帰るの大変だろ?」
俺がそういうと、咲穂は申し訳なさそうな顔をした。
「悪いし、いいよ……大丈夫、ありがと」
と言って、帰ろうとする咲穂を俺は引き留める。
「ここにいろって、言ってるんだ。偶には素直になれよ」
「……!ご、ごめん」
俺が引き留めたことに驚いているらしい。驚きの表情を浮かべていた。
夕食を食べて、俺と咲穂はソファで一緒にテレビを見ていた。話を切り出すのを迷っていたが、先に切り出したのは咲穂だった。
「祐希……ほんとにごめんなさい。祐希から連絡あったのは分かってたんだけど、怖くてなかなか返信できなくてさ。観覧車の中で悪いのは、私だから。突き飛ばした祐希は当然の判断だったと思うよ?だれでも、あんなことされたら突き飛ばすと思うし……メールとかが来なくなって、私怖くなってさ……それで、さらに連絡できなくなって……それで、と、とにかくごめんなさい……だから、その、仲直り……しよ?」
下を向いたままの咲穂の顔を見て、俺は咲穂をそっと抱き寄せた。
「なっ……ゆ、祐希?」
急に抱き寄せられた咲穂は驚いていたが、少しすると俺の方に自分から体を寄せてきた。ゆっくりと抱きしめてから、俺は返答を返す。
「まず、俺はそこまで怒ったりしてないぞ……?突き飛ばしちゃったのは、普通に俺が悪いと思ってるよ。だから、仲直りなんてないって……これからもよろしくな」
それに咲穂は笑顔でうなずいた。
その日、俺と咲穂は無事に仲直りをした。
その後も一緒に出掛けたり、咲穂の初シングル祝いとかもやって、仲良く過ごしていた。夏に発売になったシングルは俺も購入した。
だが二人の関係性は、11月で大きく変わることとなる。
仲直りしたねー良かったねー(棒)
なんという祐希の心の広さwwwww
最近祐希が女ってこと忘れてました。
ほんとに女なの?