私の名は西木野真姫   作:イモリ

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この度、感想や評価、お気に入り等、予想以上に沢山頂いたので連載を始めたいと思います。
くっそ短いです。すんません。
たぶんすぐにでも次話は投稿するかと……


opus2:矢澤にこちゃん

 

『いち、に、さん、し!』

 

 

 

 今朝方にニュース番組で聞いたばかりの、UTX学園が誇るアイドルグループ『A-RISE』の曲に合わせて踊る女子高生五人を眺める。

 ここで私が取れる選択肢は幾つかある。

 

 一つ、原作の流れ通りに言葉を発する。

 私は本来ならこの曲に聞き覚えも、ましてやA-RISEなんてものすら知らない。よって彼女らのダンスを見て『何かしら余興の練習』かと疑問を発する。

 

 二つ、原作の流れとは違う言葉を発する。

 本来とは違い、今の私はこの曲も分かるし、A-RISEも知っている。現状、仮に私が『ラブライブ!』という作品を知らなければ、それについて言及してもおかしくはない。

 

 三つ、見て見ぬふり。

 要は素通りである。

 

「……ふむ」

 

 どうするべきか。

 

「あの子たち、UTXのファンなのかな? UTXほんとかわいいもんね」

 

 

 

 私に反応してきたーーー!

 

 

 

 まさか『……ふむ』に反応して原作と相違ない流れにするとは、恐れ入ったぞ矢澤にこ!

 ほれ、今も「にこだってー、ホントはUTXに入って本物のアイドルにー」とかなんとか喚いてやがる……!

 少しの驚愕と、少々の自信過剰に対する呆れを含んだ視線を彼女に向けるーーー

 

 

 

「…………」

 

 

 

 めっちゃかわいーーー!

 

 えぇっ、あの、これ、写メってよかですか?

 頭の横で結ぶツインテールじゃなく、下の方で結ってあって、少し動く度にゆらゆらと揺れ動くツインテールがやばい!

 あのシュシュだって、少し幼さを残しながら大人っぽさにも演出が入り、体の起伏とか諸々子供っぽさのある矢澤にこに完全にマッチしている!

 

 そう、その全てがーー私のどストライクだ。

 

「……?」

 

 あ、やばい。硬直した私に戸惑っている。

 

「ん、んんっ。UTXって、あのA-RISEの?」

「そうそう! 今最高に盛り上がってる学園アイドルユニット、A-RISE! 真姫ちゃん知ってるんだー」

 

 さり気に私を知ってるアピールしてくんなや。

 

「……なんで知ってるの?」

「えー? だってぇ、すっごいユーメイだよ? あの丘の上にある西木野総合病院のお嬢様で、頭もすっごいいいって」

「ふむ……」

 

 情報源はどこなんだろうな?

 こういう噂ってのは、何かしらソースがあるものなんだが。なんせ分かることといえば名字しかないわけで、噂になる程なら何か他の根拠もあるはず。

 

「ほらほらマッキー、こっち見て〜」

「ぅええっ?」

 

 はいっ、にこにー。

 

 唐突に腕を組まれたと思えば写メ撮られた。しかもツイ○ターにアップされた。

 思わずポーズ取ってしまったよ。

 

 いや違くて、何をしてやがりますか?

 愛らしい矢澤にこに腕組んで貰えて内心ドキッとしてカメラ向けられたから舞い上がった心が体を操作しポーズさせたとか、そんな事実はないぞ?

 そのポストを今すぐ消しなさい。

 

「これでもう本当のオトモダチになったんだしー!」

 

 

 そげな愛らしいこと言わないでくれます?

 内心アホなこと考えながら、表情では少し怒ってます的に仏頂面。

 

 と、駆け出した矢澤にこを追い掛けようとした、その時。

 

 

 

 ぽふっ。

 

 

 

 私の頭に何か乗っかった。

 

「……なにこれ?」

「い、今時ポンポン……?」

 

 頭に乗ったのはピンクのポンポンだった。

 

「うわぁ、ごめんなさーい!」

 

 こんなシーンもあったなぁ……。

 

 頭の上にあるポンポンを矢澤にこが取り除いてくれながら、そんなことを考える。

 この後はなんだっけ、勧誘受けるんだっけ?

 

「はい、どうぞ。穂乃果ちゃん」

「ありがと〜」

 

 ふぅ、と一息吐く。

 

 コレ以上は何かボロが出そうだ。朝のこともあり、既に疲れているし。

 二人が話してるのを横目にそそくさとその場を退散した。

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