騎士よ、音より早く追え -仮面ライダードライブ異伝・マッハ×チェイサーVS仮面ライダーW-   作:たんぺい

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第四話:地球の本棚

…相変わらずの人使いの荒さだよね。

フィリップ…本名、園咲来人(そのざき・らいと)は頭を抱える。

 

その中性的な、長髪の独特な雰囲気の少年は…何もせず、ある倉庫に立っている

それは、仮面ライダーWの秘密基地にて左翔太郎の仕事場。

リボルギャリーと言う、Wが利用する、移動要塞のメンテナンス施設であった。

 

そして、そこで陣取り、フィリップは…ただ目を瞑るだけである。

更に、一言だけ呟く。 

…さあ、検索をはじめよう…

 

 

そして、まるで夢の中のような、精神世界がフィリップの前に現れる。

真っ白な世界の中で、本棚が文字通り、無限に宙を踊って居る。

それが…世界中で、唯一フィリップがアクセスできる地球そのものの記憶。

 

地球(ほし)の本棚である。

 

 

…さて、改めて、今まで集めた情報から始めよう。

 

その中に、いきなりフィリップの相棒たる男の、翔太郎の声がした。

 

ふぅ、とフィリップはため息をつき、その両手を広げる

そして…集中する、相棒の言葉へと。

…そうしないと、いろいろ目移りしそうだから。

ハラカンダ、ミラーワールド、シャルモン、面影堂…僕が知らない言葉がまだまだ無限に浮いてるよ。

フィリップは誰にもしられない様に…一言だけぼやいた。

 

 

…まずは改めて言う事じゃないが、『鳴海荘吉』。

 

ぶぉん、という音と共に本棚が一気に整理される。

すると、どうだろう…

地球の本棚から、その鳴海荘吉…自分達の恩人…彼の情報のみに絞られて、本棚が現れる。

…それでも、その情報は無限大である。

鳴海荘吉本人どころか、ちょっとでも彼が関わった、数々の事件や同級生の記録…

どこから地球の本棚がひっかけたのか、「よくわかるシンバルキックの世界」なんて本すら見える。

   

何故だか、その本だけは、後で読みたいようなそうでないような…

フィリップはそんな感想になる。

 

 

…次は、『スカルメモリ』。

 

そして、その中で、因縁深いガイアメモリ。

骸骨・骨格・頭蓋骨…そんな地球の記憶のガイアメモリの記憶に更に絞られる。

 

フィリップと翔太郎にとっては、あまり思い出したくなく、そして…大事な記憶だ。

 

 

…最後に、『バイラルコア』。

 

ぶぉん!と良い音がして、フィリップの目の前に一冊の本が現れる。

…つまりこれか、とフィリップか1人ごちる。

そう、それこそが自分が、否…2人が求めたこたえ。

 

…記憶~鳴海荘吉~…

そう書かれた、一冊の本である。

 

 

「ふむ、これを翔太郎に伝えろと…」

 

その本を読み終えたフィリップは、そんなことをポツリと漏らした。

 

フィリップと言う男は、優しく知恵も回るが…尊大で空気は読めない。

それでも、翔太郎と言う自身の半身には、最大限彼なりに気を使っている。

 

ハードボイルドには程遠い、半熟温泉玉子野郎…ハーフボイルドな自分以上に情が深い、優しい男に…

これを伝えれば、彼は泣いてしまうかもしれない。

フィリップはそう考える。

 

 

…どうした!フィリップ!しっかりしろ、フィリップ!

 

でも、一時間ぐらいずっと無言を貫いただけで心配しだすこの男。

自分以上に…街を泣かすモノは許さない。

少なくとも、彼は、その信念の為なら…自分が傷付くことすら恐れない。

本当の優しさを持った、『仮面ライダー』だと、フィリップはおもっている。

 

ふぅ…と、フィリップがため息を吐くと、翔太郎に向けて言った。

 

「すまない、ちょっと興味深すぎて没頭しすぎたよ翔太郎…それより、剛君…だっけ?彼とも話が有る、すまないがスタッグフォンをスピーカーモードにしてくれ…」

 

そうして、地球の本棚すら出て現実世界に戻ったフィリップは、話をはじめた。

 

 

==========================

 

 

 

同時刻、裏路地。

 

『検索は完了したが…とりあえず翔太郎、そして剛君、大事な話がある』

 

 

フィリップの『検索』が一時間弱ぐらいして終了した後、フィリップは電話から、スピーカーを通して話を始める。

そして、開口一番、こう質問した。

 

『君たちにとって、事件の解決って何だい?』

 

 

いきなり、この人は何を言い出すのだ?

剛も翔太郎も、唖然とする…変な哲学書でも影響されたのか。

だが、その声は真剣そのものだった。

 

剛も翔太郎も、その質問に答えた。

 

 

「『敵をぶっ潰す!』俺にとって仮面ライダーはそうだ、姉ちゃんを泣かせて進兄さん達真面目に生きてる奴を困らせる…そんなヤツは許さねぇ!だから、俺は敵をぶっ潰す事が解決だと思う」

 

剛がはじめに答える。

そして、次に翔太郎が言う。

 

「『街を泣かせない方法を考える』、俺達、仮面ライダーWはそう言うライダーで、それが俺達、鳴海探偵事務所のやり方…だろ?」

 

 

そんな2人の答えに、ふむと漏らしたフィリップは次の瞬間、こう答えた。

 

「まるで正反対に見えて、その実…君たちは心根は同じ、優しさと護るための意志から来ている…方法論が正反対になるのが実に興味深いね」

「フィリップ…お前こんな時に…」

「ああ、翔太郎…だったらね、この事件の簡単な解決策だけ先に教えよう」

 

 

一週間ぐらい、事務所にこもって…のんびりコーヒーでも啜れば良いよ。

 

 

そんなフィリップの答えに、剛も翔太郎も意味がわからず顔を見合わせた。

 

 

 

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