騎士よ、音より早く追え -仮面ライダードライブ異伝・マッハ×チェイサーVS仮面ライダーW-   作:たんぺい

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第三話:追跡者

詩島剛が仮面ライダーWと邂逅する頃、ほぼ同時刻。

剛に遅れて、ある男が風都に到着した。

 

 

「これが、風都…」

 

重々しく口を開いたこの男。

メタリックパープルのライダースーツを纏い、漆黒のボディに髑髏が眩しい怪しくダークなバイクを引っさげている。

 

その瞳は非常に暗く、その表情は…受刑者にも死刑執行人にも思えるように、暗い。

 

ただ者ではない、その威圧感と異様さは、全身・全体から溢れている。

その男の名は、守護神…死神…仮面ライダー…

 

いずれも正解である。

だが、彼を呼ぶには、追跡…「チェイス」と言う言葉が、ふさわしかった。

 

 

かつては魔進チェイサーとしてドライブやマッハと幾度も戦い、更に以前のグローバルフリーズと言うロイミュードの一斉蜂起の際には仮面ライダーとして人を守り抜いたこの男。

現在はと言うと、それらの枷と宿命を乗り越えた結果…フリーになっている。

 

そして、それが故に、ドライブが動けない時には頼りになる…そんな3人目の、仮面ライダーだった。

少なくとも、ドライブこと進ノ介と詩島霧子…剛の姉である、特状課の婦警にてドライブの頼れる仲間の1人には、そうであった。

 

「チェイス、済まないが俺達の分まで…」

「戦って…剛の力になってあげて」

 

そして、ライバルと守護対象たる霧子の言葉には…

 

「…なるほど、わかった…任せろ、霧子!」

 

子犬のように、素直に応えようとした。

 

 

だが、剛を追いかけて、チェイスははたと気が付く。

 

何をどうしたら俺は力を貸せるのだろう。 

そもそも、俺はこの街の土地勘が無い。

地図の購入、そして剛の力になれそうな武器や差し入れは…俺は財布を持っていない。  

 

どうしよう、チェイスの中で、その言葉がぐるぐると、風都に到着したとたん巡り出す。

そして、思いついた。

 

「…警察は、困った時に頼れる場所だ…悪いヤツも、居ない」

 

警察か交番を探そうと。

そして、001やロイミュードに繋がっていた進ノ介の父親を殺したあの男はともかく…

チェイスは普段、特状課に世話になっていただけに、こんな感情を抱えていた。

 

そう思ってバイクを転がしていたら…警察署らしき建物を見つけた。

そして、そこには、赤いジャケットと赤いパンツが眩しい男が居た。

 

ちょうどいい…チェイスは話しかける事にした。

 

 

「…お前は、警察官なんだろ」

「いきなり失礼だな…何だ!」

 

少し怒ったように、赤づくめは答える。

…そうか、俺は今、失礼だったのか。

チェイスはそう思うと、謝り…そして『質問』しようとした。  

 

して、しまった。

 

「…不躾で、済まない、なれてなくてな…それより、この街の道を聞きたいんだが…」

「俺に質問するなぁ!」

 

…どうしたら、良いのだ。

チェイスは涙を流せないハズなのに、泣きそうになっていた。

 

 

一方、赤づくめの方も困っていた。

 

赤づくめの男の名前は照井竜と言う。

 

その男は、かつては家族の復讐に燃えて復讐心にとらわれたが…仮面ライダーWと共に戦い、成長する中で、

負の心にも負けぬ正義の力と警察官としての本分、更に嫁さんもついでに手に入れた…仮面ライダーだった。

彼は、アクセル…仮面ライダーアクセルと言う、もう1人の「バイクのライダー」でもあった。

 

そして、無口でクールな外面とハードな格好で誤解されやすいが…本質的には熱血漢で誰より優しい。

家族を奪われた際の復讐心も、だからこそと言う裏返しと言う一面があった。

だが、チェイスの物言いに…向こうはまったく悪気は無かったのだが…イラつくぐらい、気の短い一面もあった。

 

そして、この男…質問されると、反射的に、質問するな!と返す悪癖があった。

 

 

とはいえ、頭が冷えた竜は、少しならず困っていた。

 

…なんかカタコトみたいで、もしかしたらこの目の前の男は外国人か何かかもしれないのに、自分は言い過ぎたかもしれない…と言うか、何故、あっちは俺の物言いに怒りもせず固まるばかりだ…なんなんだ、俺が悪い…まあ、悪癖のせいだから俺のせいなんだけど、なんで無表情なんだ…止めてくれ、何かだんだん申し訳ない気持ちになるだろ…

 

…大方、竜の思考はこんな感じであった。

 

 

お互いがお互い、自分の周りにいないタイプだったからか、どうしたら良いかわからない。

困った事に、無口同士な上に根がお互い気を使うタイプな為に、謝罪のタイミングがお互いつかめない。

 

心の中で、チェイスも竜も、自分の大事な女性に助けを求めていた。

 

 

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同時刻、裏路地、剛と翔太郎が居る場所にて。

 

「…って、ツッコミ不在過ぎるわ!なんだこの空間!」

「どうした剛、いきなり!」

「…俺じゃなくても言いたくなるだろ左先輩…」

 

亜空間から剛がいきなりツッコミつつ。

 

 

それはそうと、剛は自身の知る情報を翔太郎に話した。

自分達が戦っているロイミュードと言う機械生命体が居て、風都に潜んで居る可能性が高いと。

 

なるほど、と翔太郎はつぶやきながら、ポツリと漏らした。

…まるで鏡だな、と。

 

 

どう言うことか、と言う剛に対して、翔太郎は答えた。

 

「俺達が戦って…そして、俺達の力でもあるガイアメモリは、ざっくり言えば『人間が化け物の力を目指す』、そして、その…ロリコング?」

「…ゲンさんかよ、確かに話はあいそうだけどさぁ…ロイミュード、です」

「…そうそう、ロイミュードは、曲がりなりにも『人間になりたい化け物』みたい…だよな」

 

反射的に、剛はそれは違うと言いそうになる。

ロイミュードは、人に擬態しただけの…醜い怪物だ!と。

 

しかし、翔太郎は自分で言って、ふと気が付いたような表情をすると、クワガタ虫のような形のロボットを手から取り出す。

それは、ガラケーのような姿に変化するのを見届けると、翔太郎は剛を無視して電話を始めた。

 

 

『もしもし、翔太郎…良いデータは入ったかい?』

「そうだな、ロイミュード…いや、バイラルコア、で検索かけてくれ」

『はいはい、相変わらず翔太郎は人使いが荒いよね…じゃあ、検索を開始しよう』

 

…電話の相手、フィリップは、地球の本棚…この星のデータベースへと、トリップした。

 

 

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