騎士よ、音より早く追え -仮面ライダードライブ異伝・マッハ×チェイサーVS仮面ライダーW- 作:たんぺい
…いい、面構えだ。
スカルドーパントは、5人の戦士を見て、心底嬉しかった。
『仮面ライダー』が、立派に育ってくれた、と。
そして、ああ、コレでやっと、安心して逝ける、と。
「…行くぜ、フィリップ!」
「ああ、翔太郎…コレが、僕達の本気だ!」
フィリップがエクストリームメモリに吸収されて、そのままエクストリームメモリがベルト…Wドライバーに刺さる。
エクストリィィム!と、唸り現れた…緑と黒にシルバーのラインが入ったライダー。
仮面ライダーWサイクロンジョーカーエクストリームである。
「さあ、振り切るぜ…変ッ…身!」
竜のベルト、アクセルドライバーに竜はアクセルメモリを差す。
赤いオーラが周囲を巻き込み、アクセルッ!と言う音声から現れたのは紅いライダー。
仮面ライダーアクセルである。
「…変身」
シンプルに右手を水平に構えつつ、もう一つのマッハドライバー炎にシグナルチェイサーを差し込む。
シグナルバイク、チェイサー!と言う変身音と共に表れた、白亜のボディに紫のラインの入った、ライダースーツのようなライダー。
仮面ライダーチェイサーである。
「おりゃぁぁ!行くぜ、変身!!」
そして、剛が自身のマッハドライバーにもう一つの相棒を挿入する。
シグナルバイクにしてシフトカーたる矛盾する相棒、かつてのハートの力を想定して生まれた剛の最強兵力。
その姿は、仮面ライダードライブと仮面ライダーマッハをくっつけて割ったような赤と白が眩しい騎士。
己にダメージが跳ね返って来ても気にせぬリスク全開の『命がけ』…それこそが…
シグナルバイク、シフトカー!ライダー!デッドヒート!
仮面ライダーマッハデッドヒートである。
…凄いな
スカルドーパントは、呟いた。
きっと、皆『仮面ライダースカル』なんて片手で捻る程の戦士なんだ…スカルドーパントは思った。
…だが、俺も簡単に負けてやる訳にはいかないな、こっちは『俺』と『もう一つの俺』と、ついでに『失敗作』の3人がかりだ。
そう、スカルドーパントは密かに心に思いながら。
そして、スカルドーパントはスカルマグナムから、強大な重加速度の世界を発動させる。
かつての魔進チェイサーやハートが手に入れた絶対の世界。
自分だけが動ける、時が静止した世界。
紫電に囲まれた、無敵のフィールド。
メディックが生みだした、ロイミュード最強の力の一つである。
その力に巻き込まれた…一般人の亜樹子はもちろん、仮面ライダー達ですら、全く身動きが取れなくなる。
スカルメモリの意志を借りた『X』の、本気である。
…だが…
「しゃら………くせえぇえええええええ!」
剛は、自分のベルトを4回高速でたたき付ける。
バースト!キュウニ、デッドヒート!
そんな音声に合わせて、デッドヒートマッハから真っ赤なエナジーが溢れ出し、そのフィールドを吹き飛ばす。
それこそが…デッドヒート、命がけの先にある、仮面ライダーマッハの力の全開だ。
その本領発揮のダメージのリバウンドすら気にしない、音よりも速いスピードと高いエネルギーを剛は身に纏っていた。
…小手調べは、終わりだ
スカルドーパントは、4人のライダーに向けて、宣言する。
身構えるライダー達に、楽しそうに…そして、決意するかのように言った。
…男の、戦いだ!
そう言ったスカルドーパントはスカルマグナムを捨てて、4人に殴りかかる。
それを聞いた一同は、理解した。
Wは、翔太郎とフィリップは、自分の剣たるプリズムビッカーを地に置いた。
アクセルは、竜は自身の武器たるエンジンブレードを投げ捨てた。
マッハですら、自分のゼンリンシューターを投げ捨てた。
殴り合いが、始まった。
「…付き合えん」
チェイサーだけは、つまらなそうに、大斧シンゴウアックスを地に刺した。
マッテローヨ!と…誰を待っているかがわからない音声が虚しく響いた。
=============================
「俺は…亜樹子と結婚した!振り切らせてくれ!」
「今更、言うな!」
スカルドーパントと竜が、娘をめぐって殴り合いを始める。
「これがあんたの知らない、俺たちの、力だぁ!」
「…面白い、こい!翔太郎!フィリップ!」
Wエクストリームが、スカルドーパントに自分達の力を見せつける。
…そして、剛は…
「俺ァ…今だけは、あんたを、ドーパントともロイミュードとも仮面ライダーともおもわねぇ!」
「…ほう?」
「俺は…あんたを、今だけは本当の俺の親父だと思わせてくれ…それを、マッハで乗り越えてみせてやる!」
「面白い…貴様みたいな、息子を持った記憶は無いがな!」
そう言って、スカルドーパントに立ち向かう。
永遠に思える刹那の中で、スカルとマッハの拳が交錯する。
それは…まるで、本当に親父と息子の成長の確かめ合いのように。
彼らには、恨みも怒りも憎しみも、なかった。
ただ、2人の熱い、男が居た。
…そして…
「俺の勝ちだ、『鳴海荘吉』!」
「それは…俺の『相棒』の名前だ……俺は『スカルドーパント』、『仮面ライダースカル』ではあっても…それはもう1人の、俺の、名前だ」
剛は、スカルドーパント…仮面ライダースカルであり、鳴海荘吉の相棒だった…スカルメモリの化身を見下ろしていた…