騎士よ、音より早く追え -仮面ライダードライブ異伝・マッハ×チェイサーVS仮面ライダーW-   作:たんぺい

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第七話:集結

「フィリップさん…って言ったか、あんた、いい加減にしろよ!」

 

 

フィリップの長い長い話が終わると、最初に噛みついたのは剛だった。

彼の手は、怒りにぶるぶると震えており、その瞳もつりあがっている。

 

剛は、その怒りをフィリップにぶつけた。

 

「何が魂が刻まれたガイアメモリだ、もう1人の『仮面ライダースカル』だ…いい加減にしろよ!適当なこと言って戦意を鈍らせたいのかよ!あんた一体…左さんの何なんだ!」

 

剛の怒り…それは、翔太郎の事を想えばこそだった。

 

信じがたい話の連続によるショック。

そして、翔太郎にとって大事な男の復活。

それらは、翔太郎にとっては戦意を鈍らせて苦しませるだけではないのかと。

 

剛と言う男の本質は、単純に…翔太郎の様に優しいお人好しでもあった。

 

 

だが、フィリップは、泰然と返した。

…君に翔太郎の何がわかる、と。

そのまま、フィリップは剛の怒りに答えた。

 

「翔太郎は、例え僕が犯罪者になっても…苦しんで、悲しんで、それでもその犯罪を止めにいくだろうね…それこそが、柔らかいからこそ、誰からも愛される『ハーフボイルド』左翔太郎と言う男だ…仮に、誰が相手だろうとその信念はまげない、ならば僕は翔太郎の信念には答え続けたい」

 

 

嘘は…翔太郎に絶対に僕はつかない。

 

 

凛と通る声で、宣言した。

剛は、その声に、圧倒されていた…。

 

 

それから、ふいに、翔太郎が口を開いた。

 

…あのおやっさんは、やっぱり俺たちの知っているおやっさんなのか、と。

フィリップは、君にとってはきっとそうだ、と優しく答える。

 

…あのおやっさんは、何が目的で犯罪者狩りをしているんだ

翔太郎の次の疑問に、それを知るにはキーワードが足りない、とフィリップは冷たく突き放す。

 

…あのおやっさんを、救う手立ては無いのか

翔太郎の絞り出すかのような叫びに、恐らくそれは無理だろうし生き残らせる手立てがあっても用意できない、と悲しくフィリップが言う。

 

…あのおやっさんは、倒すべきなのか

翔太郎の最後の疑問に、フィリップは、君に任せると返した。

僕以上に『鳴海荘吉』を知っている君に任せる、と。

 

そして、フィリップはこう付け加えた。

 

『僕個人としてはね、あの鳴海荘吉と君が戦うのは見たくない…なんならファングを使って戦え、と命令しても僕はしたがうよ、君とその師匠の帽子の絆は、僕の思う以上に深いから…決断しようか、ほっといて自壊するのを待つか、僕をメインに戦わせるか、それとも君が戦うか、だ』

 

 

残酷な事言いやがる、剛は内心吐き捨てる。

 

だが…誰かが、絶対に言わないといけない話だ。

…残酷な事を、相棒に言わせやがる、そう剛は付け加えた。

 

だが、翔太郎の出した答えは…いずれでもなかった。

 

 

「…俺には、どの選択肢を選ぶ事もできないよ、フィリップ」

『翔太郎、キミは…』

「だって、俺たちは2人で1人、俺だけで先走って決断して…失敗するのは、もう嫌だ…だから、2人で逢いに行こうぜ!そのおやっさんにさ、それから決めよう!」

『…わかった、それは、きっと君と僕の、極限…の選択なんだね』

 

 

2人でその『鳴海荘吉』に会って決着を付ける。

コレが、翔太郎の出した選択だった。

 

…恐らく、最も己が傷つく選択肢だろうな、と剛は思う。

だが、恐らく最も己が納得する選択肢だろうとも、剛は感じた。

そして、それを受け入れるフィリップが、かっこよく見えた。

 

…進兄さんとベルトさんもきっとこんな感じだろうな、と剛は小さく笑い、

自分のベルトが、少しだけ寂しく思えた。

 

 

そんなおり、調子外れな女の声と、やたら渋い男の声が、その場に響き渡る。

 

「チェイスくん…ここよ、翔太郎やフィリップくんがいる場所は!」

「…ありがとう、いつか、礼はちゃんとする」

 

その声は、Wとマッハと言う、2人の仮面ライダーの天敵のものだった。

 

「亜樹子…!?なんだそのまっ紫な男は!?」

「チェイス、おまえその女は誰だ!?」

 

亜樹子とチェイス、それぞれ、あらゆる意味で苦手ながら…それ以上に最も信頼している相手でもあった。

 

「俺に…質問するなぁぁぁぁぁぁ!」

「いや、お前にしてねえよ!」

「そもそもアンタ誰だよ!」

 

後、ついでに何か竜も混じっていた。

 

 

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実は、チェイスと竜がにらめっこして暫く経ったころ。

 

竜の新妻たる亜樹子は竜の職場に弁当を持って行こうと警察署に着ていた。

そしたら、玄関先で何か怖そうな男に夫が睨まれている。

 

事件なのかと身構えていた亜樹子なのだが…何か様子がおかしい。

2人とも、なんか冷や汗だらだら流してないか、コレ…と。

 

意を決した亜樹子は、その男に質問した。

何やってるの、と。

 

 

「…俺は、警察署の人間に、道を聞こうとした…だが、ダメだった…この街では、警察に質問したらいけないらしい…」

「んな訳あるか!」

 

どこから取り出したのか、「難波の美少女仮面」とかかれた便所スリッパでチェイスをはたく。

そして、夫は、更に容赦なくしばかれていた。

 

「何やってるの!竜くん、本当に何やってるのよ!」

「いや、すまん、本当にすまん!」

 

 

それから。

亜樹子のフォローにより、チェイスの誤解が解けたところで、チェイスは己の目的を伝える。

 

すると、竜は意を決したように話した。

 

…恐らく、その男がお前の思う様な有能な人物なら、きっと左に逢っているハズだ。

 

俺も「仮面ライダー」なんだ、付いてくるか、と竜に言われたチェイスは、亜樹子と3人で剛と翔太郎の居場所へと急行したのだった…。

 

 

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「…何、チェイスに頼んでるんだよ、姉ちゃん…」

 

剛は天を仰いで、額へ手を乗せる。

…姉ちゃんがチェイス好きなのは知ってるけど、俺があいつ苦手なのも知ってる癖に

そんな感想で剛の頭はいっぱいであった。

 

 

…そんな、集結した仮面ライダーたちを、物陰から骸骨が覗いていた…

 

 

 

 

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